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「Rule the Waves 3」プレイ日記:日本・日清戦争編 第2回

Rule the Wavesシリーズ

海軍戦略・戦術シミュレーションゲーム「Rule the Waves 3」を日本で遊ぶプレイ日記で、1890年スタートからの日清戦争を取り上げます。今回はゲーム開始時の戦略の策定と演習から。

前回:日本・日清戦争編 第1回


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前回のまとめと今回の予定

第1回ではプレイ環境や開始時の状況の確認、開始時に行う変更について触れました。

第2回の今回は戦略の策定、演習、軍備計画の策定、戦艦の設計を行っていきます。

戦略の策定

左の地図にある国旗はそれぞれの国の領土(灰色は中立国)。中央のNational dataはゲームに登場する9か国の海軍の概要。

戦略の策定というと仰々しいですが、要は今後どのようなことを目指して海軍を運営していくかを考えるということです。現状最大の問題は、北東アジア海域において競合関係にある清とロシアに対して海軍力が劣勢にあるという点です。現時点ではこの2か国に対して自国の防衛すら困難な状態なので、長期的には海軍を増強する一方、短期的には列強のいずれかと同盟を結ぶことを目指します。

ではどこと同盟を結ぶかですが、まず清とロシアは日本の進出先でもあるため、同盟を結ぶと勢力拡張が難しくなります。この2か国以外では、同盟候補筆頭に挙がるのが圧倒的海軍力を持つイギリスでしょう。少々の犠牲を払ってでも、イギリスとはぜひ同盟を結びたいところです。フランスも悪い相手ではありません。

というわけで、当面はできればイギリス、イギリスが無理ならフランスと同盟を結び、清とロシアに対抗することを方針として行動していきます。

海軍では早急に清とロシアに対抗できる艦隊戦力を整備しなければなりませんが、具体的にどういった艦船を建造すべきなのか、それ以前に現時点で海戦が発生したらどのような展開になるのかを、演習を行って確認してみましょう。

(プレイヤーである私は、1890年代には中小口径砲による榴弾大量射撃で戦闘不能にするのが有効であることを知っています。しかしこのプレイ日記では、予備知識ではなくゲーム内の根拠に基づいて対応を変えていくというやり方をとることにします)

艦隊演習

演習は双方なるべく平等な戦力となるように、今回は味方に戦艦と装甲巡洋艦1隻ずつ、敵に装甲巡洋艦2隻、防護巡洋艦は双方に3隻ずつ配分しました。

敵と比べてこちらは速力で劣る一方、砲門数も装甲も上回っているため、敵装甲巡洋艦をひたすら追い回す戦いとなりました。速力で劣っていると、敵が劣勢の場合は取り逃がし、敵が優勢の場合は逃げられないという展開になるため、今後建造する艦船は敵より優速のものにする必要がありそうです。

最大の損害を与えて中破判定となった敵の装甲巡洋艦「常磐」のログを見てみます。早い段階で機関室に命中弾を与えることができているのに、貫通弾ではない(BやBEなどの命中部位符号の後に「*」がついていない。詳しくはWiki参照)ためにそれほど速度が低下せず、その後も命中弾があるにもかかわらず、有効な損害を与え切れないまま逃げられています。

こちらの旗艦である戦艦「扶桑」のログを見てみると、そもそも主砲と副砲の命中弾は合わせてわずか3発。命中率は9インチ主砲で1.75%、8インチ副砲で2.17%と、恐ろしい低さですが、敵の装甲巡洋艦「常磐」も似たような数値です。

まず十分な速力を確保して敵との接触を保てるようにした上で、どれだけ多くの弾を敵に浴びせることができるかというのが問題になりそうです。とにかく弾が当たらず、砲戦は4,000ヤード未満の接近戦が中心となっているため、この交戦距離での砲口径と装甲を特に考慮する必要もあるでしょう。次の艦船設計時には、このあたりを気を付けることにします。

これで開始時にやりたいことはすべて済んだので、ターンを送ります。

1890年

3月

中国で革命が発生する中、邦人が取り残されているとのこと。ここは多国籍部隊に参加し、暴力を封じ込めます。

その結果、早くもロシアとの緊張度が危険水域に突入。全艦艇に動員をかけ、特別訓練も開始します。

特別訓練は砲撃と夜戦を選択。魚雷の射程が現時点では短すぎるので、魚雷より夜戦を優先します。

10月

ロシアに加えて清とも緊張が高まる中、高千穂型防護巡洋艦「橋立」が就役。少し頼りない性能に思えますが、艦船には数も必要です。性能の要目は以下のとおり。

  • 主砲:4インチ単装砲6基
  • 副砲:2インチ単装砲6基
  • 魚雷発射管3基(側面+前方、画像には表示なし)
  • 舷側(Belt)装甲2.5インチ
  • 速力20ノット
  • 排水量3,200トン

これに合わせて、高千穂型防護巡洋艦2隻で第2防護巡洋艦戦隊を編成します。

11月

続いて浅間型装甲巡洋艦「磐手」が就役。こちらは合計砲門数22門と頼りがいのある攻撃力ですが、舷側装甲が薄いようにも思えます。

  • 主砲:8インチ単装砲2門
  • 副砲:6インチ砲郭砲8門
  • 補助砲:3インチ単装砲12門
  • 魚雷発射管4基(側面)
  • 舷側装甲3.5インチ
  • 速力20ノット
  • 排水量6,300トン

これに合わせて、浅間型装甲巡洋艦2隻で第2装甲巡洋艦戦隊を編成します。

1891年

2月

四四艦隊計画

ゲーム開始時に既に建造中の艦船が就役して予算に余裕ができたので、このあたりで今後10か年の海軍軍備計画として「四四艦隊計画」を考えることにします。これは現在戦艦4隻(さらに3隻が建造中)・装甲巡洋艦2隻を擁する清国海軍と伍することを目指し、かつ日本の国力から見てそれほど無理のない海軍を建設しようとするもの(という脳内設定)です。

10か年というのは、ゲームシステム上は就役から10年超で老朽艦とされるためです。「四四艦隊計画」では、計画した最初の艦船の設計から10年間で戦艦4隻・装甲巡洋艦4隻を整備することを目指します。大まかには2年半ごとに戦艦2→装甲巡洋艦2→戦艦2→装甲巡洋艦2と就役させていき、補助艦(防護巡洋艦以下の艦種)はその合間に適宜建造していきます。

戦艦建造

さっそく最初の戦艦を建造しましょう。

予算の計算

画像右側が海軍予算。上から年間予算・月間予算・維持費(左は実際額、右は最大額)・建設/建造費・航空機費・研究費・特別訓練費・諜報費・支出合計・月間収支・余剰金。

新型戦艦設計に先立ち、戦艦建造に使用できる費用を計算します。月間予算額から維持費や研究費など恒常的に発生し得る経費の最大額を差し引いた残りを建造費用の上限とすることにします。あまり高い戦艦を設計しても、費用不足で建造を何度も止めることになりますし、そうすると就役が遅れ、せっかくの先進的な設計が生かせなくなってしまいます。また、建造を止めている間にも少額の費用は発生してしまうので、予算面でも非効率です。

今回は7,360(月間予算額)-1,187(維持費の最大額。2つある欄の右側の値)-883(研究費)-328(特別訓練費)-1,440(諜報費の最大額)=3,822を戦艦の建造に充てます。諜報費を最大額の1,440(=1レベルあたり60*3段階*8か国)で差し引いていますが、これは実際の使用額との差額を予備費とするためで、実際にはそんなに使いません。補助艦も建造する必要があるので、使える予算を全部使ってしまうと補助艦が揃わなくなってしまいます。

今回は2隻建造予定なので、3,822/2=1,911/月を1隻当たりの上限とします。

要求性能の決定

新型戦艦が勝利すべき目下最大の敵は、清国海軍の戦艦「鎮遠」型です。さらに大型の戦艦「康定(Kang Ding)」型も建造中ですが、こちらは情報がありません。判明している鎮遠型戦艦の性能は以下のとおり。

  • 主砲:12インチ連装砲2基4門(梯形配置)
  • 副砲:6インチ砲2門
  • 補助砲:2インチ砲8門
  • 魚雷発射管3基
  • 舷側装甲10インチ
  • 速力15ノット
  • 排水量7,900トン

戦艦なので12インチ主砲に耐える装甲を積む必要があるでしょうし、速力も最低16ノットはほしいところです。10インチの舷側装甲を貫通できる大型の主砲も必要でしょう。

インペラートル・ピョートル・ヴェリーキー型戦艦「ツェサレーヴィチ」

同時にロシアも仮想敵国なので、ロシアの戦艦も見ておきましょう。ロシアが保有する最大の戦艦はインペラートル・ピョートル・ヴェリーキー型で、性能は以下のとおり。大国ロシアの国力を象徴するような堂々たる戦艦と言えるでしょう。

  • 主砲:12インチ連装砲3基6門
  • 副砲:6インチ砲6門
  • 補助砲:2インチ砲10門
  • 魚雷発射管5基
  • 舷側装甲12インチ
  • 速力16ノット
  • 排水量12,000トン

こちらは速力が16ノットあるので、新型戦艦にはこれを凌駕する17ノットがほしいところです。演習では命中率の低さを砲門数で補う必要性が示唆されましたが、そうすると副砲・補助砲の砲門数の多さも脅威になるでしょう。合計で22門より多くの砲を搭載したいところです。

上記をまとめると、新型戦艦の要求性能と制約は以下のとおり。

  • 主砲:12インチ装甲を貫通可能
  • 副砲・補助砲:主砲と合わせて合計で22門以上
  • 舷側装甲:12インチ砲に耐えること
  • 速力17ノット以上
  • 1隻当たりの費用上限:1,911/月以下
新型戦艦の設計

これを踏まえて設計したのがこちらの富士型戦艦。性能の要目は以下のとおり。

  • 主砲:13インチ連装砲2基4門(12インチ装甲は貫通不可だが、そもそも可能な砲が開発されていない)
  • 副砲:6インチ砲郭(Casemate)砲8門
  • 補助砲:3インチ砲郭砲16門(主砲から補助砲まで合計28門)
  • 魚雷発射管2基(側面)
  • 舷側装甲8インチ(12インチ砲に耐えられる)
  • 速力17ノット
  • 排水量13,400トン
  • 費用:1,788/月(費用上限の1,911/月以下)

演習では砲の命中率の低さが目立ちましたが、では小さな主砲を搭載すべきかと言えばそれも実戦で実証されていない以上はリスクがあります。国家の命運を賭けた戦艦なので、保守的に考えて主砲には大きな砲を搭載することとしました。

舷側装甲以外の装甲は、甲板(Deck)装甲は想定する砲の貫通装甲厚から設定、司令塔(Conning tower)と主砲塔(Turret)は舷側装甲と同じ装甲厚、それ以外は舷側装甲(Deck extendedは甲板装甲)の半分の値と機械的に設定するのを基本としています。

建造はイギリスに発注し、就役までは設計3か月、建造25か月、計28か月の予定。計画どおりなら1893年6月就役予定です。

5月

富士型戦艦の設計が予定どおり完了し、戦艦「富士」「八島」の2隻を起工。この2隻にはまさに日本の命運がかかっています……。


今回は国家戦略の策定、演習、四四艦隊計画始動、新型戦艦の設計を行いました。次回はできれば新型補助艦(防護巡洋艦)の設計・建造を行うことを考えています。

次回:日本・日清戦争編 第3回

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コメント

  1. 読んでて面白い
    こう考えたからこういう計画を立てるみたいなロールプレイが得意な人にはめちゃ向いていそうなゲームですね

    • ありがとうございます。確かにそういう方はかなり楽しめるゲームだろうと思います。
      その一方で、特に深く考えず気を抜いて遊んでもしっかり面白いと思いますので、ご興味がある方にはぜひやってみていただきたいゲームです。私も普段はもっと気楽に遊んでいます。

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