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「Cities: Skylines II」開発日記#5――都市サービス

Cities: Skylines II

2023年7月17日、「Cities: Skylines II」開発日記#5が公開されました。本記事ではその内容を紹介します。今回は都市サービスについて。本体リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#4――区画と特徴的な建物


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開発日記

開発日記#5は、都市サービスについて。

  • ゲーム内で利用可能な都市サービスは基本的な機能こそ変わらないが、よりリアルな都市建設ゲームにふさわしい、細かな差異があり複雑な仕組みとなっている。
  • 都市サービスは地区に限定することができる。地区はより詳しい情報が利用できるようになり、都市運営がより容易になる。政策は都市全体に割り当てることも、地区に直接割り当てることも可能だ。

概要説明として、いつものように動画が公開されています。

都市サービス

  • 「Cities: Skylines II」でもプレイヤーの仕事は市民の生活の質を高め、幸福をもたらし、安全を守るさまざまなサービスを市民に提供することだ。前作ではさまざまな種類のサービスをまんべんなく提供することが求められたが、今作では市民のニーズを把握し、適切なサービスや買い物する場所のようなその他の活動を提供してそのニーズを満たすことが完璧な都市への道だ。もちろん、さまざまなサービスを都市全体に配置することもできるが、コストがかかり、そうすることで得られる恩恵は全体としてみれば小さなものに留まる。
  • 前作では都市サービスが直接地価を高めたが、今作では都市サービスは地価に間接的な影響しか与えない。というのは、都市サービスは都市に住む市民や企業のニーズに応えるもので、その結果としてその地域でより高い家賃を支払う意欲が高まり、彼らのレベルが上がり、地価が上がるためだ。地価について詳しくは前回の開発日記をご覧いただきたい。
  • さらに、すべての市民が同じニーズを持っているわけではない。高齢者は自由時間が多く、その自由時間を過ごせる場所に価値を感じる。子供のいる家庭は学校のある地域に価値を感じる。働く世代の市民は通勤しやすい場所で住居を探す。企業は効率と利益率を高めるサービスに価値を感じる。市民のニーズは家族の幸福アイコンの上にカーソルを置くことでその世帯の選択された情報パネル(SIP)から確認できる。企業のニーズも同様に企業の効率値の上にカーソルを置くことでSIPから確認できる。

サービスの種類

道路と道路整備

  • 道路は水道管や電線が下にあらかじめ敷設されているため、基本的なインフラとなっているが、道路の状態は車両が走行することで劣化し、走行速度が低下するとともに交通事故確率が上がる。道路の状態を良好に保つには道路整備施設(Road Maintenance Depot)が必要であり、これは市内を巡回・補修する道路維持車両を送り出す。道路について詳しくは道路ツールに関する開発日記をご覧いただきたい。

電気

ガス火力発電所は都市に電力を供給する選択肢のひとつだ。

  • 電気はほとんどの建物が機能するために必要で、電気が長い間不足すると市民は転出し、企業は機能を停止して最終的には倒産する。今作では環境に優しく持続可能だがかなり高価な風力発電機・太陽光発電所・地熱発電所・水力発電所、汚染を引き起こす石炭火力発電所・ガス火力発電所など、さまざまな発電所がある。原子力発電所は原子の素晴らしいエネルギーを象徴するもので、高価だがどんな都市にも十分な電力を供給する。

水道

市民が病気になるのを避けるため、取水場の近くに汚染がないことを確認しよう。

  • 真水がない場合、市民は不幸になり、企業は効率が大きく低下して機能を停止する。また、都市サービスそのものも有効性が大幅に低下する。地表水(Surface water)は前作と同じく開かれた水源から汲み上げることができ、水質は下水によってもたらされる水中の汚染から影響を受ける。一方、今作では地下水(Groundwater)がまったく異なる機能をする。マップ上の任意の場所に給水塔を設置して地下水を汲み上げていた前作と異なり、今作のマップには真水で満たされた地下水埋蔵域がある。こうした貯水域は水の回復速度に限りがあり、土壌汚染の影響を受けやすいため、水の供給は適切に計画しよう。
  • 今作では下水(Sewage)は水道網から汲み出されて下水排水口から開水域に排出されるか、下水処理施設で浄化されたあと真水の水道網に戻されるかのいずれかになる。処理された廃水から集められた汚染物質は固体の廃棄物となり、都市のごみ処理場に運ばれる。電気と水については来週の開発日記で詳しく説明する。

医療と遺体処理

健康研究所(左)で市民の健康を増進し、病院(右)で地域に医療サービスを提供する。

  • 医療と遺体処理は前作と同様に機能する。診療所と病院は病人に医療を提供し、自力で医療施設に行けない場合は救急車で搬送する。さらに、医療サービスは周辺地域の市民に恒常的な健康ボーナスを提供し、救急車は交通事故に対応して負傷者を医療機関に運ぶ。

墓地は市民に最後の安息の場を提供し、彼らの幸福度も高める。

  • 遺体処理は故人を霊柩車で墓地や火葬場まで運び、最後の旅支度をする。市民は高齢、健康度が下がりすぎた場合、交通事故に巻き込まれた場合、放棄されたり自然災害に見舞われた建物が崩壊するときに中にいた場合に死亡することがある。
  • 市民の健康度は世帯が使用する資源の有無とその消費量、医療の有無によって正の影響を受け、さまざまな種類の汚染、過去の病気や怪我、収集されていないごみによって負の影響を受ける。病気の市民は職場に貢献できないため、会社の効率にも影響する。

ごみ

埋立地(右)は貴重な土地を占有する一方、リサイクルセンター(左)や焼却場はごみを迅速に処理する。

  • ごみの蓄積には建物や区画の種類、建物のレベルや規模、市民の教育レベルなどが関係する。高いレベルの建物ほどごみは少なく、教育レベルの高い市民でも同様だ。ごみは埋立地やその他のごみ処理施設を建設することで処理されるが、こうした施設は周囲を汚染し、ごみ焼却場は大量の大気汚染も引き起こすため、都市に影響を与えないよう住宅地から遠く、できれば風下に建設すべきだ。こうしたごみ処理施設はごみ収集車を出して建物からごみを集め、処理のために持ち帰る。埋立地はごみを保管し、ゆっくりと処理するだけだが、ごみ焼却場はごみを燃やして電気に変える。リサイクルセンターはごみから使用可能なものを分離し、製造業が商品や製品を生産するために使用できる資源に変える。

教育と研究

  • さまざまな年齢層に対応した学校を建設することで、市民に教育を提供できる。子どもは小学校に通えるなら必ず通うが、若者や大人は学校に通うか働くかを選ぶ。若者は高校に入ることができ、大人は単科大学か総合大学のいずれかに入学できる。学校と仕事の選択時に、市民は低い地位で今すぐ働き始めるのと進学してより高い地位で働くのはどちらが経済的に有益か計算する。単に自分の興味に応じて学校と仕事のいずれかを選ぶ市民もいる。
  • 市民にはUneducated・Poorly Educated・Educated・Well Educated・Highly Educatedの5段階の教育レベルがあり、市民が学校を卒業するたびに教育レベルがひとつ上がる。卒業できないこともあり、その時点で勉強を続けるか就職するかを選ぶ。ほとんどの企業や都市サービスにはさまざまな教育レベルに応じた地位があるため、教育レベルは職業枠を埋める際には重要なものとなる。企業がすべての求人枠を適切な従業員で埋められなければ(つまり十分な教育を受けた労働者がいなければ)効率は低下し、生産量に悪影響を及ぼす。レベルの高い企業は高学歴向けの地位が多く、また一般に高学歴の従業員は低学歴の従業員より強く求められる。

  • 特別な効果として、小学校は近くに住む子供のいる家庭に幸福ボーナスをもたらす。これによってそうした家庭に小学校のある地域に移住することを促す。
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消防

消防署は都市内の火災に対応すべく準備し、都市のニーズが高まったらアップグレードできる。

  • 消防サービスはゲームプレイ的には非常にわかりやすく、都市内に消防署があるとその周辺地域の火災の危険性が低下する。消防出張所(Fire House)や消防署(Fire Station)は火災の消火のために消防車を出動させるが、火災は素早く延焼する場合もあるため、消防車が渋滞に巻き込まれないよう緩和するのが重要だ。

  • 火の見櫓は自然の中に配置でき、周囲の森林火災を監視し、そのリスクを下げる。森林火災は容易に延焼し、近隣の建物にも燃え移るため、森林火災と建物火災双方を消火できるヘリコプターを派遣する消防ヘリコプター基地が必要だ。

  • 消防サービスには防災と災害対応も含まれる。消防車は倒壊した建物に閉じ込められた市民の救助に出動し、早期災害警報システムは自然災害を早期に検知し、市民に避難を促す。都市に緊急避難所があれば、市民はそこに急行して災害をやり過ごす。

警察と行政

  • 警察署や警察本部は近隣の犯罪値の蓄積を減らす。パトカーはパトロールで通る道路沿いの犯罪確率を低下させる。選択した地区に制限されない限り、パトカーは都市全域をパトロールする。

  • 警察は犯罪に対応し、犯罪が進行している間は犯人を捕らえようとする。逮捕された犯人は拘束され、一部の犯罪者は刑務所に入る。こうした受刑者は地元の刑務所か、それが利用できない場合は外部に移送される。服役した後は犯罪者の地位がリセットされ、都市に戻る。刑務所は生産施設としても機能し、都市内の製造会社が使用する資源を生産する。

  • 建物はそれぞれ犯罪確率を生み出すが、これは犯罪者が犯罪活動の標的としてその建物を選ぶリスクだ。犯罪確率は市民の幸福度にも影響し、ひいては犯罪者になる確率にも影響する。電力不足、水道サービスの不足、汚染、ごみ、レジャーの欠如といったその他の要因も市民の幸福度に影響を与える。
  • 行政には福祉事務所・市役所・中央銀行などのサービスがある。福祉事務所は不運な人々を助け、彼らの幸福度が半分以下なら幸福度を高める。市役所は都市全体でローン金利、輸入コスト、犯罪率、建物のレベルアップコストを引き下げる。中央銀行もローン(注:の金利?)を減らし、輸入コストを引き下げ、輸出利益を引き上げることで企業の利益を増やす。

交通

  • 今作の陸運は種別ごとにそれぞれ車両基地があり、そこから車両を送り出す。海運・空運には車両基地がないが、港と空港がそれぞれ海路と外部接続につながっている。空港は貨物ターミナルを含むようにアップグレードできる唯一の交通施設で、他の交通手段は旅客と貨物で駅やターミナルが分かれている。交通機関について詳しくは公共交通と貨物輸送についての開発日記をご覧いただきたい。
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公園と娯楽

  • 今作の公園と娯楽は地価に直接影響した前作とは異なる役割を担う。今作では直接地価を上昇させるのではなく、そうした施設が市民のニーズに応え、市民がその地域に魅力を感じ、より高い家賃を支払ってもよいと思うことで地価が上昇する。
  • 公園や娯楽施設は市民が自由時間を過ごす選択肢をもたらし、市民の娯楽への欲求を満たすことで幸福度に正の影響を与える。娯楽への欲求は商業地区に買い物に行ったり、レストランで食事をしたり、都市公園・広場・スポーツ施設・観光名所・ランドマークを訪れたりと、さまざまな方法で満たせる。天候や季節は娯楽の欲求を満たそうとする市民の選択に影響し、暖かく晴れているなら公園で屋外で過ごそうとするが、雨や寒い天候なら買い物などの屋内の活動を選ぶ。

  • 公園や娯楽施設は魅力値を持ち、これは観光客にとって都市がどの程度魅力的であるかを示す都市の魅力度に影響する。観光客は都市内に滞在する間、ホテルからの距離とその場所の魅力度に基づいてその場所を訪れるかを決める。移動時間やコストにかかわらず素早く娯楽の欲求を満たせるなら、観光客は遠くのより魅力的な公園やランドマークを選ぶかもしれない。観光客は特にさまざまな観光名所やランドマークを訪れることに関心を持っている。

通信

  • 通信は今作の新たなサービスカテゴリーで、おなじみの郵便サービスと、市民や企業にインターネット接続を提供する新たな通信サービスがある。
  • 郵便サービスは市民・企業・都市サービスが郵便物をやりとりするニーズを満たし、郵便物のやりとりができれば幸福度は高まるが、できなければ低下する。企業や都市サービスでは郵便が集配されることで効率が上がる。郵便局は郵便ポスト・企業・都市サービスから郵便物を回収するバンを送り出し、収集された郵便物は外部や郵便仕分け施設に送られるまで郵便局に保管される。郵便仕分け施設は郵便物を市内便と長距離便に仕分けし、それぞれ都市内・外部に送る。市内に仕分け施設がない場合、市内のすべての郵便物は長距離便として外部に運ばれ、市内に配達される分だけが外部から運ばれる。

サーバーファーム(左)と通信塔(右)はどちらも市内に通信提供範囲をもたらす。

  • 遠隔通信は市民や企業に高速インターネット接続を提供することであり、市民はそれぞれ利用可能なネットワーク帯域幅のごく一部を使用し、通信施設はそれぞれ帯域幅の容量とそれが届く範囲を持つ。通信サービスの提供範囲が広いと市民に娯楽が提供されることで幸福度が高まる。市民がインターネットで得られる幸福度はネットワーク信号の強度による。これは信号の発信源の近くでもっとも強く、遠くなるにつれて弱まる。商業企業は市民がオンラインで買い物できるようになることで、工業企業は資源供給者とよりよい取引ができるようになることで、それぞれ遠隔通信の恩恵を受ける。

修景

  • 「Cities: Skylines II」の修景はほとんど同じだ。地形操作セクションでは盛り上げ/盛り下げ・平坦にする・なだらかにする・傾斜させるといったおなじみのツールでニーズに合った地形に調整できる。修景には植樹含まれるが、今作では樹木にライフサイクルがあり、時間経過で古くなったり大きくなったりする。植物メニューのツールで新たな樹木を配置すると苗木が植えられ、やがて成木に成長する。同様に、森林火災で森の一部が焼けても、新たな気が成長するまでは時間がかかる。

  • 歩道はさまざまなスタイルの歩道橋を含む歩行者のための舗装路を作れる。都市の各所に素早く行ける歩道があれば、市民は自家用車や公共交通機関よりも徒歩を選ぶかもしれない。
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サービスのアップグレード

  • 都市サービスのアップグレードシステムは今作の新機能だ。都市サービスの建物はそれぞれ(一部を除き)アップグレード可能で、その業務を拡張できる。例えば診療所に救急車庫や増築棟を配置すると、診療所の救急車や患者の収容人数を増やせる。同様に、小学校に増築棟を設置すると児童の収容人数が増え、小児科診療所や遊び場を設置すると児童の健康と幸福度がそれぞれ向上する。発電所では発電機を増やして発電量を増やしたり、排気フィルターを追加して発生する大気汚染の量を減らしたり、燃料貯蔵スペースを増やしたりできる。
  • アップグレードには費用がかかり、ほとんどの場合で建物の維持費も増加する。すべてのアップグレードを行うことが常に有益であるとは限らず、都市と市民のニーズを考慮する必要がある。

アップグレードの種類

消防署に災害対応ユニットを追加し、倒壊した建物内の生存者を捜索させる。

  • サービスのアップグレードは運用(Operational)・増築(Extensions)・副次施設(Sub-buildings)の3種類がある。運用のアップグレードは建物の外観を変えずに機能的・数値的な変更を行うもので、電波塔への帯域幅の追加、石炭火力発電所への排気フィルターの設置、タクシー車庫内の配車センター設置などがある。増築は元の建物に直接接続された目に見えるアップグレードで、通常は収容台数・出力・範囲あるいはサービスを提供する市民の数を増やすものだ。増築は敷地内の位置が決まっており、既存の敷地内に収まる。副次施設は既存の敷地に接続される独立した建物で、例えば発電所の燃料貯蔵量を増やしたり、建物に新たな機能を付加したりする。副次施設の建設には追加のスペースが必要なので、建物の配置や、将来追加する可能性のある副次施設のために周囲に十分な空きスペースを確保することが重要だ。

サービスの提供範囲

  • 今作ではサービスに恒常的な効果とシミュレートされた効果の2つがある。恒常的な効果は建物周辺に限られるが、シミュレートされた効果は車両が到達したり、市民が施設に来訪できる範囲に及び得る。

恒常的なサービスの効果

  • 都市サービスの多くは道路に沿って周囲に広がる恒常的効果を持ち、例えば以下のようなものがある。
    • 医療機関:健康ボーナス
    • 教育施設・小学校:子供のいる家庭への幸福度ボーナス
    • 消防施設:火災危険度の低下
    • 警察施設:犯罪値蓄積の減少
    • 公園・娯楽施設:幸福度ボーナス
    • 福祉事務所:幸福度が低い市民への幸福度ボーナス
  • 恒常的効果の強度は範囲・容量・大きさの3要素による。範囲は恒常的効果を提供する道路沿いの最大距離をメートル単位で表したものだ。容量は恒常的効果が及ぶ人数の概算だが、周辺に住む人の数によって効果の到達範囲は変わり、少なければ遠くまで到達するが、多ければ容量を早くに使い切ってしまい、到達範囲は短くなる。規模(Magnitude)は恒常的なサービス提供範囲で得られる最大の効果だ。範囲のほとんどでは最大の効果を持つが、端のほうでは急速に効果が低減する。この範囲は例えば携帯電話のバーが数本しか立たず、インターネットの信頼性が低い場所であり、最良の提供範囲を目指すなら恒常的サービスの提供範囲をある程度重複させることには意味がある。
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サービス効率

  • 今作では企業と都市サービスの重要な要素として建物の効率値がある。都市サービスの場合、効率は建物の容量・処理速度・産出量のほか、恒常的サービスの提供範囲や都市全体への効果にも影響し得る。以下はそれぞれのサービスで効率の影響を受ける機能。
    • 道路:利用可能な道路維持車両の数
    • 電気:発電量の水準
    • 上下水道:上水の供給量と下水処理速度
    • 医療と遺体処理:治療ボーナス、死亡者の処理速度、利用可能な救急車と霊柩車の数
    • ごみ処理:ごみ処理速度と利用可能なごみ収集車の数
    • 教育と研究:卒業ボーナス
    • 消防:利用可能な消防車の数
    • 警察と行政:利用可能なパトカーの数
    • 交通:利用可能な輸送車両の数
    • 公園と娯楽:魅力値と利用可能な公園管理車両の数
    • 通信:利用可能な郵便車両の数、ネットワークの範囲と容量

効率の計算

  • 多くの要素が建物の効率に寄与し、一部の要素が欠けても建物の機能が完全に停止するわけではない。電気は建物が機能するための基本的なニーズで、どちらか一方が欠けると効率に大きなペナルティが生じ、両方欠けると建物の機能は停止する。従業員は建物の効率について重要な要素で、十分な数の従業員が幸福健康で十分な教育レベルを持つなら、建物は可能な限り円滑に機能する。不幸な従業員にはペナルティが課される。病気の従業員は職場の効率に寄与しなくなり、やはりペナルティが生じる。適切な教育を受けた従業員を見つけられないことでも効率に悪影響が出る。高学歴の従業員は低学歴の地位を埋められるが、低学歴の従業員が高学歴の地位を埋めることはできない。
  • 発電所のような一部のサービス施設は機能するために燃料その他の資源を使う。発電所がなんらかの理由で燃料を入手できない場合、その効率は大幅に低下する。医療機関では医薬品(製造された商品の一種)を治療に使用するが、この資源を使い果たすとその医療機関の効率が低下し、治療ボーナスが減少する。
  • 都市サービスの予算はサービスカテゴリー内のすべての建物の効率に影響する。都市がまだ小さく、サービスを完全に機能させる必要がない場合、予算を縮小することで効率を下げ、維持費を減らし、サービス車両の使用やその他の機能を削減できる。都市は急速に発展しているが追加のサービス施設を建てられない場合はサービス予算を増やすことで施設の効率が上がり、より多くの市民にサービスを提供できる。

サービス料金

  • 経済パネルには都市サービスとその予算調整のための画面がある。パネルに表示される支出は維持費(建物の維持費)や発電所の燃料のような資源費用からなる。このパネルにはサービスの輸出入や都市サービスで徴収される料金も表示される。
  • 電気代水道代は市民と企業が支払い、料金は経済パネルで調整できる。料金を下げると市民の幸福度と企業の収益性が上がるが、使用量が増える。料金を上げるとその逆のことが起こる。医療機関で治療を受ける際には診療費を支払い、ごみ収集車が家庭や企業からごみを収集する際にはごみ料金を支払う。学校も種類ごとに料金が設定されており、小学校がもっとも安く、大学がもっとも高い。道路サービスでは地区の路上駐車料金や駐車場の料金を設定できる。旅客輸送路線それぞれの切符・チケット代も個別に調整でき、特定の交通手段の利用を奨励したり抑制したりできる。

サービスの取引

  • 都市でサービスを提供する余裕がない場合やサービスの余剰がある場合、サービスの取引による恩恵を受けられる。サービスは外部接続を通じて近隣の都市から輸入したり、近隣の都市に輸出することができる。もちろん輸入されたサービスにはお金がかかり、外部接続からサービス車両が到着するまでに時間もかかる。サービスの輸出は大きな都市が余剰サービスを近隣の都市に販売できるという恩恵がある。
  • 電気・上下水道はすべて輸出入可能だ。電気は外部接続から送電線を通じて変電所に送られるか、その逆だ。変電所から都市内の電力網に送られ、使用される。マップ内には送電線が通っており、最初から近隣都市に接続できるようになっている。きれいな水は外部接続の水道管を通じて都市に供給され、同様に下水も外部に送り出される。水と下水の両方を輸出入するにはマップ端まで都市を成長させる必要がある。輸出ができるようになっている場合、余剰生産物は常に売却され、都市が必要とする分は確保され、使用量が増えれば外部に輸出される分は減少する。
  • 都市に医療機関がない場合、市民は治療を受けるために外部に移動する。移動が困難な場合は外部接続から救急車が来る。治療が終わると都市に戻る。同様に、都市に遺体処理施設がない場合は外部から霊柩車が来て遺体を運び出す。
  • 警察や消防のサービスも輸入可能だが、犯罪や緊急事態に外部接続から向かってくるため、対応が遅れる。また、輸入されるサービスには犯罪や火災の危険を減少させるサービス施設の恒常的効果がない。
  • 単科大学や総合大学への進学を希望する市民は市内にそうした学校がない場合、都市外に出る。教育のために都市外に出るのは、実際に都市外に転出することを促してしまうため、市民が必要とする教育の選択肢を提供するのは重要だ。同様に、プレイヤーの都市の単科大学や総合大学で学びたい学生を都市外から呼び込むことができ、こうした学生は勉強のために移住し、家を見つけると完全な自都市の市民になる。
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地区と政策

  • 地区はそこに住む人口についてより詳しい情報をもたらす。政策は個々の地区または都市全体に適用でき、都市のさまざまな地域にフレーバーをもたらし、微調整を行えるようにする。地区パネルには住んでいる市民の数、平均的な富のレベル、教育レベル、その地区で有効になっている政策が表示される。地区の幸福度にマウスオーバーするとその地区の長所と短所が表示され、その地区をどのように改善できるかがわかる。
  • 地区は地区ツールで隅となるノードを配置することで地域を決め、地域を「閉じる」と地区が作成される。この方法は前作よりも早く正確で、端に新たなノードを追加することで作成後に地区を調整できる。地区名は自動的に付けられるが、作成後に変更できる。

  • 都市サービスはひとつ以上の地区に割り当てることができる。どの地区にも割り当てられていないサービスは都市全体にサービスを提供する。サービス施設が複数の地区に割り当てられていても、恒常的サービス範囲は施設周辺にのみ適用されるということに注意してほしい。サービスのシミュレートされた効果、つまり車両が割り当てられたすべての地区に移動するというだけだ。
  • 地区政策は特定の地区に対してさらなる都市計画管理を行うものだ。例えば、地区内の交通量を制限することで交通に起因する騒音や大気汚染を減少させ、市民の幸福度や健康を高めることができる。減速帯を設置して交通速度を低下させ、騒音や交通事故の確率を減らす、あるいは配送トラックやサービス車両以外の部外者の立ち入りを禁止するゲーテッドコミュニティを設定することもできる。路上駐車料金は地区にいくらか収益をもたらすが、市民の経路探索に影響を与える。

  • 都市政策は地区政策とは異なり、都市全体に効果が及ぶ。例えば高速道路の速度制限を撤廃したり、工業区画の製造会社にエアフィルターを設置して大気汚染を抑制したりなどだ。一部の政策にはコストが必要だったりよくない結果をもたらすものもあるが、中立的なものもある。例えば高速道路の速度制限撤廃は交通の流れを速められるが、交通事故の確率も高まる。エアフィルター設置は大気汚染を減少させるが、工場が出すごみの量を増やす。
  • 今作には7種類の地区政策と5種類の都市政策がある。地区政策は地区を選択して適用したい政策を選択することで適用される。都市政策は都市情報パネルにある。

来週は電気と水道について。

次回:開発日記#6――電気と水

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コメント

  1. 色々な施設がモジュラー式でカスタマイズしやすいのは助かるなぁ

  2. サービスのアップグレード完全にsimcity2013だなあw水道管や電気の道路一体化もそうだし
    いよいよMAXISがしたくてもできなかったことを作ろうとしている感じするわ
    後税金を事細かに分けて徴収するシステムは珍しいと思うが他に事例あったかな?

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