「Victoria 3」新DLC「Pivot of Empire」発売!

「Victoria 3」開発日記#26――講和交渉

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#26が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は講和交渉について。本体発売前の開発日記です。

前回:開発日記#25――戦争のコスト


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開発日記

開発日記#26は、講和交渉について。

シャムはこの戦争で毎週11以上の戦争支持度を失っており、素早く状況を好転させない限り降伏は遠くない。これまでの戦争に関する開発日記と同じく、表示されているすべての数値・インターフェース・ツールチップは最終的なものではない。

  • 何年も前から狙っていたオランダの植民地を手に入れるためにプレイヤーが外交上の駆け引き(diplomatic play)を始めたとしよう。フランスがオランダを支援することを決め、プレイヤーは血が流れ、コストがかさむ紛争に引きずり込まれていることに気づき、今となっては逃げ出したいと思っている。あなたならどうするだろうか?
  • Victoria 3では降伏(Capitulating)と講和交渉(Negotiating Peace)という2つの手段がある。しかしこうしたものの仕組みを説明する前に、まず講和に欠かせない仕組みである戦争支持度(War Support)について触れる必要がある。
  • 戦争支持度は特定の戦争を戦い続けることに対する自国の政治的意思を示す尺度で、-100から+100の間で変動する。国家はそれぞれ戦争支持度が高い状態で戦争を開始し(現在は常に100だが、国家がどれほど政治的に統一されているかに基づいて異なる水準で開始するようにすることを検討している)、時間経過で低下していく。戦争支持度の低下速度を決定する要因は以下のとおり。
    • 自国の領土が敵に占領されている
    • 戦闘や損耗によるPopの死亡や負傷
    • 自国内の混乱(戦争によって経済が悪化しているなど)
    • 敵が戦争目標を支配しているかどうか

戦争中はいつでも降伏できる。戦争が始まったばかりのときでも、戦争支持度が最大でも。可能だからと言っていい考えというわけではないが。

  • 戦争支持度が-100に達すると、その国家は強制的に降伏させられる。降伏した国家は彼らを目標とするすべての戦争目標(War Goals)を引き渡し、保持していた未実行の戦争目標をすべて放棄する。
  • 戦争に参加しているほとんどの国家は、戦争が始まった直後でも、いつでも降伏できる。これによって上記のコストを支払い、直ちに戦争から離脱できるが、早期に降伏した場合は外交上のペナルティが発生するかもしれない。降伏しても失うものがない場合には特にそうだ(同盟国に対する卑怯な裏切りとみなされる)。
  • 戦争主導国(War Leaders)も降伏できるが、通常これは戦争を終結させるわけではない。というのは、彼らは自国と自国の従属国を対象とした戦争目標を譲歩しているだけで、彼らの側から新たな戦争主導国が選ばれて戦争を継続するためだ。降伏によって戦争が終結する唯一の状況は、争うべき戦争目標残っていない場合であり、そのときは直ちにすべての敵対行為が終了する。
  • しかし、遠く離れた国家を攻撃して彼らの戦争支持度がひとりでに低下していくのを待っているだけでは、遠方の土地を割譲させることはできない。自国を対象とする戦争目標が敵に支配されていないとみなされていて、かつ自国の首都の支配を維持しているすべての国家は、戦争支持度が0以下になることがないためだ。
  • 例えば、ブラジルとしてプレイしているときにオランダを攻撃し、キュラソーとガイアナを割譲するよう要求したとする。ガイアナは簡単に占領できたが、海軍は劣勢に立たされ、キュラソーやアムステルダムを占領する陸軍を上陸させることができない。その結果、キュラソーに対する戦争目標取り下げを積極的に選らばない限り、オランダを降伏させることはできない。

このイギリスに対する反乱はヨーロッパの列強間の局地戦のようなものになっており、イギリスとその敵国であるフランスの植民地では限定的な戦闘が行われている。戦争支持度は高く保たれているが、事態がより流血の多いものになれば双方の国民はすぐに戦いを嫌がるようになるだろう。

  • では講和交渉は? これは降伏よりかなり複雑で、戦争に参加している多くの国家が関与し得る。講和する際には、戦争に参加している国は以下の3つのカテゴリーに分けられる。
    • 戦争主導国:両陣営の主要な参加国で、講和交渉を提案でき、相手の戦争主導国からの交渉案を発効させるためには戦争主導国がこれを批准しなければならない。
    • 交渉国(Negotiators):戦争目標を持っているか戦争目標の対象となっている国家で、かつ戦争主導国ではない国家。敵味方双方から提案された交渉案を発効させるためには交渉国がこれを批准しなければならない。
    • 非交渉国(Non-Negotiators):上記の2つのカテゴリーに当てはまらない国家で、講和交渉において積極的な役割を果たすことはない。宗主国が戦争に参加している従属国も非交渉国とされ、宗主国がかわりに交渉する。
  • 講和交渉を始めるには一方の戦争主導国が要求する戦争目標から交渉案を作り、提案する必要がある。他の多くのグランドストラテジーゲームとは異なり、Victoria 3における講和交渉は必ずしも一方の側が要求するだけではない。戦争主導国は互いの戦争目標を譲り合う混合型の講和交渉を提案することもできる。戦争主導国は彼らが提案した交渉案に満足したらそれを双方に送って批准を求める。
  • そう、講和交渉案を発効させるには敵の戦争主導国や交渉国が同意しさえすればよいというわけではない。味方のすべての交渉国も同意する必要がある。つまり、同盟国であるプロイセンを売って敵であるオランダに望むものをすべて提供するという交渉をしようとしても、プロイセンが講和を切実に求めているのでない限り、プロイセンの回答は断固たる「ノー」となる可能性が高い。しかし、プレイヤーが全体的に公平で、自国からもなにかを諦めようとするなら、彼らはプレイヤーの提案を受け入れようとするだろう。
  • 戦争支持度はAIがどのような講和交渉に応じるかを決定する上で重要な役割を果たしており、敵味方双方の戦争支持度どちらも影響する。自国の戦争支持度がマイナスになったとしても、降伏から数週間しか経っていない国家からの要求の長いリストには同意しないだろう。
  • (スレッドでの質疑応答より)開戦後に戦争目標を追加できるようにする計画は今のところない。というのは、それができると外交上の駆け引きのフェーズを回避する手段ができてしまうためだ(外交上の駆け引きで支持を得るために軽い要求をして、開戦後に法外な要求をするなど)。私たちがこのような仕組みを追加するときには、戦争のさまざまな参加国が自国の立場を再考したり、介入の間口を広げたりできるようにしたりなどを行う必要があり、こうしたことはすべて素晴らしいアイディアだが、中身のあるデザインと相当数のバージョンを経ることが必要だ。

質疑応答

Q:講和交渉は国内政治にも影響する?

A:現時点ではそういうことはないが、政治システムと他の仕組みの関係を強めたいと思っているので積極的に検討している。

Q:副次的な参加国が戦争から離脱するには降伏しかないの? 分離講和はできないの?

A:そうだ。しかし自国に対して要求がない場合は降伏が事実上の白紙講和となる。

Q:人間のプレイヤーが意図的に味方の講和案を批准しないことで戦争を永遠に続けることにどう対抗するの?

A:今のところは

1) プレイヤーが戦争目標を占領し、戦争支持度を高く保てるなら最終的には敵が降伏して戦争が終わる

2) プレイヤー自身が揺るぎない戦争目標を持っていて、それを使って永遠に戦争を続けるために戦争支持度をゼロ以下にしないようにしている場合、AIはその戦争目標を撤回するはずだ

3) ある国家が占領できない戦争目標は最終的に自動的に撤回されるようにすることを検討している

つまり基本的に戦争を永遠に続けることは不可能であり、最終的にはなんらかの解決を強制されることを意味する。


来週は技術について。

CK3では開発日記#26が公開された後に発売日発表が行われました(日数ベースでは正式発表の209日後で、Vic3に当てはめると2021年12月16日木曜日となる計算)。Vic3の正式発表から発売日発表までのスケジュールがCK3の同様であるとするなら、今月中にVic3の発売日が発表されるかもしれません。発売日もCK3と同様であるとすると、正式発表の318日後である2022年4月4日発売ということになります。もちろんVic3がCK3と同じようなスケジュールをたどるかはわかりませんが……。

次回:開発日記#27――技術

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コメント

  1. お互い譲り合う形式の講和会議の方が現実的だから一番望んでた事で嬉しいけどそれだけにゲームに落とし込むのは難しいシステムだからどう機能させるのか気になる vic3の新仕様どれも挑戦的だけど良いと思うからこれからのパラドゲーの基礎にして欲しい

  2. 年内に発表来るとしたらクリスマス前後ですかねえ
    気長に待ちつつ、楽しみにしますわ

    • クリスマスまでには…

      • やっぱりダメだったよ…

  3. 味方(の領地)を売るプレイはできなくなるんだな、それはいい事だ

  4. 第一次世界大戦みたいなお互い引くに引けないような状況生まれるのかな

  5. 講和は無条件降伏と白紙講和以外は難しいからなあ
    複数国参加してたら尚更
    うまくゲームに落とし込んでほしいし、それが期待できそう

  6. 経済基盤が無いと継戦できずに自動的に負けるって設計すごくいいな。
    イギリスやアメリカが手下利用してダラダラ戦争続ける事(大陸国がボロボロになっても本土は無事だから終わらない)がなくなるのか

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