「Hearts of Iron IV」の新DLC「Götterdämmerung」発売は11月14日!

「Hearts of Iron IV」開発日記2020年9月9日――ギリシャ

HoI4 開発日記

「Hearts of Iron IV」開発日記2020年9月9日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は今後の開発体制とギリシャについて。1.9「ハスキー」+「La Résistance」リリース後の開発日記です。

前回:開発日記2020年6月3日――4周年


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開発日記

開発日記2020年9月9日は、今後の開発体制とギリシャについて。

今後の開発体制

  • 2017年に「Death or Dishonor」をリリースしたが、当時これはカントリーパックと呼ばれていた。当時のコミュニティは主に新しい派手なメカニックやゲームシステムの見直しを求めていたので、コミュニティからの最初の反応はさまざまだった。最近はさらなる、よりよい、より大きな国家方針ツリーが求められており、プレイヤーたちはすべての国家に国家方針ツリーを追加するのに10年かかるのではないかと疑っている。
  • そこで私たちは「カントリーパック」のアイディアを復活させることにした。世界の特定の地域に焦点を当て、3-4の中小国をカバーする小さな拡張だ。しかし同時に情報システムの追加のようなゲームの他の部分にも取り組みたいことがある中で、チーム全員をこの拡張に参加させたくはなかった。つまり国家方針ツリーとフレーバーの数を増やしつつ、より大きな拡張ではより大きな機能を提供できるというアイディアだ。
  • 私たちが取ったアプローチはフリーランサーを雇って国家方針ツリーの作業をしてもらい、ストックホルムの残りのチームは次の大きなDLC、最終的に「La Resistance」となるものに取り組むというものだった。
  • 今日は次のカントリーパックに含まれる最初の新たな国家方針ツリーをご紹介し、今後数週間にわたってこのカントリーパックに含まれる他の国家の情報と、同時リリースの他のコンテンツについて見ていく。いつものように、カントリーパックにはバグ修正パッチがついている。
  • このアプローチにより、次の大きなDLCに取り組むメインチームからリソースを奪うことなく、より多くのコンテンツをより早くみなさんにお届けできると思っている。この次の大きなDLCに含まれる内容についての詳細な情報は、カントリーパックが今年後半にリリースされた後になる(免責事項:これは2020年だが、運命は気まぐれだ)。

ギリシャ

  • ギリシャは1936年には困難な立場にある。ギリシャ軍は充分な装備を持たず、経済的・政治的な問題は初期の以下のような国民精神で表現されている。
    • 「政治的不安定(Political Instability)」は、ギリシャが36年時点で君主制支持者と自由民主主義思想家エレフテリオス・ヴェニゼロスの支持者に分かれていたことを示す。
    • 「国王ゲオルギオス2世(King George II)」は国家方針ツリーの政治ルートの「フック」として機能する(以下で述べる)が、その地位は不安定だ。
    • ギリシャの膨大な過去の債務は「Greece’s Debt to the International Finance Commission」で表現される。この負担から逃れるにはギリシャ経済を担保に取っている3大国、すなわちフランス・イギリス・イタリアを満足させなければならない。
    • またギリシャ経済は農業中心で、建設のための重工業は外国に依存している。ギリシャの国家方針ツリーの工業ルートはこの問題の解決に注力するとともに、隣国に対抗できるよう国家を急速に近代化することにも重視する。
    • ドイツの「シャハトプラン(Schachtplan)」はドイツがギリシャの財政と天然資源をより幅広く管理できるようになるものだが、ギリシャのように苦境にある場合は最終的にドイツのヨーロッパにおける覇権に服するとしても、あらゆる救済を受け入れることになる。
  • こうした弱体化は荒っぽく見えるかもしれないが、すべてのネガティブな国民精神は国家方針ツリーで取り除いたり緩和したりできる。

  • 昔の日本の小説のように(注:縦書きのことか?)、右から左へと国家方針ツリーを見ていこう。

  • 各軍のルートそれぞれで、ギリシャが大規模な軍隊に必要な装備と人的資源を持たずとも防衛できるような恒久的な補正を少なくともひとつ獲得できる。

  • Hellenic Academy Battleplansはこの点で非常に役立つはずだ。ギリシャはヨーロッパの大国や脅威となる隣国に対する防衛計画をあらかじめ立案できる。こうした防衛、あるいは攻撃の一時的な強化により、圧倒的な敵軍と対峙していない限りは前線を保持できるはずだ。

  • ギリシャの工業ルートはこれだけで開始時からある厄介な国民精神を取り除くことができる。

  • 35日で終わる最初の国家方針はI.F.C.(注:International Finance Commission)に対する債務を少しずつ削減できるようになる。強制工業化ルートでは大規模な債務償還をアンロックすることでI.F.C.に対する債務をより早く取り除くことができるが、小規模な債務償還よりもより集約的に資源を必要とする。自由民主主義以外の政権となった場合には別のルートもある。

  • 工業化ルートには2つのルートがある。ひとつはサービス業を強化するとともに農産物を輸出して国家を豊かにするもの、もうひとつは農民を強制的に都市に追いやるものだ。工業化ルートが進むと国民精神「外国による独占(Foreign Monopolies)」が徐々に緩和され、最終的に取り除かれるか、吸収される。国営企業は「外国による独占」を取り除く必要があり、よりよい補正をもたらすが、外国企業は安上がりで取り入れやすい。

  • 工業化ルートと政治ルートの中間にある投資に関する国家方針について。投資は政治力と引き換えに同盟国やスポンサーの好意で無料の工場を得るものだが、スポンサー国はその準備にかなり大きなペナルティを受けるため、自制するのが賢明だ。

  • 政治ルートでは、国家方針やディシジョンを通じて最初の月のうちに早くも最初の大きな決断をすることになる。すなわち選挙干渉しないように国王を逮捕するか、君主主義者に政府を強制的に委任するかだ。

  • 史実ルートでは君主主義者が選挙に勝利し、国王が元軍人で共和主義者の宿敵であるイオアニス・メタクサスを首相に任命し、彼はまもなく独裁者となった。メタクサス主義者ルートはできる限り中立を維持することがすべてで、陣営に入ると消えてしまう非常に大きなボーナスをもたらす。例外は陣営に入る前に「Reviving the Spartan Warrior Spirit」を完了してメタクサス主義者ルートを完了する場合だ。
  • もちろん、左側には連合軍ルートがあるし、ギリシャを準ファシスト独裁政権から本格的なファシスト政権に変えることもできる。

  • ファシストの狙いは自国が枢軸国に接近するのみならず、トルコに対等な同盟国として参戦するよう圧力をかけることだ。もちろん、交渉が妨害されることもあり、ギリシャのプレイヤーはドイツの意向に反してトルコとの戦争を強制する機会を得る。

  • メタクサスがファシストに傾倒していたとしても、地中海における史実での同盟国であるイギリスとの同盟は自由にできる。その後はキプロス問題に取り掛かる。

  • ギリシャが必要としているのはギリシャ人の希望と安定の導き手となる強い君主だ。不安定と内紛の時代は君主主義者と共和主義者の内戦で頂点に達する。いい内戦は国家を軽視する国内の傾向を叩き直す。ゲオルギオス2世を絶対君主とし、イギリスがヨーロッパからファシズムを掃討するのを支援するか、あるいはファシズムはすでに掃討されていて、中欧の大国(Central Powers)が生まれ変わっているかもしれない。その場合は王の神聖な権利を守るために共闘できる。

  • コンセプトとしての政治的不安定について見てみよう。ギリシャは君主主義者、共和主義者、共産主義者、ファシストの4つの派閥に分かれており、以下の3つの手段でこれに対処できる。
  • 第一に、国民精神のペナルティを緩和するには国家方針ツリーの政治ルートを進める必要がある。イデオロギーごとに固有の国民精神「政治的不安定」があるが、補正の内容が変わるだけで基本的には同じだ。

  • プレイヤーは派閥を潰してその派閥があることによって国家にかかるペナルティを無効化するか、より長く高くつくが派閥を取り込んで共闘相手とすることができる。一般的には共闘する派閥が多いほうがいいが、それに必要な資源は外部の脅威に備えるために使ったほうがいい場合もある。

  • もっとも調和しない派閥である共産主義は共和主義の概念と手を結んでおり、選挙に勝つためにヴェニゼロス主義者を必要とする。その後、彼らはギリシャ第三共和国(Third Hellenic Republic)を生まれ変わらせるために共産主義と手を結ぶことができる。しかし完全な共産主義でないことに共産主義者は満足していないかもしれない。

  • 共産主義はすべての分岐でギリシャの工業力を増強する。

  • ヨーロッパのファシストの脅威に立ち向かう準備をしつつ、ユーゴスラビアのチトーを支援しよう。

  • モスクワからの命令によれば、ボスポラス海峡は絶対に占拠しなければならない。国境紛争はエスカレートし、南欧はコルフ島からトルコ東端のカルスまで赤く染まるのだ。

  • 民主主義であるヴェニゼロス主義者は大ギリシャ主義(Megali Idea)の信奉者でもあった。プレイヤーがヴェニゼロス主義を復活させるときには、この失敗に終わった遺産も継承する。ヴェニゼロス主義の評価を回復する唯一の手段は、君主主義者と手を組んで大ギリシャ主義を実現させることだ。

  • 左側の分岐では新たなファシストであるEthniki Enosis Elladosも登場する。EEEは「半端な手段は使わない」運動であり、彼らにとって大ギリシャ主義はなんの価値もない。トルコから領土を取り戻すなら、それはすべてでなければならない。
  • ヴェニゼロス主義者でプレイする場合は大ギリシャ主義の前にEEEを対処しなければならない。EEEに対する反対運動を組織するのもいいだろうが、EEEを政府に入れたい場合は連立政権にすることもできる。

  • EEEを片付けた後はセーヴル条約に署名した調印国に呼びかけ、トルコ人国家の将来について議論するときだ。

  • ヴェニゼロス主義者が失敗し、指導者が追放されたら、そのときはヨーロッパにとって真に暗黒の日となるだろう。
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質疑応答

Q1:ギリシャのボイスオーバーと3Dモデルはある?

A1:ある。以下が3Dモデルのプレビューだ。カントリーパックのすべての国家にはボイスオーバーがある。

Q2:このカントリーパックを使うやり方は今後も続けていくの? つまりこのカントリーパックと1.11の拡張の後も、チームは大きいのと小さいの2つのパッチを同時に開発していくってこと?

A2:そのつもりだ。他のチームでもオーバーラップアプローチを試していて、問題もある。私(注:コンテンツデザイナーのArchangel85氏)は2つの異なる開発ブランチがお互いに干渉しないようにするのは好きではない。フリーランサーを使うことで解決する問題もあるが、すべての問題が解決するわけではない。


次回:開発日記2020年9月16日――ブルガリア

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コメント

  1. 新情報待ってました!翻訳ありがとうございます!
    流石にビザンツ帝国ルートはないみたいですね

  2. 紫色の不死鳥が見える

  3. 次はトルコかな?

  4. つまらないの一言で見捨てられたブルガリアに光は当たるのだろうか?

  5. 史実で速攻フェードアウトした国や空気だった国に焦点を当てて、フィンランドはずっと放置するという謎

    • 確かにフィンランドは赤化してもファシ化しても民主で耐えてもドラマはあると思うが、隣国に配慮しているんだろうか。

      • フィンランドってそんな面倒な問題抱えとったんか

        • 念のため、パラド社の隣国のことかと

  6. 国家方針だけの拡張かぁ。500円ぐらいならアリ?

  7. またドゥーチェムッソリーニの拡張先がなくなるのか…

  8. ギリシャとか正直イタリアに呑まれるだけの国やん
    開発チームがDoDの時に野望がないと言ってブルガリアを切り捨てたのは衝撃だったが、、、ギリシャなんかよりイタリアフィンランドソ連トルコが先決やと思うが

  9. 中小国のロマンをバラ売りしつつ、大国とそれに関わる枢要な国はシステム追加系大規模DLCと合わせて新システム付きNFとして登場させる感じなのかな

  10. 日本のNF見直ししてほしい
    日本人だからとかじゃなくて単純に他のDLCのNFに比べて浅すぎだし物足りない

    • いや、明らかに「日本人」だからこその要望でしょ
      他国ユーザーで日本プレイなんかしたことない人にとっては、日本NF見直しアプデやDLC出てもあなたみたいに「そんなのいらね」ってことになる

  11. まさかのギリシャ
    イタリアソ連ポーランドの手直しはいつになるのやら
    ここでも言われてる通り日本の民主共産中道も見直してほしいところ

    • ソ連とポーランドは次々アプデで確定済み

  12. ファシ民主共産中道とは別口で君主制/共和制のスイッチ作った方がいいんじゃないかな¥

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