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「Victoria 3」開発日記#117――「Sphere of Influence」のUX

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#117が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は「Sphere of Influence」と1.7のUXについて。1.7リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#115――帝国の墓場

開発日記#116はアートについての内容となっています。当サイトでは記事にしていませんので、気になる方は直接フォーラムをご覧ください。


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開発日記

開発日記#117は、「Sphere of Influence」と1.7のUXについて。

従属国の改善

  • これについての詳細は開発日記#111をご覧いただきたい。当然ながら、私たちは従属国への関与の大部分を外交パネルの下に配置し、こうしたものを探す中心的な場所としたが、このパネルをより双方向的なものにもした。
  • こうした行動の多くはさまざまな場所でも行えるようにしたいと思うようなものであり、右クリックメニューなどのコンテキストメニューにも多くの作業を行った。もっともよく使われる右クリックメニューは国家とステートに関するものだが、これは特に大きなメニューでもあり、従属国や宗主国に関するものも追加したため、直感的な操作性を保ちつつ右クリックメニューをコンパクトにするにはどうすればいいか考えた。

1.6までの右クリックメニュー。

(上3枚)1.7の新たな右クリックメニュー。

  • 結果は以下のとおり。
    • 「国家へ移動」「国家をアウトライナーにピン留め」「国家へズーム」などの一般的なアクションは他のパネルの標準に合わせてシンプルなアイコンボタンのヘッダーに移動した。
    • 外交行動、従属国としての行動、宗主国としての行動、Bloc構成国としての行動のような同じカテゴリーに属する行動はドロップダウンメニューの下に置いた。

通常のツールチップ。

Cooltip。現在進行中の行動「独立保証」にカーソルを合わせると、この場合はこれをやめるアクションプロンプトが表示される。

  • 従属国の行動、宗主国の行動、Bloc構成国の行動はすべて外交行動と同じところにあり、新たな行動の導入に合わせてツールチップを明確なパターンで整理する必要があることは、この拡張の開発初期から明らかだった。そこで通常のツールチップ以外にカスタムツールチップ(Cooltips)を用意した。GUIシステムができることならなんでもできる完全な柔軟性を持つUIパネルだ。私たちは外交行動のすべてをCooltipに移行した。

  • 同様に、外交行動の確認ポップアップもツールチップと一貫性を持たせ、行動の開始と停止の違いを明確に示すようにした。

Lobbies

  • Political Lobbiesについては開発日記#112をご覧いただきたい。Lobbiesを選択すると情報パネルが表示される。このパネルではそのLobbyを支持する利益集団とその承認(Approval)が表示される(Lobby全体のAppeasementに直接影響するため)。

  • もっとも重要なのは、LobbyのAppeasementにに影響するすべての行動を見られることだ。現在のゲームにあるLobbiesはやや単純なものだが、これは将来的に大きく発展し、もっと関与できるようになる可能性がある。また、特定の利益集団がそのLobbyを支持している理由もわかる。

  • プレイヤーが自国以外のLobbiesを確認できるようにもしたいと私たちは考え、政治レンズのマップモードを使って自国のLobbiesと自国を対象とした他国のLobbiesを表示するようにした。

施設の所有権の変更と外国投資

  • これについて詳しくは開発日記#110をご覧いただきたい。試作では特定の施設を誰がどれだけ所有しているかを説明するのはもちろん、例えばFinancial Districtを見たときにそれがどの国家のどの施設をどれだけ所有しているかなど、逆の視点でも苦労した。最終的に私たちは施設所有権の分割を説明する方法を組み合わせた。

  • 施設の所有権の組み合わせを視覚的に表現するため、所有権で分割した横棒を使った。
    • バーのアイコンは所有国・所有Pop種別・所有施設のいずれかを表す。
    • バーの色は以下のとおり。
      • オレンジ色:自国政府
      • 水色:自国のPop
      • グレー/白:現地のPopや政府
      • 黄色:自国以外の外国投資家
      • ほとんどの色覚異常者にとってもっとも見やすい色を使用した。

  • 同様に、他の施設を所有するFinancial DistrictsやManor Housesにも同じような横棒を使ったが、ここではそれが所有する施設で横棒が分けられている。
    • バーのアイコンは所有する施設を示す。
    • 色は所有している施設がある国家の色だ。
  • こうした表示は直感的には理解できないかもしれないが、プレイしているうちに身につくことを狙っている。

  • マップ上で所有権を視覚化する実験も行い、所有される施設から所有する施設に矢印が向かうようにもした。最終的には施設の商品の入出力も視覚化することになった。マップ上に矢印のアニメーションが入り乱れるようになったが、しばらく遊んでいるうちに開発チームの多くがこれがないと遊べないと思うようになった。
  • 上のブルゴーニュの工具工房の例ではマップ上に以下のすべてが表示されている。
    • 所有権の矢印は黄色で、その施設のステートから所有する施設に矢印が飛ぶ。
    • 政府が所有する場合は首都ステートから所有する施設に赤い矢印が飛ぶ。
    • 投入商品の矢印はオレンジ色。
    • 産出商品の矢印は緑。
    • 矢印は同じステートの場合は太く、隣のステートの場合は細く、遠く離れている場合は非常に細く透明になる。

Financial Districtsの矢印で世界のどこに投資しているかがマップ上に表示される。

選択した施設の商品の入出力を示す矢印。関連する施設がマップ上にマーカーとして表示され、これをクリックできる。

このFinancial Districtが所有する施設レベルの数がマップ上に表示され、その合計がそのFinancial Districtのレベルになる(ここでは25)。

Power Blocs​

  • Power Blocs​について詳しくは開発日記#109をご覧いただきたい。Power Blocのあり得るすべてのバージョンに、バージョンごとにカスタムしない方法を提案するのは難題だった。私たちがこれに、ゲームコンセプトを早期に構造化し、その使用において一貫性を持たせるという方法で取り組んだ。その例として、Central Identity Pillarのcooltipをゲームコンセプトに基づいたセグメントで構成している。この構成は他のすべてのidentitiesのcooltipでも利用され、そのIdentityでは特定のゲームコンセプトやグループに影響がない場合は取り除かれていることがある。

  • アップデート1.7でのより全体的なこととして、追加された新コンセプトや値のほとんどにアイコンを持たせた。Leverage・Cohesion・Power Bloc Membersのような新コンセプトにはすべてアイコンがある。

1.7の一般的な改善点

  • まずアウトライナーを新たなものに置き換えた。ドロップダウンメニューを追加することでさらにコンパクトになり、進行中の外交行動とマルチプレイのプレイヤーリストは複数ある場合、ドロップダウンメニューで表示されるようになった。利益集団などの既存のドロップダウンメニューの一部はデフォルトで閉じているように変更された。

  • 外国投資に関連して、建設キューは国内キューと外国キューに分離した。国内キューにはプレイヤー国家やプレイヤー国家のPopが国内外に建設しているものすべてを含み、外国キューには他国や他国のPopがプレイヤー国家の中に建設しているものすべてを含む。国内キューには場所(国内か国外か)と出資者のフィルターを追加した。

来週はPower Blocについて。

次回:開発日記#118――Power Blocsその2

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