HoI4新DLC「By Blood Alone」発売はSteamの表記どおりなら日本時間28日1時!

「Crusader Kings III」開発日記#94――闘争の解剖学

CK3 開発日記

「Crusader Kings III」開発日記#94が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は闘争システムについて。「Fate of Iberia」リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#93――半島の混乱


スポンサーリンク

開発日記

開発日記#94は、闘争システムについて。

基本的なこと

  • 闘争(struggle)はマップの一部を対象とした長期的な紛争(一般的には戦争だけではないが、戦争も含まれることがある)だ。
  • さまざまなフェーズがあり、それぞれに異なるゲームルール(例えば「聖戦は無効」、「異なる宗教のキャラクターは結婚してもよい」、「イェルサレムは宣戦布告できないし、され得ない」がある。
  • フェーズはきっかけとなる特定の行動(「関係するキャラクターに宣戦布告する」、「関係する2人のキャラクターが魂の伴侶(soulmates)になる」など)によって進行し、これによって将来のフェーズに向けてポイントが加算される。十分なポイントが貯まると、新たなフェーズに入る。
  • 闘争はドラマティックで困難な終結のディシジョンを通じて、なんらかの形でその地域に恒久的な影響を与え、解決される。

設計思想

  • なぜこのシステムをフレーバーパックで導入するか? 簡単に言えば、このようなものなしにイベリア半島の史実のリアリティをを正しく表現できないと考えたためだ。
  • 中世のイベリア半島は移り気な特別ルールのまとまりのようなもので、私たちはそれをモデル化し、ロールプレイを誘導しつつ結果を与え、プレイヤーにヒスパニア全土の征服以外の最終目標をデフォルトで提供するシステムを作る必要があった。
  • イベリアにはそのようなものがどうしても必要だったが、イベリアだけに特化したシステムを作るのはもったいないことだった。複雑で移り変わりの激しい地域の状況や常に活発に戦争が行われているわけではない長期的な紛争は世界各地で見られるものであり、半島に適合しつつも他の地域でも簡単に再利用できるシステムは時間をかける価値のあるプロジェクトだと考えた。

関与

  • 闘争はなによりもまず地域的なものだ。闘争を定義するもっとも基礎的なものは闘争地域(the struggle region)、すなわち闘争のルールが適用されるあらかじめ定義された称号のグループだ。
  • 文化や教派(faiths)は関与しているかいないかのどちらかとみなされる。これは特定の文化や教派が文化や教派がその地域の「内集団」であるとみなされるかどうかを定義している。たとえ内集団のメンバーが時には(あるいは頻繁に)互いにかなり敵対的であってもだ。例えばイベリアの闘争ではCastilianとAndalusianはどちらも、アングロサクソン人が適応するのに苦労するような、半島の変化する性質を本能的に理解している。
  • 文化は最初に闘争を開始するときにスクリプトによって、あるいは闘争地域内の伯爵領合計に対する一定割合(この数は闘争ごとに設定され、イベリアの闘争では今のところ80%)を超えると自動的に関与するようになる。混合文化(Hybrid cultures)や枝分かれした文化(divergent cultures)は作成時にその地域内のひとつの伯爵領を転向させると自動的に関与するようになる。
  • 文化や教派はどちらも自動的に関与しなくなることはない。ひとたび関与すれば、スクリプトで取り除かれない限りは恒久的に関与を続ける。「Fate of Iberia」ではal-Andalusの支配階級、すなわちArabsやBerbersの文化的に孤立した一族を関与させ続けるために必要であるためにこうなっているが、一般的にはその地域の伯爵領に広まっていない文化や教派を闘争に取り込んでおかしな振る舞いをしないようにするためのものだ。より単純な例として、征服後のAnglo-Normanの闘争を仮定してみよう。私たちはおそらくNormanを関与する文化として設定し、イギリス諸島にNormanの伯爵領がないからといって、すぐに関与しない文化にならないようにしたいと考えるだろう。

しかし、キャラクターは?

  • 地域内ではキャラクターは個人の関与によって定義される。個人の関与とは彼らが進行中の社会的・文化的変動の一部とみなされる度合いであり、他のキャラクター(や伯爵領)が彼らをどう扱うかということだ。関与には3つのレベルがあり、すなわち関与者(Involved)・干渉者(Interloper)・非関与者(Uninvolved)だ。
  • 関与している(Involved)キャラクターは闘争に関する固有の勢力の力学に心から関与している人々で、その地域の内部者とみなされる。彼らの文化と教派双方が闘争に関与していなければならず、かつ、彼らの首都が闘争地域内にあるか、領地を持っていない場合は物理的にそこにいる必要がある。
  • 干渉者は一般に関与しているキャラクターほど闘争のルールの恩恵を受けないが、そうしたルールによって大きく制限されることもない。彼らの文化や教派、あるいはその両方は闘争に関与しないが、彼らの首都(領地を持っていない場合は物理的な所在地)が闘争地域内にある。
  • 関与しない(Uninvolved)キャラクターは部外者やよそ者だ。文化や教派にかかわらず、首都が闘争地域外にある(領地を持っていない場合は物理的にそこにいない)場合、キャラクターはその闘争に関与しないとみなされる。関与していないキャラクターは一般的に闘争地域内に伯爵領を持つとペナルティを受け、その土地を関与レベルの高い封臣に任せるか自ら闘争に関与することが推奨される。

フェーズ

  • 各フェーズはその闘争に特有の、闘争地域内の雰囲気や気性のようなものを反映し、受け入れられるもの、受け入れられないものについての一般的な評価の変化につながるようなそれまでの多くの行動の結果だ。禁忌だったものが一時的に主流になったり、受け入れられていたものが非常に保守的なキャラクターにさえ拒絶されるかもしれない。
  • フェーズの移行については各フェーズで少なくとも1つ(通常はそれ以上)の後のフェーズがあらかじめ定義されており、フェーズで取った行動が地域の「雰囲気(mood)」を変化させる。
  • イベリアの闘争では、フェーズは緩やかで均等な周期になっている。横方向への移動と後戻りは可能だが、ほとんどは円形に均等に動く。これは純粋にデザイン上の選択であり、より難解な流れは完全にスクリプト可能だ。

雰囲気の具体化

  • 各フェーズの実際の効果はパラメーター、キャラクター補正、伯爵領補正の3つに分かれ、さらに異なるキャラクターの関与によって分けられる。
  • パラメーターは特別なルールで、スクリプト内で完全に定義され(つまり完全に改造可能)、スクリプト内の他の場所で参照することで、独自のコンテンツをアンロックしたり、特別な例外を設けたり、特定の行動を封じたりできる。例えばあるフェーズでは関与しているキャラクターが異なる教派間で結婚でき、別のフェーズでは関与しているキャラクターが聖戦を起こせない一方で干渉している(Interloper)キャラクターが安価に聖戦を起こすことができ、両方のフェーズで関与していないキャラクターは関与している文化への転向を拒まれるかもしれない。
  • キャラクター補正は関与しているキャラクターや干渉しているキャラクターに直接適用でき、これは一般に関与しているキャラクターに影響するが、干渉しているキャラクターがローカルルールを曲げたり破ったりするのを容易にするために使用することもある。関与していないキャラクターはキャラクター修正スロットを持たない。
  • 伯爵領補正は各伯爵領の直接の支配者とその関与に応じて、闘争地域のすべての伯爵領に適用される。一般に、関与しているキャラクターはフェーズに応じた状況変数が、干渉しているキャラクターには軽度から中程度のペナルティが、関与していないキャラクターには中程度から重度のペナルティが付与される。
スポンサーリンク

きっかけ(Catalysts)

  • フェーズの移行にはきっかけの有効化が必要だ。すなわち注目すべきイベント、プレイ上の行動、既存のシステムの結果などだ。きっかけが有効化されるたびに、現在のフェーズはきっかけに結び付いた将来のフェーズに向かうポイントを獲得する(例えば注目すべき異なる宗教間の結婚なら、寛容に着目したフェーズに向かうポイントを獲得するのに役立つ)。
  • きっかけは繰り返し可能で、きっかけの難易度に応じてポイントも変動する。例えば2人の重要なキャラクターが魂の伴侶になることで、重要なキャラクターが1人処刑されるより多くのポイントを獲得できるかもしれない。
  • ポイントは単純に集計され、ひとつの将来フェーズに到達すると、1か月の猶予期間を置いてそのフェーズが現在のフェーズとなる。
  • 時間経過という特別なきっかけもある。すべてのフェーズにはデフォルトの将来フェーズがあり、1年ごとにそのフェーズにポイントが集計され、特定の結論に向かう世論の自然な傾向を表現する。

終結のディシジョン

  • 闘争の特徴はマップを塗るだけで解決できないという点だ。私たちは単に征服するよりも、闘争を終わらせるためにより困難で興味深い目標を提供したかった。闘争地域を取り巻く根本的な社会の問題に対処していないのであれば、すべてを征服したとしても意味をなさない。
  • 終結のディシジョンはこれに対する私たちの解決策であり、闘争地域全体に影響を与え、通常はかなり複雑な要件となる大規模で厳しいディシジョンだ。
  • 通常の流れで闘争を終了させるには、少なくとも1つのフェーズに終結のディシジョンが定義されていなければならないが、スクリプトで終了させることもできる。イベリアの闘争は3つの終結のディシジョンがあり、それぞれが異なるフェーズに結び付いている。

イベリアの闘争

  • 以下は最終的なものではなく、調整が続けられるものであることを念のため指摘しておく。
  • イベリアの闘争のフェーズは好機(Opportunity)・敵対(Hostility)・妥協(Compromise)・和解(Conciliation)だ。半島の指導者たちが互いをどう扱うかによって好機は敵対と和解につながり、敵対と和解は妥協につながり、それが好機につながり、サイクルがまた始まる。
  • 好機フェーズでは闘争の補正とパラメーターにより、戦争も文化や宗派の変化もより容易かつ安価になるが、異なる教派の結婚も解禁され、聖戦は禁止される。異質なキャラクター同士の友好的な関係は和解へのきっかけとなり、暴力的なものは敵対へのきっかけとなる。
  • 敵対フェーズでは、関与する全員にとって戦争が安価で残酷なものとなり、経済や技術の進歩は低下し、多くのキャラクターの敵対的な策略(schemes)を進める能力が向上する。しかし暴力は永遠に続くわけではなく、橋渡しの努力や単純な疲労によって最終的には妥協に向かう。
  • 敵対の対極に位置するのが和解フェーズで、このフェーズのキャラクターは当時の厳しい偏見の多くを便宜上の名目で一時的に捨てたり無視したりする。戦争は高くつくようになり、停戦期間が長くなるが、イベリア半島の問題に干渉する外部勢力に対して団結する機会があり、より多文化・多宗教の勢力を支配しやすくなり、その利益も大きくなる。このような相互依存の時代は一般に長続きせず、最終的には妥協に向かう。
  • 妥協フェーズではイベリア半島は均衡状態にある。戦争の可能性は低くなり、高くつくようにもなる一方、経済投資その他の受動的安定性はより容易でより高まり、異なる教派の結婚も盛んになる。妥協という疲弊した現実主義は永久に続くものではなく、いつの日か好機というひねくれたダイナミズムが台頭し、このサイクルがまた始まる。
  • 当然ながら、私たちはこうしたフェーズすべてにフェーズ固有のイベント、ディシジョン、やり取り、奇妙な開戦事由などをちりばめている。また、ほとんどのフェーズでは既存のコンテンツに可変のアンロック基準を追加し、策略「王位の主張(Claim Throne)」やディシジョン「宗教騎士団の設立(Found Holy Order)」が使用できる状況を調整する。通常は使用できないキャラクターも一時的に使用できるようになることがほとんどだ。
  • 私たちは敵対・妥協・和解のフェーズに終結のディシジョンを用意した。

  • 敵対フェーズの終結のディシジョンは支配(Dominance)であり、イベリア半島の一勢力が軍事的優位だけでなく社会的・精神的覇権を握るまで上り詰めたことを反映する。これにより、プレイヤーの家(house)は非常に強力な補正を獲得し、イベリア半島内の伯爵領や教派の転向が非常に早まり、教派や文化を同じくする人々との関係が改善する一方で、他の関与する文化や教派との関係は著しく悪化し、聖戦と征服がより安価で容易に行えるようになる。
  • これにはいくつかの重要な公爵領を確保していること、第一称号の王国が単一の文化・教派であること、イベリアで唯一のプレイヤーが操作する独立した大規模な勢力であることが必要となる。

  • 和解フェーズの終結のディシジョンは緊張緩和(Détente)で、一時的な適応を恒久的なものにする。関与している文化は互いに非常に大きな文化受容度(cultural acceptance)と、異なる教派や文化に対する評価を向上させる家の補正を持つ。また、イベリア半島内の関与している文化のキャラクターについて、和解フェーズのシステム、すなわち異なる教派間の結婚や聖戦の禁止が恒久化される。さらに、イベリア半島のキャラクターはイベリア半島を目標とする半島外からの侵略者に対して防衛戦争に参加できる。
  • これには一定のLevel of Fame、他のすべての独立した関与しているイベリアの領主と同盟関係にあること、イベリア半島の一定割合以上を支配することなくIberian王国を完全に支配していることが必要となる。

  • 妥協フェーズの終結のディシジョンは「現状維持(Status Quo)」で、これはイベリア半島をバルカン半島化し、必要に応じて公爵領を隣接する王国に移し、イベリア半島内のすべての王国を名目上は帝国とし、Hispaniaを永久に破壊する。闘争地域の領主の家は2世紀にわたって自分たちと同じ文化的系統(cultural heritage)を持つ土地での戦闘に有利な補正を得る一方、すべての独立領主の首都となっている伯爵領は次の1世紀にわたって強固な拠点となる。イベリア半島内の一部の開戦事由は高くつくようになる。
  • 現状維持の条件は少し複雑だが、これは支配や緊張緩和が困難な場合に機能する離脱のディシジョンとして機能することによる。イベリア半島を征服することも協力させることもできないなら、いつでも破壊してしまうことができるということだ。
スポンサーリンク

今後の活用

  • イベリアの闘争は闘争システムの最初の使用例であり、私たちは非常に満足している。私たちはこの機能がみなさんの想像力をかき立てたと気づき、もう少し多くの情報が出揃った今回からみなさんの意見をうかがいたいと思っている。言うまでもなく、1.6のリリース以降はMod制作者がこのシステムを利用できるようになる。

質疑応答

Q:闘争システムはNorse侵略時のイングランドにも導入される可能性があるの?

A:現時点では導入しないが、確かに可能性はある。個人的には時間軸が少し短いと思うが、実装次第だろう。

Q:867年スタートで他に闘争システムが導入されるところはある?

A:ない。

Q:後継者問題などより一般的なできごとに闘争システムを使う予定は?

A:特にないが、選択肢はオープンに保っている。

Q:その地域のAIは積極的に闘争に影響を与えようとするの?

A:一般的にはそうだ。AIは多くのきっかけをやろうとするが、一部のきっかけはプレイヤーに重点を置いている。


次回:開発日記#95――イベリアのフレーバー

コメント

  1. おー凄い面白そう。こういうのを待ってた
    支配の終結ディシジョンは今とそんなに変わらなさそうだけど、緊張緩和と現状維持は大きく変わるなあ
    早く遊びたい

  2. 異文化が衝突してる地域ということは
    将来的にはエルサレムあたりにも適応されるのかな
    あとはルーシーや西域諸国あたり?

タイトルとURLをコピーしました