「Victoria 3」新DLC「Pivot of Empire」発売!

「Stellaris」開発日記#244――変化のとき

Stellaris 開発日記

「Stellaris」の開発日記#244が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はゲームディレクターの交代について。3.3リリース後の開発日記です。

前回:開発日記#243――3.3「Libra」は出た、では次は?


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開発日記

開発日記#244は、ゲームディレクターの交代について。

  • 今日は私(注:Stellarisゲームディレクターのgrekulf氏)のStellarisゲームディレクターの任期が終了し、Stephen Muray(別名Eladrin)が後任となることをお伝えする。私はパラド社開発スタジオ(Paradox Development Studios)に残るが、私が主導する未発表のプロジェクトに集中できるように退任する運びとなった。
  • Stellarisは素晴らしい作り手のもとに移るし、Stephenとそのチームは3.3「Libra」のすべての称賛を受けるに値する。私の関与は統合力(Unity)の見直しに最初の道筋をつけたことに過ぎなかった。
  • 私は私たちが成し遂げてきたことについて非常に誇りを持っているし、満足してもいる。また、Stephenとそのチームがともに成し遂げることをとても楽しみにしている。このゲームはおそらくこれまでで最良の状態にあり、Custodian Initiativeがうまくいっていることも相まって、私が退任して他の人に手綱を任せるのに最良のときだと感じている。
  • この数年間一緒に仕事をしたすべての人に感謝したい。私たちが愛するこのゲームが日に日に素晴らしいものになっていくのを見るのは本当に楽しいことだった。

私のStellarisでの経歴

  • 振り返ってみると、私がStellarisから離れるのは不思議な感じがする。というのは、2013年からさまざまな立場でStellarisに携わってきたためだ。Stellarisとの付き合いはUIデザイナーとして始まった。私はパラド社開発スタジオ最初のUIデザイナーで、当時は私たちが手がけるすべてのゲームに携わっていた。ゲームデザイナーに役割が変わって100%Stellarisに集中するようになったのは、2016年にStellarisがリリースされてからだ。2018年12月にMartin(注:現在Victoria 3ゲームディレクターを務めているMartin Anward氏)からゲームディレクターを引き継ぐまで、ゲームデザイナーとして働いた。
  • 振り返ってみると、2016年以降、このゲームは信じられないような旅をしてきた。Stellarisがリリースされたとき、私たちはこのゲームがどういったものなのかをはっきりわかっていなかった。私たちが承知していたのはStellarisが探検に重点を置いた宇宙4Xゲームであることだったが、この種のゲームとしてはこれが初めてのゲームだったため、育てて独自のアイデンティティを獲得させなければならなかった。
  • Stellarisはそうした点で興味深い。というのは、これが何年もかけて多くの変化を遂げてきたゲームだからであり、私はよりよいゲームにするために行ってきた大胆な決断や野心的な変更をとても誇りに思っている。

私の任期中のできごと

  • 「Ancient Relics」は私がデザインし主導した最初のDLCで、着目点は過去に遡って起こったことを読み返せる、進行するストーリーを持つ新しいシステム(発掘調査(archaeology))を作成することで、探検に関するコンテンツを拡張することだった。アノマリーとは対照的に、超さ地点はほとんど削除されず、クリア後もマップに残る。これはストーリーが残り続けるものになることで、銀河がより生き生きとしたものに感じられるようにするためでもあった。
  • 「Ancient Relics」には遺産(Relics)システムもあるが、こちらでは遺産についてユニークなアイコンを使った素晴らしいUIを作ることにもう少し力を入れたいと思った。全体として私は遺産を得たときにどのように見えるかについて本当に気に入っているし、他のUIでも特定の状況では遺産のUIと同じくらいいいものに感じられるようにしたいと思った。
  • Lithoidsは私の任期でリリースした最初の種族パックだ。種族パックに対するディレクターの関与は比較的小さい。私たちは最初のハイレベルのデザインやテーマを描くが、ほとんどの作業はアーティストとコンテンツデザイナーが行う。鉱物を食べるPopは多くの人が長い間求めていたものなので、lithoidsがStellarisに登場したのは本当にいいことだった。
  • Lithoidsは種族パックにゲームプレイを追加した初めてのものだったし、このテーマについて特別なものを付け加えたと感じている。この種のDLCとしては範囲が広くなったが、私たちがやったことは正しかったと思っている。
  • 「Federations」は私が主導した最初の大規模拡張だ。配信などで述べていたように、私たちは「戦争」や「外交」といったさまざまな「箱」にフィードバックやアイデアを集める戦略をとってきた。外交はそれまで手をつけていなかった箱で、「Federations」でそれを掘り下げる機会を得た。さまざまな外交的なやりとりに関するアイディアは数多くあったが、「Federations」では外交の「友好的」「協力的」な面に焦点を当てたいと思った。最初のアイディアリストが大きすぎて実現不可能だったため、「Federations」では多くのものを除外したが、そうしたアイディアの一部は「Nemesis」で採用している。
  • 「Federations」でもっとも気に入っている機能は起源(Origins)だ。起源がないStellarisを想像するのは難しいほど、自然な体験の一部のように感じている。また、銀河コミュニティ(Galactic Community)が外交に関するプレイに興味深いレベルを追加しているのも気に入っている。強いて言えば、もっと熾烈でマキャベリ的なものを見たかった。
  • 次に予定していた種族パックは2020年10月下旬の発売予定だったため、ハロウィンをNecroidsのデザインやテーマを作る際のインスピレーションの源にした。Necroidsのテーマはとても気に入っているし、もっとやればよかったと思うくらいだ。しかし種族パックの範囲の制御は重要だ。というのは、種族パックは主に見た目に関するコンテンツであり、ゲームプレイはおまけとして追加されるものだからだ。
  • 「Federations」の後にチームのほとんどは「Nemesis」に取りかかり、外交の敵対的で陰湿な部分に焦点を当てた。「Nemesis」の全体的なテーマは常に多くのレベルで機能していたので、とても気に入っている。新たな情報(Intel)システムは素晴らしく、また新たなファーストコンタクトシステムとそれに関連するコンテンツで他の帝国がより異質で謎めいたものに感じられるようになったのも気に入っている。諜報に関しては多くのアイディアがあったが、最終的には諜報作戦(Operations)について半分くらいの時間しか取れなかった。
  • 「Nemesis」については素晴らしいアイディアがたくさんあったと思うが、諜報と諜報作戦についてはもっと時間を取れればよかった。このシステムの仕組みは気に入っているが、十分に生かす時間を取れなかった。最終的には「Federations」と「Nemesis」でStellarisに欠けていた部分を補強し、同時に考え方の対立を強調してよりグレーゾーンの対立を可能にしたことがとても気に入っている。
  • 「Aquatics Species Pack」はDolphinoidsを追加できる機会を得たうれしいアップデートだった。以前触れたように、Dolphinoidsは何年もの間デザイン会議で面白い例として使われてきており、ついにswolephinsを実在させることができて本当に満足している。
  • ゲームディレクターとして時間が経つにつれて直接的な実装に関わることが少なくなり、代わりに長期的な計画立案や目標に重点を置くようになった。そんな中であるとき、the Custodian Initiativeのアイディアが生まれた。Custodiansのようなものはゲーム業界では目新しいものではない(games-as-a-serviceやgame-development-as-a-serviceを見よ)が、私たちにとって課題のほとんどは組織に関することだった。パラド社開発スタジオを3つのスタジオ(PDSグリーン・レッド・ゴールド)に分割することを決めてから、the Custodian Initiativeの可能性が現実味を帯びてきた。the Custodian Initiativeを実現したことはおそらく私が特に誇りに思うことだろう。

the Custodian Initiativeがなぜ私にとって重要なのか

  • 私にとってゲーム業界は変化しており、新しいコンテンツで競争することがより重要になってきている。the Custodian Initiative以前はゲームに必要な基礎的な品質(AI・パフォーマンス・プレイしやすさなど)と新たなコンテンツ制作のニーズのバランスを取るのがかなり難しく、アップデートごとの間隔も多くの月数がかかっていた。
  • the Custodianチームのアイディアはゲームとゲーム体験を向上させる明確な再投資だ。私の狙いはゲームの基礎的な品質が改善することで満足度が高まり、月間アクティブユーザー数が増加することだ。私の見解では満足したプレイヤーはDLCを買おうとするし、私たちも自分たちが情熱を注いでいるゲームをできるだけいいものにしたいと思っているため、全員が得をする。the Custodian initiativeはサブスクリプションサービスではないので、これを支持する最良の方法は気に入りそうなDLCを買うことだ。
  • the Custodian Initiativeが「いいゲーム=プレイヤーの満足=収益」という方向へ向かうことを期待している。

将来は明るい

  • 私は長年Stellarisに携わってきたので、私が退任してチームが今後もStellarisをさらに素晴らしいものにしていくのをはたから見るのを非常に楽しみにしている。長い間応援いただき、本当に感謝する。

次回:開発日記#245――緊急事態

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コメント

  1. 未発表のプロジェクト、eu5の可能性あるのかな

    • そうだとすると楽しみだが、victoria3もまだだし結構時間がかかりそう

    • EU5はTintoでヨハン主導でやるんじゃないかな

  2. マーティンが残してしまった課題を精一杯解決しようと努力していたな
    ダニエルはポップなゲームを作るのに向いているように思えるから、パラド初のポップゲームを期待します

  3. 3.3は統合力と布告周りだけが好きじゃないな
    それ以外は良いね

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