海軍戦略・戦術シミュレーションゲーム「Rule the Waves 3」を日本で遊ぶプレイ日記で、日露戦争を取り上げます。今回は1900年7月、準八八艦隊計画に基づく新型戦艦の設計・建造から。
前回:日本・日露戦争編 第1回
前回のまとめと今回の予定
前回は四四艦隊計画最後の装甲巡洋艦建造と、次の軍備計画である準八八艦隊計画の策定を行いました。
今回は1900年7月、前回策定した準八八艦隊計画に基づく新型戦艦の設計・建造から。
1900年
7月(続き)
前回策定した準八八艦隊計画に基づき、新型戦艦を設計します。
建造予算
今回は8,440-3,119-1,013-80-832-1,440=1,956を戦艦の建造に充てますが、さすがにこれで2隻建造は厳しいので、今回もできる限り建造費を絞った上で超過分は容認することにします。
全艦臨戦態勢時の維持費がかなり高くなってきており(現在は3,119/月)、これが建造予算を圧迫しています。1889年以前建造の艦船は既に旧式化していて解体も考えていますが、現状でも戦力的には不足しているので悩みどころ。とりあえずは設計から2ノット速力が落ちた時点で解体していくという方針でやっていくつもりです。
要求性能の決定
話を新型戦艦設計に戻し、要求性能を考えるために他国の同艦種を確認します。まずロシア海軍で現在建造中の最新鋭戦艦「クニャージ・スヴォーロフ」型。
- 主砲:12インチ連装砲2基4門
- 副砲:5インチ砲12門
- 補助砲:4インチ砲6門
- 魚雷発射管4基
- 舷側装甲8.5インチ
- 速力16ノット
- 排水量12,000トン
副砲・補助砲は脅威になりそうですが、現在ある情報では取り立てて優れた戦艦には見えません。ロシア海軍は日本海軍の1.7倍程度の予算で戦艦を23隻保有しているので、日本と同じく維持費が建造費を圧迫しているのかもしれません。
スペインについても、現在建造中の最新鋭戦艦「サン・フルヘンシオ」型を見てみます。
- 主砲:10インチ単装砲2門
- 副砲:6インチ砲12門
- 補助砲:3インチ砲6門
- 魚雷発射管2基
- 舷側装甲8インチ
- 速力16ノット
- 排水量9,100トン
「クニャージ・スヴォーロフ」型を一回り小さくしたような性能ですが、副砲の強力さが目立ちます。とはいえ、やはりこれもそれほど目立った性能ではないように思えます。
フランス海軍については、1893年就役の高速戦艦「イエナ」型を見てみます。
- 主砲:12インチ単装砲2門
- 副砲:8インチ砲4門
- 補助砲:5インチ砲8門
- 魚雷発射管4基
- 舷側装甲11インチ
- 速力19ノット
- 排水量12,100トン
19ノットというかなり速力のある戦艦で装甲も非常に厚い一方、攻撃力は控えめとなっています。この高速戦艦「イエナ」は現在北東アジア海域に配備されており、フランスと敵対すれば脅威になるでしょう。
フランス戦艦でもう1隻、フランス海軍最大の戦艦「レピュブリック」型も確認します。
- 主砲:13インチ連装砲2基4門
- 副砲:7インチ砲10門
- 補助砲:2インチ砲14門
- 魚雷発射管2基
- 舷側装甲10.5インチ
- 速力15ノット
- 排水量14,000トン
13インチ主砲を装備しているのもそうですが、副砲・補助砲の充実ぶりも相当な脅威になり得る戦艦です。15ノットと速力が低く、勝てない状況では離脱しやすいのが救いですが、戦うとなったら撃沈するのに苦労するでしょう。なお、1番艦「レピュブリック」は改修工事中で、おそらく射撃統制装置を装備するものと考えられ、そうなると13インチ主砲も現実的な脅威になりそうです。
以上に加えてその他の外国艦船の性能も踏まえた新型戦艦の要求性能と制約は以下のとおり。
- 主砲:12インチ装甲を貫通可能、できなければ速射性を重視
- 副砲・補助砲:主砲と合わせて合計で24門程度
- 舷側装甲:13インチ砲に耐えること
- 速力20ノット以上
- できるだけ安価
予算に余裕がないので最後は特に重要ですが、特に要求速力がかなり高いため、達成困難な要求でもあります……。
新型戦艦の設計
要求性能を踏まえ、朝日型戦艦を設計。性能の要目は以下のとおり。
- 主砲:10インチ連装砲2基4門(12インチ装甲を貫通可能な砲は現時点では存在しないので、速射性を重視。10インチより小さい砲にすると速力の関係で戦艦ではなく装甲巡洋艦になってしまう)
- 副砲:6インチ砲郭砲8門
- 補助砲:3インチ砲郭砲16門(主砲から補助砲まで合計28門)
- 射撃統制装置:中央測距儀3基
- 魚雷発射管2基(側面)
- 舷側装甲9インチ(スロープデッキ装甲。13インチ砲にギリギリ耐えられる)
- 速力20ノット
- 排水量9,700トン
- 費用:1,199/月
初瀬型戦艦を一回り大きくしたような性能で、日本海軍初の国産戦艦となる予定です。それによって建造期間が2年半(30か月)と長くなってしまいましたが、準八八艦隊計画はそれほど厳密な計画ではなく期間的な遊びがあるので、大きな影響はない見込みです。
また、いつもの乾舷Low、航続距離Short、舷側装甲Narrow、居住性Crampedという節約設計にしていますが、そうすると東南アジア海域の防衛には事実上出動できないことになり、運用の柔軟性に欠ける戦艦ということにもなります。しかしお金がないのはどうしようもありません……。
装甲については13インチ砲にギリギリ耐えられる水準でしかなく、今後の砲弾技術の向上で近距離ではすぐに貫通可能になってしまう見込みです。これまでは砲に対して装甲の圧倒的優位がありましたが、そろそろその優位性も怪しくなってきたようです。
朝日型戦艦は日本戦艦で初めて射撃統制装置(Central Rangefinder)を搭載した戦艦でもあり、10インチ主砲の命中率向上が期待されます。マニュアルにも記載がないので詳しくは不明ですが、射撃統制装置が効果を発揮するのは1基のみで、それ以上は予備と思われます。しかし戦場で射撃統制装置が故障して十全に戦えないというのでは困るので、最大の3基を搭載。
就役までは設計3か月、建造30か月、計33か月の予定。計画どおりなら1903年4月就役です。
8月
前回設計した明石型防護巡洋艦1番艦「明石」が就役。2番艦「笠置」も翌月就役予定。
10月
朝日型戦艦2隻を起工してまだ予算に余裕があるので、500トン級駆逐艦「潮風」型を設計。前型である「羽風」型駆逐艦からさらに1ノット上乗せして最高29ノット、魚雷発射管も2基としました。8隻建造予定。
11月
防護巡洋艦「和泉」艦長であるスピード狂の細谷海軍中佐が、機関に過負荷をかけたとして査問に付されたとのこと。せっかくのAbove avarageですが、規則の守れない海軍士官を守るのに威信を使うのもなんなので、予備役に編入してしまうことにします。
また、今回の一件で防護巡洋艦「和泉」の速度が設計から2ノット低下するようになったため、「和泉」を解体処分。
12月
讃岐型コルベットに続く植民地警備艦「八丈」型コルベットを設計。讃岐型コルベットは21ノットで設計したはずが就役してみると20ノットだったので、今度こそ21ノットに設定。それ以外に変更はありません。
1901年
1月
19世紀が終わり、新たに20世紀がやってきました。年が明けてすぐにスペインから同盟の提案。スペインと同盟する予定はないので、軍縮会議を提案します。
しかし話はまとまらず。
8月
潮風型駆逐艦1番艦「潮風」など潮風型計7隻が就役。もう1隻も翌月就役予定。
10月
9月にスペインとフランスが戦争に突入。10月にはフランスと同盟していたアメリカも参戦し、スペインはこの2国を相手に戦う状況になってしまいました。
そんな中、日本も清・ドイツと関係が悪化。悪いことに清はドイツと同盟しており、清と戦争になれば得るものがない上にドイツとも戦うことになる可能性があります。どうにか戦争は回避したい相手です。
11月
初期型沿岸用潜水艦技術の開発が完了し、日本でも潜水艦の建造が可能に。潜水艦は一定数建造しないと研究が進まないので、とりあえず8隻建造しておきます。
今回は準八八艦隊計画最初の戦艦建造と補助艦(駆逐艦、コルベット)の建造を行いました。次回は1901年11月、今回の続きから。
次回:日本・日露戦争編 第3回
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