「Victoria 3」開発日記#136が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は「Pivot of Empire」の物語コンテンツについて。1.8リリース前の開発日記です。
開発日記#135はアートに関する内容となっており、記事にして紹介していません。
開発日記
開発日記#136は、「Pivot of Empire」の物語コンテンツについて。
- 「Pivot of Empire」の所有者はムガル帝国の復活や功利主義の原則に従って運営される企業などの史実・非史実のコンテンツを体験できる。
Imperialism of Promise
- 英領インドには統治のためのインド人仲介者の維持の必要性と、こうした仲介者に対する信頼の欠如という緊張関係があり、そうした環境で行政は文書に執着するようになったが、こうした執着は開発日記#134の東インド会社の利益集団の特徴やイデオロギーで表現されている。
- 東インド会社の功利主義的な行政官はイギリスの統治制度をインド社会に押し付けようとしたが、Indian Uprisingの後のBritish Raj政府は伝統的なインドの制度を利用して統治しようとした。功利主義的な行政官はイデオロギー「Utilitarian」を持ち、野心的な官僚制度改革や社会改革を支持する。功利主義者は功利主義運動と結びついており、主要文化がEnglish・Australian・Anglo-Canadianの国家に登場する。
- ゲーム開始時に東インド会社には功利主義運動があり、ヨーロッパ人の官僚と東インド会社の幹部に支持されている。インドのような植民地では、功利主義運動が行政機関以外の支持を集めるのは非常に難しい。
- 功利主義運動が特定の利益集団の構成員に十分支持された場合、その利益集団は運動から圧力を受けているとみなされる。圧力を受けている利益集団は運動のイデオロギーを持つ指導者を生み出し、この運動を支持する政治活動家を指導者にする。
- 東インド会社の指導者が功利主義者なら、さまざまな進歩的改革を通しやすくなる。しかし、功利主義者はインド国民から非常に嫌われており、彼らの見方を社会に押し付けようとする行動は植民地政府とインド国民の間の緊張を高めることになる。
- 英領インドに功利主義的改革者が現れると、彼らのイデオロギー的目標を実現するための努力を取り上げたジャーナル記事「Imperialism of Promise」が始まる。
- 史実では彼らは目標を達成できず、暴力的な手段を除いてインドを効果的かつ持続的に統治する能力は限定的だった。1857年のIndian Uprisingの発生と会社支配の終焉によって功利主義的な考え方はほとんど廃れ、インド人の仲介者や伝統的な制度を使った保守的な統治に変わった。
- ジャーナル記事を完成させれば、彼らはインドにおいて功利主義的な官僚機構を作り上げることに成功したことになる。
Indian Nationalism
- 英領インドが「汎ナショナリズム」を研究すると、「Indian National Movement」が有効になる。これはIndian National Congressなどの世俗の民族主義組織を表現し、彼らは市民的自由、先住民であるインド人の平等な権利、インド人地主の優遇などを支持するイデオロギー「Sovereignist」を持つ。
- インドにはヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の民族主義運動を表現する運動もあり、今回の開発日記後半で「Communal Divides」として取り上げる。
- 政治運動はあらゆる条件に応じて彼らのActivismを調整する要素を持つようになった。「Indian national movement」の場合は、それほど自律的でない従属国であるため、高いliberty desireが彼らのactivismを高める。英領インドがDominionになると、「Indian national movement」は彼らに有利な法律になっているのと同様に、彼らをなだめることができる。
- ジャーナル記事「Indian Home Rule」は「Indian national movement」の最初の要求で、イギリス帝国体制内での地位向上と自治権付与を求める。これが有効になっている間、英領インド政府は行政の民主化を請願できる。成功確率はイギリスがインドに寄せる信頼度合いを示す進捗バーによって決まる。イギリスとの関係が悪いとfaminesや攻撃的な政府のように進捗を低下させる。
- ジャーナル記事「Home Rule」が表示されると、イギリスはそれと連動したジャーナル記事を受け取る。イギリスのAIは実行しなければインド支配が脅かされると感じたときに実行し、インド議会の設置と選挙が行われる。
- 内戦が勃発したり、「Indian national movement」のActivismが50%を超えると、イギリス軍はデモ隊に発砲し、負のスパイラルに陥る。
- 「Amritsar Massacre」が発生するとイギリスとインドの和解の望みはなくなり、「Indian national movement」が重要でなくなるかインドが独立するまで、ジャーナル記事「Indian Nation」が残る。
- ジャーナル記事「Indian Nation」がある間にインドで内戦が勃発した場合、イギリスはインドから引き上げて放置するか、いずれかの反乱のリーダーに統治権を譲る。
- 状況によってはイギリスの撤退命令を無視することもある。
- 「Pivot of Empire」には塩の行進など「Indian national movement」に関するさまざまなイベントが含まれる。
Communal Divides
- 民族的・宗教的アイデンティティが固まり始めると、ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の対立が大きくなってくる。この2つのグループの政治的利益と要求を両立させるのは難しく、さらに複雑にするイベントも発生する。
- ジャーナル記事「Communal Divides」が有効である限り、差別による急進派と宗教的ナショナリストの政治運動のattractionが増え、解決を優先すべき問題となる。
- イスラーム教徒が多数を占めるステートにに自治権を認めるIndian federationはひとつの解決法だが、自治の約束を反故にすればイスラーム教徒の間に大きな社会不安をもたらす。
The Dravidian Movement
- British RajのIndian Civil Serviceへのインド人の組み込みは、Brahminsに偏っていた。この不平等が「Dravidian Movement」の下地となる。ジャーナル記事「Dravidian Movement」はインド全土を対象とするため、Madras Presidency以外の史実における他の反カースト運動も含めている。
- 「Dravidian Movement」が有効な場合、カースト差別との闘争に関するイベントが英領インドで定期的に発生する。
The Non-Cooperation Movement
- ジャーナル記事「Non-Cooperation Movement」は「Indian Home Rule」と「Indian Nation」の中間に位置し、「Indian National Movement」のactivismが35%に到達したときに表示される。
- 「Non-Cooperation Movement」はインドが独自の市場を認められているかどうかで目標が変わる。認められている場合、インドに商品を輸出するイギリスの貿易ルートを採算の合わないものにすることに着目する。認められていない場合は、インドのイギリスに対する経済的依存を小さくすることを目指す。このジャーナル記事が有効である間は、これに関するイベントがときどき発生する。上の画像のイベントはスワデーシによって特定のステートの税収や関税収入を脅かすものだ。このほか、hartalsやイギリス製品のボイコットなどのイベントがある。
- 「Indian national movement」のactivismが75%に達すると、「Non-Cooperation Movement」流血の渦に巻き込まれ、「Indian national movement」のattractionは一時的に低下する。
Indian Famines
- Faminesは以前の開発日記で説明したシステムで、インドにも影響する。複数のステートでfamineが発生すると、ジャーナル記事「Indian Famines」が有効になり、ジャーナル記事「Indian Home Rule」のような他のインドのコンテンツに悪影響を与える。
- この危機/ジャーナル記事の名称はインドのどこで飢饉が発生したかによって決まる。事態があまりにも悪化すれば、「Great Indian Famine」に見舞われるかもしれない。悪影響に対抗して事態を早く終息させるために、famine reliefディシジョンをいくつか行えるが、国庫に相当の負荷をかける。
Indian Railways
- ジャーナル記事「Purveyor of Progress」「Victoria Terminus」はインドの鉄道網の発展を促し、「Pivot of Empire」で追加されるmonument「Victoria Terminus」を建設する。
- 「Victoria Terminus」は威信をもたらし、デフォルトで鉄道のスループットを高める。素晴らしい3Dモデルもある。
Sikh Sovereignty
- ジャーナル記事「Sikh Sovereignty」はSikh Empireの衰退を捉えたもので、君主は宮廷で繰り返される殺人計画に対処しながら自分の支配を確固たるものにする必要がある。
- 君主に対する陰謀の進行はCourt Intrigue進捗バーで表され、特定の要素が作用している間はこのバーが進んでいく。Dhian Singhのような冷酷で野心的なキャラクターは怒らせるとIntrigueバーが大きく進んでしまうため、彼らが好む法律を制定して満足させておくのが最良だ。
- Intrigueバーが100%に達すると現在の君主は悲惨な最期を遂げ、別の候補者に置き換わる。
- 君主が支配を強固なものにし、独立を維持できれば、残酷な権力闘争の連鎖を終わらせることができる。
The Prisoner of the Red Fort
- Hindustanのジャーナル記事「Prisoner of the Red Fort」はゲーム開始時から有効で、イギリスが保護した後のムガル宮廷の窮状を扱っている。
- このジャーナル記事が有効である間、宮廷の活動に関連したイベントが定期的に発生し、Hindustanのプレイヤーはボーナスを得るためにイギリスに接近するか、距離を置くかを選ぶ。
- Hindustanが東インド会社から解放されれば、「Indian Uprising」その他の手段で皇帝の地位を利用し、東インド会社以後のインドにおいて有利な地位を占めることができる。
Princely State Content
- ジャーナル記事「Struggle for Sovereignty」で藩王国プレイヤーは史実の藩王国と同様の行動をとることができる。
- ジャーナル記事「Struggle for Sovereignty」はディシジョン「Seek Sovereignty」で進めることができる。これは技術「ロマン主義」を研究し、正当性とliberty desireが高いとアンロックされる。このジャーナル記事はliberty desire上昇量と研究速度に小さなボーナスがある。
- 有効である間、このジャーナル記事は藩王国に関するさまざまなイベントを発生させ、イギリスに接近したり距離を取ったりする機会をもたらす。
- 藩王国がこのジャーナル記事で独立を達成するのは難しいことではあるが、成功すれば彼らはさらなる力と威信を獲得する機会を得る。
Military Assistance
- アップデート1.8では、「General Staff」を研究した国家は脅威にさらされている友好国にMilitary Assistanceを行える。これは提供した国家で軍需品が高くなることと引き換えに、受けた国家に軍事ボーナスをもたらし、双方で経験値を得ることができる。この協定は互角の戦いを自国に有利にするのに役立つ。上の画像は開発中のものだ。Military Assistanceは1.8によって無料ですべてのプレイヤーが利用できる。
来週は「Pivot of Empire」の3Dアートについて。
2024年11月15日追記:開発日記#137は予告どおり3Dアートに関する内容となっています。記事にして紹介はしませんので、気になる方は直接スレッドをご覧ください。
2024年11月21日追記:開発日記#138は「Pivot of Empire」+1.8のチェンジログと実績についての内容となっています。記事にして紹介はしませんので、気になる方は直接スレッドをご覧ください。
2024年11月29日追記:開発日記#139は1.8.3パッチノートとなっています。来週にはホットフィックス1.8.4のリリースを予定しているとのこと。記事にして紹介はしませんので、気になる方は直接スレッドをご覧ください。
次回:開発日記#140
コメント
1.8で、あの不安定だったイギリスでここまでインド要素を楽しむ余裕が出てくる…のか?
イベントがすごく細かく作りこまれてるね
いざプレイしてみて楽しいのか煩わしいだけなのか、ちょっと未知数に感じるけど、
今後他の地域もこれぐらい深堀されると思うとそれは楽しみだな
AIイギリスはさらにインドに悩まされるようになるのだろうか
ほとんどの地域アプデが来る度にイギリスお嬢のジャーナルが充実していくな
流石この時代の主人公なだけはある
関わってない地域はないんじゃないか
既存植民地の経営で忙しくて拡張しにくいってのは大英帝国感増して楽しそうじゃん
cpu担当にした時に崩れないか相変わらず心配だけどw
今回はカントリーパックだと思うけど、sphere of influenceみたいな大型?アプデはいつ来るんだろ
夏ぐらいか?