「Victoria 3」新DLC「Sphere of Influence」発売は5月6日!

「Victoria 3」開発日記#64――リリース後の計画

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#64が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はリリース後の計画について。本体発売後の開発日記です。

前回:開発日記#61――データの視覚化

開発日記#62はQAに関する内容、開発日記#63は音響に関する内容となっていますが、当サイトでは記事にしてご紹介しませんでした。


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開発日記

開発日記#64は、リリース後の計画について。

  • 遂にゲームが発売されたが、それは私たちにとってリリース後のサポート作業という別の段階の仕事が始まったということだ。私たちはフィードバック収集、バグ修正、バランス調整で非常に忙しくしており、現在はリリース後のフリーパッチに取り組んでいる。その最初のものが既にリリースされているはずのホットフィックス(注:1.0.4のこと)だ。
  • 私たちの計画は当然ながらホットフィックスに留まるものではなく、今回の開発日記では今後数回の大きな無料パッチで私たちが重点を置くことについて取り上げる。今回はこのゲームの長期的な目標は取り上げない。「Victoria 3」を今後何年にもわたって発展させていく素晴らしいアイディアが尽きないのは確かだが、現時点で私たちが集中しているのはリリース後のサポートとパッチであって拡張の計画ではない。
  • 今回のリリースについての私(注:ゲームディレクターのWiz(Wizzington)氏)個人の感想を述べておきたい。全体としてこのリリースは大成功だと思っており、「Victoria 3」を購入して遊んでいる人の多さに驚かされている。私は最初のデザインの開始時からこのプロジェクトに関わり、2018年末に「Stellaris」を離れてからは「Victoria 3」のゲームディレクターとなった。やりやすいゲームではなかったのは確かだが、私がこれまで指揮を執ってきたプロジェクトの中でもっとも興味深く、充実したものだった。
  • このゲームの包括的なビジョン、すなわち国内開発・経済・政治を推進力とする「社会構築ゲーム」は当時からそれほど大きく変わっていないと思うが、仕組みやシステムは無数のイテレーションを経て(チーム内では「もう一度市場の見直しをしてもらえるか?」というジョークがよく言われた)今日のビジョンに沿った私が素晴らしいゲームと考える(しかしいくつかの重要な分野で改善が必要な)ものに至っている。

内容は追加・変更される可能性があり、また網羅的なリストではない。

  • 改善が必要な最初の分野は軍事だ。軍事システムはこれまでのグランドストラテジーゲームの軍事システムとは大きく異なる。「Victoria 3」で軍事に関するゲームプレイをどのように機能させたいかについての中核部分は非常にしっかりと地に足がついていると思っているし、より戦術的なシステムに戻すつもりはないが、インターフェースに問題があり、また特定の部分についてはプレイヤーのコントロールを選択的により深く大きくできるはずでもある。以下は私たちが軍事システムについて改善と拡張を検討していることを順不同で並べたものだ。
    • 現在の将軍の機能におけるいくつかの粗い部分に対処する。例えば戦闘時のユニット選択の改善、戦線の全体的な前進のバランス調整などだ。
    • 国家が将軍に戦略目標を設定できるようにする。
    • 海軍の可視性を高め、提督をより使いやすくする。
    • プレイヤーが自国の軍事状況全体をよりよく把握できるようにし、戦闘規模の背後にある基礎的な数値などのさらなるデータを表示する。
    • ポケットの形成によって戦域が複数(時には数十)の小さな戦線に分割される問題に解決策を見出す。
    • より長い戦線について制御された戦線の分割を実験する。
  • 2つ目の分野は歴史的な没入感だ。「Victoria 3」が厳密な歴史ゲームではなく歴史サンドボックスであることについて、私たちは常に率直であり続けてきたが、それでもプレイヤーには発生する出来事がもっともらしい非史実を形作っているように感じてもらいたいと思っている。現在は一部の期待される歴史的結果が十分に頻繁に起こらないか、没入感を壊す形で起こっている。以下は短期的に改善の対象となる領域を順不同で並べたものだ。
    • アメリカ南北戦争が発生する可能性を高め、理にかなった方法で発生するようにし(奴隷州が奴隷制を守るために蜂起するなど)、プレイヤーが簡単に回避できないようにする。
    • 明治維新やアラスカ購入などのコンテンツについて、AIの改善とコンテンツの調整を行ってAIがより頻繁に成功できるようにする。
    • 現在プレイヤーが発見したり達成するのが難しすぎるような遠征やジャーナル記事などのコンテンツを見えるようにし、改善する。
    • イタリア・ドイツ・カナダなどの統一が史実のスケジュールより何十年も早く起こらないようにし、特にイタリアとドイツの統一の難易度を上げる。
    • 一般的なAIの調整により、AI国家がよりリアリティがあり、没入感のある方法でプレイするようにする。

私たちはより制限的な法律が受け入れられたPOPの忠誠心を高めるようにすることで、文化的/宗教的寛容さに関する法律をバランス調整し、トレードオフが生じるようにする。

  • 3つ目の分野は外交だ。この分野では私たちはうまくやっているし、大幅な再設計は必要ないと思っているが、外交はさらに深化させることができる分野であり、外交と外交プレイに追加したい選択肢がいくつかある。
    • 外交プレイにおいてなにかと引き換えに一方に味方することを申し出ることができる「逆懐柔(Reverse-swaying)」。
    • 外交プレイにおいて自国の主要な要求を1つの戦争目標以上に拡大する機能(しかしこれは各国が実際に撤回する理由があるような方法で行わなければならない)。
    • 外交プレイにおいてより多くのものを提供できるようにする。例えば自国領土の割譲など。
    • 州の取引(あるいは少なくとも割譲)。
    • 少なくとも相手が自国市場の一部である場合の、対外投資と外国におけるなんらかの形の建設。
    • 臣下(従属国)とのインタラクションの改善と拡大。例えば外交行動を通じてより多くの自治権を与えたり求めたりできるなど。
  • 以上は主な改善目標だが、上記3点のいずれにも当てはまらないもので、みなさんからのフィードバックにより改善したいと思ったものもある。以下はその例だ。
    • POPの概要と、ニーズ・生活水準・急進派/体制派といったPOPの要素を把握しやすくする。
    • 民間セクターの自律的な建設の実験と異なる経済システム間のゲームプレイの差異の拡大(しかし何度も言っているように、私たちは建設を完全にプレイヤーの手から離してしまうことはしない)。
    • ゲーム終盤の経済と、石油やゴムなどの重要資源を開発するAIの能力に関する欠陥の一部を解決する。
    • 保守的で独裁的なスタイルのプレイをより面白く、「競争的」で、挑戦的なものにする。

私たちが最初に調整する仕組みのひとつが正当性(正統性)で、特により民主的な法律では政府の得票率の影響がより大きく重要になる。

  • 上記のリストはもちろん私たちがやりたいことすべてを網羅したリストではなく、このリストのすべてが今後数回のパッチに含まれるとは約束できないし、優先順位は私たちが受けるフィードバックを受け続けることでも変わらないということもない。現状ではこれが近い将来の私たちの計画であるというだけだ。また、上に挙げたものはすべてリリース後の無料パッチに入れたいと思っているものであるということも、もう一度お断りしておく。いずれは拡張の計画についても述べる予定だが、すぐにではない。
  • 私たちがお約束できるのは、発売前と同様にリリース後の開発プロセスについて、開発日記・動画・配信を通じてみなさんに情報提供することに努め、洞察を深めてもらえるように最善を尽くすつもりであるということだ。

来週はリリース後のパッチに関する作業の詳細について。

次回:開発日記#65――パッチ1.1(その1)

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コメント

  1. 多分この計画は販売前からあっただろうな。改善点については販売前からある程度予測出来ていただろうし、既に開発も進めているだろう。

  2. 今までにないぐらいこれからが楽しみなゲームだ、ワクワクしながら待とう

  3. 改善してくれるのは嬉しいけれど、最初から入れといてよって要素がチラホラ見られるのが残念

  4. 2みたいに工場がニョキニョキ生えてくるのを見られるのか、楽しみだ

    • いい加減、起動するたびにランチャーでの設定がリセットされるバグみたいな仕様を直してくれ
      それと植民地にもっと旨味が出るよう、ゴム以外にアヘンやキニーネとかの商用作物が生産できるようになるイベントとかも欲しい

  5. 果たしてsteamのレビューを好転させられるか…

  6. >イタリア・ドイツ・カナダなどの統一が史実のスケジュールより何十年も早く起こらないようにし、特にイタリアとドイツの統一の難易度を上げる。

    これやるべき事は逆じゃね
    どちらも中途半端で終わってまともに観られたことないんだが
    仮にプレイヤーに合わせて難易度を上げるならAIだとますます厳しくなりそうな

  7. 戦争は確かに分かりづらいところがいくつかありますね
    津軽海峡で輸送船が襲われてるみたいだけど、海軍にどう指示してどう守ればいいのか、自分は理解できてない
    チュートリアルもなにも言ってくれない……

  8. >3つ目の分野は外交だ。この分野では私たちはうまくやっているし、大幅な再設計は必要ないと思っている

    まあ確かに再設計は必要ないかもしれんけど、途中参戦不可とか正直大規模な改善が必要であろう外交面の仕様でうまくやっているとか言われると鼻白むわ

  9. ドイツはともかくイタリアに関しては両シチリアだけ最初から大国ランクなせいで開始10年くらいでAIでも不完全統一してるのよく見るからハードル上げてもいいとは思うな

  10. まあパラドゲーだから不完全は我慢するけど、
    終盤すさまじく重たいのだけは勘弁してくれ
    俺だけか?

    • フォーラムちらっと覗いた感じでは、POPが移民の為に分割されて、その分割され数が増えたPOPが変わらない頻度で処理されるから、後半移動の規制が緩い国が増える毎に処理が重くなっているらしい。
      開発も認識しているらしく今後何らかの対応がされる……かも

  11. 経済のベースシステムは文句ないから、そのポテンシャルを最大限引き出すためにもAIやらなんやら頑張って欲しいなー。
    後は外交と戦争システムか。日の当たる場所みたいな植民地を奪う開戦事由みたいなのもそうだし、将軍や提督に戦闘を委任するといっても、プレイヤーの決定がどのような影響を与えるのかという予測みたいなものは欲しい。
    なにより、やっぱり帝国の時代の最後にすべての戦争を終わらせる戦争がないのは寂しいし、Vic2の大戦システムみたいなので派手に列強同士の存在を賭けた戦争をやりたいものだ。

  12. カナダはどこが勝つかは置いといて大体統一されてるし
    イタリアも割とスムーズに進んで列強入りしてるイメージ
    ただドイツ(プロイセン)がグダグダ小競り合い続ける印象が強くてどうなんだろうなぁ
    稀に上振れすると物凄い勢いで大ドイツ化するから振れ幅大きすぎるのは有るだろうけど

  13. CK3が発売直後から完成度高かったからこちらも期待してたんだが…
    ま、パラドゲーなんでこれからどんどん改良されるだろうし 楽しみにしてる

  14. 明治維新に関しては現状反乱起こさせるより少しずつ改革する方が早いってにをなんとかしてほしい
    内戦が起きたらインテリ側に天皇がついてインテリ側が勝ちやすいみたいな感じにするとかして
    それだけでも日本だけが早期に近代化できる理由にもなるだろうし
    パラドとしてはシュミレーション性を高めるために他の非承認国も日本と同じように近代化できる仕様にしたいんだろうけど…
    少なくとも観戦モードでは史実通りの世界ができるようにはしてほしいな

  15. 別に戊辰戦争が起きたのは新政府に徳川が食い込むことすら許したくなかった奴らが挑発して起こしたことであって、無血大政奉還もいくらでも可能性あったから反乱起こさせる方がいいって言うのも違うとおもう

    • 確かに。ある意味、幕府の影響力が下がったから元首交代っていう今の仕様は正しいかも。ただもっと幕府の影響力が下がるようなイベント(政策の不満、他国の影響、特に不平等条約とか、朝廷関係とか)が欲しい、、、、法案通して影響力下げるとかってなんかズレてる感じあるような…(元首なのに自身の利益集団を抑圧とか、よく分からんプレイヤー能動的な作用は何だかなあと)

  16. Vic2では分離されてた徴兵、軍艦建造、港湾建設、インフラ整備、工場建設(+国土開発)が全て建設セクターひとつで行われていて何をするにも時間がかかり、ゲームスピードが4速5速じゃないとまともに楽しめないのはやっぱりおかしいと思うんだよな

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