「Hearts of Iron IV」開発日記2022年5月4日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は講和会議について。「By Blood Alone」+1.12リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記2022年5月4日分は、講和会議について。
- HoIの今後の計画を更新してからしばらく経つが、私たちがやってきたことの一部についてご紹介する準備が整った。その前に、これまでとは少し異なる点があることをお伝えしておく。以前にも述べたように、私たちは機能や実装の詳細に関する議論を通常よりも少し早い段階で始めたいと考えている。これは以下の2つのことを意味する。
- 第一に、私たちは個々の機能をいくつかご紹介するが、次のリリースの全容をご紹介する準備はまだできていない。もちろん、近い将来にご紹介する予定ではある。
- 第二に、みなさんには私たちが取り組んでいるものを初期段階でご紹介するが、これにはすべてデザイン・インターフェース・ゲームプレイが開発中のものであるという注意事項がある。
- 最後に、この「デザインコーナー」スタイルの開発日記は当面のあいだ毎週ではなく隔週で投稿する。これは完成に近づくにつれて変更される可能性がある。
講和会議
- 最初に、今回ご紹介する機能である講和会議の方向性をご紹介する。私たちの主な目標は以下のとおりだ。
- 参加国に適切な報酬を与えるシステムを構築すること。
- 会議の範囲内で対立やその解決を行えるようにする。
- 会議の中で限られた「経済」を作り出し、プレイヤーが目先の課題を確実に処理するために全体の目標を犠牲にしなければならないかもしれないようにする。
- AIが関与するところではより「現実的な」結果を生み出す。
- 私たちは過去数か月の間に講和会議システムの見直しに取り組んできた。HoI4の講和会議システムの機能に問題があることは周知のとおりだ。使い方を覚えるのが驚くほど難しいインターフェースもあいまって、特に嫌われ、不満の多い機能となっている。私たちは現在のシステムの機能の仕方から大きく離れることにした。
- 以前のシステムから大きく変わった最初の点は、領土要求が絶対的なものから争奪可能なものになったことだ。以前の講和会議システムでは誰かがステートを要求すればそれで終わりだった。その要求はロックされ、誰もそれ以上なにもできなかった。
- 新たなシステムでは、プレイヤーは講和会議で他のプレイヤーのやり取りに異議を唱えられるようになったが、これにはコストがかかる。領有権の主張に対する異議にはポイントの負担があり、異議を唱えるたびにそのステートに関するやり取りの対価は上昇していく。これにより、あるステートにポイントを投じているすべての関係国の間で入札合戦が事実上行われる。この変更によって興味深い結果がもたらされ、中・低レベルの参加国はより大きな主体性を持ち、プレイヤーは実績や新しい国家タグなどのためにもっとも重要なステートを追い求めるために必要なツールを手に入れられるはずだ。
ここでブラジルはアルゼンチンが既に要求を出しているChao Borealに入札しようとしている。
- 競争可能な入札はいくつかの問題を解決するのに役立つが、さらなる変更を行わなければ多くの問題が残る。
- 特に明確な問題として、旧システムでの手番の処理方法がある。旧システムでは参加順に並び、参加国の保有するポイント数に応じて進んでいた。ここで変なのは、そのリストの順序が各国のターン終了ごとに更新されるということだ。つまり、上位2カ国がターン終了時に十分なポイントを持っている場合、その2カ国間でターンが入れ替わるだけで講和会議を完全に制御できてしまうということが頻繁にあった。
- これはある意味で史実の第二次世界大戦終了後に2つの大きな陣営の指導国が大きな支配権を持てるようにするいい方法だったが、実質的に他のほぼすべてのケースでは悪いことだ。
- 私たちはターンの順序と一般的なターンの構成について多くのことを考えたが、徐々にターンの順序がわかるシステムはそれがどのように構成されていても順序によって不利になったり有利になったりするという結論に達した。そうして到達したのが、私たちが一斉入札(Blind Bid)と呼ぶシステムだ。
Chaco Borealの入札で争うブラジルとアルゼンチン。
- 一斉入札システムの主要なコンセプトは全員が同時に行動することだ。1ターンごとにすべての参加国がポイントを使って入札を行う。すべての参加国が入札を終えると、すべての入札が同時に評価される。入札には現在の領土要求と同じく固定コストがあるが、さらに補正もかかる。2か国が同じステートに入札した場合、そのステートは係争状態とされ、関係国は入札に使用したポイントの大半を払い戻される。ステートが係争状態になるたびに、それ以降のすべてのラウンドでコストが増加する。この効果はステートが係争状態になったターンごとに蓄積される。
- 係争状態にならない入札もあり、係争状態にならない入札が行われたターンごとに、その入札を行った国家以外のすべての国家でコストが増大する。これは数ターンの間に現実的に係争状態にできないほど入札を高くつくようにして固定する効果がある。
- 最後の大きな変更点は「限定されたポイント」だ。名前のとおりだが、参加国各国は戦争参加スコアに基づいて講和会議期間中に一定量のポイントを獲得する。ポイントがなくなるまでそのポイントの一定割合をターンごとに配分していく。ここでの主な機能は戦争参加スコアのバランスを調整し、講和会議のポイントの上限を決めることだ。
- ポイントに制限があると場合によっては敗戦国がこれまでどおり無傷で生き残ることもあるが、これは一般的なことではないはずだ。一般的には、これによって楽しく、やや緊張感のある講和会議の体験が生まれると私たちは考えている。
- これまでに挙げた3つの大きな変更点以外にも、やり取りや参加にかかる全体的なコストについての調整やバランス修正がある。しかし、まだ非常に初期の開発段階にあるために、この話題はこの時点で触れる意味がない。
- 私たちはみなさんからのフィードバックを楽しみにしているし、みなさんにも楽しみにしていただけていたら幸いだ。
質疑応答
Q:AIは機能するの?
A:これまでのところ、AIの結果はそれほど悪いものではない。AIの主な重み付けメカニズムは価格ではなく値引きに基づいており、価格は同点を解消するために使用するだけだ。これは些細なことに聞こえるかもしれないが、これによってAIが講和会議でどう振る舞うかをさらに制御できるようになった。
Q:請求権や戦争目標があると安くなるということ?
A:そうだ。
Q:国家を傀儡化する場合はどうなるの?
A:傀儡化やそれに類する行為はステートに基づいて行われる。
Q:講和会議で希望する要求を同盟国に伝える手段はある?
A:ないが、スクリプトされた会議(ヤルタ会談など)は私たちが使用する新たなスクリプトされた行動補正でずっと簡単に表現できるようになった。(注:ヤルタ会談イベントなどで講和会議時に効果がある補正を付けることで、講和会議で特定の行動がやりやすくなるようになったということか)
Q:AIは自国や同盟国の中核ステートを確保しようとするの?
A:そうだ。しかしヴィシーのようなイベントで生まれた国家については、現状ではまだうまくいっていないところがある。この点については今後さらに詳細を述べる。
Q:マップが汚くなるのを防ぐシステムはないの?
A:国境への近さに応じてポイントを消費する「影響力」システムがある(この機能については今後詳しく述べる)。
Q:降伏した国家(フランスなど)の戦勝点が大幅に減るような仕組みはある?
A:ある。
Q:迎合度(compliance)は考慮される?
A:おそらく。
コメント
翻訳お疲れ様です。
質問で言及されていますがマップで汚くなるのを避ける機能があるのは楽しみです。
(ヨーロッパを併合するアメリカを見ながら)
ようやくHoI4最大の悩み「汚い国境」から解放される日が来るのか…?
とはいえ、現実にも西ベルリンやカリーニングラード等「汚い国境」はあるんですよね
パラドプレイヤーいやストラテジーゲームのプレイヤーにとって汚い国境は親の仇よりも許してはいけないものだから
今回の開発日記の主旨とは違う話かもしれないが、白紙講和や途中講和が出来るようになるのかが気になる。
一度ミスるとどうしようもならなかった講話システムが改善されるのはとてもいいと思う
それと国境線とかも綺麗になるようにaiが取ってくれるようになるのも素晴らしい
ふと提督の決断2の会議が浮かんだ
距離依存の影響力……stellarisからの輸入かな?
今だと戦争目標正当化コストが上がりすぎるし,stellarisくらいカジュアルに請求権ばらまけるといいな.あと部分講和については話題にないみたいだけどここは取り組む気はないのかねえ