「Stellaris」の新DLC「The Machine Age」発売は5月7日!

「Stellaris」開発日記#245――緊急事態

Stellaris 開発日記

「Stellaris」の開発日記#245が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は情勢システムについて。3.3リリース後の開発日記です。

前回:開発日記#244――変化のとき


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開発日記

開発日記#245は、情勢システムについて。

  • 新たな情勢(Situations)システムのアイディアは、Stellarisが過去に起こったことを伝える優れたシステムがある一方で、現在起こっていることを伝えるものがないと認識したことによる。ストーリーや連鎖イベントが追いにくく、イベントが互いに関連していることや特定のできごとの発生理由が必ずしも明確でないため、プレイヤー体験が思ったようにならないことが多い。
  • こうした状況を改善するため、以下のようなことを狙うシステムを実装することにした。
    • プレイヤーに双方向的で情報をもたらすインターフェースを与え、これによって現在進行形の連鎖イベントを体験させる。
    • 新コンテンツの追加が(比較的)容易な構造をもたらす。
  • 当初はEU4の国難(Disasters)から着想を得たが、伝えたいストーリーすべてが国難ではないし、よりUXを強調した解決を求めていたため、すぐに異なるものになった。

これはモックアップで、最終的なUIの見た目ではない。

  • その結果がこのモックアップだ。これは以下のような流れで進捗していく。

イベントテキストは最終的なもの。

    • 情勢がイベントなどを通じてスタートし、帝国全体に及ぶこともあれば、ひとつの惑星に着目して進行することもある。

毎月の変化に関する開発中のツールチップ。すべての関連要素がリストになる予定。

    • 情勢の「進捗度(progress)」がプレイヤー情勢に対する対応によって毎月上下する。情勢が進捗すると次の「段階(stage)」に到達することがあり、多くの場合で同時にイベントが発生し、イベントが展開する。現在の段階に基づいて帝国や惑星に効果が生じることもあり、例えば不安定性に関する情勢では段階ごとに安定度が10ずつ低下したりする。

    • また、月ごとにランダムイベントが発生することもあり、情勢に関するイベントは通常のイベントと区別するためにインターフェースを調整した。
    • プレイヤーは「アプローチ(Approaches)」の中から情勢に対する対応を選択でき、イベントで変更を促される場合もあるが、そうでなければ情勢インターフェースから自由に選択できる(選択肢を選ぶのにクールダウンを設けるかはまだ決めていない)。アプローチは例えば「進捗を早めるのに毎月統合力(Unity)をX消費する」というように、時間経過で効果がある。
    • 情勢進捗バーがどちらかの端に達するとその情勢は解消され、通常はイベントが発生する。

これもモックアップ。

  • 情勢の中には左から右へ直線的に進捗するものもあるが、中央から始まってプレイヤーの選択次第で左か右に進捗するものもある。また、情勢の脅威度に応じて色を変えたいとも思っている。
  • 以下では私たちが情勢システムで行ってきたことについてご紹介する。

物語性のある情勢

  • コンテンツデザインではある惑星で物語に関する連鎖イベントを作ることが多いが、もう少しストーリーが欲しいという場合には代わりに惑星に関する情勢を作ることができる。進捗バーの両端に異なる結果を表示する機能は特に有用で、プレイヤーがどちらの結果に進んでいるかを示せる。
  • 情勢の「ターゲティング」は惑星に限らず、星系や星系基地を舞台にしたものも追加しようとしている。リヴァイアサンを追加するDLCがあれば、次にモンスター狩りに行くときに驚くことになるだろう。

赤字の情勢

これは現在のUIで、今はより見栄えするものに仕上げるべく作業している。

  • 情勢はEU4の国難という起源が示すとおり、ネガティブなイベントを描くには優れたシステムだ。起こっていること、その結果起こること、現在の情勢の深刻さ、それに対してできることという必要な情報をすべて与えてくれる。
  • 情勢のこうした側面を活用するため、私たちは赤字(Deficits)を見直した。現在はある資源が赤字(備蓄ゼロで収入がマイナス)になると直ちに定義されたすべてのペナルティが生じるが、赤字が解消されて1か月経つとすべてのペナルティが取り除かれる。これは少しおかしいし、ペナルティは全帝国共通なので、ある種の帝国に不釣り合いな影響を与えたり、他の帝国(例えばある資源をあまり必要としない帝国)を比較的無関心にしたりしてしまう。また、これは特にAIで「死のスパイラル」の原因になり得る。
  • 私たちの見直しによって、赤字状態になると情勢が始まる。情勢が25%進捗した状態で始まり、備蓄ゼロで収入がマイナスの状態である限り、深刻度が増していく。増加率は収入に対してどれほど不足しているかによる。備蓄ができれば情勢の値は低下していき、収入がプラスになればより早まる。
  • 赤字になったときのペナルティは現在の設定よりも軽いものから始まるが、情勢がエスカレートすると重いものになる。また、帝国の特徴に合わせた設定も可能で、例えば触媒(Catalytic)帝国の場合は食糧不足による合金出力の問題が正しく発生するようになった。
  • 私たちは赤字の情勢ごとにインターフェースからその影響を軽減できるようなアプローチの選択肢を与えようとしている。例えば消費財が不足したときに科学者への提供をやめることで軽減しようとすると、科学者の維持コストは低下するが、生み出す研究点も減少する。

数値は最終的なものではない。

  • 赤字が増え続けて進捗度が75%に達すると、プレイヤー帝国が本当に悲惨な財政状態にあり、直ちに支出削減を行う必要があることを警告するイベントが発生する。ここでいくつかの選択肢が提示され、代償(例えば、惑星を破壊する、特別な埋蔵資源を取り除く)と引き換えに、赤字を軽減するのに役立つ資源を入手できる。

数値は変更される可能性がある。

  • 最終的に進捗バーがいっぱいになると、帝国は破産を宣言される。現在の効果(数値は確定していない)は首都建造物以外のすべての建造物を最低レベルにダウングレードし、艦隊の半分とすべての地上軍を解体し、10年間コストは25%上昇、艦船の与えるダメージは25%低下、統合力と影響力は50%低下する。
  • しかし、これは死のスパイラルを回避すべくデザインされたものでもある。こうした資産を清算することで不渡りとなった資源をしばらく生き延びるのに充分なだけ手に入れることができる。さらに、現在経験している他のすべての赤字の情勢はペナルティなしで直ちに終了し、すぐに赤字にならないようにいくらかの資源が与えられる。
  • このデザインは問題解決のために今後変更される可能性があるが、この赤字の新バージョンは現在の赤字システムの問題点の多くを解決し、赤字にする楽しさはないとしても、より興味深くフラストレーションの少ない仕組みになることを期待している。

さらなる「戦略的な」情勢

  • 私たちにはシステムの見直しや情勢システムを使用する機能についてさらなる計画がある。これについて次のパッチに入れると保証はできないが、奴隷の反乱、惑星分離主義の反乱、「Synthetic Dawn」のAIの反乱をこの新システムに取り込むことを検討している。
  • AIの反乱についてはいくつか改善すべき点があり、UIを通じて体験できるようにすることがプレイヤーにとって有益だと感じている。例えば、経験豊富なプレイヤーならなにか手を打つべき警告サインとして認識するようなイベントがたくさんあるが、経験の浅いプレイヤーはなにが起こっているのかわからず、起こることを止められない。
  • 情勢システムであれば、経験豊富なプレイヤーも未経験のプレイヤーも起こっていることを知ることができるし、やらなければならないこともわかりやすくなるため、情勢を終わらせるために種族の権利を変えるだけよりも難易度を少し上げることを考えている。ロボットを粛清することも、ロボットが多すぎない限りはリスクが高いが実行可能なアプローチにすることも検討している。
  • 惑星の反乱や奴隷の反乱はゲームが変化しても愛情を注がれなかった機能なので、さまざまな点で改良を行いたい。現時点では、社会不安イベントは脅威よりも不愉快なものだ。反乱は突然発生するように感じられるが、プレイヤーは通常その惑星を再征服できるため、あまり意味がない。これに対する私たちの変更はかなり初期の段階だが、目標は以下のようなものだ。
    • 反乱をそれほどランダムに感じられないようにする。反乱は突然発生するものではなくなり、社会不安が反乱に転じるかどうかは惑星のPop数や彼らがどれだけ迷惑しているかといった要因により左右されるようになる。
    • 星系内のひとつの軌道上居住地の反乱がその星系のすべての惑星の喪失につながるような問題を取り除く。星系内の他の惑星の意見も反乱の成否に影響すべきだ。
    • システムを改善して反乱後に惑星が他の帝国に参加できるようにする。現時点では、これは元の支配国が近くに存在している分離主義者の反乱と、近くに平等主義帝国がある奴隷の反乱で起こり得る。基本的には事前に反乱を支援するかを尋ね、反乱の進捗を早めるべきだが、一方で相手側にはこのことが知られる。また、私たちは反乱惑星が他帝国に参加する条件を見直したいと思うかもしれない。というのは、完全に併合された帝国の場合は各惑星の反乱で独自のミクロ国家を形成するかもしれないためだ。
    • 反乱時に地上戦を行う局面をなくすことを考えている。かわりに、反乱準備の段階で駐留する地上軍を考慮する。
    • 理想的には、成功した反乱では前の支配国との戦争が始まるだろうが、もう少し潜在的な脅威にもなるだろう。

質疑応答

Q:これはすごいけど、3.3パッチは? 3.3からの問題が多すぎる。

A:明日の朝には3.3.3のテストを終える予定なので、来週中にはリリースされると思う。それから、「小さく強力な(tall)帝国は大きな帝国よりまだ弱い」と言われる前に言っておくと、私たちはそれを認識していて、解決しようとしている。これは多段階の過程だ。

Q:「小さく強力な」ってどういうことを目指してるの? 没落帝国は「小さく強力」?

A:私(注:StellarisのQAリードであるEnfield_PDX氏)の定義では、保証された惑星とそれ以外のわずかなものに限られた帝国だ。しかしその領域を最大限に利用し、領土を奪うことに特化した帝国から自衛できる国是(civics)や志向(ethics)を持つ。


次回:開発日記#246――「Overlord」のアナウンス

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コメント

  1. 資源の枯渇は今までさんざん悪用されてきたから、改善するといいな

  2. 月初めだけ市場で備蓄プラスにする自転車操業運営できなくなるか

  3. 危機や没落帝国の表現に肉がつくかもしれないな

  4. 反乱に修正を入れるのは大賛成

  5. そろそろ戦争に関する解像もして欲しいな
    艦隊戦で乱戦になるのはくコルベットと駆逐艦だけで良い

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