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「Victoria 3」開発日記#19――関係と悪名

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#19が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は関係・悪名・関心について。本体発売前の開発日記です。

前回:開発日記#18――国家ランクと威信


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開発日記

開発日記#19は、関係・悪名・関心について。

関係(Relations)

列強(Great Powers)との関係は特に重要だ。列強はプレイヤー国家がどこにあろうと影響を与えてくる世界的な影響力がある。

  • 関係は-100から+100の間で変動する値であり、二国間の全体的な外交的立場を決める。Europa UniversalisやStellarisの関係(relations)や評価(opinion)に近いものだが、こうしたゲームでの関係とVictoria 3の関係の大きな違いは、Victoria 3の関係が両面的なものであるという点だ。つまり、Europa Universalisではフランスがプロイセンに対して-100の関係を持ち、一方でプロイセンはフランスに対して+100の関係を持つことがあり得たが、Victoria 3ではこの2か国は互いに対して常に同じ関係スコアを持つ。
  • このように変えた理由は二国間の互いに対する立場をより明確にするなどいくつかあるが、もっとも重要なこととして、私たちは関係をAI国家にとってのみならず、プレイヤーにとっても、さらにはマルチプレイにおいても、重要でシステム上の効果のある仕組みにしたかったためだ。関係の数値は関係のレベルに変換されるが、関係のレベルは以下のとおり(高い→低い順)。親密(Warm、80~100)・協調(Amiable、50~79)・友好(Cordial、20~49)・中立(Neutral、-19~19)・不和(Poor、-20~-49)・険悪(Cold、-50~-79)・敵対(Hostile (-80~-100)。

フランスはヨーロッパに友人が少ないことに気づいた。まともな関係を築いている列強はオーストリアだけだ。このままというわけにはいかないように見える……。

  • これはいずれもどの外交提案を受け入れるか、外交上の駆け引き(Diplomatic Plays)においてどちらに与するかなどのAIの意思決定に影響するが、それ以外にも、相互の関係に基づいて他国に対してとれる行動が制限される。
  • 例えば、「友好」以上の関係は不可侵条約のように機能する。そうした関係にある国家に対しては、まずその関係を悪化させる行動をとってからでなければほとんどの外交上の駆け引きを始めることができない。逆に、ある国家と関税同盟(Customs Union)を締結して維持するには「友好」以上の関係である必要がある。他にも、関係がマイナスやプラスのしきい値に達していなければ行えない行動がある。
  • では、どのようにして関係値を上げたり下げたりするのか? 主な手段は継続的な外交行動「関係の改善(Improve Relations)」「関係の毀損(Damage Relations)」を通じたものだ(詳細は来週述べる)が、他にも関係を変動させ得るさまざまな手段がある。例えばイベント、外交上の事件(Diplomatic Incidents、以下の悪名の項で触れる)、外交行動「外交官の追放(Expel Diplomats、これも来週詳しく述べる)」などだ。「外交官の追放」は国家が他国と関係の面で親密になろうとするのを防ぐための行動だが、引き換えに悪名(Infamy)を得る。

悪名

隣国に対して攻撃的な行動をとった後、ボリビアの悪名は外交上の影響が出始めるところまで上昇したが、まだそれほどひどくはない。

  • 悪名は以前に「脅威(Threat)」という名称で少しお話ししたことがあり、Europa Universalisの侵略的拡大(Aggressive Expansion)に似た働きをする意味があったが、テスターからのフィードバックを受けてデザインし直したものだ。というのは、脅威や侵略的拡大の非常に局所的な効果ははるかにグローバル化したヴィクトリア朝時代にはふさわしくないと感じたためだ。その結果、昔の悪名システム(あるいは昔からパラド社のグランドストラテジーを遊んでいる人にとっては「悪い子(Badboy)点」)と、新しくより局所的なシステムのハイブリッドと言うべきものになった。
  • Victoria 3では国家は悪名値を持っており、これはゼロから始まって上限はない。国家の悪名値が増えると他国は用心深くなり、その結果として悪名高い国家はさまざまな外交的ペナルティを受ける。悪名値がのけ者(Pariah)となるしきい値(現在は100に設定している)を超えた場合、その国家は列強が「秩序を回復」するために介入する特別な外交上の駆け引き「脅威の封じ込め(Contain Threat)」の潜在的な標的となる。
  • 悪名は時間経過でゆっくりと低下するが、国家に割り当てていない影響力(Influence)のキャパシティが大量にある場合、そのキャパシティを国家の世界における評判の回復に割り当て、時間経過での悪名低下速度を高めることができる。

シク帝国(Sikh Empire)のインドへの野望に、インドに関心を持つ国家が気付かないわけがない。

  • ここまではVictoria 2をプレイしたことのある人にはお馴染みの内容だろうが、Victoria 3とそれまでのタイトルの大きな違いは悪名に関連したシステムである「外交上の事件」だ。ほとんどの場合で、悪名を高めるような国家のあらゆる行動(例えば外交上の駆け引きにおける領土要求や、戦争における中立国の主権侵害)は、マップ上の特定の戦略地域(Strategic Region、詳細は後述)で外交上の事件を発生させる。
  • 例えば、西アフリカの植民地を要求するために外交上の駆け引きを始めると、そこで外交上の事件が発生する。外交上の事件が起こるたびに、発生させた国家はその地域に関心(Interests)を持つすべての国家との関係に直ちにペナルティを受け、失われる関係の値はその事件に付随する悪名値に基づく。
  • 悪名はその国家に対して列強がどれほど懸念を持っているかの尺度として理解されるべきであり、そのため、国家ランクはその国家が他国に対して外交上の逸脱行為を行った際に得る悪名値の大きさに影響する。一般的に、関係する2か国の国家ランクが低いほど生まれる悪名値は小さくなる。というのは、列強は非主要国(Minor Powers)2か国が地域的な紛争をしていることよりも、他の列強がとった行動についてより大きな関心を持っているためだ。

ヨーロッパの戦略地域。マップの他の部分と同様に、リリース時の見た目ではない可能性がある。

  • 結局のところ、悪名は全世界的な効果だけではなく、それを得た場所も重要だということだ。特定の戦略地域を不安定化する行動を取り続ければ、その地域の住民やそこに関心を持つ他国から急速に評判を大きく落とすことになる。

関心

  • 既に何度も使っている「関心」という言葉について説明しよう。それにはまず「戦略地域」という概念を説明しなければならない。戦略地域とは複数のステート地域(State Regions)からなる、あらかじめ定義された広範囲の地理的地域で、現在の内部ビルド版では715のステート地域が49の戦略地域に分かれている。

プレイヤーはロシアやイギリスのペルシャ侵略を牽制するため、あるいは先駆者として自国が植民地を獲得するためなど、多くの理由でペルシャへの関心を表明したいと思うかもしれない。

  • 関心とは簡単に言えば国家が特定の戦略地域に利害関係を持っているかどうかを決める仕組みで、外交上の駆け引き、植民地化(Colonization)、上で述べた外交上の事件など、さまざまなシステムに関連する。国家がある地域に関心を持つには2つの手段がある。ひとつは地理的なプレゼンスを持つ(その地域に領土か従属国を持つ)ことで自動的に獲得する。もうひとつは関心の表明(Declared Interest)を用いることだ。
  • 関心の表明とは国家が地理的なプレゼンスがないにもかかわらず戦略的地域が自分たちにとって重要であることを単純に表明することであり、植民地化を計画している場合や、宿敵のその地域への拡大を阻止したい場合に用いる。国家は既に関心を持っている地域に隣接するか、海軍の補給網(詳細は今後述べる)の支援で到達できるすべての地域に関心を表明できる。関心を表明できる数は国家ランクに基づく。列強は非常に多くのことに関与することができるが、弱小国(Insignificant Power)は領土を持っている地域での活動に限られる。
  • 関心は戦略地域で幅を利かせる以外には国家になんの本質的利益をもたらさず、世界中に関心を持つ国家は多くの地域紛争に巻き込まれる可能性があり、実際にはちょっとした諸刃の剣にもなり得る。結局のところ、関心はVictoria 3の時代のある時点で特定の地域が列強に注目される理由となった史実のできごとをシミュレートしようという試みであり、自国の国益のために理にかなった手段で国家を行動させ、物事を気にかけさせようとする試みでもある。

質疑応答

Q:「態度(Attitude、開発日記中の画像に見える)」とはどういうもので、関係とはなにが違うの?

A:「関係」は二国間の公的な外交姿勢を測定したものだ。外交行動やイベントの選択肢などで積極的に変更でき、AIか人間かを問わずその国家に対して行える行動に影響する。「態度」は特にAIに関するもので、AIがプレイヤーに対してどのように行動するかを大まかに示す。これは関係を含む多くの要素に基づくが、選択についてAIが意思決定できる場合のみ影響する。

Q:(シク帝国が東インド会社との間で外交上の事件を引き起こすことで得る悪名に関連して)インドを解放するという夢は消えてしまった……。

A:いつものことだが、数値は最終的なものではないので、開発段階の現時点で示された数値から可能なことと不可能なことについて結論を出すべきではないだろう。

Q:戦時中に中立国の主権を侵害することについて詳しく。

A:戦争について述べるときに詳しく説明する。


来週は外交行動について。

次回:開発日記#20――外交行動

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コメント

  1. いままでのAIは何をしたいのかわからないような戦争も多々あったし
    地域への関心で可視化されるのは
    同盟するにも敵対するにも面白そう
    まあ変なところを指定する可能性も普通にありそうだけど

  2. 関係についてはFederations以後のStellarisそのものって感じですね

  3. 地域への関心はhoi脳で聞くと独立保障っぽい

    • 独立保障はあくまで攻撃されたら同盟参戦できるということ、それはただvic2の「勢力圏国家」システムの一部機能に似てるに過ぎない。

      ここでいう地域の関心は一地域に経済、資源、市場、外交様々な戦略関心を持つことである、今までのai活動をより体系的にしたいシステムですね。

      hoi4の独立保障より遥かに複雑で上次元なもの。

      hoi4の経済が省略されたから仕方ない。

  4. 東インド会社単体よりもスペインやオランダの順位が低いのなんか草

    • 東インド会社は弱体化予定らしい
      おそらく現状GDPの影響を高く設定しすぎているのでこの順位なのだろう
      あとスペインを列強に含めるかどうかも検討中とのこと

  5. eu4 と違って従属国でも列強になれるのか。

  6. 列強はオスマンまでの国旗が金色の枠で囲まれてる国家ね

    • 勘違いしてました。 すみません。

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