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「Hearts of Iron IV」開発日記2021年8月4日――ソ連の史実・共通ルート

HoI4 開発日記

「Hearts of Iron IV」開発日記2021年8月4日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はソ連の史実・共通ルートについて。1.11「バルバロッサ」リリース前の開発日記です。

前回:開発日記2021年6月30日――補給とマルベリー港湾


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開発日記

開発日記2021年8月4日は、ソ連の史実・共通ルートについて。

  • 今日は次の拡張の最後の国家であるソ連の史実・共通ルートについて。始める前に、今回の内容は「バルバロッサ」アップデートで無料で提供されるが、過去のDLCをお持ちでない場合は内容が異なる場合がある。第二に、これは開発中のものであり、リリースまでに変更される可能性がある。また、新たなシステムのテストに使う大量のデバッグディシジョンも見える。

ソ連の概観

第一次世界大戦からソ連成立までの略歴は省略します。

  • 1936年の開始時の状態を見てみよう。

  • ご覧のとおり、いくつかの点が変更されている。初期の戦争協力度は大きく低下しているが、これはごく初期に戦争経済にするのを少し難しくすることを狙っている。1936年当時のソ連ではまだその準備はできていなかった。
  • また、スターリンは特性がついている(後述するが、彼が手に入れる特性はこれだけではない)。
  • 開始時の国民精神ははるかに多くなっているが、最初の2つは見覚えがあるだろう。

  • 開始時には政府顧問ゲンリフ・ヤゴーダ(Genrikh Yagoda)もいる。彼は3人のNKVD長官のうちの1人で、粛清が終わるまでは手動で取り除くことができない。

  • 政府顧問のリストは大きく拡張され、初期から利用できる顧問がこれだけいる(粛清に狂わない限り)。非史実共産主義ルートで利用できる顧問もおり、そのほとんどが粛清の対象となるが、これについては次回ご紹介する。

  • 将軍も変更され、初期の元帥が5人となった。クリーク(Kulik)は将軍に降格された(元帥になったのは1940年)。また、騎兵を専門とする将軍ヴィタリー・プリマコフ(Vitaly Primakov)も開始時から利用できるが、彼は粛清の対象になる可能性がある(汎用ポートレートなのは開発中のため)。

国家方針ツリー

  • 新たなソ連の国家方針ツリーを見ていこう(非史実ルートは来週ご紹介する)。今回の見直しの主な目標はよりフレーバーに満ち、史実に忠実な体験を提供することであり、同時にプレイヤーに充分な選択肢(史実のものも、非史実だがそれらしいものもどちらも)をすべての地域にもたらすことだ。
  • ゲームプレイについてはこのツリーには多くの短い国家方針があるが、すべての国家方針を取り切ることは(ゲームを非常に長くプレイしない限り)できない。戦略を選び、戦いを成功させる鍵となる国家方針やルートを選択していく必要がある。

産業ルート

  • ソ連の産業ルートの最大の特徴は「5か年計画(Five Year Plans)」だ。プレイヤーは第2次5か年計画(1933-37年)を表現する国民精神を持った状態でスタートするが、この計画の特徴は過酷な集産化と、工業化・インフラ整備の大きな進展だ。一方で急速な工業化と人材の不足により事故率は高くなることが多く、全体的には低効率だった。

  • 「5か年計画」ルートを完了すると、国民精神は進化して第3次5か年計画(1938-42年だがバルバロッサ作戦の後、41年に放棄された)を表現するものになる。この計画では当初、生産や資源採掘における品質向上の必要性が強調されていた。しかし、ヨーロッパの緊張の高まりに寄りすぐに防衛と軍備生産に注力していくようになった。
  • ゲーム内では第3次5か年計画の内容を特化させることができ、長期的に工場の効率を上げることもできるし、早急に軍備生産を強化することもできる。ツリー上のその間のものはすべて資源に関連するものだ。

  • バルバロッサ作戦で第3次5か年計画が放棄されたことはゲーム中でどのように表現されるか? 第3次5か年計画に関連するすべての国家方針(上の画像の赤い枠内のもの)はソ連が大国との戦争になだれ込むとロックされる。つまり、大祖国戦争が始まると第3次5か年計画は中止され、現在の国民精神は維持されるものの、それ以上の進展は望めなくなる。

  • しかし5か年計画はそれで終わりではなく、生き残って敵を打倒し講和会議を終えるとすぐに国家方針「復興と開発(Restoration and Development)」が自動的に完了し、荒廃した産業やインフラの再建に関する消費財コストの一時的なボーナスを得るほか、第4次5か年計画と産業ルートの最後の国家方針がアンロックされる。第4次5か年計画(1946-50年)は国家の復興と経済発展に注力していた。

  • 第4次5か年計画以降の国家方針はゲーム終盤の国家方針で、主な戦争を終えた後もプレイを続ける場合(あるいは第二次世界大戦がどこかで続いている場合に他の大国と独立した戦争を戦う場合)に興味深いものや達成すべき目標をもたらすことを狙ったものだ。
  • 「COMECONの設立(Found the COMECON)」を完了すると小規模なディシジョンシステムがアンロックされるが、これは同盟国を援助(通常は自国の持ち出しで)して軍備と産業を強化し、来たるべき戦争に備えて足並みを揃えることを目的としている。

  • 5か年計画の右側には「国内の専門家(National Specialists)」を育てるか、「外国の専門家(Foreign Experts)」に頼るかを選択するところがある。前者はゲーム開始時点では若干弱くなっている国内の設計者を大幅に強化する。後者はGosproyektstroyをアンロックする。

  • Gosproyektstroyは1930年に「デトロイトの建築家」(アルバート・カーン)との合意に基づいて設立された国立設計建設局で、ソ連が第1次5か年計画の時代に主にアメリカ(フォード、ゼネラル・エレクトリックなど)やドイツ(クルップ、ボルジッヒなど)といった外国企業と協定を結んで工業化を進めた多くの事例のひとつだ。
  • ゲーム中ではこのプロジェクトを復活させることができ、研究ボーナスはないが長期的な生産を増やす建設設計者として表現される。国家ごとにボーナスが異なり、例えばドイツは効率向上ボーナス、アメリカは効率上限ボーナス、日本には生産開始時の効率ボーナスがつく。また、いずれの国家でもライセンス生産コストのボーナスが付与される(上の画像では「None: +0.75」と表示されている)。

  • ロシア科学アカデミーは革命後にはソ連の最高学術機関となり、20世紀には連邦共和国内に国立アカデミー(National academies)が設立され、ソ連科学アカデミー(the USSR Academy of Sciences)の一部として地域支部が作られた。

  • 最初の国家方針(「ソ連科学アカデミー」)は研究スロットと、研究速度にわずかなボーナス(1%)をもたらす。2つ目の国家方針は連邦共和国(統合された共和国と傀儡の共和国どちらにも)に科学アカデミーを建設できるようにするもので、研究速度が1%ずつ高まり、傀儡の共和国に建設された場合は傀儡国の研究も促進される。
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空軍ルート

  • 1930年代、ソ連政府は多くの航空記録を更新するミッションに資金を提供し、その成果はソ連の技術力の高さを示し、ソ連のメディアは記録を破ったパイロットをしきりに称賛した。しかしソ連の航空業界はメディアが報じるような状態とは程遠いものだった。実際には誤った管理、非効率、技術的に不十分な設備に悩まされ、驚異的に高い事故率につながっていた。大粛清の影響はソ連空軍にも及び、新任将校は経験に乏しく、古参の指揮官は人民の敵というレッテルを貼られることを恐れて主体性や効率性を欠いていた。

  • このような状況をゲームでは国民精神「ソ連空軍」で表現しており、非常に厳しいペナルティがつく。空軍ルートを通じてこうしたペナルティのほとんどを改善でき、いくらかボーナスを得ることもできるが、すべてのペナルティを取り除くことはできない。というのは、最終的には生産かパイロットの訓練かを選択しなければならないからだ。

  • 空軍ルート左側は航空機の生産を向上させることを狙っている一方、右側は飛行クラブから熟練した飛行士を集め、男女を問わず有能な陸軍パイロットになるよう訓練することに注力する。マリーナ・ラスコーヴァ(Marina Raskova)によって編成された女性だけの3つの飛行連隊がその最たるものだ(彼女たちにはエースがついている)。

海軍ルート

  • 1941年に赤軍艦隊は大型の近代的な軍艦をほとんど保有しておらず、代わりに潜水艦や小型艦を増強し、敵の攻撃から沿岸や国境を守ることを目的とした防勢戦略をとっていた。粛清の後、スターリンは攻勢戦略への転換を推進したが、大型軍艦の建造は戦争によって妨げられた。

  • ツリー左側では4つの艦隊(バルチック艦隊・黒海艦隊・北極艦隊・極東艦隊)の海軍基地を強化できる。

  • 強化した海軍基地に基づいて、その後多くの造船所を得ることができる。

  • 右側の「ソ連海軍人民委員(PC of the USSR Navy)」では国民精神「赤軍艦隊(The Red Fleet)」を獲得できる。

  • この国民精神は水上戦と潜水艦戦のどちらに注力するかによってその下の国家方針でさらに改善される。ほとんどの国家方針で海軍経験値と、適切なタイプの艦船に対する研究ボーナス・生産コスト低下がもたらされる。

  • 国家方針「長距離通商破壊艦(Long Range Raiders)」では巡洋潜水艦技術がアンロックされ、生産ラインにK級潜水艦が2隻入れられる。

  • 同様に「海軍航空隊の拡張(Expand the Morskaya Aviatsiya)」では空母と海軍航空機にボーナスがもたらされ、さらに生産ラインに空母が1隻追加される。

軍事ルート

  • これは共通ルートの最後のものであり、軍需産業・防衛・陸軍の3つのルートがある。
軍需産業ルート

  • まず左の軍需産業から見ていこう。

  • ここには複数の研究・生産ボーナス、いくつかの軍需工場や戦車のテンプレートがある。

  • 国家方針「Tankogradの開発(Development of Tankograd)」は戦車のテンプレートを編集するのが安くなり、同時にウラル地方や東方の重工業化したステートに軍需工場を建設する。

  • 「戦車工場と軍需品工場の統合(Merge Tank and Materiel Plants)」について説明する。海空軍にも同様の国家方針があったことに気づいただろうか?
  • ソ連の設計機関を調査すると、HoIの時間軸では多くの工場が何度も名称を変え、統合され、分割されていた。そこでこの再編と改称の混沌を受け入れてHoIになにか作ればいいじゃないかと考えた。

  • こうした国家方針は異なる工場を有効な設計社に統合するディシジョンをアンロックし、さまざまな小さなボーナスをもたらす。こうしたすべての工場は実在のものだが、すべてが他の工場や局に統合されたわけではない。

  • ソ連に新たな海軍と戦車の設計社がいくつか用意されているということについては触れておく価値があるだろう。
防衛ルート

  • 防衛ルートではポーランドとの国境(スターリン線)か、ポーランド東部の支配を獲得した場合のドイツとの国境(モロトフ線)のどちらに防衛線を構築するか選択できる。また、モスクワと白海・バルト海運河、日本とその手先との国境も要塞化できる。
  • 国家方針「難攻不落の砦(Impregnable Forts)」はドイツ軍を大いに苦しめたレニングラード周辺やクリミアの沿岸砲台を表現する。

  • 国家方針「レニングラード工科大学(Leningrad Polytechnical Institute)」では5番目の研究スロットを獲得するほか、国家方針「命の道(The Road of life)」「ソビエト原子爆弾計画(Soviet Atomic Bomb Project)」につながる。
  • 命の道はラドガ湖を横断してレニングラードに向かう輸送ルートで、レニングラードが包囲されていたときに市内につながる唯一の道だった。この国家方針はソ連の主要都市の1つが敵軍に脅かされると取得可能になり、冬の消耗と補給にボーナスをもたらす。

  • ソビエト原子爆弾計画は戦時中に核兵器の開発を目的として、原子力研究開発計画の一環として行われた。この国家方針は少なくとも7つの科学アカデミーを設立する必要があり、さまざまなボーナスをもたらし、また敵の核兵器計画に浸透して独自の核兵器を開発するための追加の諜報員枠や史実の諜報員といったツールを獲得できる。
陸軍ルート

  • 陸軍ルートは関連するコンテンツが多いため、そのうちの重要なものである初期の国民精神から見ていこう。

  • ソ連軍は高度に政治化されており、危険なほど非効率だったが、軍内部での政治的議論(と教化)は党にとって利点があった。国民精神「政治化された軍隊(Politicized Military)」は陸軍ルートを進めることで改善できる。

  • 国民精神「赤軍(The Red Army)」には多くの赤い補正がついているが、陸軍ルートのほとんどの国家方針はこうした補正に対処し、赤軍を徐々に非常に優れた状態に持っていく。
  • 国家方針「動員計画の強化(Strengthen the Mobilization Plan)」で人的資源と動員速度を高めたら、プレイヤーは「コサック部隊の復活(Restore Cossack Units)」か「結束優先(Cohesion First)」かを決めることになる。

  • ロシア内戦後、コサック部隊は多くが白色運動についたために解散させられたが、1936年に赤軍へのコサックの徴兵制限が解除され、一部の騎兵師団はコサック師団となった。「コサック部隊の復活」では騎兵への小さなボーナス、新たな将軍、コサック騎兵のテンプレートを得る。実を言うとこのテンプレートはもっと後の1941年頃の騎兵師団(必ずしもコサックでない)の編制から着想を得たものだが、プレイヤーに興味深い騎兵テンプレートを提供したいと思った。

  • 「結束優先」は訓練期間が延びる代わりに師団の組織率が強化される。

  • 以前の「軍の再生(Rehabilitated Military)」と「軍の再編成(Military Reorganization)」は変更された。「軍の再生」はスターリンのパラノイア(Stalin’s Paranoia)と粛清(詳細は後述)が取り除かれると利用可能になり、組織率を取り戻すのに役立つ。「軍の再編成」は実際に再編成が行われ、この間は国家方針開始と同時に付与される厄介なペナルティに対処しなければならない。しかし完了すればそのペナルティが解消されるほか、国民精神「赤軍」が師団テンプレートの変更に関するボーナスを持つようになる。

  • 同様に「決死の措置(Desperate Measures)」と「戦争の教訓(Lessons of War)」も大きく変更された。前者は大国との戦争中にのみ取ることができ、配備されている師団に一時的なボーナスが付くと同時に敵の侵攻を阻止するための一連のディシジョンが利用可能になる。

  • 後者は前者で得た国民精神がなくなったときに取ることができ、ソ連が戦争初期に数多くの壊滅的な敗北と軍事的失敗を経験したにもかかわらず、そこから徐々に教訓を学んでいったことを表現している。この国家方針は赤軍がスタート時のひどい状態から強大な軍事力となっていく転機となる。国民精神「赤軍」に重要なボーナスをもたらすほか、有名な国防人民委員令227号(「一歩も退くな(No Step Back)」)をアンロックし、続いて重要な攻勢を準備・実行するディシジョンをアンロックする。

  • 受刑者だけで構成された師団という形で懲罰大隊(Penal Battalions)を編成することもできる。懲罰大隊は通常の歩兵ほど装備が充実していないが補充が容易で、人的資源を気にしないなら安価な肉の盾として非常に有効だ。

  • 占領されたソ連領におけるパルチザンの活動は非常に強力で、戦争全体にとって重要な役割を果たしていた。「パルチザンの編成(Organization of the Partisans)」はパルチザン活動を活発化させ、敵の補給を妨害し、敵の攻勢を妨げるための複数のツールをプレイヤーにもたらす。これには史実の諜報員や追加の諜報員スロットも含まれる。また、パルチザンの将軍も2名追加される。

  • 「軍の再編成」と「戦争の教訓」の後は政治将校をどうするかを選択する。「政治将校組織の維持(Keep Commissars Organization)」では政治将校が引き続き軍内部で「第二の指揮官」の役割を果たす。「政治顧問への変更(Swap to Political Advisors)」では政治将校を指揮官に従属させて指揮系統の自由度を高めつつ、政治顧問の新しい役割を士気に関連する機能に特化させることで効率化を図る。

  • 「赤軍の栄光(The Glory of the Red Army)」は最後まで残っていたドクトリンをアンロックしやすくし、より多くの特殊部隊を配備しやすくする。また戦術「電撃戦(Blitz)」の改良されたソ連版もアンロックし、新たな将軍ルイバルコも登場する。
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内務ルート

  • 政治ルートは飛ばして共産主義ルートで共通の内務ルートを見ていこう。

  • このルートでは「共産主義プロパガンダの展開(Expand the Agitprop)」でアンロックされる新たなプロパガンダキャンペーンシステムを導入する。プロパガンダの活用はソ連固有のものではまったくないが、ソ連のプロパガンダは非常に特徴的だった。
  • プロパガンダキャンペーンはディシジョンで進めるシステムで、3つのスロットがあり、合計24のキャンペーンの中から一度に最大3つの異なるプロパガンダキャンペーンを有効化できる。各キャンペーンは有効化から6か月間特定のボーナスをもたらし、キャンペーン終了後にスロットは再び利用可能となる。特定のキャンペーンを起動するたびに、そのコストは増加する。プロパガンダキャンペーンが再び利用可能になるまでにはクールダウン期間があり、同じキャンペーンを連続して利用することはできない。

  • 開始時からすべてのスロットとキャンペーンが利用できるわけではなく、「共産主義プロパガンダの展開」では限られた数のキャンペーンとひとつのスロットのみがアンロックされる。「共産主義プロパガンダの展開」に続く国家方針でスロットが追加され、他のルートに散らばっている特定の国家方針でさまざまなキャンペーンが徐々にアンロックされる。上の画像では左から右に、アクティブなプロパガンダキャンペーン、利用可能なスロットが空いていること、まだアンロックされていないスロットであることを示している。

  • キャンペーンにはさまざまなものがあり、人的資源や突破、中核ステートにおける防御にボーナスをもたらす軍事キャンペーン、生産や修理速度を上げる産業関連キャンペーン、繁栄(安定度や研究速度)に関連するキャンペーン、パルチザンを称賛し支援するキャンペーンなどがある。細かなディテールとして、ポスターはすべてキャンペーン期間の終わりに近づくと実際に古くなっていく。

  • 内務ルートに戻って、「積極的英雄主義(Positive Heroism)」と「集産主義プロパガンダ(Collectivist Propaganda)」には変更点があり、どちらの国家方針でもキャンペーン用のポスタースロットが追加され、異なるプロパガンダキャンペーンがアンロックされる。前者に続くルートでは生産と軍事のボーナスが得られ、数人の将軍が元帥に昇進する(可能ならコーネフ(Konev)、ロコソフスキー(Rokossovsky)、ジューコフ(Zhukov)が優先される)。後者に続くルートでは研究速度、消費財、生産効率上昇にボーナスがつく。

  • 1941年、大祖国戦争が始まったことを知ったSergy府主教は戦地に赴くことを決意した人々を祝福した。教会とソ連政府の関係は徐々に改善され、1943年にはSergy府主教がモスクワと全ロシアの総主教に選出された。この国家方針(Patriarch of All Russia)では政府顧問としてのSergy総主教をアンロックする。彼は安定度と師団回復率を高め、失ったステートの迎合度の上昇を抑える。

外交ルート

  • 外交ルートもすべての共産主義ルートで共通のものだ。このルートの目標はソ連プレイヤーにポーランド、バルト海、バルカン半島などの西部戦域から中東、そしてもちろん極東まで、世界のさまざまな地域と関わる手段をもたらすことだ。重要なのは、私たちは戦争目標を正当化することで最後通牒を突き付けるというシステムから脱却したかったということだ。というのは、これはディシジョンが存在しなかった時代のもので、直感的ではないためだ。そこで、特定の国家に圧力をかけたり協力を求めたりするディシジョンと合わせて、最後通牒はディシジョンに移した。

  • 東部の開発に関するルートはアジアの小さな同盟国を戦争に備えさせることに主眼を置いている。いくつかの工場を建設し、彼らがより多くの軍隊を派遣できるようにし、また国境をより効果的に守れるようにする。もちろん、みんなが大好きなタンヌ・トゥヴァを併合することもできる。

  • 次に、反ファシスト姿勢を示すリトヴィノフ外務人民委員が提唱する「集団安全保障政策(Policy of Collective Security)」か、モロトフが提唱した、ドイツとの緊密な関係を求め、反資本主義政策の必要性を強調する「個別安全保障政策(Policy of Individual Security)」かの選択を用意している。それぞれの国家方針では対応する外務人民委員と専用のプロパガンダキャンペーンがアンロックされる。それぞれに続くルートの最後の国家方針はファシストや民主主義の大国に対する戦争目標と、彼らと戦うためのボーナスをもたらす。

  • 集団安全保障政策ルートではフランスと防衛同盟を結ぶことができる。

  • 中央のルートは基本的には以前のソ連の選択肢を少し拡張したものだ。

  • 「バルト三国の安全保障(Baltic Security)」や「中東外交(Middle East Diplomacy)」はその地域の国家に影響を与え、その後には特定の国家に協力を求めたり、直ちに最後通牒を送ったりする国家方針がある。いずれも目標は同じで、ソ連が隣接地域に支配を確立することだ。

  • 東部戦域では日本と友好関係を築くのか敵対するのかが最初の選択となる。

  • 敵対する場合、好きな中国の国家を選んでその国家を庇護することができる。ソ連は庇護する国家以外のすべての中国の国家に義勇兵を送ることはできなくなることに注意してほしい。中国共産党や国民党を選んだ場合はライセンスにいくつかのボーナスが付与され、装備を送るディシジョンがアンロックされる。

  • 新彊を助けることにした場合は「共生」の関係を築こうとすることになる。新彊は石油や金、希少金属といった重要資源が豊富で、ソ連は何度も新彊を勢力圏に加えようとした。ゲーム内では新彊を支援することで新彊のインフラや資源採掘産業などを発展させ、代わりにこの国の工業製品を獲得(消費財の減少)し、あるいは対応するステートの資源採掘権を得ようとすることで、常に(原則として)両国に利益をもたらす。
  • この部分はまだ開発中だが、アイディアとして新彊はコミンテルンの一部になったり、ソ連が侵略されて先行きが不透明になった場合にソ連への譲歩を撤回したり、中国の仲間との関係を強化したりできるようにする。
  • このルートをさらに進めると、他の中国の国家に介入したり、日本との戦争に備えたりできる。ソ連は日本に非常に具体的な領土を要求していた(千島列島、樺太、さらには北海道)ため、該当ステートを支配すれば日本に降伏を要求でき、希望する領土と引き換えに直ちに敵対行動を停止することを提案できる。
  • 一方で、日本と和解したいなら領土の譲歩(北サハリン)を申し出ることで関係を緊密にできる。そして新疆に最後通牒を送り、日本と対米攻撃同盟を結ぶことができる。
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政治ルート

  • 30年代、40年代はソ連の社会的安定性という点では激動の時代だった。スターリンは自分の思い描く方向に国を導くため、極めて厳しい政治的抑圧を許可した。すなわち大粛清が始まった。この時期(主に1936-38年)に何十万人もの個人やグループ全体が抑圧され、誰もが人民の敵であると疑われ、そのように扱われ、致命的な結果を招く可能性があった。
スターリンのパラノイア

  • 国家方針を見る前に、この不安定性、政治的抑圧、大粛清の過程が新システム「スターリンのパラノイア(Stalin’s Paranoia)」によってどのように表現されているかをご紹介する。

  • このシステムは1936年初頭のある時点で導入され、ディシジョン画面で見ることができる。このシステムが「起動」されると、特定の国家方針・ディシジョン・特性によってパラノイアが増減する。国家方針・イベント・ディシジョンでの一定量の増加と、時間経過で増加させる週単位の補正があるが、これはこのシステムが有効になった瞬間にスターリンとNKVDの顧問に適用される指導者や顧問の特性に由来するものだ。
  • パラノイアが25以上になるとランダムな粛清イベントが起こり得る。パラノイアが高ければ高いほど、またその状態が何日も続けば続くほど、粛清が起こりやすくなる。パラノイアが75以上になると(上限は100)、「通常の粛清」の代わりに「大粛清」イベントが起こるようになる。
  • 粛清イベントは多くの種類があり、標的となる「分野」、すなわち行政(民間)・陸軍・海軍・空軍に分かれる。さらに、前述したように「分野」ごとに「通常の粛清」と「大粛清」がある。
  • 通常の粛清イベントでは通常、1人のキャラクター(政治顧問、海軍長官、元帥など)が粛清されるか、国民精神という形でなんらかのペナルティがある。大粛清はずっとひどいもので、通常の粛清よりも厄介な効果を持つ国民精神が付く場合もあるし、多くのキャラクターが一度に粛清されて生存者の一部は脅されたり、航空機設計社が解散したりする。

見ないでくれ、まだローカライズされてないモンスターなんだ

  • システムのUIは未完成だが、イベントと国民精神の一部をご紹介する。国民精神は一時的なものもあればディシジョンで取り除かなければならないものもある。
  • 粛清は常にパラノイアを減少させる。粛清イベントが発生したときに誰か/なにかを粛清しないようにもできるが、多くの政治力を消費し、パラノイアも増加する。政治力を使い果たすと次の粛清を回避できなくなるため、粛清イベントへの対処では選択に注意する必要がある。

  • 新たなパラノイアシステムと粛清によって、私(注:コンテンツデザイナーのManoDeZombi氏)はプレイヤーに純粋なゲームプレイ上の影響だけでなく、「人々」に与えた影響を感じてもらいたいと思った。政治顧問・軍事顧問・軍の司令官の膨大なリストは粛清のたびに小さくなっていく。同時にパラノイアインターフェースには粛清が激しくなるにつれて多くの汎用ポートレートが増えていくが、中には重要人物のものもある。

  • スターリンのパラノイアと粛清はどのようにして取り除くのか(スターリン主義を進む場合)? 国家方針ツリーが機能するのはそのときだ。スターリン主義のツリーは上半分が粛清の終了、下半分はパラノイアシステムの除去と2つに分かれる。前者から始めよう。
  • 国家方針「中央(The Centre)」は安定度と政治力をもたらし、非常に弱い国民精神「政治局(The Politburo)」を追加するが、この国民精神はこのルートの国家方針で改善されていく。血が滴る鎌のついた国家方針はモスクワ裁判や将軍たちの裁判(Trial of the Generals)のように避けられない大粛清イベントの形で史実の粛清を始める。こうした粛清は史実で粛清された人々を標的とし、既にゲームから取り除かれている場合はランダムに候補者を選ぶ。
  • 粛清に関する国家方針はプレイヤーがこのツリーを連続で進めないようにクールダウン要件がある。しかし国家方針「右翼=トロツキストブロック(The Bloc of Rights and Trotskyites)」を完了して第3次モスクワ裁判イベントが起こると、パラノイアシステムは永久に削除され、粛清は終わる。
  • 一部の国家方針(外交ルートや軍事・産業に関する国家方針の一部)はパラノイアシステムを取り除くまでロックされることに注意してほしい。

  • 「ヘビの処刑(Behead the Snake)」ではメキシコにいる間にトロツキーを殺害しようとする2つの諜報作戦をアンロックする。ひとつは1940年5月に行われた別荘の襲撃で、もうひとつは3か月後にトロツキーを実際に殺害した作戦を表現している。トロツキー殺害に成功しても国民精神「トロツキストの陰謀(Trotskyite Plot)」を完全に除去できるわけではないが、そのペナルティを大幅に小さくすることはできる。
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スターリンの個人崇拝(Stalin’s Cult of Personality)

  • スターリン主義のこの部分はスターリンの強い個人崇拝を推進することに注力するもので、最初は新たなプロパガンダキャンペーンのアンロックから始まる。「政治局」にボーナスをもたらす国家方針もあるし、鉄道を建設するものもあるし、戦車設計のテンプレートをアンロックするものもある。

  • 個人崇拝に関する国家方針はすべて実際にスターリンに与えられた称号であり、スターリンに新たな特性を与えたり、既存の特性を改善する。こうした国家方針の大衆に対するプロパガンダと操作の要素を強調するため、こうした国家方針はすべて一定数のプロパガンダを有効化している必要があり、ツリーの下に行くほどその数は増える。

  • 国家方針「国父(Father of Nations)」ではスターリンのスタート時の特性を置き換え、このルートを通じて「完全な特性の」スターリン(数値は開発中のもの)となり、世界征服を実行する準備が整う。

質疑応答

Q:懲罰大隊になにか制限はある?

A:懲罰師団というものは確かに存在しなかったが、ゲーム上の理由から懲罰大隊で構成されるロックされた師団テンプレートを作成した。これは毎年ディシジョンによって配備することができる。残念ながらプレイヤーは通常のテンプレートで懲罰大隊を使用することはできない。

Q:沿岸砲台は戦闘時に補正として表現されるの?

A:沿岸砲台の補正は未完成(補正でどのように表現するか決まっていない)だが、これはステートの補正として機能し、配置されているステート全体に影響する。

Q:懲罰大隊はドイツにも似たようなのがあったけどドイツも使える?

A:今のところはソ連専用。

Q:ノモンハン事件は実装された?

A:残念ながら。正直なところ、このために国境紛争を実装する労力に見合うかどうかはわからないし、他にも気を配らなければならないところが山ほどある。


次回はスターリンへの反発について。

次回:開発日記2021年8月11日――ソ連の反対派

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コメント

  1. 翻訳お疲れ様です。
    プロパガンダにパラノイア、日ソ対米同盟とわくわくさせる内容でしたね
    イタリアやら日本もこれくらいやってほしい……

    • イタリアは今後(来年?)アプデ入るだろうから、期待出来ますね。
      日本は もうMODを入れて楽しむしか…

  2. 機械翻訳でざっと眺めてみよう…と思って途中でスクロールバーを見たときの驚きたるや

    翻訳お疲れ様です

  3. あ~これは死ぬほど楽しみ

  4. 受刑者が徴兵されるのは懲罰中隊の方では?
    大隊は士官用だったはず

    • 原文がPenal Battalionsなのでそれに合わせています。

      https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%87%B2%E7%BD%B0%E9%83%A8%E9%9A%8A
      ウィキペディア日本語版の「懲罰部隊」の記事では懲罰大隊が元士官、懲罰中隊が下士官兵という記載ですが、

      https://en.wikipedia.org/wiki/Shtrafbat
      ウィキペディア英語版の「Shtrafbat」の記事では懲罰大隊と懲罰中隊で元士官・下士官兵が区分されていたという記載はありません。また一方で、一部の懲罰部隊では中隊を少佐が、小隊を大尉が指揮していて、これは兵員が元士官で構成されていたためだろうという記載があります。

      どちらが正しいか(あるいはどちらも正しくないのか)はわかりませんが、少なくともウィキペディア日本語版と英語版の記載で食い違いがあるのは間違いないようです。

  5. 改革派なのに原理主義者なベリヤ、絶対に口達者ではないモロトフが改善されそうなのが地味に嬉しい

  6. 日ソ同盟楽しみ

  7. ノモンハン事件は日ソ両方にとって重要な事件だったし、実装するべきだとは思うけどなぁ

  8. この翻訳は本当に頭が下がります。

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