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HoI4バージョン1.9+「La Résistance」レビュー(確報版)――新たなレジスタンスシステム

HoI4 その他

2020年2月25日に1.9「ハスキー」アップデートと新拡張DLC「La Résistance」がリリースされ、システムの追加や見直しが行われました、今回はレジスタンスシステムについてご紹介します。

本記事は1.9.1ベータ版(2020年3月11日更新)時点での内容です。


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本記事の内容

1.9+「La Résistance」で行われた諜報システム、偵察機、装甲車の導入、外国情報やレジスタンスシステムの見直しなどについて、プレイした感想も含めてレビューという形でご紹介します。

既に「La Résistance」発売直後に速報版を公開しましたが、本記事はこれをまとめ直し、さらに内容を追加したものです。今回はレジスタンスシステムについて。

ゲームの細かな変更点についてはパッチログについての記事をご覧ください。

レジスタンスシステムの見直し(1.9)

1.9ではレジスタンスシステムが大きく見直されました。変更のポイントは以下の3点。

  • 支配している国家の中核州でないステートは、レジスタンス強度と迎合度の2つの数値を持つようになった。
  • 支配している国家の中核州でないステートに占領政策を設定できるようになり、レジスタンス強度、駐屯部隊の量、迎合度増減などに影響するようになった。
  • レジスタンスの抑圧は各ステートの駐屯部隊が行うようになり、これまでのように騎兵師団などをレジスタンスが活発なステートに移動させることでレジスタンスを抑圧することはできなくなった。

少し込み入ったシステムになりましたが、プレイヤーの手間は減りました。基本的にプレイヤーがやることは、

  • 占領政策を選ぶ
  • 駐屯部隊の師団テンプレートを選ぶ

の2つだけです。

各要素について

レジスタンスシステムの各要素について簡単にまとめたのが以下。

レジスタンス強度・迎合度・レジスタンス強度の目標値

レジスタンス強度は赤いバーで、文字どおりレジスタンス活動の活発さ、迎合度は青いバーで、支配国に対するその土地の協力的な姿勢の度合いを示します。レジスタンス強度のバーにある縦棒はレジスタンス強度の目標値で、レジスタンス強度はここに向かって時間経過で収束していきます。

バーにある丸いアイコンはしきい値を超えると付与されるボーナス/ペナルティです。

占領政策

占領政策は自国全体、占領している国家ごと、ステートごとに設定できます。占領政策はレジスタンス強度の目標値、迎合度、駐屯部隊の必要量に影響を与えます。政策によっては利用できる資源や工場を直接増やしたりするなどの利益があります。

駐屯部隊

駐屯部隊の師団テンプレートも自国全体、占領している国家ごと、ステートごとに設定できます。駐屯部隊は制圧値が必要量に達するまで自動で人的資源と装備を配備するため、師団テンプレートとして大きい必要はなく、人的資源と装備の量に対して高い制圧値を持っているのが駐屯部隊に望ましい師団テンプレートと言えます。また、装甲化値が高い場合はレジスタンスによる人的資源と装備の損害が低下します。

要素間の関係

新たなレジスタンスシステムの各要素の関係は図にするとこのとおり(おそらくこれで間違いないはずですが、間違いがあればご指摘ください)。以下で各要素を詳しく説明しますが、特にレジスタンス強度の目標値と迎合度の変動要因については網羅できているか怪しいので、以下で挙げたもの以外にも変動要因があるかもしれません。

  • 占領政策は駐屯部隊の必要量に影響すると同時に、駐屯部隊の充足率に応じてレジスタンス強度の目標値を低下させる効果を発揮します。また、迎合度の上昇率にも影響を与えます。さらに、占領政策によっては利用できる資源や工場などが増える効果を持つものもあります。
  • 駐屯部隊は選択した師団テンプレートの編制が駐屯部隊の損害に影響します。師団テンプレートの制圧値が高ければ必要な人的資源や装備が減少し、装甲化値が高ければレジスタンスによる人的資源や装備の損失量が低下します。
    • 駐屯部隊の必要量は占領政策以外に、レジスタンス強度からも影響を受けて増減します。
  • 迎合度は時間経過で一定量増加し、レジスタンス強度の目標値を直接引き下げます。また、そのステートで利用できる資源、人的資源、工場が増加し、国家全体での迎合度では一定のしきい値ごとにボーナスが付与されます。
    • 迎合度は占領政策以外にも、そのステートを中核州とする国家が亡命政府になっていたり、支配国が平和状態である場合にも影響を受けます。
  • レジスタンス強度の目標値は時間経過でレジスタンス強度が収束していく数値を決定します。
    • レジスタンス強度の目標値は占領政策や迎合度以外に、ステートの勝利点、隣接ステートからの伝播、支配国の安定度、支配国が平和状態であること、支配国が請求権を持っていること、そのステートを中核州とする国家が降伏していること、そのステートを中核州とする国家が亡命政府となっていること、諜報員の「レジスタンス掃討」任務や諜報作戦「レジスタンスを強化」からも影響を受けます。
  • レジスタンス強度は駐屯部隊の必要量に影響を与え、しきい値ごとに駐屯部隊突破率の上昇、駐屯部隊の損害増、師団移動速度や補給量の低下などのペナルティが付与されます。国家全体でのレジスタンス強度では一定のしきい値に達すると反乱が起こります。
    • レジスタンス強度はレジスタンス強度の目標値にのみ影響を受けます。

占領政策の選び方

占領政策は、強圧的な政策ではレジスタンスを強力に抑制すると同時に一定の工場や資源などの利益を獲得し、一方で融和的な政策ではレジスタンスは活発になりますが長期的には迎合度上昇により大きな利益を得ることができるという長期・短期のトレードオフの関係になっています。

個人的には、文官統治、民主主義国なら地方自治を選択して迎合度上昇を促し、長期的に大きな利益を得ていくのを基本的な方針とし、そのときの状況に合わせて柔軟に選んでいくのがよさそうかと思っています。

最適な駐屯部隊の編制

駐屯部隊はレジスタンス強度から必要な制圧値が計算され、設定した師団テンプレートの制圧値との対比で必要な師団数が決まり、これに占領政策の補正がかかって最終的な必要師団数が決まります。

例えば、上の画像のイル・ド・フランスはレジスタンス強度が71%ですが、英語版Wikiによればレジスタンス強度による駐屯部隊の増加量は50%で頭打ちとなり、また1%につき制圧値0.75が必要になるので、50×0.75=37.5が必要な制圧値となり、イル・ド・フランスの駐屯部隊である騎兵旅団は制圧値が8なので、37.5÷8≒4.68が必要な師団数で、さらに占領政策は駐屯部隊の必要量に補正がつかない戒厳令なので、4.68師団分の人的資源と装備を必要としている、という計算です。

つまり師団テンプレートの制圧値が高ければ高いほど少ない師団数で抑圧できることになりますが、そもそも師団テンプレートが必要とする人的資源や装備が多ければ結局人的資源や装備がたくさん必要となって不経済です。

したがって、制圧値1につき必要な人的資源と装備が少ない師団編制が駐屯部隊には適していることになります。また、損害の低減を考えるなら装甲化値も重要ですが、装備を揃えるのに必要な生産力が上がるので、そこは柔軟に考える必要があるでしょう。

先ほどの例のイル・ド・フランスの駐屯部隊を中戦車大隊1と憲兵中隊のみからなる機甲師団に変更しました。この機甲師団は制圧値3で必要な制圧値は37.5のままなので、37.5÷3=12.5が必要な師団数となり、先ほどの騎兵旅団4.68個よりもずっと多いですが、この機甲師団の人的資源は1個あたり1000なので、駐屯部隊に投入されるのは12500。先ほどの騎兵旅団は1個あたり4800なので、駐屯部隊に投入される人的資源は22464とおよそ倍近くにもなります。

また、上記の機甲師団の装甲化値は90%で、レジスタンス襲撃時に考慮される装甲化値の上限となっており、人的資源の損害を小さくしたいときに適した編制になっています。

駐屯部隊選択時はもちろんこんなめんどくさい計算をする必要はなく、駐屯部隊選択画面で表示される制圧(画像では抑制)値あたりの人的資源と制圧値あたりの生産コストが低く、装甲化値が高いものを選んでいけばいいはずです。

上の画像ではデフォルトの快速師団(Schnelle Division)や最初の例で使用した騎兵旅団よりも、機甲師団のほうが制圧値あたりに必要な人的資源は少なく、かつ装甲化値も90と高いですが、生産コストがかさむことがわかります。人的資源に余裕はあるけど軍需工場が不足気味なら快速師団を、軍需工場には余裕があるけど人的資源が厳しいという場合は機甲師団を選ぶという判断になるでしょう。

レビュー

1.8までのように占領地にいちいち騎兵旅団を配置しなくて済むようになったのはもちろん、迎合度という形で占領地から支配国に対する態度がゲーム上で表現できるようになったのは深みが出て面白くなったように思います。本記事では取り上げませんでしたが、諜報システムともうまく噛み合っていますし、悪くない変更のように感じました。

問題点を挙げると、現在のバージョン(1.9.1ベータ版(2020年3月11日更新))ではレジスタンスによる損害が大きすぎるように感じます。史実でどれくらいだったのかわかりませんが、多くても現行の1/3程度がいいところではないでしょうか。

とはいえ、問題点らしい問題点はこれくらいで今後のアップデートで修正されていくでしょうし、全体的には(もちろん複雑にはなりましたが)面白くなったように思います。


本記事で全部の変更点を総ざらいする予定でしたが、レジスタンスについてのみで予想外に長くなってしまったので、諜報や外国情報については次回以降改めてご紹介します。

今回レジスタンスシステムのポンチ絵を描いてみて思ったのですが、パラド社開発日記でもこういう関係図を掲載してもらえるとありがたいですね。今のように文章で説明されてもどうしても理解に限界がありますし……。

次回:レビュー(確報版)――諜報システム・国家情報

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コメント

  1. 駐屯部隊って、人的と装備が充分に有れば、レジスタンス強度の増加を100%抑えられるのでしょうか?それともむしろ減らしてくれたりします?駐屯部隊が完璧ならレジスタンス強度を0に出来るのでしょうか?

    • 駐屯部隊はレジスタンスを弱体化させません
      正確には、占領政策によるレジスタンス弱体化と駐屯部隊の充足率が完全に比例関係にあるようです
      つまりレジスタンスを40%抑制する政策であれば、完全な駐屯部隊によりレジスタンスを40%抑制できます

      一見するとかなり難しくなったように見えて、スパイを使った協力勢力の立ち上げで降伏後の迎合度を50(重ねがけで100)上げることが出来るので大国の場合以前と比べて工場が少し減った代わりに人的が大量に貰えるようになってるんですよね
      しかも共産主義の場合固有政策で工場と資源量ボーナスがあって迎合度100と合わせて100%を超えて使用できるという

      迎合度が高ければレジスタンスも弱くなるので、大国の場合スパイで協力勢力を作りながらひたすら全併合が最適解になっているようでイマイチバランスが取れてない印象があります
      小国の場合でも初期拡張で呑み込んだ国の迎合さえ上がれば割と……

      • と、なると駐屯部隊の役割、というか意味は?駐屯部隊を置かなかったら、レジスタンス強度の目標値が上がり放題になったりするんですかね?

        • 駐屯部隊無しの場合レジスタンス強度が40%増加(充足率に応じて改善されます)します
          レジスタンスの武力蜂起条件である75%のレジスタンス強度は、駐屯部隊無しの40%と基本値35%だけで達してしまうので、
          駐屯部隊を無くす政策を使うか、物理的に駐屯部隊が充足できない場合は無制限ではないものの半ば上がり放題です
          さらに戦勝点によるレジスタンス増加もありますので駐屯部隊充足率が半分程度でも状況次第では割と危険水準かも知れません

          一回やってみるのが一番早いと思います。スパイはともかく、レジスタンスはそこまで難しい要素ではないので

          • なるほど、駐屯部隊は各種占領政策毎に生じる必要経費みたいなもので、不足からレジスタンス強度を上げる事にはなっても、充足していたからと言ってレジスタンス強度を占領政策以上に抑制出来る訳ではないのですね。レジスタンス強度自体をどうにかしたい場合、駐屯部隊の充足は前提条件として、時間かけて迎合度を高めるか、占領政策を変えるしかないといけないのか。プレイしてて、駐屯部隊は完全に充足しているのにたまにレジスタンスが活動するから、これ駐屯部隊の意味あるの?って思ってたんですけど、凡そ理解出来ました。

  2. ドイツの場合、主要国以外はスパイで協力度を上げていくのが追いつかないので手っ取り早く強制労働や過酷なノルマで搾取した方がいいような気がします。
    迎合度を上げていくやり方だと時間がかかりすぎて、収入が増えるころには大勢が決してしまう可能性が大なので。

  3. 確かにレジスタンスの損害が大きすぎるんだけど、傀儡から人的資源を貰えば被害を肩代わりしてくれるから
    人的豊富な傀儡をさっさと作ればこの程度の被害は許容できちゃうんだよね

    • 駐屯部隊ってテンプレートって傀儡の人的使えるんですか?

      • テンプレ関係なく傀儡国から外交で肩代わりを要求できます。人的少ないと断られますが
        何気に自治度が上がらないようで

        • 外交画面から行うんですか、盲点でした。情報感謝。

  4. 迎合度をあげたら作れる協力政府についても解説してほしい

    • 協力政府の設立はLaRの導入が前提らしいので、LaRの有無に関係なく1.9で大きく変更されたレジスタンスシステムについての今回の記事には載せなかったんじゃないですかね。

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