「Hearts of Iron IV」開発日記2019年11月20日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は作戦について。
前回:開発日記2019年11月13日――1.8パッチと国家方針ツリーのナビゲーション
概要
開発日記2019年11月20日は、作戦について。今回はゲームディレクターのpodcat氏によるものです。
- 今回ご紹介する作戦(Operations)は、多くの諜報員、資源、時間を必要とすることがある影響の大きな任務だ。
新たなランチャーに関するアップデート
- このランチャーリリースは私たちが思っていたよりもトラブルの多いものになった。Stellarisのランチャーから問題をいくらか修正したが、HoI4固有の問題もあるようだ。私たちはテレメトリー情報を調査して、Modの利用についてはほぼランチャーリリース前の状態に近づいたようで、ほとんどのプレイヤーではModが以前どおり使えるようだが、依然として問題の報告がある。
- 先週末に1.8.1ホットフィックスをリリースし、それ以降も私たちはゲーム側の一部のことについて作業を続けている。私はランチャーチームと連絡をとっており、彼らは来週ランチャーのバグ修正パッチをリリースする予定だ(私たちが関与しないランチャーのアップデートはゲーム内容のアップデートやバージョン番号の変更がない)。彼らは現在主にバグを調査しているが、来月にはModナビゲーションのUI改善の準備ができるようにも作業を進めている。
作戦(Operations)
- すべての作戦の実施には最低1名、一部の作戦では複数の諜報員が必要になる(強力な作戦では諜報活動主導国が持てる以上の諜報員を必要とするものもあり、実施が制限される)。また、準備のためにある程度の諜報網を構築する必要もある。
- すべての作戦は実施前に準備が必要だ。通常は装備、諜報員、あるいは民需工場の一定期間の使用が必要となる。民需工場は賄賂や通貨の偽造などに資金を投じるような、軍の装備ではおかしい抽象的な表現として使っている。
- 上の画像の例では地元のレジスタンスを使って資源採掘を妨害しようとしており、作戦のために250の支援装備を必要としている。タイミングを気にしない場合や繰り返し行いたい場合は、準備ができ次第、作戦を実施するように設定することもできる。
- 準備が完了すると、作戦は複数のフェーズを持ち得る。ほとんどは3つ、すなわち潜入、実行、脱出だ。私たちはこのために非常に素晴らしいシステムを持っており、これはフェーズをまとめて整理し、フェーズに関してさまざまなコストを持たせるものだ。例えば諜報員が目的地に夜間に空挺降下する必要がある場合は輸送機が必要になるだろうが、中立国と国境を接していれば多少の賄賂だけで潜入できるかもしれない。
- 作戦は実施に長い期間がかかる場合があり、その間諜報員は利用できなくなる。また、諜報員の特性次第では、よりよい結果が得られる確率に影響したり、作戦を安く/早く遂行できるようになる。
- 同じ目標に対して作戦を実施する回数が増えると、成功は困難になっていく。こうした自動的なバランス取りは、敵がこれまでの手口を元に警備体制の穴を塞ぐことをシミュレートするものだ。
- 作戦には2つの主な種別がある。その前提となるのが潜入した諜報員であり、これにより続いて別のより強力な作戦を利用できる。
潜入(Infiltration)
レジスタンスとの接触は目標のステートを特定する必要がある。作戦には他に国家を目標とするもの、ステートを目標とするもの、戦略地域を目標とするものがある。
- これはすべて他の作戦の入口となる作戦であり、追加のメリットもある。
- 陸軍への潜入(Infiltrate Army):敵の陸軍内部に諜報員を潜入させる。敵陸軍や技術などの情報を得られる。
- 海軍への潜入(Infiltrate Navy):敵の海軍内部に諜報員を潜入させる。敵海軍や技術などの情報を得られる。
- 空軍への潜入(Infiltrate Air Force):敵の空軍内部に諜報員を潜入させる。敵空軍や技術などの情報を得られる。
- 政府への潜入(Infiltrate Civilian Government):敵の政府内部に諜報員を潜入させる。生産物や建造物などの情報を得られる。
- レジスタンスとの接触(Make Resistance Contacts):地下レジスタンスと現地で接触する。レジスタンス値の増加をブーストする。
その他の作戦
- このうちの一部はまずどこかに潜入している必要がある。多くの場合でレジスタンスのネットワーク、一定以上の諜報網その他の制限がある。
- 青写真の奪取(Steal Blueprints):プレイヤーが行った潜入作戦とその結果に応じて、研究速度ボーナス、先行研究ボーナス、技術の完全なアンロックのいずれかを得る。
- 的を絞った妨害工作(Targeted Sabotage):地元のレジスタンスと接触してその地域の妨害工作を強化し、注力する。
- レジスタンスの強化(Boost Resistance):地元のレジスタンスを強化する。
- 暗号文の捕捉(Capture Ciphers):敵の暗号に関する手がかりをつかみ、その解読を進める。暗号部門が必要。
- 協調攻撃(Coordinated Strike):爆撃を行い、奇襲攻撃を仕掛けることができる。これは真珠湾攻撃やバルバロッサ作戦開始時にドイツ軍がソ連空軍に行ったような打撃をシミュレートできる。諜報員は最初に激しい攻撃を受ける地域で準備する。プレイヤーはその前に航空任務を設定する必要があり、作戦が発動されると攻撃が行われる(宣戦布告ができる国家であればそれも行う)。港湾攻撃と戦略爆撃で機能する。
- 偽情報による欺瞞(Plant False Intel):敵を欺くための「偽部隊」を作る。こうした部隊は敵には通常の師団に見えるが、敵が完全に機密情報(intel)を得たり、この部隊と戦闘になれば消滅する。この部隊は補給物資を消費せず、領土を占領することできない。偽部隊はすべての非同盟国に対して機能するが、偽情報を撒く国家は選ぶ必要がある。プレイヤーがこの作戦の担当にパットンをつければボーナスがある。
- 拘束された諜報員の救出(Rescue captured operative):諜報任務では、諜報員が拘束されることは避けられない。そうなった場合、諜報員は敵に機密情報を漏らしていくが、プレイヤーには救出作戦を行って安全に連れ出す選択肢がある。
- 他にも来週明らかにするものがある。
史実の作戦
- 私たちはプレイヤーに、有名な作戦のいくつかを再現する機会をもたらしたいと思った。汎用の作戦で例えばフランスやユーゴスラビアのレジスタンスとの協力など多くを既にカバーしているが、これには含まれない非常に有名な作戦もある。こうしたもののほとんどはスパイ映画やそれ以上にDaring Commando Raids(注:なにを指しているか定かではありませんが、Podcastのコメディ番組に同名のものがあるようです)から受けたインスピレーションはほとんどない。
- 例えばドイツがノルウェーのテレマルク地方を占領している場合、ドイツは重水生産を開始するディシジョンを行える。このディシジョンは相当長い期間を要し、完了するとドイツは核研究にボーナスを得る。史実では重水は原子炉や核爆弾を作る上ではほぼ役に立たなかったが、ドイツが重水を手に入れればそれを認識してよりよいアプローチを進めることになると私たちは考えた。
- しかし、ドイツと戦争している諜報機関を持つあらゆる国家は、テレマルクに一定以上のレジスタンス値があれば重水生産プラントに妨害工作を仕掛けることができる。一定以上のレジスタンス値が必要なのは、ドイツのプレイヤーがこの地域のレジスタンス値を抑えて防衛できるようにするためだ。
- 史実ではドイツに重水が渡らないようにするため、イギリスが幾度か作戦を行った。もっとも成功したのはガンナーサイド作戦で、これは少人数の特殊部隊が爆発物を仕掛け、プラントを完全に破壊したものだ。この作戦は私たちの史実の作戦の基礎となった。
- 他にも、ドイツによるチトーの捕獲、あるいは殺害や、ムッソリーニの救出など、史実を元にした作戦がある。
質疑応答
Q1:諜報員が装備や部隊を盗んだり、航空隊を説得して寝返らせたりはできる?
A1:一番近いのはプロパガンダだが、直接そうする手段はない。
Q2:ムッソリーニの暗殺とか蒋介石を失脚させたりは作戦に移るの?
A2:La Resistanceを持ってないプレイヤーでは依然としてできる必要があるが、そのアイディアは好きだ。
Q3:暗号について撃破した敵ユニットから解読が進むとかある?
A3:暗号や機密情報については別の開発日記で述べる。
Q4:調整攻撃は戦争開始時じゃないとだめなの?
A4:今のところ目標とは戦争状態にない必要があり、だからこそ奇襲になる。
Q5:画像の「トークン」というのはプレースホルダー?
A5:そのとおり。
来週は協力政府について。
コメント
パットンの下りはネタでいいんだよな?
「Daring Commando Raids」なんですが、翻訳は「大胆な奇襲攻撃(作戦)」。
過去の事例では、「トロイの木馬作戦」とかロンメル暗殺を目的とした「フリッパー作戦」、ベルギーのエバン・エマール要塞奇襲攻撃作戦などを指すようです。
https://www.wearethemighty.com/lists/daring-commando-raids
ありがとうございます。「Daring Commando Raids」でググるとトップに出てくるこちらの記事についておっしゃっているものと思いますが、原文では「Daring Commando Raids (™)」と後ろにTMマークついています。
Trust Meの略語、つまり「本当に影響されてないよ!信じて!」という意味かもしれませんし、「Daring Commando Raids」という商標のあるなにかがあるのかもしれませんし、それ以外かもしれませんが、そのへんの判断がつきませんでしたので、記事のように記載しています。
「史実では重水は原子炉や核爆弾を作る上ではほぼ役に立たなかった」
とありますが、重水自体の問題では無く「生産分量が全く足りていなかった」のが真相のようです。
詳細はコチラ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ノルスク・ハイドロ重水工場破壊工作
パットンのくだりが冗談なのか本当なのか分からんけど、偽部隊の指揮官のスキルが高ければ、それだけ欺瞞にボーナスがつく仕組みになってるとしたら理にかなってると思う
これは何と言うか、また…翻訳班の方々に頑張ってもらうことが増えそうな予感。
スパイ映画みたいな非史実作戦もそれはそれで面白そうだけどね
なんでパットン将軍の下りがジョークなの?
史実通りじゃん
いや皆それはわかって言ってると思うんだけど・・・
オットー・スコルツェニー関連の作戦とかも追加されるんだろうか
グラン・サッソ襲撃できるようになったら面白いですね
史実ではないけど鷲は舞い降りたという小説のチャーチル拉致とかも再現できないかなぁ
鷲は舞い降りたを完全に再現するとなると…まぁ読めばどうなるかは分かるね?
でも作中にもあるように、史実ではIRAの人間を使った破壊工作をアプヴェーアをやろうとしていたし(失敗したが)、なんならSDがワシントンDCに対する奇襲核攻撃を手引する作戦があっても良いよね。
ゴールデンアイ作戦とかできたら面白そう
効果が高すぎると戦争が遊びにくくなるし
低いとやる意味がなくなってしまう
調整うまくやれるんだろうか
費用対効果はやや低めでもフレーバーとして楽しければやる意味もあるし良いんだけどね
そもそも、この諜報関連の大規模アプデは無料アプデの範疇?それともLR購入しないといけないのかな?
今まではランダム要素でしかなかったトロツキー暗殺も作戦扱いになるんだろうか