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「Hearts of Iron IV」開発日記2018年12月6日――新しい海戦

HoI4 開発日記

「Hearts of Iron IV」開発日記2018年12月6日分(フォーラムがダウンしていたことで1日ズレ)が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は1.6「アイアンクラッド」での海戦について。

前回:開発日記2018年11月28日――いろんなもの その3


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概要

開発日記2018年12月6日は、1.6「アイアンクラッド」での海戦について。

  • 潜水艦については今後これを取り上げた開発日記を投稿する予定のため、今回は通常の艦隊戦闘についてのみ述べる。
  • これまでのシステムにおける問題を考えることから始めるのが一番だろう。私たちが認識したのは以下のような問題だ。
    • 戦闘があまりにも決定的で、小さな間違いがまずい状況につながる。
    • 戦闘に誰でも、巨大艦隊でも乱入できるため、戦闘が雪だるま式に大きくなる傾向がある。
    • 大艦隊が常によいもので、上のようなこともあってドゥームスタックを促進する。
    • 艦船が互いに接近するのでインターフェースが非常にわかりにくい。距離全般を表示しにくいし、バランスを取りにくい。
    • 別のどこかで拘束することで簡単に戦闘を回避できる。
    • この「シミュレーションの性質」によってバランスをとるのが信じられないくらい困難。その結果、すべて戦艦の艦隊のパフォーマンスがよいというようなことになる。

艦列

  • 距離と直衛の問題に対処するため、私たちは戦場を一方ずつ4つに分けることで位置と距離を表現する。
  • 直衛(Screens):直衛艦はここに来る。直衛艦は敵艦にもっとも接近し、背後の味方を守る(詳細は以下)。
  • 戦列(Battle line):ここには重巡洋艦や戦艦など、長距離砲を持つ艦船が配置される。こうした艦船は背後の空母や輸送船を守る。
  • 空母(Carriers):空母は2つのラインに守られている。戦闘に輸送船が参加している場合(上陸作戦中や通商破壊戦など)にはこれもここに配置される。
  • 潜水艦(Submarines):このエリアは事実上2つ、発見済みの潜水艦(爆雷で交戦可能)と未発見の潜水艦に分かれている。
  • これまでのシステムとは異なり、距離によって分割したことで、私たちはより容易に距離と位置取りの影響を扱えるようになり、起こっていることもひと目でわかるようになった。
  • 割り当てられるエリアは艦船の持つ兵器によって決まり、艦船デザイナーとうまく関連させている。戦闘のルールはさまざまな兵器がエリアとどのように相互に機能するかに大きく依存するようになり、したがって先に進める前にこうしたことについて調べるのが重要だ。
  • また、戦闘画面の上部に素早く戦闘の状況を評価できるよう、こうしたことの要約を表示している。
  • 小型砲(Light Guns):口径の小さな砲で、駆逐艦や軽巡洋艦、あるいはより大きな艦船の副砲として搭載される。小型砲の役割は小型で高速の艦船を攻撃し、撃沈することだ。一般的には装甲を貫通して主力艦に深刻な損傷を与えることはできない。小型砲はひとつ先の艦列に攻撃する。つまり、直衛艦は敵の直衛艦を攻撃でき、敵の直衛艦がいなければ主力艦を攻撃できる。副砲を持つ主力艦は直衛艦の背後から安全に敵の直衛艦を攻撃できる。
  • 大型砲(Heavy Guns):大型艦を撃沈するために装甲を貫通させて大損害を与える砲だ。小型で高速の艦船を攻撃するのは困難だが、命中すれば甚大な損害を与えられる。大型砲は敵の艦列をひとつ飛び越えて攻撃でき、したがって敵に直衛艦がいても敵の戦列を攻撃できる。
  • 魚雷(Torpedoes):これは大型主力艦キラーで、装甲を無視して大きなダメージを与えられる一方、高速/小型艦には全然命中しない。魚雷は適切に直衛されていない場合に限ってどの艦列でも攻撃できる。つまり、味方の直衛が50%以下であるならば、敵の魚雷の半数が味方の戦列に向かって発射され、さらに戦列が弱体であれば、一部の魚雷がすり抜けて空母や輸送船に命中することもある。
  • 対空火器(Anti-air):対空火器の機能の仕方は少し異なる。敵の航空機に反撃するときに、艦船は艦隊の対空兵器の一部から支援を得ることができ、したがって支援艦(空母を重視するなら戦艦)にできる限り多くの対空火器を積んであるか確かめるのは非常によいことだ。
  • 爆雷(Depth Charges):これは潜水艦に損害を与えられる唯一の兵器であり、発見した潜水艦と交戦する際にのみ機能する。
  • 空母艦載機(Carrier Planes):空母にはさまざまな種類の航空機が搭載されている。爆撃機は敵艦船を攻撃する助けに、戦闘機は自分たちを守る助けになる。海戦における航空戦のモデル全体はゲームの通常の航空戦とより近くなり、予測される空域において行われる。したがって、もう混乱することはない。これによって、陸上機と空母艦載機の間で発生していた多くの問題が解消された。

ポジショニング値

  • 次にポジショニング(positioning)値について見ていこう。これはその任務部隊がどれほどよい位置取りをしているかを示す値だ。ポジショニング値が低いと、例えば味方のすべての直衛艦が嵐でバラバラになっていて、主力艦が攻撃に対して無防備になっているということを意味する。
  • ポジショニング値は直衛に直接影響し、また低い値だと、艦船が最適な交戦距離にいない、他の艦船で射線が塞がれているなどの理由で、艦船の戦闘能力を直接低下させる。
  • ポジショニング値の影響の大きさは艦隊規模と関係している。つまり、より容易に統制できる小さな艦隊に対して、大きな艦隊ではポジショニング値に固有のペナルティがある。提督の機動(maneuver)スキルもこれを助ける。一匹狼(Lone Wolf)のような特性や、貿易阻止ドクトリンの「主力艦による襲撃」技術のように、敵のこうしたペナルティを増大させるものもある。このアイディアは、優れた技術があり、訓練された提督が統制すれば、小規模な主力艦による襲撃部隊がより優位になるというものだ。
  • 艦船のツールチップはどこから損傷を受けているかを表示するようになり、したがって特定の兵器区分がどれほどよく機能しているか(あるいはしていないか)を見ることができ、インターフェース上部には全体の概要もある。

戦闘への参加と離脱

勇敢なる逃走……
  • 最初に戦闘が始まった後、さらに任務部隊が戦闘に加入できる。任務部隊が戦闘に加入すると、その任務部隊は「接近中」の枠に入れられる。そこで消費する時間はその任務部隊の指揮統制の水準によって決まり、指揮統制が低いと戦闘加入までの待ち時間も長くなる。
  • 指揮統制は移動だけでなく、艦隊に手動で命令を与えることでも影響を受ける(私たちはプレイヤーが事前に計画を立てておくようにしようと思っており、手動では最大効率で行動しない)。いつでも艦船を戦闘に駆り出せるが、そうした艦船は指揮統制が低下し、戦闘への加入も遅れる。
  • こうした遅れは通商破壊や護衛でも適用され、全戦力を同時に持ってくるのが困難になっている。
  • 一方で、敵の増援来襲前に敵を撃破すれば、戦闘は終了して逃げることができる(戦闘を続けたい場合は互いに再度捕捉する必要がある)。このアイディアにより、潜水艦や通商破壊艦は迅速なヒット・エンド・ラン戦法が可能となった。
  • 既に発生している戦闘については、プレイヤーが直接命令を出してなにかすることもできるし、艦船が充分な損害を受けた(思い出してほしいが、任務部隊がどれほどリスクを取るかは攻撃性レベルで管理できる)ときになにかすることもできる。
  • 撤退はそうしたときに取る行動のひとつだ。これはドクトリン、特性、天候、海域特性、艦船の速度に影響される。私たちはこれを進捗バーで表示し、敵の海軍旗艦がゆっくりと逃走していくときにプレイヤーが爪を噛んで悔しがれるようにした。
  • 艦船の速度が低下したり撤退が困難になるようなクリティカルヒットがあるということも注意してほしい。舵が故障した艦船は撤退に90%のペナルティが付く。撤退は戦闘が決定的になりすぎないようにするためには重要な部分だ。
  • これは潜水艦でも同様で、潜水艦は通常の魚雷のルールに従うが、艦船が撤退するときに相手を包囲することもできる。したがって、戦闘時に隠れている潜水艦が味方にいれば、敵の主力艦が撤退を始めたことを契機としてこれと交戦することもできる(もちろんこれが敵に明らかになれば、ドクトリンのレベルにもよるが、対潜能力のある敵艦から反撃を受けやすい状態になる)。

質疑応答

Q1:艦隊に通常の艦隊型駆逐艦と武装をあまり持たない対潜護衛駆逐艦がいるとして、この護衛駆逐艦は戦闘では前線に立たずに逃がすことはできる?

A1:純粋に対潜駆逐艦にしたら通商護衛に使って攻撃部隊には入れないんじゃないかと思う(もし入れたとすると戦闘に参加するだろう)。新しいシステムではこういうプレイヤーの意図次第で設定されることで多くのことが決まる。例えば護衛艦隊は同じ海域の戦闘に自動では参加しない。そのため、戦闘になることは限られているし、ランダムに敵の艦隊と当たることもない。

Q2:潜水艦メッセージスパムは直った?

A2:報告を自動で消去するシステムをつけた。詳細は今後紹介する。

Q3:「味方の直衛が50%以下であるならば、敵の魚雷の半数が味方の戦列に向かって発射され、さらに戦列が弱体であれば、一部の魚雷がすり抜けて空母や輸送船に命中することもある」というのは固定のしきい値なの? それとも比例するの?

A3:直衛が最大効率で戦うには4対1、戦列が最大効率で戦うには1対1の割合にする必要がある。これを組み合わせると直衛50%、戦列50%となり、最終的には直衛75%に行き着く。これは背後の艦列に標的になる確率は25%だが、存在する有効な標的の数によってその確率は増減する(したがって固定の上限ではない)。

Q4:攻撃は完全にランダムなの? それとも主力艦がまず狙われるの?

A4:さまざまな優先順位が使われるが、主力艦は非常に標的になりやすい。損傷した艦船もそうだ。

Q5:「ロング・ランス」はどういう効果になるの?

A5:直衛突破にボーナスがかかる。敵の直衛が50%だとすると、その差(注:100%との差)が20%大きくなり、実質的に直衛が40%として扱われる。


前回の記事で12月7日に奇襲的にリリースなんてあるんじゃないか(あったらいいな……)というようなことを書きましたが、今のところまだそういったことはアナウンスされていませんね……。

次回:開発日記2018年12月12日――潜水艦と通商破壊

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コメント

  1. 余裕の年越しでしょ
    1月中に出るかも怪しい

  2. 奇襲があるって信じてる(´・ω・`)

  3. しれっといるドミニカ海軍で草

  4. 贅沢言わないから、WtTから1年以内には発売してほしい

  5. ロングランスの効果が変更される(から直衛艦の数的不利を補える)らしいが、日本は他国より砲戦は不利な設定のようだから先に前衛が溶けて差は広がり続け、結局は数の暴力で潰されるんじゃ無いですかね…それに魚雷で小型艦を狙うのは効率悪いようであるし。

  6. 結局海戦でプレイヤーはできることは数を集めてぶつけることしかないので、ゲーム的に煮ても焼いても食えないんでしょうね

  7. 話し見る限り副砲装備の巡洋戦艦と空母があればやっぱり困らない気がするなぁ…

  8. とにかく戦闘がつまらない……
    せめて提督の決断4のレーダー画面ぐらいの動きは欲しいなぁ
    今だと提督の決断1ぐらいか……

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