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「Crusader Kings II」開発日記#106――新たな継承法

その他

CK2開発日記#106が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は新たな継承法について。長め。

前回:開発日記#105――聖職者に対する行動の見直し


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概要

開発日記#106は、新たな継承法について。

古い選挙相続制は変わった

  • プレイヤーのいとこのDuke of Burgundyは、プレイヤーお気に入りの聡明で魅力的な息子ではなく、常にSteve the drunkardを次の皇帝に推薦する。これは選挙相続制をとっているときの多くのゲームプレイに関する一般的な話題であり続けてきた。これに関する大きな問題は、選挙人の推薦に関する決断の根拠が不透明で、プレイヤーは推薦人を自分の味方につけるためになにをしうるかを知りえないということだ。
  • これは私たちが選挙相続制を見直すと決めたときに最初に対処しようとした問題だ。したがって、単に誰がその候補者に投票したかをツールチップでリストにして表示するのではなく、特別なインターフェースを作って領内の強力な推薦人の考えをより詳しく見ることができるようにした。
  • 選挙人がなぜその決断をしたかを見ることができるようにした後、私たちはAIを管理する基本的な要素をもっと簡単に編集できるようにしようとした。そこで、これまでのロジックをハードコードされた条件から、どのように選挙相続制が機能するかに関するさまざまなルールを決めるスクリプトされたシステムを基本とするように複製した。
  • これは選挙相続法の改造ができるだけでなく、プレイヤーが新たにどれだけでも自分の選挙ルールを作り、自身の基準で振る舞うさまざまな有権者で世界を満たすことができる。おそらくプレイヤーは領内でもっとも教養のある人々によってのみ統治される技術官僚的共和制を作ろうとするだろう。

スクリプトは省略します。

  • 選挙制のコードを変えるのに加えて、Conclaveのfavorsの使いみちも追加し、選挙人に対してプレイヤーに従って投票するように強制できるようになった。

見直された選挙法

  • 選挙相続制の非ハードコード化によって、ゲーム全体の既存の選挙法(Feudal Elective、Elective Gavelkind、Tanistry)に関するAIの振る舞いを完全に書き換えることができた。こうした法律のもとでの後継者や選挙人になるためのさまざまな条件は変更されていないままだが、AIの振る舞いは微妙な補正の長いリストに書き直されている。
  • プレイヤーは選挙人が候補者をどれくらい好んでいるか、候補者の称号請求がどれくらい正統であると考えているか、その候補者に投票した領主をどれくらい信用しているかを考慮していると期待できる。
  • 年齢、称号、キャラクターの特性、文化、宗教、血縁その他はすべてAIに考慮され、これは新たな選挙人(Electors)タブを使ってプレイヤーも見ることができる。こうした補正の合計が投票スコアとなり、もっとも高いスコアの潜在的候補者が選挙人によって選ばれる(選挙人はそれぞれ性格や地位が異なる。さまざまな選挙人は好む候補者もさまざまだ)。

  • 選挙人タブには投票した選挙人全員のリストがあり、誰に投票したか、なぜそのキャラクターに投票したかと領主が投票したキャラクターのスコアの比較、そしてなぜ領主が投票したキャラクターには投票しなかったかが表示される。

長老制

  • タニストリーに似ているが、長老制(Eldership)は潜在的候補者を領主の一族に限ることでプレイヤーの称号が一族の外に出ていくのを防いでくれる。
  • 長老制のもとでは6人の領内でもっとも年長かつ教養のあるキャラクターが後継者を選出する。長老は領主をどう思っているかでそれぞれいつでも3つ、すなわち不機嫌(Displeased)、満足(Pleased)、熱狂(Ecstatic)のうち1つのスタンスを取る。
  • 長老のプレイヤーに対する評価が高ければ、彼らに評議員の地位を与えるか、ときおり彼らの要求を満たしてやることで彼らを熱狂状態にできる。

  • 熱狂的な長老はほぼ常に領主の選んだ候補者に投票し、なにかを要求することはほぼなく、プレイヤーをよりよい人物にすべくたまに助言をくれることすらある。

  • 満足している長老は彼らがいいと思うことやプレイヤーの一族の候補者、特に年長で管理値が高い人物に投票しようとする。彼らはたまに自身の一族の者に領地を欲するというような要求を出すが、大抵は理にかなった要求を出す人々だ。
  • 不機嫌な長老は交渉が困難だ。彼らは意図的に悪い候補者を選ぶのみならず、ときには領主には統治する権利がないとばかりにプレイヤーの称号に対する請求権を他の者に認める。
  • Holy Furyでは、バルト地方やアフリカの国家が選挙分割相続ではなく長老制をデフォルトの継承法としている。さらにほかの異教でも宗教改革時に適切な教義を選ぶことで利用できる。

選挙君主制(Princely Elective)

  • これは神聖ローマ帝国でFeudal Electiveと置き換えられる選挙制の新たなバリエーションとしてスクリプトされた。これは選挙人を最大7名(と皇帝)に制限し、選帝侯(the Prince-Electors)によって保有された史実の称号は皇帝の選挙人を選ぶ際に優先される。すなわち、マインツ、ケルン、トーリアの司教(Bishoprics of Mainz / Koln / Trier)、ボヘミア、フランケン、ザクセン、ブランデンブルクの公爵(Duchies of Bohemia / Franconia / Saxony / Brandenburg)だ。
  • 選挙人の称号が存在しないか、皇帝に所有されている場合、他の公爵で代替される(皇帝と同じ宗教のde jureの封臣が優先される)。
  • 選挙君主制のもとでは、選挙人が一般的に敬虔でなかったり宗教の異なる候補者を選ぶことは多くない。また、帝国の叙任権が教皇にある場合、神権制のカトリックの選挙人は世俗の選挙人の倍の投票強度を持つ。
  • 神聖ローマ帝国の領主は通常どおり領内の継承法を変えることができる一方、選挙制の派閥は神聖ローマ帝国の封臣たちに受け入れやすく、この継承法から変更する要件もより厳しくなっている(領主はMax Centralizationのほか、 Absolute Crown AuthorityかAbolished Council Powerにしていなければならない)。

帝国選挙制(Imperial Elective)

  • 最後に、ビザンツ帝国(とローマ帝国)向けのまったく新しい継承法がスクリプトされた。これはこの帝国に特有の政治をよりよく表現するものだ。この継承法はこの2つの称号に結びついており、彼らが利用できる「唯一の」継承法でもある。この継承法にはいくつか固有の機能がある。
    • Successors(後継者):帝国選挙制のもとでの潜在的候補者は、皇帝の子供たち、皇帝に近い親族(配偶者含む)、称号に対するすべての請求者、現在の元帥(Marshal)、皇帝配下のすべての指揮官(Commander)で、そこから不具者が除かれる。これは帝国に対する軍人の影響力を表現しており、影響力のある指揮官が皇帝になるという史実の例を再現しうる。
    • Imperial Court(宮廷):皇帝、皇帝のすべての評議員、皇帝のすべての指揮官は選挙人となる。ビザンツ帝国は中央集権化されているため、皇帝は自分の一族に帝位を留めるために、封建制の土地のように封臣ではなく、高位を宮廷の有力者の厚意を得る必要がある。
    • Scaled Voting Power(変動する投票強度):帝国選挙制ではスクリプトされた選挙制の新たなvoter_powerという機能を使い、すべての選挙人に影響力の大小を持たせ、これを宮廷における地位やその選挙人の能力に完全に連動するようにした。
    • 皇帝の投票は200の投票強度から始まり、高い外交能力や軍事能力でさらにブーストされる可能性もあるため、強力で影響力もある皇帝は宮廷に逆らってでも自分の望む候補者を帝位につけることができる。
    • 一方で、皇帝がBorn in the Purpleでない、奇形、身体障害、あるいは宮廷において佞臣を重用していると評されている(詳細は以下)場合、皇帝の投票強度は急落する。
    • 他の選挙人は威信、ランク、能力(高い管理能力を持つStewardはそうでない場合より強い影響力を持つ)に連動する投票強度を持つ。有能な人物を評議員や指揮官に任命することは、プレイヤーお気に入りの息子がより有能で受け入れられやすい人物と競争しなければならないことを意味するばかりか、そうした選挙人が継承にあたって大きな影響力を持ちさえする。
    • 名誉称号もキャラクターの投票強度に影響しうるため、以前よりもCaesarやSebastokratorの地位を与えようという気になるかもしれない。
    • Heroes and Sycophants(英雄と佞臣):ベリサリウスはプレイヤーの息子と競争するには人気のありすぎる指揮官ではないだろうか? プレイヤーはいつでも彼を解任できる。指揮官の地位を取り上げ、候補者でも選挙人でもなくしてしまえば問題は解決だ。
    • ただし、帝国選挙制のもとでは、有能な指揮官や評議員を解任すると、解任したキャラクターの能力に応じて皇帝の投票強度が低下する。
    • 同じことは皇帝が明らかにもっと能力のある者がいるのに軍事能力の低い者を指揮官に任命した際にも起こる。宮廷は皇帝が有能さを恐れて平凡な佞臣を起用したと考え、投票強度が低下する。
    • さらに、帝国選挙制では指揮官になることができる封臣がいる限り、領地を持たない指揮官を任命できない。高い軍事能力を持つ廷臣に軍を預けたいなら、まず適切な称号を与える必要がある。
    • Prestige and Ageism(威信と年齢):帝国は家族の絆やキャラクターの特性をあまり考慮せず、有能で名声あるリーダーを帝位につけようとする。
    • ビザンツ帝国では、これは選挙人が高い陰謀能力を持つキャラクターを好むということを意味し、一方ローマ帝国では、雄弁家(高い外交能力)が好まれる。どちらの帝国でも選挙人はその地位に関して有能であり、さらに高い威信と称号(名誉称号でも領地称号でも)を持つ者を好む。
    • これによるもっともわかりやすい結論は、帝国選挙制のもとでは常に自分の息子を帝位につけようとする者はほとんどいないということだ。もしそうしたいなら、息子を教育し、彼が大人になるまで待ち、自分の帝国に迎え、できれば名誉称号や領地をいくつか与える必要がある。

Strong Claimによる決闘

  • 新たな継承法に少し関係するが、私たちは新たな種類の決闘を追加した。これはElective Gavelkindのもとで領地を維持するためにデザインされている。Strong Claimによる決闘はプレイヤーがWar Focusをアクティブにしているか、あるいはWarrior Lodgeに属しているか(通常の決闘には必要となる)にかかわらず行える。
  • 現在は部族領主に保有されている称号に対してStrong Claimを持っている部族キャラクターとして、現在の称号保有者に挑戦できる。これには目標となる領主から独立しているか、どちらも同じ主君の封臣になっている必要がある。
  • この決闘は、負ければその称号に対する請求権をあきらめるだけでなく、敵が心から愛を持って接してくれる親切な敵でない限り死ぬのが一般的な結果だということを頭に入れておいてほしい。
  • 一方、勝利すればその称号と封臣を獲得し、合わせてプレイヤーがStrong Claimを持っている他の称号も獲得できる。
  • 決闘の相手が同じ一族のAIキャラクターである場合、負けた際にプレイヤーに選択肢が出る。すなわち運命を受け入れるか、勝った側のキャラクターに操作を切り替えてゲームを続けるかだ。

質疑応答

Q1:どれがDLCでどれが無料パッチ?

A1:長老制とStrong Claimによる決闘がDLC、あとは無料パッチ。

Q2:摂政も選挙人になれる?

A2:Modで現在の摂政を選挙人として優先づけすることは可能だ。

Q3:商業共和国を非ハードコード化する予定はある?

A3:私(スタッフのSilfae氏)の知る限りではそういう計画はない。


次回:開発日記#107――ちょっとしたフレーバー

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コメント

  1. CK2における最大の不満点だったMODで継承法をいじれない問題がようやく改善された
    ありがとうパラド
    ありがとうCK2開発

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