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「Stellaris」開発日記#99――地上戦と地上軍の見直し

Stellaris 開発日記

パラド社発の宇宙4Xゲーム「Stellaris」の開発日記#99が更新されましたので、その内容をご紹介。今回は地上戦について。

前回:開発日記#98――艦隊マネージャー


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概要

開発日記#99は、地上戦について。

  • 今回は2.0チェリイアップデートでの地上戦と地上軍の変更について。今回の開発日記は年末年始休暇前の最後のもので、次回は2018年1月11日となる。

防衛軍と地上要塞

建造物のアイコンはプレースホルダー。

  • Stellarisにおいて、防衛軍を編成するのはだいたいにおいて意味のないことだった。防衛軍は社会不安を低減し、準備不足の攻撃者を撃退するのには役に立ったが、惑星側は地上軍の数にキャップがあるのに対して、攻撃側はキャップがなく、防衛軍の一般的な弱さも相まって侵攻から惑星を守るのは通常は無益なことで、ほとんどは数週間攻撃側を遅滞させるだけだった。
  • しかし、防衛軍を強化したり、攻撃側にもキャップをつけることでこれを解決しようとすれば、僻地の植民地を攻略することはすべて大事業となってしまうだろう。多くの惑星を巡ってさまざまな主体が関与しうる戦争では、これは特に望ましくないことだ。
  • こうした理由で、私たちは防衛軍がより役に立つが、召集するのに形だけの防衛体制よりもずっと多くの資源を必要とするようにした。防衛軍は帝国によって編成可能なものではなくなり、特定の建造物から生まれるものとなった。首都建造物はレベルによって防衛軍を生み出し、また士官学校のような惑星固有の建造物もいくらか防衛軍をもたらす。
  • しかしながら、惑星をさらにしっかりと守りたいなら、タイルに地上要塞(Fortress)を建設する必要がある。要塞はPopを配置する必要があり、少量の統合力以外にはなにも産出しない代わりに、相当量の防衛軍を生み出す。地上要塞によって生み出された地上軍には軌道爆撃が効かず、先に建造物が廃墟にされない限り壊滅させられることはない。
  • 建造物によって生み出された地上軍の種族やタイプは、その建造物に配置されたPopによって決まる。したがって非常に強力な戦闘奴隷を要塞に配置すれば、強力な防衛軍が生み出され、ドロイドのような特別なPopなら通常のロボット防衛軍ではなくその派生型となる。
  • 要塞化された惑星はFTL妨害器(まだ方法は決まっていないい)を持つこともでき、惑星を占領しないまま敵艦隊が星系を離れることを妨害し、これによって戦略的に重要な星系を守ることが、要塞のある惑星を作ることで可能になった。
  • 防衛軍に関するもうひとつの重要な変更は社会不安についてだ。地上軍は社会不安を直接減少させなくなった。代わりに、社会不安の高い惑星に対応するためには、地上要塞のような建造物を建設するか、その他の手段(布告を使うなど)をとることで社会不安を低減させる必要がある。これにより、惑星を占領した後、単純に地上軍を大量生産して社会不安を直ちにゼロにするということはできなくなった。これに合わせて、新たに占領した惑星が直ちに以前の支配者の手に戻ることがないよう、特定のイベントや影響も調整した。
  • 最後に、こうした変更に合わせて防衛軍が強化され、地上要塞の上位版アンロックしたり、防衛軍の戦闘能力を幅広く向上させる新たな技術も追加した。これによって、新しくより強力な侵攻軍と同様に防衛軍を強化することができるようになった。

侵攻軍の管理

  • 地上軍についての変更における私たちの主な狙いは、地上軍の不要なマイクロマネジメントを減らすことだ。これと合わせて侵攻軍の役割をより明確にするため、侵攻軍は常に宇宙にいるようにした。侵攻時に直接交戦するとき以外は、侵攻軍は常に自動的に輸送艦に乗り込み、他の惑星に侵攻するために備える。また、小さなことだが没入感を壊すバグである、輸送艦隊の番号が上陸・乗船のたびに上がり続ける問題も修正しようと思っている。

戦闘正面幅・撤退・付随的損害

インターフェースは最終版ではない。

  • 地上戦でのもうひとつの変更は、戦闘正面幅(Combat Width)の導入だ。戦闘正面幅は惑星サイズで決まり、どれだけ多くの地上軍が同時にダメージを与えたり受けたりするかを決定する。例えば、侵攻軍20ユニットが防衛軍10ユニットのいる戦闘正面幅10の惑星に侵攻する場合、防衛軍10ユニットは直ちにすべてが交戦状態に入るが、侵攻軍は半分だけがダメージを与えたり受けたりでき、残りは戦闘中の侵攻軍ユニットが破壊されると戦闘に加入する。
  • これによって、防備が固められた惑星を大量のクローン軍を投入するだけで無傷で占領できるということはなくなる。損失(と戦争疲弊度)を最小化しようとするなら、高価で維持費も高いエリートユニットを使う必要がある。
  • また、付随的損害(Collateral Damage)のコンセプトも追加した。惑星上で地上軍が戦闘していると、民間人や民間インフラが戦闘に巻き込まれる。戦闘で地上軍がダメージを与えると、ランダムな量の付随的損害を与えることがあり、軌道爆撃(詳しくは以下)と同様に惑星に対する損害(Planetary Damage)が増大し、Popの死や建造物・タイルの破壊が起こりうる。地上軍の中には付随的損害が他よりも大きいものがある。例えばゼノモーフ兵は非常に強力でコスト効率がいいが、惑星に大規模な破壊をもたらし、占領の過程で廃墟にしてしまうことになるかもしれない。

  • 戦闘メカニクスについて作業するときに、私たちは士気ダメージの動作についても変更を加えた。これは(負けている側だけではなく)両者にもたらされ、その効果もより段階的なものにした。すなわち、ひとたび士気が50%以下になると戦闘効率が低下し、さらに0%になると急激に低下する。これは超能力兵のような特定のユニットは奴隷兵のような士気の低い軍に対してかなり効果的になるが、ドロイド兵のようななにも感じないユニットに対しては効果が薄い。また、私たちは与ダメージアルゴリズムを調整し、ダメージが戦闘参加ユニットに平等に広がらないようにすることで、数で優勢な軍であってもユニットが破壊されるようにし、敵の戦争疲弊度を高められるようにした。
  • 最後に、撤退についてもいくつか変更した。攻撃側が地上戦から撤退するときには、撤退中のユニットは宇宙に戻ろうとするときに破壊される可能性が相当程度あり、撤退はリスキーなものとなった。また、波状攻撃で同じユニットを何度も降下させる戦術も排除され、撤退は劣勢な戦闘から自軍を最低限残すために行われるものとなる。

軌道爆撃

  • 戦時中に必要なマイクロマネジメント低減のため、軌道爆撃の方法を変更した。要塞化(Fortification)は惑星から完全に削除され、防衛体制が軽度の惑星には地上軍を降下させる前の軌道爆撃は必要なくなった。代わりに、星系に敵対的な宇宙基地がある場合は惑星への降下作戦ができず、同じ星系にある防衛設備で守られた惑星を輸送艦が狙い撃ちすることはできない。
  • 軌道爆撃は惑星ひとつひとつにやらなければならないものではなく、特に防御された目標の抵抗力を弱めたり、あるいは単に敵惑星を破壊して敵の戦争疲弊度を上昇させるために行う。
  • 惑星が爆撃され、艦隊が惑星に対する損害を与えると、建造物が破壊されたりPopが殺害されたりする。爆撃中の艦隊は惑星上にいる地上軍にダメージを与えることもあり(地上軍が地上要塞に守られていなければ)、充分時間をかければ防衛軍の多くを殺すこともできるが、そうすることで惑星に対しても大きなダメージが入り、また攻撃側は惑星の支配者が戦力を整えるのに充分な期間だけ遅滞させられてしまうか、和平を強制するための充分な戦争疲弊度をもたらすかのどちらかとなる。
  • 惑星が受けるダメージのレートは惑星防御シールドのような建造物を建設することで低下し、爆撃のプロセスをさらに長引かせることができる。
  • こうした変更に合わせて、爆撃政策は以下のものに整理された。
    • 選択的(Selective):地上軍や建造物に対しては中程度のダメージ、Popには軽度のダメージを与える。10Pop以下になるまでPopを殺害することができない。
    • 無差別(Indiscriminate):地上軍、建造物、Popに対して重度のダメージを与える。5Pop以下になるまでPopを殺害することができない。
    • 終末的(Armageddon):地上軍、建造物、Popに対して絶大なダメージを与える。充分爆撃することで、惑星を居住できない死の惑星に変えることがある。浄化主義者のような特定の帝国でのみ利用可能。

補助装備

  • 最後に、補助装備についてはゲームから完全に削除することにした。プレイヤーが割り当てる方法の改善についてさまざまな議論をしたが、最終的には、既に多くの種類のユニットがあり、艦隊マネージャーのようなUIを作る膨大な時間的投資を正当化できるほど戦闘メカニクスは近くないということになった。以前は補助装備をアンロックしていた技術は、特定のユニットタイプを直接強化するなど、別の効果を付与している。

質疑応答

Q1:地上軍ユニットの名称を艦船名みたいに変えられるようにならない?

A1:追加するか検討しよう。

Q2:侵攻軍がまったく惑星防衛に使えないのはおかしくない?

A2:その通り。私たちもこれは実際ちょっと変だと思うが、プレイヤーが侵攻軍を惑星防衛に使う時間と惑星を占領した後に「出港」ボタンをクリックする時間を比較してみてほしい……。


次回:開発日記#100――タイタン級艦船と惑星破壊兵器

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コメント

  1. 艦隊戦後の後片付けでしかなかった地上戦が、少しでも意味のある物となり、かつ操作労力も減ると良いですね。

  2. 地上戦にテコ入れが必要なのは分かるけど、チェイリィで星系の扱いが変わっても戦勝点のメインは惑星占領のままなのかが気になるところですね。
    そのままなら惑星のない星系を要塞化する意義が薄れそうだし、そうでなければそもそも地上戦が必要なのかっていうことになりそうだし。
    要塞化した前哨基地にこそ地上戦(というか占領戦?)が必要そうな気がする。

  3. その辺は『戦争をどう終結させるか』って部分で対応するんじゃないですかね。
    徹底抗戦の構えを見せる相手なら地上戦が必要、お互いに妥協できるのなら空間戦のみでも講和できる(惑星を陥落させればより確実)みたいな感じで。

  4. あとから見返したらそもそも戦勝点って概念がなくなるんだったね、すまそ。
    前哨基地の制圧に地上軍が必要かどうかはよくわからないけど占領するって概念自体はあるようだし。
    占領があるなら地上戦もできそうだなーと期待しておこう。

    前のと合わせると軍事的に有利に立つには強化された前哨基地の占領が、経済的に有利に立つには惑星の占領が重要になりそう。
    まあなんだかんだ惑星のある星系を要塞化するのが基本になりそうな気はするね。

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