「Europa Universalis IV」開発日記2017年12月5日分が公開されましたので、その内容をご紹介。今回はパフォーマンス・バグ修正・バランスの変更について。
概要
2017年12月5日分の開発日記は、パフォーマンス・バグ修正・バランスの変更について。
パフォーマンス
- 1.24ジャパンアップデートでは、私たちはゲームのパフォーマンスを向上させるために努力した。これはすべてmikescとGroogy(注:スタッフのハンドルネーム)のおかげだ。
- ゲームが日々の行動をこなすのにかかる時間を見てみたところ、私たちはゲームでなにが実際にパフォーマンスを低下させているかについてのアイディアを得ることができた。
- これは数か月間、1日進めるのにかかった時間を累積したグラフだ。時間はミリ秒。
- 私たちが見たところ、AIアクターが並行して走っているのにパフォーマンスを悪化させており、国家ごとの連続した処理もこれと比較して小さくはない。グラフが上に行くというのはゲームが遅れているということであり、パフォーマンスが悪化している。(?)ここから、ゲームが進行してAIが考慮する軍が増えていると相当程度考えられるが、これは私たちが不満を抱くレベルに達している。
- 献身的な作業の後、パフォーマンスログはこのようになった。私たちが探りを入れているキーとなる部分でまだスパイクはあるものの、全体としては速度が上がった。これについてはmikescに解説してもらう。
mikesc氏の解説
- 1日の進行についてのAIのスレッドの利用状況は上の画像の上の図のとおり。これでは並行処理のAIアップデートのわずかな部分だけが緑の線で開始され、赤の線で完了している。すべてのAIに処理時間が平等に割り当てられているのはいいが、ゲーム終盤では大きな国家のAIはより多くの時間を取ってこれを壊してしまう。緑と赤の線の間の空白はCPUコアがアイドリングしていることを示している。
- 私たちがやったのは、国家ごとに1日の処理にかかる時間を計測して、次の日の処理を改善すべくスレッド間でAIアップデートを割り当てることだ。これによって無駄な時間が減った。
- 要約すると、1.24ジャパンアップデートでは多くのパフォーマンス改善が行われたということだ。
バグ修正
- ジャパンアップデートでは多くのバグ修正も行った。貿易会社の商人の問題のようなものは解決し、その他にも多くのものが修正された。
バランスの変更
- 私たちは近代の軍隊とゲーム全体のユニットの移動速度の比較について議論してきた。ゲーム中の軍隊は史実から推測できるよりも変に早く移動しており、私たちはユニットの移動速度を1.0から0.7に引き下げたが、これを引き上げる方法をなくしたわけではない。
- 遊牧民の史実での強さは陸上を素早く移動することで非常に広い範囲をカバーできることであり、これに関連して遊牧民のユニットの移動速度は速くなっている。これに加えて、陸軍の訓練で最大まで訓練度が上がると20%まで移動速度が上がるので、よく準備された軍はそうでない軍と比べて特定地点まで移動する時間が大きく減る。
- その他の変更として、利子率が最低1.0にキャップされたというものがある。これは国家が補正を大量につけて負債を無限の資金プールとするのではなく、理にかなったところでバランスさせなければならないようにすることを意図している。このために、私たちは利子率を低下させるものの多くを弱体化させた。EU4のリリース以来追加されてきたものの多くは利子率や借款システムがなかった頃のものだからだ。(?)
- 最後に、Army Professionalismにいくつかの変更を加えた。supply limitと補充率をブーストさせるSupply Depotは2年ではなく5年間残るようになった。Reserves Morale Impactは、1日の士気ダメージの上昇に将軍雇用コストから置き換えられたことでより強力になった。
- もちろん、これ以外にも多くの修正や変更がある。
質疑応答
Q1:クラウゼヴィッツエンジンがマルチスレッド化したってこと?
A1:してない。
2017/12/13追記:2017年12月12日分の開発日記は1.24のチェンジログとなっているので、記事にして紹介はしていません。なお、年内の開発日記はこれが最後で、次回は年明けになるとのこと。
2018/01/09追記:2018年1月9日分の開発日記はプロダクトマネージャーの役割や2017年リリースのDLC・パッチなどについて。こちらも記事ではご紹介はしませんので、直接フォーラムをご覧ください。
コメント
EU4に限らず、パラドゲー全般が早くマルチスレッドに対応してほしいところです。
してない(一刀両断)