「Hearts of Iron IV」開発日記2017年11月22日――中国共産党

「Hearts of Iron IV」開発日記2017年11月22日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は中国共産党について。

前回:開発日記2017年11月15日――中国国民党


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概要

開発日記2017年11月22日は、中国共産党について。

  • 1936年の全体的な状況からは、共産主義者が内戦に勝利するとは誰も思っていなかった。毛沢東と紅軍は江西省での包囲と破壊からかろうじて逃れ、陝西省を新たな本拠地とするために、かの有名な長征を強行した。そこで彼らは力を取り戻し、蒋介石との次の決戦に備えようとした。背後からは日本が迫り、基本的な問題は単純だ。誰を最初に攻撃する?

  • 最初に日本を攻撃するなら、国民党との同盟には抗日統一戦線を形成する必要がある。日本が消極的であるなら、国民党を攻撃することに努力を向けるべきだ。さらに、毛沢東は長征の間の内部抗争で最高指導者となったため、安全とは程遠い。他の有力者は彼の地位を剥奪しようとしており、真の共産主義に到達するために異なる路線を提唱している。
  • 戦争が起こるとき、それは日本からやってくる。ほんの数か月前には、蒋介石の将軍の一人が蒋介石に(多かれ少なかれ銃を突きつけて)中国共産党との同盟締結を強制した(この西安事件はゲームでは軍閥が行えるディシジョンとして表現されている。ある時点で発生するランダムイベントとするよりゲームプレイの点でよりよいものになるだろうと私たちは考えた)。最終的に統一戦線を形成すると、両者はその直後から同盟に忠実であるのではなく、同盟の精神を密かに傷つけるようになる。1940年には統一戦線は多かれ少なかれ形式的なものとなっていた。

  • 国家方針ツリーを見ると、国民党のツリーと右半分が同じであることに気づくだろう(MOD制作者は私たちが「共有方針」と呼んでいるものができたことに喜んでくれるだろう。これはあなたが考えている通りのものだ)。さまざまな国家向けの最初のミッションは同じイデオロギーであるか、非常によい関係であるかのどちらかであることによるので、中国共産党は国民党と比べて交渉上の立場はいくぶん弱い。しかし、世界情勢の変化が新たなチャンスをもたらすこともある。例えば日本が共産主義に陥ったら……。
  • 左側では、共産党内部のさまざまな派閥を取り扱う。毛沢東と彼の同盟者であるソ連で教育を受け支援された王明の派閥から、張瀾のさほど急進的でない「社会民主主義」の試みも含む。中央部は国民党とどう関係していくかを表現する。日本の脅威に対抗するか、それとも中国の他の勢力と戦い、日本がやってくる前に覇権を確立するか?

数値は最終的なものではない

  • 中国共産党の戦争への貢献を表現するのは、私たちにとって少し問題があった。共産党はほとんどあらゆる部分で公然と戦ってはおらず、私たちのシステムでは攻撃的なゲリラ戦術をきちんと表現できない。
  • 私たちは、バニラで使われている政党支持率をブーストしてステートを寝返らせるような、不格好で直感的でないシステムに頼ることなく、共産党に内戦に勝利するための現実的な方法を与えたいと思った。そこで夜に「デザインミーティング」(ビールがあったりなかったりする)を行い、共産党に固有のメカニクスである浸透/蜂起システムを考えた。もっとも基本的なレベルでは、ステートに浸透するために歩兵装備を送るものだ。ただそれだけで、やることはほとんどないが、プレイヤーが蜂起の引き金を引くと、浸透したステートが自国側に寝返る。プレイヤーのこのアプローチによって敵の戦争経済を破壊し、敵の領土において敵の陸軍部隊を立ち往生させることができる。
  • 私たちはゲリラ戦を行うための根拠地を築くという中国共産党の人民戦争理論をこれによって表現しようとしたが、相手側に浸透に対処する方法もないままにしておきたいとは思わなかった。そこで浸透された側のプレイヤーは資源を消費して浸透を摘発することができるようにし、発覚すれば対抗できるようにした。私たちはシステムを拡張する際に、ステートが浸透されている/されていないの二択にするのではなく、いくつかのレベルで根拠地を建設できるようにした。一番下のレベルでは蜂起させても兵士たちはかろうじてインフラや工場でサボタージュするだけだが、より高いレベルになるとステートがプレイヤーの支配下に寝返り、最高レベルではこれを防衛するために民兵が出現する。
  • 私たちはこのシステムを日本に対抗するためにも適用した。浸透への対抗措置は即時にこれを取り除くわけではなく、浸透のレベルを低下させるにすぎない。これは常にやる価値のあることだが、これだけでは充分ではない。
  • このシステムは現在もテスト中であり、リリースまでに変更される可能性がある。

  • 対立と戦争だけが内戦に勝利する方法ではない。私たちは実際に共産党が政治的手段でどのように影響力を保てたのかを調査し、2つ目の中国固有のメカニクスである政治上の支持(Political Support)を考案した。
  • 共産党が「社会民主主義」ルートを進めることにすると、彼らは最終的に国民党との連立政権を形成し、これは2つの政党の権力闘争を引き起こす。プレイヤーは長い期間かけて政治力を消費することで、さまざまなステートに支持基盤を築くことができる。それぞれのステートは支持する価値観を持ち、他の軍閥の支持を確保することでさらなる支持を得られる。ひとたび国民党より多くの支持を得ると、プレイヤーは国家全体を支配するために努力し、最終的に蒋介石が「事故」に見舞われた後、中国全土を併合できる。
  • 国民党プレイヤーはもちろんこれに対抗できるが、政治力に乏しく、最終的になにか譲歩する必要がある。プレイヤーは国民党を悩ませるためにどちらのアプローチも同時に進めることができることに注意してほしい。
  • これについてのさらなる詳細は将来の開発日記を待ってもらう必要がある。新たな内容のスクリプトについて述べる。

質疑応答

Q1:海戦システムの見直しはすぐにはやらないの?

A1:海戦システムの見直しや大きな変更はそれだけで拡張になるくらいの大規模な作業となる。Waking the Tigerではそんな余裕はない。私たちは海戦システムについては非常に高い優先度においている。


来週は将軍と私たちがなぜ彼らの家系図を見てきたかについて。

「Waking the Tiger」のタイトルの元ネタはなんなのかという話がありましたが、前回の開発日記によれば毛沢東の「When waking a tiger, use a long stick.」という言葉が元ネタのようですが、どういう意味なのか、出典はなんなのかは調べた限りではよくわかりませんでした。

2017/11/24追記:コメントにて情報をいただき、どうやら『毛沢東語録』が出典らしいということがわかりました。ありがとうございます。ただ、どういうことを意味しているのかはよくわかりません。「強い者を目覚めさせるときは近づかずに遠巻きにやれ」というような意味合いなのでしょうか……。

2017/12/03追記:コメントにてさらに情報をいただき、どうやら『毛沢東語録』にはこの英文に対応する文章が載っていないとのこと。意味合いとしては「事を行うには慎重に準備せよ」ということなのだそうです。詳細な情報をお寄せいただきましたので、詳しくはコメントをご覧ください。

次回:開発日記2017年11月29日――指揮官・能力・特性

『「Hearts of Iron IV」開発日記2017年11月22日――中国共産党』へのコメント

  1. 名前:匿名 投稿日:2017/11/23(木) 16:58:16 ID:e6f24c3f7

    これは結局遅かれ早かれ中国では発売出来そうにないですね…w

  2. 名前:匿名 投稿日:2017/11/23(木) 17:30:43 ID:76aea7325

    毛沢東が見たら割りと喜びそうだけどなぁ

  3. 名前:匿名 投稿日:2017/11/23(木) 19:27:31 ID:a7b066ab1

    ココにそれらしい文言があります。
    「虎を覚醒させるには、長い棒が必要である。」
    http://blog.sciencenet.cn/blog-1557-1023414.html

  4. 名前:匿名 投稿日:2017/11/24(金) 01:54:48 ID:3a0c71304

    共通分を除くとかなり小さいなあ

  5. 名前:管理人 投稿日:2017/11/24(金) 10:55:52 ID:b0f016a1c

    開発日記で紹介されていたのとちょっと文言が違う(最初がWhenではなくIn)ようですが、これですね。
    『毛沢東語録』が出典ということみたいですね。ありがとうございます。

  6. 名前:匿名 投稿日:2017/11/24(金) 11:13:33 ID:86374fdd5

    眠れる獅子と言われた中国が日清戦争で張り子の虎になり、それが張り子から出てきて目覚めるって感じかなと思ってました。

  7. 名前:匿名 投稿日:2017/11/24(金) 15:17:49 ID:1d682e14a

    毛沢東の新しいポートレート見るとどうしても笑っちゃう

  8. 名前:匿名 投稿日:2017/11/24(金) 17:05:46 ID:aca3ec929

    「When waking a tiger, use a long stick.」に関して、
    こんな記事がありました。
    https://thedavidsoninternational.com/2014/04/22/in-waking-a-tiger-use-a-long-stick-chinas-racial-problem-and-their-long-stick-method-of-subjugation/

  9. 名前:匿名 投稿日:2017/11/26(日) 17:34:43 ID:0dd8175cf

    実際毛沢東そんなこと言ってないし

  10. 名前:匿名 投稿日:2017/11/26(日) 23:55:28 ID:317e4de87

    大戦争を通して中国は近代化したという意味なのか、それとも遊撃戦の妙を述べてるのか、よくわかりませんね。

    とりあえず、造反有理!革命無罪!司令部を砲撃せよ!

  11. 名前:匿名 投稿日:2017/12/03(日) 00:08:03 ID:176a999d3

    英語圏では、毛沢東の名言の一つとして「in waking a tiger…」の文が、「事を行うには慎重に準備せよ」というような意味合いで知られているようですね。

    ただ、こちらの中国のサイト(https://www.zhihu.com/question/68178837)で、Waking the Tigerの発売に当たって、「in waking a tiger…」についてちょっと面白い考察がされていました。どうやら対応する原文が見当たらないみたいです。

    サイトでも書かれていますが、文意的に同じ内容のもの「軽率に戦ってはならない」「戦うに当たっては準備をしっかりしなくてはならない」といったものはありますが、対応するこの文、というのは見当たらず。(>>3のサイトにあるいくつかの英文は、まさにこの文、というのが日本語版の毛主席語録をさっと流して見つかりました)

    まあニュアンスとして、虎(大日本帝国)に対峙するにあたり、長い棒(統一戦線や抗日運動などの準備)をしっかりしろという事なのだろうと書いてあるようです。(DLC的には、自らの操作する中国勢力の状態を整えようという事なのでしょう)

    ただ、DLCに書かれている漢字(勇敢な虎が目覚める)というのから、
    もしかして、「眠れる獅子」の連想で中国を「眠れる虎」と例え、毛の名言とされる「in waking a tiger…」というのを(原典を考えれば虎は日本になってしまうのを深く考えず)かけてしまっただけかも、というような事もサイトで書かれてるようですが

  12. 名前:管理人 投稿日:2017/12/03(日) 10:24:07 ID:ee18b4aa3

    原文がないのですか……つまり英語圏でなぜか広まっている「毛沢東のものとされている名言」ということなのですね。これはまた意外な……。
    確かに中国がメインで「これまで眠っていた強者が目覚める」ということになると、中国を「眠れる獅子」とたとえたのを真っ先に思い出しますし、眠れる獅子と「in waking a tiger…」を混ぜてしまったというのはありそうですね。

    中国語ができないので、詳しい内容のご紹介までしていただきましてとても助かります。まことにありがとうございます。しかしこういう投稿がされているということは、販売停止中とはいえ、やはり中国でもそれなりに注目されているみたいですね。