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「Stellaris」開発日記#91――宇宙基地

Stellaris 開発日記

1か月半ぶりにパラド社発の宇宙4Xゲーム「Stellaris」の開発日記#91が更新されましたので、その内容をご紹介。今回は宇宙基地について。

前回:開発日記#86――チャペック/Synthetic Dawnパッチノート


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概要

開発日記#91は、宇宙基地について。

  • 今回の開発日記からは、次のメジャーアップデートである「チェリイ」アップデートについて述べる。これは私たちが以前からプロトタイプ作成とテストを行ってきたゲームプレイについての大きな見直しを加えるメジャーアップデートとなる予定だ。
  • 「チェリイ」は巨大な、私たちがこれまで行ってきたものの中で最大のアップデートとなる予定であり、これ以降の開発日記では多くの新要素や変更点について紹介できるだろう。
  • なお、紹介する内容は開発中のものであり、数字やコードは最終版でないことに注意してほしい。

国境の見直し

  • 私たちはStellarisの国境システムに完全な満足を感じたことはなかった。ゲームプレイ上はうまく動いているが、これには少し奇妙な要素があり、例えば、行ったことがないし、惑星割譲や開拓前哨地によって行くこともできない星系に領有権を主張することができた。こうした理由で、私たちはStellarisの国境システムを根本的に見直し、太陽系における領有権を元にしたものとすることにした。それぞれの星系は1国の領有国を持ち、星系を完全に支配下とする。国境は星系の領有権の単なる反映物であって、星系の領有権を変動させる原因ではない。チェリイアップデートでは、誰が星系を領有しているかはほとんど常に星系内の宇宙基地(Starbase)の所有者によって決まる。

宇宙基地

  • 宇宙基地は星系内を周回する宇宙ステーションだ。星系ごとに宇宙基地がひとつだけ存在でき、開拓前哨地や「防衛艦隊」を持つ巨大な要塞のようなものにもなり得る。宇宙基地はアップグレードして多くのものに特化することができる(詳細は以下)が、主な存在意義は星系の領有権の決定だ。
  • つまり、戦争は実際にほしい星系が含まれているわけではないぼんやりした国境を決めている植民地を巡って行われるものではなくなり、代わりに関心を持っている星系そのものとその宇宙基地を巡って行われる。この変更は現状の戦争目標システムを維持したままでは不可能だ(戦争目標のリストがどうなるか想像してほしい)が、これについては後日紹介することとする。
  • 宇宙基地が星系の領有権を決定するため、チェリイアップデートでは国境の外側に入植したり原始的種族に対して侵略したりすることはできなくなるが、星系に植民地があり、かつ宇宙基地がない場合、星系は植民地の領有国の国境の内側にあるとカウントされる。こうした制約はMODで改造可能だ。宇宙基地は建設に影響力を必要とする(以下を見よ)ため、入植や原始的種族への侵略についての影響力コストは廃止することとした。また、宇宙基地は現在の開拓前哨地システムと完全に置き換えられることとなった。

宇宙基地の建設

  • 植民地によって生ずる国境が廃止されたことで、帝国は首星系のみを領有した状態からスタートし、首星系には既に宇宙基地が建設されている。首星系から帝国を拡大していくためには、調査の終わった星系に前哨地(Outpost)を建設しなければならない。
  • 前哨地は非常に基礎的な防衛システムしか持たず、いかなる建造物やモジュールも持っていないレベル「0」の宇宙基地だが、宇宙基地の最大キャパシティ(詳細は以下)には算入されない。前哨地を建設するには影響力を消費し、そのコストはその星系がどれくらい離れているかや全体として帝国とどの程度隣り合っているかによって決まる。したがって、「蛇行」していたり、宇宙の特定の一部を取り巻くように宇宙基地を建設することは、単に自然な拡張を行うよりも高くつく。
  • 前哨地は維持に影響力を消費せず、星系に最初に建設するときに前払いで消費する。この変更によりゲーム序盤において影響力がより重要なものとなるため、チェリイアップデートでは帝国の影響力産出についても見直す予定だ。

  • 話はそれるが、私たちは首星系がまだ調査されていないにもかかわらず宇宙基地は完成しているという非常におかしなことだと感じているため、帝国は首星系を調査済みの状態とし、少しランダムな量の資源を持たせ、そのうちいくつかには既に採掘/研究ステーションが建設されている状態でスタートすることとするつもりだ。これによりスタート状態がさほどランダムでなくなり、首星系に資源が「まったく」ないということもなくなる。
  • 私たちがもうひとつ注意しているのは、星系ごとに前哨地を建設していくことが退屈にならないかということだ。まさに今、プレイヤーの限られた影響力をどの星系に費やすかが極めて重要な選択であるという事実と、星系を開発していく過程を楽にしようというさまざまな調整やインターフェースの改良のはざまにいるが、私たちはこれが退屈にならないということに自信を持っている。また、テストプレイで完全に「空」の星系(まったく資源のない星系)に影響力を費やすのはまったくやりがいのないことだと感じたため、こうした星系はなくなる。

アップグレードとキャパシティ

  • 帝国はそれぞれ宇宙基地許容量(Starbase Capacity)を持ち、これが保有できるアップグレードされた宇宙基地の数を表している。宇宙基地には以下の5つのレベルがある。
    • 前哨地(Outpost):基本的な前哨地は星系の領有のためだけに存在する。維持にはエネルギーがかからず、宇宙基地許容量には算入されないし、建造物やモジュールも設置できない。前哨地は、宇宙港へアップグレード以外に操作することがないため、アウトライナーや銀河マップでは表示されない。
    • 星系駐屯地(Starport):アップグレードされた宇宙基地の第1レベルで、ゲーム開始時から使用できる。2つのモジュールと1つの建造物を設置できる。
    • 星系軍港(Starhold):アップグレードされた宇宙基地の第2レベルで、技術開発によりアンロックできる。4つのモジュールと2つの建造物を設置できる。
    • 宇宙要塞(Star Fortress):アップグレードされた宇宙基地の第3レベルで、技術開発によりアンロックできる。6つのモジュールと3つの建造物を設置できる。
    • 超重要塞(Citadel):アップグレードされた宇宙基地の最終レベルで、技術開発によりアンロックできる。6つのモジュールと4つの建造物を設置できる。

  • 宇宙基地は、前哨地でない限り、レベルにかかわらず宇宙基地許容量を1使用し、マップやアウトライナーに表示される。全体として、これはプレイヤーが管理しなくてもいい圧倒的多数の前哨地と、強力で非常に重要な資産である少数のアップグレードされた宇宙基地というのを目標に設計している。宇宙基地許容量をオーバーすると、宇宙基地維持のためのエネルギーコストが急速に上昇する。
  • 宇宙基地許容量は技術開発、伝統、その他の手段で引き上げることができる。また、帝国内のPop数でもわずかながら引き上げられる。宇宙基地許容量を超過してしまった場合、宇宙基地を前哨地にダウングレードすることも可能だ。また、宇宙基地を完全に廃棄して、星系に植民地がなければ星系の領有を取りやめることもできる。

宇宙港と艦船の建造

  • 宇宙基地は星系/惑星防衛や軍用艦船建造という宇宙港(Spaceport)の役割を完全に置き換えるものだ。宇宙港は残るが、独立したステーションではなく惑星の一部として統合され、民間船(調査船、建設船、コロニー船)のみが建造可能となる。軍用艦船を建造するには少なくともひとつの造船所モジュール(詳細は以下)がある宇宙基地が必要だ。また、宇宙基地は艦船の修理、アップグレード、停泊、中継地の機能も置き換えるが、民間船は惑星での修理が可能だ。

モジュールと建造物

  • すべての前哨地ではない宇宙基地は、モジュール建造物を設置できる。このうちいくつかはスタート時から利用できるが、そのほかのものは技術によってアンロックされる。モジュールや建造物の中には特定の星系にのみ設置できるものもあり、例えば貿易ハブ(Trading Hubs)は植民地のある星系のみで設置できる。
  • モジュールは宇宙基地の外部にある基本的なコンポーネントで、宇宙基地の役割を決めるものだ。モジュールは貿易ハブ(植民地のある星系の経済を強化する)、泊地(Anchorages、宇宙軍許容量を増やす)、造船所(Shipyards、艦船を建造する)のほか、砲台や攻撃機ハンガーベイのような宇宙基地の戦闘力を向上させるさまざまな防衛モジュールもある。
  • モジュールスロット自体による制限を除いて、設置できる特定の種類のモジュール数に制限はない。したがって、例えば宇宙基地を造船に特化させて、6隻同時に建造できるようにすることも可能だ。モジュールは宇宙基地の外観も変化させ、造船所に特化した宇宙基地は大量の砲台を設置した防衛特化型の宇宙基地とは異なる見た目になる。

  • 建造物は宇宙基地の内部に設置されるもので、モジュールの機能を強化したり、宇宙基地や星系全体にバフをかけたりする。建造物には貿易ハブモジュールを強化する星間貿易会社(Offworld Trading Company)や、宇宙基地のセンサー範囲を大きく拡大する聴音哨などがある。同じ宇宙基地に同じ種類の建造物を複数設置することはできない。

防衛

  • 現在のバージョンの軍事ステーションについての基本的な問題のひとつとして、単に充分な火力を持っていないということがある。素晴らしい耐久性とシールドを持っていたとしても、ステーションはせいぜい1ダースかそこらの砲門数しかなく、単純に艦隊全体の火力には敵わない。もうひとつの問題は同じ星系に複数のステーションを建設できるということで、つまり艦隊と渡り合えるほど充分強いステーションはなく、逆にそうしたステーションが複数ある星系は難攻不落となるということだ。(?)
  • こうした理由で、私たちはすべての星系防衛施設を宇宙基地のメカニクスに整理統合し、個々のステーションとはしないこととした。宇宙基地は基本的な兵器とユーティリティ(砲、ミサイルとシールド、装甲など)を備え、宇宙基地のレベルに基づいた数の兵器を持つ。これらは技術が進むと自動的にアップグレードされる。

  • さらに宇宙基地(前哨地を除く)は自身を守るために防衛プラットフォームを建設することもできる。建設された防衛プラットフォームは宇宙基地の周囲に「艦隊」を形成し、敵艦隊と戦うときに必要な火力をもたらす。宇宙基地が保有できる防衛プラットフォームの数は宇宙基地のサイズやモジュール/建造物、技術、政策などによって決まる。デザインの意図としては、これに投資することで宇宙基地の防衛力は、ゲーム全体を通じて艦隊と同様に増大し、現在のバージョンの軍事ステーションや宇宙港のようにゲーム終盤に完全に追い越されるということはない。
  • 宇宙基地について、さまざまな理由(戦後の宇宙港の再建のような退屈なことを避けるためなど)で宇宙基地は通常の方法では破壊されない。しかし、停止したり敵に占領されたりすることはある。これについてはまた後日。

質疑応答

Q1:地上戦はなくなるように聞こえるけど?

A1:なくならない。


来週は、FTL航行について。

次回:開発日記#92――FTLの見直しと銀河の宙域特性

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コメント

  1. 一気にガラッと変わりましたねえ
    宇宙港絡みの施設は中盤以降ほんとに作業的にアップグレードするだけでつまらなかったから楽しみ

  2. stellaris開発日記和訳やめたのかと思ってたら一月半ぶりの更新なのね

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