「Europa Universalis IV」開発日記2017年8月15日分が公開されましたので、その内容をご紹介。今回はイランと交易品の追加について。
概要
8月15日分の開発日記は、イランと交易品の追加について。
Shah Rukhの治めるティムール朝
- ティムールの死後、帝国は内戦に見舞われ、最終的には彼の息子Shah Rukhが勝利した。ゲーム開始時にはShah Rukhは既に老人になっており、病気に悩まされている。スタート時の状況としては、多くの野心的な領主たちがShah Rukhの死を待っており、ティムールの帝国はバラバラに分裂することになる。
- Shah Rukhの治めるティムール朝は、属国として多くの知事を抱える勢力としてプレイできる。こうした属国のスタート時のliberty desireはShah Rukhの監督によって抑制されているが、彼が亡くなったとき、その猶予期間は終わり、領主たちは自分のために帝国を征服しようとする可能性が非常に高い。
- ティムール朝は帝国ランクの国家として始まる。すべてのティムール朝の領主たちはティムール朝を取り戻すことができる自身の国家を持ち、それぞれ異なるNational Ideasを持つ(帝国が刷新された場合、ティムール朝のNational Ideasを彼らに合わせる選択肢もある)。
- 新たなディシジョン
- Claim Timur’s Legacy:ティムール朝の君主に統治される国家はティムール朝を形成することができ、ティムールの征服地すべてに対する永続的な請求権、新たなNational Ideas、帝国のランクを得る。
- Enthrone Timurid Prince:ゲーム序盤にこの地域の強大な独立国はティムール朝の請求者を、自国を統治させるために招聘することができ、これにより上記のディシジョン(Claim Timur’s Legacy)を使えるようになる。
イラン西部――Iraq-e Ajam
- Shah Rukhの孫であるMuhammad Bin BaysonqorはAjamの知事となり、これは1444年時点では帝国の中でも離れた地域だった。西部ペルシャの多くの都市はShah RukhではなくMuhammadに貢物を送り始めており、彼が反旗を翻すのも時間の問題と考えられている。
- 西では黒羊朝が情勢をうかがっており、彼らはこの地域のティムール朝の領地を奪うことを躊躇しない。
- カスピ海周辺の多くの国家は、ティムール朝が都であるHeratとSamarkandを治める者に対して注目しているため、実質的にティムール朝の勢力圏からは外れている。
- 新たにプレイ可能となる国家
- Ajam:独立したティムール朝の知事。Muhammad bin Baysonqorがペルシャ西部を中核州として治めており、ザグロス山脈のティムール朝の属国を支配下においている。遠隔地の君主であるため影響力はないが、ティムール朝の領主の中で最も熱心に名を上げようととしている。
- Mazandaran:独立首長国(Sheikdom、Tabarestanの置き換え)。シーア派のMarashisは、AmolとSariの城塞からMazandaranにおいて最も広い地域を支配している。
- Biapas:独立首長国(Sheikdom)。Rashtを都とするEshaqvand朝が支配するスンニ派首長国。
- Gilan:独立首長国(Sheikdom)。Lahijanのシーア派Kiyasが治めている。史実ではArdabilのサファヴィー朝と同盟してEshaqvandに対抗し、ペルシャの属国として16世紀まで自治権を維持していた。
ファールスとイラク南部
- ファールスはShah Rukhの孫であるAbdallah bin IbrahimがShirazに拠点を置いて支配している。Abdallahは12歳に過ぎないが、ファールスの地方貴族が摂政となっている。
- 西では、バグダッドが黒羊朝の進出により陥落し、Millenarian Mushashaの教団がHoveyzehで独立を宣言している。北方のサファヴィー教団と同じく、Mushashaはこの地域の多様な宗教グループをまとめる新たなリーダーシップとなっている。
- 新たにプレイ可能となる国家
- Mushasha:独立首長国(Sheikdom)。Muhammad ibn Falahが治めるシーア派神権君主国(Theocratic Monarchy)で、AliとMahdiの代弁者であることを主張している。
- Fars:Shirazを本拠とするティムール朝の属国。スタート時点では小国だが、イランの文化・経済の中心地。
- Luristan:Ajamの属国。Korshidi朝が治めるLurによる小さな属国。
ホラーサーンとトランスオクシアナ
- トランスオクシアナとティムール朝の元々の都であったSamarkandはShah Rukhの息子のUlugh Begの支配下に入って長い。1444年時点で、彼はすべてのティムール朝の領主の中で最も経験を積み、最良のポジションにいる。
- 1.23でのこの地域をよりよく表現するため、多くのプロヴィンスを分割し、アフガニスタンとバルチスタンの間の砂漠や山地に無人の地を追加した。これにより、Quettaの歴史的な交通路が戦略的により重要となった。また、ペルシャ東部は以前よりも豊かになっており、これはティムール朝ルネッサンスの中心地として栄えたことを反映している。
- 新たにプレイ可能となる国家
- Sistan:ティムール朝の属国。ティムールの征服までZaranjを都とし、Mihrabanidが治めていた。
- Transoxiana:ティムール朝の属国。SamarkandのUlugh Begが治めており、彼は1444年において最も強大なティムール朝の領主だ。しかし、チャンスもあるが、中央アジアの国境には危険を抱えている。
- Afghanistan:ティムール朝の属国。Kabulを都とするKaratshar bin Soyurghatmishが治める。
- Khorasan:ティムール朝の属国。Astarabadを本拠とするBabur bin Baysunkurが治める。
新たな交易品
- 宝石(Gems)
- ローカルボーナス:税収補正+15%
- 国家ボーナス:インフレ率低下量+0.05/年
- この交易品はすべての宝石だけでなく、真珠や、ヒスイ、タカラガイ、コハクのような貴石も表現している。
- この時代の世界で最も有名な貴石の生産地はGolcondaのダイヤモンド鉱山だ。Golcondaプロヴィンスでは交易品生産に大きなボーナスがつくことで、こうした名高い鉱山を表現している。
- 紙(Paper)
- ローカルボーナス:ステート維持費-10%
- 国家ボーナス:Administrative技術コスト-5%
- 紙は会計、統治、知識の普及すべてを改善するために必要となる。1444年時点では、これは主にアジアとヨーロッパに見られる希少な交易品だ。
- スタート時点では紙の生産にボーナスがつくプロヴィンスはないが、プレイ中に現れることはある(既存のElzevir家のイベントに限らない)。
- ガラス(Glass)
- ローカルボーナス:生産効率+10%
- 国家ボーナス:Diplomatic技術コスト-5%
- 1444年時点では、ガラス製造は多くの点でまだ揺籃期であり、世界でも僅かなプロヴィンスだけがガラスを製造している(ほとんどはヨーロッパだが、アナトリアやインドにもある)。当時のガラスは重要な交易品で、奢侈品であるだけでなく光学の発展にも寄与した。
- ヴェネツィアングラスの重要性を表現するため、既存のMurano Glass industryの補正はヴェネツィアのガラス生産を増加させるプロヴィンス補正に変更された。
- 香料(Incense)
- ローカルボーナス:Trade Value補正+10%
- 国家ボーナス:Tolerance of the True Faith+0.5
- この交易品は乳香、沈香、白檀、没薬などのような、燃やして煙と香りを発生させるものを表現している。主にアラビア、東アフリカ、アジアで発見される。
- 家畜(Livestock)
- ローカルボーナス:Supply Limit補正+50%
- 国家ボーナス:騎兵コスト-10%
- 多くのプロヴィンスでは、ゲームで表現しているより洗練された商品を輸出していない。家畜は世界の多くの場所で穀物や羊毛と置き換えられる。これは牧畜民が支配的で穀物生産に特化していない農業地域でより事実に即した交易品だ。
このほか、東アジアの生産物についても画像が公開されています。
朝鮮半島や日本でも紙が生産されるプロヴィンスがあるようですね。
今回の開発日記はただでさえ長いここ数回のEU4開発日記の中でも特に長くなっているため、この記事では地域の解説部分を大きく省略しています。気になる方はパラドフォーラムの該当スレッドをご覧ください。
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