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「Europa Universalis IV」開発日記2017年5月2日

EU4 開発日記

「Europa Universalis IV」開発日記5月2日分が公開されていました。今回は歴史の調査について。

前回:開発日記2017年4月25日


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概要

5月2日分の開発日記は、歴史の調査について。今回はEU4コンテンツデザイナーのTrin Tragula氏によるものです。

  • はじめに、Europa Universalisはゲームであるという点を指摘しておく。ゲームとしてプレイして面白い必要があるし、そのために理にかなったシステムを持っている必要がある。これはゲームが歴史から設定され、歴史をメカニクスやその他もろもろの発想の元として使うということだ。
  • ここではゲームに関する非常に多くのことの調査方法について紹介するが、すべてを説明するわけではない。ゲームのコンテンツデザイナーとしてやっている調査の導入と概観についてご紹介したい。
  • 原則として、歴史調査はなにに使われるかによって2つのカテゴリーに分かれる。データベース/セットアップのための調査と背景/コンテンツのための調査だ。私はベースゲームのコンテンツデザインには関わっていないので、以下では拡張についてのプロセスを記載する。

コンテンツ・メカニクスに関連するイベント・DHE

  • 新たなDLCについて作業を始めるとき、一般的にはゲームデザイナーによって多くのゲームシステムが立案される。例えば「El Dorado」でのInti信仰向けのReligious Authorityシステムや、最近では「Mandate of Heaven」の神道のIsolationismのメカニクスなどだ。こうしたシステムはイベントやその他のスクリプトコンテンツで肉付けし、命を吹き込んでやる必要がある。

1. 書籍

  • 私がパラド社で出会った開発者のほとんどが歴史に、特にそれぞれのゲームの時代の歴史に興味を持っているが、全員があらゆることを知っているというわけではない。しかし、不必要で時代遅れの固定観念を再生成することなく(プレイヤーはときにはそれに失敗していると言うかもしれないが、この点についての私たちの意図は非常に明確だ)、それらしく過去の場所や時間を作り出すことは望ましいことだ。
  • ことを正しく進めるため、私は通常、大学出版会から出ているある程度新しい概説書を探して取り寄せる(この記事の最後にEl DoradoやMandate of Heavenで使った書籍を幾つか例として挙げている)。これを読んだ後、日常生活やオンラインでもう少し知識を広げる。この方法は、地域に充分に肉付けする必要があるさまざまなディテールに飛び込むときに、ある程度公平な全体観を保つことができるアイディアだ。
  • 地域についての一般的な考え方や調査を基礎とする場合は別として、書籍はしばしばそれ自身がゲーム中の多くのイベントやその他のディテールの源泉となる。

2. インターネットとコミュニティ

  • かなり以前から、私たちが描こうとしている地域や時代について特別な関心とスキルを持っているコミュニティの特定のメンバーに私たちは接触している。ずっと前の開発日記で彼らについて言及したことがあるのを覚えている人もいるかもしれない。@Guillaume HJ、@chatnoir17、@Fryzは、コンテンツやデータベースについての大変な努力と洞察を長年に渡って私たちに提供してくれている投稿者たちだ。
  • EU4は成熟したゲームなので、私たちは既存のコミュニティを頼ってもいる。 Suggestions Forumはそこでの議論から多くのものを得ることができるため、ときには具体的に、ときには単純にコンテンツについての多くの追加物の源泉となってきた。すべてに返信はしないが、議論や提案は読んでいるし、その多くが何かにつけてゲームの改良に役立っている。
  • もちろん、インターネットも一般的には情報の大きな源泉のひとつだ。1点目で確認した情報はこのときに明らかな落とし穴を避ける役に立つ。

3. ゲームプレイとその他の検討事項

  • 前のプロジェクトリードに、歴史それ自体は議論ではないと言われたことがある。EUはもちろんゲームだし、この考え方は常に歴史に厳しく忠実であることよりも楽しめる体験を作り出すべきだということだ(率直に言えば、そんな余裕が明らかにあるような過去の描写をしていることはほとんどない(?))。
  • ときどき、なにをどう描くかを選ぶことがあり、これはゲーム全体のデザインを決めることでもある。その考え方それ自体はゲームには出てこない(だがこれに溺れてしまうこともあって、インド西部で星の並びがよければ誕生するHabsan国のようなものもある)が、それが面白いゲームを作る。プレイヤー自身がこうあるべきだと考えていることと明らかに異なるものを見つけたとき、そのようなディシジョンが作られる。(?)

データベース・セットアップ・マップ

  • EUへの最もわかりやすい調査業務はマップへの入力だ。多くの人がこのゲームを「マップの塗り絵」と呼ぶが、特にこのゲームでは、マップでプレイヤーの達成したことのほとんどを見ることができる。
  • セットアップには、歴史地図帳から歴史上の人口についての書籍、その他さまざまな情報源をすべて使う。地域ベースのコンテンツの追加とは異なり、世界全体や歴史全体の包括的な様子がわかるひとつの大きな情報源を使うということはほとんどない。それよりもさまざまな歴史地図やオンラインデータベースを頼ることにしている。
  • suggestions forumや私たちのベータテスター、調査者全員が、私たちがアクセスしなかった情報源にアクセスする大きな資産だ。というのは、彼らはさまざまな言語を話し、また特別な関心をいだいているからだ。このことは私が会社に入る前にも知っていたし、私自身もボランティアとしてインドの描写の改良に関わっていた(ゲームの最初のリリースのときとArt of Warと同時にリリースされたアップデートのときだ)。
  • 以下はEl DoradoやMandate of Heavenの開発時に使った概説書の例だ。
  • El Dorado
    • The Cost of Courage in Aztec Society
    • Aztec Archeology and Ethnohistory
    • History of the Inca Realm
  • Mandate of Heaven

次回:開発日記2017年5月5日

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