発売日まであと2か月を切った「Hearts of Iron 4」ですが、開発日記#51が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は音楽と音響デザインについて。
前回:開発日記#50
2016/4/16 #52へのリンクを追加。
概要
開発日記#51は、音楽と音響デザインについて。
音楽
音楽については、先日Stellarisの開発日記でも登場したAndreas “Jazzhole” Waldetoft氏のコメントが載っています。
- 今までHoIシリーズ(HoI2, HoI3)の曲を担当してきたので、今回の音楽を作るにあたってそこまで第二次大戦について調べる必要はなかった。だが、HoIシリーズは私がとても大切に思っているもののひとつだ。私が曲を書いた最初の作品だった。
- HoI2を開発しているとき、音楽はFred Westerが主導して作っていた(いろいろなことがあったが、当時のパラド社にはそんなに多くの人はいなかった)。Fredは私をHoI2制作に関わらせてくれて、まだ大学で何本かのショートフィルムとオーケストラをものにしただけの私に音楽を作らせてくれた。(?)
- 私たちはシリーズにおける過去のゲームからいくつかの元となる音楽を作った。私はその上に音楽を作ろうとし、同じシリーズだとわかるように、過去作からのテーマを何度も繰り返すこともあった。より大きく、よりよくしたいと思った。(?)私はオーケストラの作曲家なので、HoI4のために最初に頼んだ大きなオーケストラのために曲を書くことができた。
- 私はレコーディングのためにドイツのブランデンブルク州立交響楽団の元へ向かった。EU4のメインテーマも演奏してくれたところだ。音楽ホールに着くと、オーケストラのリーダーが私に、「演奏者たちにはなんの音楽かは伝えていない」と言った。私は、ドイツの一部ではまだ「戦争の話をしない(don’t mention the war)」というのが生きているのかと思った。だが、私たちは枢軸国・連合国・共産国にインスパイアされた曲を演奏したので、実際にはオーケストラはなんの音楽かわかっただろうと思った。彼らは素晴らしい仕事をしてくれた。
- このビデオは枢軸国の曲のサンプルからレコーディングしたものだ。これがHoI4のメインテーマというわけじゃない。それから、指揮をしているのは私じゃなく、Bernt Ruf(注:Bernd Rufの間違いか?)だ。私はスタジオで監督していたので、すべてがもっとクリアに聴こえたし、こうしてほしいということは指揮者を通じて伝えていた。
- 半音階のバイオリンは、ドイツ戦車が前進している様子を表現するときの私のやり方だ。サウンドトラックでも、特に枢軸国の曲では何度も使っている。テナートロンボーンと後半のバストロンボーンは主題を演奏し、またバイオリンと同じく半音階の一節もある。この時代から思い浮かぶドイツの作曲家のスタイルで作曲しようとしたのだ。
音響デザイン
音響デザインについては、こちらも先日のStellaris開発日記で登場したパラド社音響ディレクターのMetal King氏によるコメントが載っています。
- 音響デザインの仕事は、普通は進行中のすべてのプロジェクトに関与することが多い。この開発日記では、HoI4の効果音がどう作られているのかという「舞台の裏側」をお見せしよう。
プロペラ・航空機
- HoI4についての仕事が始まったとき、すべての航空機のアニメーションにはちゃんとした効果音が欠けていると考えた。この時代の航空機の音を実際に収録したような優れた音響資源を探してみたが、私はよい代用品を求め、チームは最終的によい「感じ」のものを手に入れることができた。
- そして、私は「エンジンルーム」の中の素晴らしさに気がついた。それが”FD-40KI(という扇風機)”であり、私は”Metalcraft-666″と呼んでいる。
- マイクを扇風機の後ろに置いて収録すると、とてもいいものになった。その後、当時の航空機の実際の音源とこれを組み合わせると、よい効果音ができた。
ユーザーインターフェース
- まだ古いオフィスの頃、パラド社本社で古いタイプライターを見つけた。私は機会を見つけてこれを収録し、ユーザーインターフェースの効果音として使っている。マイクを異なる角度に設置し、何度か収録したが、一番うまく行ったのがタイプライターの後ろにマイクを配置したときのものだ(トップ画像参照のこと)。
“Foley”
- 前職は映画やテレビの音響制作(注:英語で”Foley artist”というそうです)だったので、私は自分の軍隊や歩兵が画面上でより「生きている」ように感じられるように、歩くアニメーションにつけるオーディオアセットを作りたいと思っていた。多くの装備や武器を担いで、重いブーツで歩きまわる音が欲しかったので、我々が素晴らしい音響スタジオを手に入れる前に、古いVHSのテープ、ダンボール、布、その他の「ジャンク」で「地面」を作り、古いオフィスの会議室で、デニムジャケットを着て「メタリックなもの」でいっぱいのバッグを持ち、同じ「地点」を繰り返し歩いた。最初からは想像できなかったが、私は「ジャンク」の中を歩いていた。(?)
“don’t mention the war”というのは、「フォルティ・タワーズ」というイギリスBBCのコメディ番組の”The Germans”という回のギャグなのだそうで。
次回:開発日記#52
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