今回から、以前ご紹介したストラテジーゲーム「Supreme Ruler Ultimate」のプレイ日記を連載します。このプレイ日記では、1936年キューバで一人あたりGDPの倍増を目指します。
2015/7/13 第2回へのリンクを追加。
概要
「Supreme Ruler Ultimate」のゲーム内容については、以前紹介した記事がありますのでそちらをご覧ください。
攻略情報についてですが、このゲームは日本語Wikiがありません(シリーズの「Supreme Ruler 2020」のWikiはあります)。英語WikiもSupreme Rulerシリーズを対象としているもので、しかも「Supreme Ruler Ultimate」の情報はほとんどありません。英語圏でもプレイヤーは少ないのでしょうか……。
プレイ環境やプレイ目標については以下の通りです。
- バージョン:9.0.42
- MOD:なし
- ゲームの初期設定(GAME SETTINGS):「初期の財政状態(Initial fund)」を新規国債発行なし(No New Bonds)→デフォルト(Default)へ変更
- 開始シナリオ:1936年”The Road to War”
- プレイ国家:キューバ
- 最終目標:一人あたりGDP(GDP/c)を初期状態の172ドルから344ドルまで上げる。
テストプレイでは1940年5月に達成できましたので、できればそれよりも早く達成したいところです。
このプレイ日記では、「Supreme Ruler Ultimate」の経済・内政面について主に解説していく予定です。軍事面については、キューバでは戦争する余裕がないので解説しません。
1936年のキューバ
1936年のキューバは、後にカストロやゲバラが率いるキューバ革命軍に政権の座を追われるフルヘンシオ・バティスタが最初に政権を握ったところです。
この後、バティスタは44年に大統領選に敗れて一度政権から退きますが、48年の総選挙で議員に復帰。52年には軍事クーデタを起こして独裁政権を築き上げます。この2度目のバティスタ政権はアメリカとベッタリで、キューバの富の大部分がアメリカ企業に吸い上げられてしまう経済構造になっていたのだそうな。
もちろんキューバ国民には嫌われていて、これが原因で革命が起こったとのこと。
開始直後の状況
さて、このバティスタ政権として国家を運営していくわけですが、ゲームでは実際にあったような権力闘争はないので、安心して為政者をやることができます。
国家の基礎的状況
ゲームで設定されている領土はキューバ島と南西にあるピノス島(現在は「青年の島」)のみ。キューバ島南東部のグアンタナモはアメリカに永久租借されているため、アメリカ領になっています。
人口はわずか430万人。国家の手許現金は1,700万ドル、中小国ではけっこう優秀な部類です。最貧国クラスになると100万ドルないところもありますので……。
今回のプレイの目標達成指標であるGDP/cは172ドル。失業率は17.4%とひどい状況ですが、これは産業を振興していく中であっという間に3%程度まで下がります。
人口は、始めのうちは出生率が高いため増加しますが、すぐに下降に転じます。産業を振興してGDPを押し上げていく中で、どうしても国民に重税を強いることになるため、出国者が増えて人口が減少するのではないかと思います。
しかしながら、経済が上向けば(だいたいGDP/cが1.8倍になるくらいから)出国者が減り、移民入国者が増えていくので、人口は増加に転じます。
軍備は国内各地に陸空合わせて17ユニット。軍事基地もこの通りの配置です。が、今回のプレイではすべてのユニットを解体し、軍事基地を閉鎖します。
また、軍事ユニットの士気や戦闘効率に影響する「軍隊の給与(Military Salaries)」と「維持訓練費(Maint. & Training)」についてもすべてゼロにします。中小国の中ではマシとはいえ、キューバは豊かな国ではありません。それに、戦争になりそうな決定的に対立している国もありませんので、余裕ができるまで軍隊は保有しません。
産業の状況
食糧
まずすべての産業の基本となる食糧。初期状態では食糧輸入国ですが、キューバ所得倍増計画のポイントはこの食糧生産にあります。
食糧は急激な需要の変動が少なく、長期的には需要が増えていく品目です。また、世界経済のインフレに従って国際価格も継続的に上昇していきます。
上の画像の右側、LOCKの下の48ドルというのが国内生産価格、その下の55ドルが国際価格です。つまり、輸出すればこの2つの価格の差額である7ドルが利益として国家の収入になるというわけです。
ここでひとつ解説しておくと、上の画像に表示されている11品目は、すべて国家を通じて輸出入が行われます。そのため、国内生産価格と国際価格の差額が国家の収入になると考えてください。
ゴム
次に、国際的に需給が逼迫するゴム。生産者が東南アジアの植民地に集中しているため、イギリスとオランダがほぼ独占的に供給しています。キューバでの消費量は多くはありませんが、それでも通常の貿易では輸入できず、国家による「一括仕入(BULK PURCHASES)」で備蓄を作り、大臣による管理をロックしてプレイヤーが管理するのがよいでしょう。
ここで「一括仕入」について解説します。産業ウィンドウの右側の「市場からの輸入(Market Imports)」を選択すると、さらに右側にウィンドウが現れます。この上段の「BULK PURCHASES」で一括仕入を行います。
「#Units」は仕入数量、「Max $」は仕入価格の上限、「Total $」は#Units×Max $で仕入に必要な金額です。その下の「Market Price」よりも「Max $」は高く設定しないと仕入はできません。
ついでに「BULK PURCHASES」の下の「AUTO PURCHASES」も解説しますと、こちらは通常の輸入です。「Buy as Needed up to」の部分で、国際価格がいくらになるまで輸入を続けるか指定します。輸入数量を指定するところはありませんが、自動的に「生産(左側のウィンドウのPRODUCTION)」と「消費(同じくACTUAL USE)」の差を輸入します。
ちなみに、左のウィンドウの「TRADES」は貿易量を意味していますが、輸出なら正、輸入なら負の値をとりますのでご注意を。
石油
次に、最重要品目である石油ですが、キューバは石油輸出国なのでまったく心配いりません。というより、石油の心配がないから今回キューバを選びました。
石油は食糧と並んでキューバの主要輸出品ですが、生産設備の建設に必要な金額と産業財の量の多さが食糧と段違いなので、生産を拡充しにくい品目です。
石油を生産する「石油・ガス田(Oil-Gas Field)」は建設に5,861万ドル、産業財(Industry Goods)は21,041トンが必要になります。
対する「農地(Agriculture)」は建設に263万ドル、産業財は1,450トン。ケタが違います。しかも国内生産価格と国際価格の価格差から見れば、明らかに食糧のほうが利益になります。
というところで、これ以上続けると長くなりすぎてしまうので、かなり中途半端ですが今回はここまで。今回のプレイでは産業が重要なので、次回も産業についての解説から始めます。
次回:所得倍増計画 第2回
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