19~20世紀が舞台の国家シミュレーションゲーム「Victoria 3」を日本で遊ぶプレイ日記第7回。今回は1898~1917年、大政奉還を目前にして発生している問題への対処から。
前回:日本編 第6回
1898年
生活水準
大政奉還の目処はついたものの、現在の日本は琉球諸島・四国・サハリンで生活水準が期待値を下回っている状態。こうなると社会不安につながり、さまざまな問題が出てきます。琉球諸島とサハリンについてはイギリスとの戦争直後にも触れましたが、四国にまで拡大しています……。
もっとも状況の悪い琉球諸島では人口のおよそ0.7%が失業中。
期待値未満の生活水準のPOPは労働者が多め。
消費支出の上位はこのとおり。衣類・家具の価格が高め(どちらも市場価格が高いので現地価格も高い)なので、雇用増も含めて織物工場・家具工場を建てていきます。これで賃金を上げると同時に、POPの消費支出の引き下げを狙います。
実証主義
11月、実証主義に関するイベントが発生。今の日本は技術的後発国なので、実証主義を推進する方向でやっていくことにします。
1900年
石油の発見
3月、サハリンで石油リグが建設可能に。最大5レベルとそれほど大規模ではありませんが、日本でも石油が採れるようになりました。
「人種隔離」制定と政治的危機
前年の選挙で佐幕派の属する農業党が大勝して以降、現在の自由貿易党政権は正当性が大幅に低下しています。大政奉還のカウントダウンが進行中なので農業党を政府に入れるわけにもいかず、ひたすら大政奉還まで耐えなければなりません。
正当性が低下している中で「人種隔離」もどうにか制定に成功しましたが、他の法律制定は困難な情勢。ただ、制定したい法律もほとんどなくなってきているおり、これはそこまで大きな問題にはならなそうです。
それよりも深刻なのは、急進派がおよそ700万と、体制派100万人に対して非常に多くなってしまっている点です。特に同時進行中の実証主義に関するイベントで急進派が増えており、イベント終了まで耐えきれるかどうかというところ。
1902年
生活水準の改善に取り組んでおよそ4年が経過し、四国とサハリンについては問題ない状態にできましたが、琉球諸島では依然として問題が継続しています。
既に琉球諸島の失業者はほぼいなくなっており、雇用先の増加でどうにかできる状態ではなくなっています。もう打つ手が思いつきませんが、とりあえず生産性の高い施設は賃金が高いようなので、生産性の高い施設を建て増ししていくことに。
ただ、生産性の高い施設でも賃金が必ずしも高くなく、またPOPの識字率が高いと生活水準の期待値が上がるため、賃金が高くても結局生活水準の期待値に届かない場合もあり、生活水準対策は明快な解決策がうまく見いだせません……。
1903年
10月、関西で急進派による社会不安の影響が出始めました。大政奉還までの残り4年をどうにか現在の政権で耐えるため、行政府を建て増して法執行機関レベルを上げます。
1906年
12月、大政奉還を目前にして単独で政権を担う実業家が「自由貿易」制定を請願。急進派が1000万人近くいるため大政奉還までは波風を立てずに時間を送りたいですし、大政奉還後は選挙で得票数の多い農業党に政権を移して急進派に対応したいので、このタイミングでの請願は都合がよくありません。
現在の実業家の支持は+14。請願は時間切れで支持-15されるので、このまま行けば時間切れでもそれほど問題にはならなそうですが、果たしてどうなるか。
1907年
10月、遂にジャーナル記事「大政奉還」を完了。幕府から大日本帝国に変化するとともに明治天皇が即位します。選択肢は知識人を選択。
同時に侍が解体されるイベントも発生。
さらに、明治維新に関するジャーナル記事の条件を満たしたことによるイベントも発生。選択肢は研究ボーナス目当てで一番上を選択します。
一時は幕府体制のままプレイ日記を終えることになるんじゃないかと思っていましたが、どうにか明治維新をやれてホッとしました……。
請願への対応
大政奉還を終えたことで国内の政治に関してフリーハンドの余地が生まれたので、残り4年のうちに「自由貿易」を制定するという実業家の請願に対応します。大政奉還で明治天皇が即位したため、実業家が政権にいる場合に正当性ボーナスを得られるようになり、自由貿易党単独で正当性50を超えるようになりましたが、その後のさらなる法改正を見据えて立憲改進党も引き入れておきます(正当性は変わらず)。
「自由貿易」は実業家だけが賛成、地主・平民・労働組合は反対。労働組合は制定で急進化しますが、今のところ非主流派なので問題はないでしょう。賛成が反対を上回っていますし、問題なく制定できるはずですし、失敗しても大きな問題になることはないはずです。
法律としては「保護主義」とどちらがいいのか考え方がいろいろあるでしょうが、私としては貿易を設定するのが面倒なので、日本で遊ぶときは「保護主義」にして必要な商品の輸入だけ行うという場合がほとんどです。今回はせっかくなのでゲーム終盤を「自由貿易」で過ごしてみることにします。
経済成長の加速
19世紀終わりごろから日本は急速に経済成長が進んでおり、1897~1907年(上の画像上段→下段)の10年間で資材産出はおよそ3倍になりました。ただ、足元では投資プールが枯渇してしまって民間建設が減り、その分の建設費を政府が負担して財政が悪化しつつあるので、今後も経済成長をさらに加速するのは難しそうです。
現在のGDPは8370万ポンド、世界第6位。残り30年ほどのプレイ期間でどこまで行けるでしょうか。
1908年
「自由貿易」を制定しても革命にはならないだろうとたかをくくっていましたが、翌年になって革命運動が発生。
いつの間にか平民の支持が低下して急進化したことが原因のようです。幸い、運動の急進性は50と、放っておいても革命につながる水準ではありませんが、治安維持制度のレベルを上げておくことにします。
その後、イベントで平民の支持を上げる機会があり、-10より支持が上がったことで革命運動はあっさり終結しました。
1909年
2月、「自由貿易」制定に成功。知識人を政府に入れているのでさまざまな法律の制定が可能になっていますが、反対が賛成を上回っているものばかりです。そんな中で通せそうな「完全分離」を制定することにします。
1912年
「完全分離」制定成功
5月、「完全分離」の制定に成功。依然として急進派が非常に多いので、この後しばらくはおとなしくしておいて急進派の減少と体制派の増加を待とうと思います。
技術開発
7月、すべての時代III技術の研究が完了。ここまでに大学は革新の上限値まで出るようになっています。続いて時代IV技術を研究していきますが、まずは電話や自動車などの新商品が出てくる技術や、市場アクセスへの影響を+5%する「飛行船」を優先していきます。
1917年
もうほとんどやることはなくなり、あとはゴムの確保などをどうするかくらいですが、そんな中で「制限選挙」制定運動が発生したため、「制限選挙」制定を始めます。反対のほうが多いですが、初期の前進確率が高いので押し切れるはずです。
経済については既に資材産出は+1,000/週を超え、手動での施設建設が面倒になって自動拡張を使い始めました。GDPはイギリス、英領インド、フランスに次ぐ第4位。しかしゴムを勢力内で確保できておらず、軍備を増強して東南アジアに打って出たいところです。
今回は1898~1917年、大政奉還に成功し、日本経済はGDP世界第4位まで大きく雄飛しました。次回は目下の課題であるゴムの確保から。
次回:日本編 第8回
コメント
アイヌやサハリンは数が少ないうえ、人種隔離にしてもどっちにせよ受容できないままなので、もし朝鮮や中国に拡大する予定が無ければ初期の国民至上のままのほうが権力も増えるし良いように思います。
宗教も同じで、アニミズム持ちのアイヌやサハリンはこの時期になればかなり改宗されてきているはずなので、完全分離にしても特にメリットがないわりにデメリットだけ受けるのは割に合わなさそうに感じました。周辺の中国や朝鮮などのPOPも、初期の信条の自由のままで受容可能なはずです。
既に権力の使い道はなくなっていて(少なくとも私はそう考えていて)、人種隔離についてはわずかながら存在する漢が差別されなくなるため、完全分離については神職の影響力低下があるため制定しています。
ただ、いずれもそうした効果を本気で狙いに行っているというよりは、記事中で書いたように「やることもないのでとりあえず」制定しているというだけです。効率的なプレイを考えるならおっしゃるとおりだろうと思います。
ゲーム終盤の権力の使い道が私はよくわかっていないのですが、このような使い方をするのがよいというようなものがおありでしたらお聞かせいただければうれしいです。
中盤から終盤にかけての権力は、例えば拡張する時は不穏度が高い州を抑圧するのに使います。あと赤化する場合は投資プールが機能不全になって収入が減るので、消費税で賄うために権力を使うことも多いです。
遊び方の方向性に合わせてということなのですね。ありがとうございます。参考になります。
遂に終盤ですね!
ここまで来たら、最期は承認の強要で列強入りとか狙えそうですね
ゴムや燃油ならボルネオ島が出たりしますが、今からだと間に合うかどうか・・・
列強入りできればいいのですが、特に海軍の増強が遅れ気味なので、そこが間に合うかどうかという状態ですね。
被差別popの低賃金問題に関しては公共教育で識字率を無差別に上げてしまったのも一因かもしれませんね。
日本プレイだと深刻な問題にはならないと思いますが、ブラジルみたいに大量の被差別popを抱えてる国で公共教育を推し進めるとゲーム後半で泣きを見ることになる仕組みになってて面白いです
工業化が進んでいないのに識字率だけ先に上げてしまうと、POPが高い生活水準を求めるようになって苦しくなるというのがトラップですよね。
自分の場合、百姓が枯れるまでは教育制度のレベルは2~3くらいに留めておくようにしています。識字率を上げるのは百姓が枯れて生活水準が上がりだしてからですね。
識字率を上げることについてもメリットだけではないというのは面白いシステムですよね。
生活水準を上げられないので識字率を低く保つことにすると今度は技術研究が遅れるというトレードオフになっているのは、いいシステムだなと感じます。
まさに書いていただいたような「百姓が枯れるまでは教育制度のレベルは2~3くらいに留めておく」というような意思決定をプレイヤーにさせたいというシステムなのでしょうね。
低生活水準の問題が起きやすいのは賃金の低い労働者なので、建造物の方式をアップグレードして労働者を減らしたり、雇用枠を機械工や技師に置き換えたりすることで解消できます。
ただ日本の場合、それをやってしまうと今度は失業者があふれるという別の問題が起きやすいので苦しいところですが。
総じて労働力過剰の時は識字率はそこそこで抑え、労働力不足になってから識字率を上げ出すというのが無難かなと思います。
ちなみに識字率は、20~30%台あれば十分です。
10%以上で機械工、20%以上で技師の資格を取得するので、少なくとも20%はないと工場の雇用枠が埋まらず工業化が進まないのですが、それ以上であればあとは時間さえかければ資格取得は進みます。
方式の選択はついつい施設の利益の増減ばかり考えてしまいますが、賃金の観点から赤字でも上位職の雇用に置き換わったり労働者が減るような方式を選ぶことが合理的な場合もあるのですね。ただ書いていただいたように、人を減らすような方式変更はどこかでその分の労働力を吸収しなければならないと考えると、施設が余るようになっていないと有効に使うのは難しそうでもあります。
私も含めて多くの方は最初から識字率をとにかく上げようと考えることが多いと思いますが、「労働力過剰の時は識字率はそこそこで抑え、労働力不足になってから識字率を上げ出すというのが無難」というのは、識字率引き上げの優先順位についてひとつの指針になりそうです。もちろんプレイスタイルもあるでしょうし技術研究との兼ね合いもあるものの、例えば日本では革新値が識字率による上限に届くまでがかなり長いので、そのようにやっていくのが有効という局面が相当程度あるように思えます。
大変参考になります。ありがとうございます。