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「Victoria 3」プレイ日記:日本編 第1回

Vic3 その他

19~20世紀が舞台の国家シミュレーションゲーム「Victoria 3」を日本で遊ぶプレイ日記です。今回はゲーム開始時の現状確認まで。


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「Victoria 3」プレイ日記:日本編について

バージョン1.5.12がリリースされた「Victoria 3」を日本(日本幕府)で遊ぶプレイ日記です。現在のVic3がどのようなものか知りたいという方の参考になれば幸いです。

プレイ環境

  • バージョン:1.5.12
  • 使用Mod:なし
  • プレイ国家:日本
  • ゲームルールの変更:POPの統合「なし」、記念碑効果「威信のみ」
  • プレイ目標:1936年まで完走する

初期状態の確認

時間を進める前に初期の日本の状態を確認します。1836年時点の日本は上の画像のとおりで、GDPは清、イギリス東インド会社、露仏英墺米に続く第8位。人口はおよそ3000万人。右のアウトライナーに利益集団を表示していますが、佐幕派(地主)が影響力のおよそ半分を保有しており、明治維新を目指す場合はこの佐幕派の力をいかに削いでいくかが指針となります。

政治

その佐幕派の影響力は大きな財力を基礎として、リーダー毛利敬親の特性、司令官、農奴制、地方警察によって増加補正されています。以前は陸軍モデル法や官僚制の形態などによっても補正がついていましたが、現在は農奴制と地方警察のみとなっています。

本プレイ日記では戊辰戦争を経ずに、つまり内戦を起こさずに明治維新(大政奉還)を行うことを目指すので、当面の目標は佐幕派の影響力を「強力」でなくなる18%以下にするということになり、そのためには佐幕派(地主≒貴族)に対抗できるだけの政治勢力を用意する必要があります。

人口と失業対策

日本は1836年の開始時点で既に2万人ほどの失業者がいますが、これは施設で雇用できず、かつ各ステートの自給農地でも雇用しきれない労働人口です。自給農地は未使用の耕作地の分だけ自動的に作成される施設で、人口に比例して増えるわけではないため、労働人口の増加分を吸収できるだけの施設を建てない限り、失業者は長期的に増加していきます。失業者は生活水準を維持できず、政治的には急進派になることが多いので、失業対策は重要です。

年間のPOP増加数はおよそ22万人なので、これを上回る速度で施設の雇用人員を増やしていく必要があります。多くの施設は1単位で5,000人の雇用を生むので、現時点では22万人÷5,000=44施設を1年で建設すれば失業者は減っていく計算ということになります。農業施設は建設に必要な資材が少なく簡単に建てられますが、耕作地を使用して自給農地の雇用を代替するだけになってしまうので、それ以外の施設でこの雇用を賄う必要があり、平均して1施設あたり400の資材が必要であるとすると44×400=17,600の資材が1年で必要となり、1年を52週とすると17,600÷52≒339/週の資材を生み出す必要があります。初期状態では建設局1単位あたり資材を2/週しか生み出さないと考えると、果てしなく遠い先のことです(ちなみに日本の開始時点の資材産出は14/週)。

23:30追記:自給水田と稲田は施設1単位あたり1万人を雇用するため、稲田以外の農業施設を建てると代替するどころか失業者が増えてしまうようです。コメントにて教えていただきました。ありがとうございます。

2023年12月25日追記:年間のPOP増加数はおよそ22万人ですが、これには被扶養者も含まれているため、失業者となるのはこの約1/4の5.5万人(POPの就業率がデフォルトではおおむね25%(一部は20%)であるため)ということになります。これを踏まえると、必要な資材生産は85/週ということになります。コメントにてご指摘いただきました。ありがとうございます。

上記の試算はあくまでゲーム開始時点の数字であり、ゲームが進んで人口が増えれば毎年のPOP増加数も増えていくので、さらに多くの雇用を吸収する必要が出てきます。もちろん建設局も方式の変更で施設1単位当たりの資材産出量は増えていきますが、それには技術研究と建設局が使用する商品の供給が必要になります。

技術

技術については、1836年以前の技術である時代Iの技術が多く残っています。前の時代の技術を取らずに次の時代の技術を研究しようとするとペナルティがつくので、その時代のすべての技術を取ってから次の時代の技術へと移っていくことにします。

最初に研究する技術として、私は「証券取引所」を選ぶことがほとんどです。というのは、「市場アクセスの価格への影響+10%」という補正を重視しているためです。

市場アクセスの価格への影響

市場アクセスの価格への影響は各ステートでの現地価格を決める際に適用される補正で、これが100%以下のとき、簡単に言えば、ステート内で供給が不足している商品の現地価格が市場価格(ここでは日本市場での価格)より高くなり、ステート内で需要が不足している商品の現地価格が市場価格より安くなります。

上の画像では例として、関東ステートで生産されていない高級衣類に注目しています。市場アクセスの価格への影響が仮に100%である場合、関東ステートの現地価格は市場価格と同じ81ポンドとなるはずが、市場アクセスの価格への影響が60%なので価格のズレ(市場価格81ポンドに対して現地価格では90.7ポンド)が生じてしまいます。こうなると関東ステートの高級衣類の消費者は市場価格より高い現地価格で買わなければならないのと同時に、高級衣類を供給する織物工場はもう少し高く売れたはずなのにそれより安い市場価格でしか売れないということになり、非効率になります。

市場アクセスの価格への影響は現地価格のみの商品(サービスや輸送など)以外のすべての商品に、国内のすべてのステートで適用されるので、国家経済全体では非常に大きな負荷となるはずです。こうした理由から、市場アクセスの価格への影響のマイナス補正を取り除くことを目指して「証券取引所」を最初に研究しています。もうひとつの「伝統主義」による補正は技術「ロマン主義」を取って農本主義に法改正すれば取り除けますが、序盤は農本主義への法改正がまず通らないので後回しにします。

経済

初期の日本市場は穀物が大量に供給されていて非常に安く、下層階級に優しい状況。しかし穀物・衣類・生地は人口が増えるにつれて徐々に値上がりしていきますし、序盤は資材産出量を増やすために資材を使うため、こうした消費財になかなか手が回らないことが多いはずです。

施設は農業系が多く、また、自給農地(自給果樹園/水田)が圧倒的です。自給農地も含めた農業施設は貴族(多くが佐幕派支持者となる)を生み出してしまうので、施設建設は資源/産業施設を中心に建てていきます。

方式の変更はプレイヤーによってさまざまなやり方があると思いますが、私は基本的に収支への影響予測がプラスなら変更というやり方をとります。ゲーム開始時点で穀物は供給過剰、果実は供給不足なので、稲田はすべてイチジク園に変更、市街地の方式も屋台→市の広場(ガラスの消費が増えますが、ガラスは供給過剰なのでちょうどいいくらい)、州立教会→自由教会に変更します。

このほか、九州の港で貨物港→停泊地、行政府で管理職聖職者→非宗教的管理の変更を行います。前者はインフラと輸送船団を生み出す意味がないため、後者は聖職者を減らして事務員を増やすためです。

財政

ゲーム開始時点の日本は大量の未回収税金があるにもかかわらず大幅な収入超過で、これは最初に大量の建設局を建てて使用する原資となります。これにさらに消費税をかけて収入を増やしておきます。上の画像では課税レベルを一番左に下げてありますが、これは中央のレベルではすぐに金準備が上限を超えてしまうためです。

支出面では公務員と軍隊の賃金を調整できますが、私は基本的に中央から動かしません。公務員と軍隊は佐幕派に対抗する利益集団を支持していることが多く、賃金を下げるとそうした利益集団の影響力も落としてしまうことにつながる一方、賃金を上げたとしてもそれに見合った利益がないように思えるため……と理屈をつけることもできますが、動かすのが面倒なのでそれほど深く考えたことがないというのが正直なところです。賃金が高いことによる影響力や需要増を考えると、最高レベルを維持するのでもいいのかもしれません。

建設

とにかく施設を建てることがゲームの中心になるため、最初は建設局を建て増しします。目安は前節のように課税レベルを最低に落とした状態で収支が釣り合うまでとすることが私の場合は多いですが、ここはプレイヤーによって流儀があるところでしょう。

立地にこだわらない場合、施設を建てるステートは維持費(通常の生産施設の場合は収益)でソートしてもっともマシなところを選択します。1.5より前のバージョンではこの表示はまったく使い物になりませんでしたが、現地価格が本格導入されてから信頼できるであろう数字を表示するようになりました。上の画像では東北ステートがもっとも安いので、ここに建設局を建てることにしています。

最初の建設キューはこのとおり。建設する場所を維持費(収益)の表示で選ぶ場合、適切な数値を得る(建てたばかりの施設の商品生産/消費を反映した数値を見たい)ために建て終わった施設が人員を補充するのを待つ必要があります。上の画像の建設局はすぐに建ちますが、人員補充の間は工具工房の建設を行い、最初の建設局の人員補充が終わったら次の建設局を建てる……というやりくりをしながら最初期の建設局と工具工房を建てていきます。

軍事

開始時点の日本は非正規歩兵102大隊のみ、海軍なしという貧弱な軍隊ですが、放っておいても外国に攻められることはそうそうないはずなので、積極的に軍備を整える理由はありません。むしろ効率を求めるなら全廃して建設費に投じるべきでしょうが、それではあまりにも趣がないので、私の場合は予算の課税レベル1段階分(ゲーム開始時点ではおよそ1万ポンド)を目安に一定の軍事費をかけることにしています。


最初の現状確認は以上で完了です。次回から時間を進めていきます。

次回:日本編 第2回

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コメント

  1. 証券取引所の市場アクセス+10%は中々大きいですよね。自分も優先的に取ってます。
    そして伝統主義の-15%もかなり痛いので農本主義を通せた時の喜びは以前より大きくなりましたね。

    • 以前から農本主義に(伝統主義以外に)するのは重要なことではありましたが、今のシステムになってより重要になった感じがありますね。

  2. 1.5 になってからこれまでの施設建設と考え方を変えるべきなのかどうかわからなかったので、とても参考になります。
    次回も楽しみです

    • そう言っていただけると励みになります。ありがとうございます。次回もお付き合いいただければ幸いです。

  3. 日本のような水田地帯は、自給農家が1施設1万人雇えるのに対して、通常の農場は1施設5千人しか雇えないので、農業施設を建てるほど失業者が増えるという罠があります。

    • どこかのアップデートで自給水田の雇用人員も引き下げられたように記憶していましたが、勘違いだったようで、確認したところ確かに1単位当たり1万人を雇用していますね。
      記事に追記しました。教えていただきありがとうございます。

  4. 自分は一気に10件ほど建設局を建て、建築資材(鉄、工具など)を追加しつつ
    任命制官僚、農本主義、中央公文書館などで逃げ切る感じですけど、
    リスキーで再現性難しいという事で均衡路線なんでしょうか?

    • 均衡路線というのは財政均衡路線ということと思いますが、確かに財政的に安全策をとる方針です。
      個人的には運が悪くても(例えば法改正がうまくいかなくても)どうにかできるように着実に進めたいというのがあるので、こうしたプレイ方法をとっています。
      おっしゃるような方法はやったことがないのでなんとも言えませんが、そういう方法でもよさそうですね。

      • DLCが入った南米ばっかプレイしてて東アジアは自給農家(労働力)が多くて羨ましいと思ってたけど色々問題があるんだなー
        人口溢れてる国プレイする時の参考にさせてもらいます

        • このプレイ日記が日本以外のプレイで参考になる内容になるかはわかりませんが、お付き合いいただければ幸いです。

  5. 実は貴族は幕府の支持母体でありながら「政府施設で勤務する貴族は知識人を支持する」ので、(特に世襲官僚の場合それが強化される)知識人の支持母体にもなりえるので、貴族の減らしすぎも考えものになりました。
    知識人は大学や行政などを建てないと一向に増えない(アメリカで知識人が弱く実業家が強いのはこれのせい)のもあって、関西でなにを建てるかがより大事になった感触があります。

    • そのあたりは意識したことがありませんでした。教えていただきありがとうございます。
      貴族をどう扱うか難しいところですね。

  6. ここのコメント欄有用すぎる。wikiより学べる

    • さまざまな情報や記事へのご指摘を書き込んでいただけるのは私としても大変ありがたいです。
      お気軽にコメントいただければうれしく思います。

  7. pop増加の22万は被扶養者含めた数字で、労働人口の増加はそのだいたい4分の1になると思います

    • ご指摘いただきありがとうございます。記事に追記しました。

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