2023年10月26日、パラド社が2023年第3四半期レポートを公表しました。前年同期比で大幅な減益となりました。
前四半期:2023年第2四半期
2023年第3四半期レポート
2023年10月26日、パラド社はウェブサイトで2023年第3四半期レポートを公表しました。
以下では1スウェーデンクローナ=13.33円で換算し、千の位を四捨五入しています。
業績と財政状態
このグラフは単位が千クローナなので、記事中の数値(百万クローナ)から桁が3つ大きくなっています。
- 2023年第3四半期業績:前年同期→当四半期(対前年同期増減率・日本円換算額)(単位は百万クローナ)
- 売上高:458.0→426.4(-7%・5,684百万円)
- 営業利益:220.6→85.4(-61%・1,138百万円)
- 当期純利益:175.9→69.3(-61%・924百万円)
- 当四半期新規リリース
- 「Crusader Kings III」のDLC「Wards & Wardens」
- 「Victoria 3」のDLC「Dawn of Wonder」
- 「Across the Obelisk」のDLC「Sands of Ulminin」
- Cities: Skylines、CK3、EU4、HoI4、Stellarisが主に収益貢献
このグラフは単位が千クローナなので、記事中の数値(百万クローナ)から桁が3つ大きくなっています。
CEOコメント
- 当社の四半期業績はリリースによって大きく変動するが、今第3四半期はリリースの少ない期間となった。それにもかかわらず収益は妥当な水準にあり、これは主に過去のタイトルの販売と営業活動によるものだ。コストは通常よりやや高い水準だが、これは主に近日発売予定のゲームのマーケティングによる。
- この記事を書いている時点で「Cities: Skylines II」発売からおよそ36時間が経過しているが、これまでのところ初期のプレイヤー数は高い水準にあり、売上も順調なスタートを切っていると言える。パフォーマンス面ではまだプレイヤーの期待に応えられていないが、開発会社とともに継続的なアップデートによる最適化に取り組んでいる。
- 当四半期末の後、「Star Trek: Infinite」と「The Lamplighters League」を発売した。前者は世界で特に強力なSFブランドを題材にした当社初のライセンスゲームで、グランドストラテジーというジャンルに新たなプレイヤーを呼び込むことを期待している。後者は多くの強みを持つよいゲームだが、以前お伝えしたように、期待していたほど売れていない(注:「The Lamplighters League」発売後1週間の時点で、本作の資産化された開発費全額に評価損を計上し、減価償却分も合わせてすべて費用化しています。そのさらに1週間ほど後には開発元のHarebrained Schemesとの提携関係を解除していました)。
- ゲームは本質的にリスクの高いプロジェクトであり、成長を続けるためにはリスクを取り続ける必要があるが、2021年以降、当社は「蓄積(Stock up)」と「突破(Break-out)」というリスクテイクの明確な戦略がある。つまり、私たちは既存のフランチャイズの続編か、新規タイトルでリスクが低いと判断し、より多く投資する用意があるもののいずれかを前提に新しいプロジェクトをスタートさせるということだ。新たなテリトリーで成長の可能性も模索するが、その場合はプロジェクトの種類を増やし、投資額をかなり少額にする。
- 当四半期末には4Xストラテジーゲーム「Millennia」と工場建設ゲーム「FOUNDRY」を発表した。いずれも来年発売予定だ。
その他気になった点
- 過去12か月間の利益率は35%。
- 開発パイプラインに入っているタイトルは9本。
前年同期である2022年第3四半期にはCities: Skylines、CK3、EU4、HoI4、Stellarisと、主要タイトルほぼすべてのDLCが発売され、さらに新規タイトルもあるという発売ラッシュでしたが、当四半期はDLCが3本のみの発売でわずか7%の減収に留まっているのは健闘しているように感じられます。費用増は売上原価の増加が主要因で、前四半期に大量に発売されたタイトルやDLCの減価償却費によるもののようです。
現在進行中の第4四半期には「Cities: Skylines II」が発売され、業績に大きなプラスの影響が確実にあると思われますが、広く言われているようにパフォーマンスがネックになっているのも確実なので、そのあたりがどうなるのか気になるところです。
次四半期:2023年第4四半期・通期レポート
コメント
EU4 まだ売れてるのか、そりゃ EU5 じゃなくて DLC 作るわな