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パラド社が2023年第4四半期・通期レポートを発表 「Cities: Skylines II」は販売100万本突破

Paradox Interactive社

2024年2月6日、パラド社が2023年第4四半期・通期レポートを公表しました。「Cities: Skylines II」は販売100万本を突破し、売上は大きく伸びたものの、減益での着地となりました。

前四半期:2023年第3四半期


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2023年第4四半期・通期レポート

2024年2月6日、パラド社はウェブサイトで2023年第4四半期・通期レポートを公表しました。

以下では1スウェーデンクローナ=14.10で換算し、千の位を四捨五入しています。

業績と財政状態

このグラフは単位が千クローナなので、記事中の数値(百万クローナ)から桁が3つ大きくなっています。

  • 2023年第4四半期業績:前年同期→当四半期(対前年同期増減率・日本円換算額)(単位は百万クローナ)
    • 売上高:580.0→995.6(+72%・14,038百万円)
    • 営業利益:244.5→123.9-49%・1,747百万円)
    • 当期純利益:194.2→98.3-49%・1,386百万円)
  •  当四半期新規リリース
    • 「Cities: Skylines II」
    • 「The Lamplighters League」(発売後、資産計上していた開発コストの評価損を計上し、業績への影響は-250.4百万クローナ。開発元との提携解消)
    • 「Star Trek: Infinite」
    • 「Stellaris Nexus」(早期アクセス)
    • 「Space Trash Scavenger」(早期アクセス)
    • 「Hearts of Iron IV」のDLC「Arms Against Tyranny」
    • 「Crusader Kings III」のDLC「Legacy of Persia」
    • 「Europa Universalis IV」のDLC「King of Kings」
    • 「Stellaris」のDLC「Astral Planes」
    • 「Age of Wonders 4」のDLC「Empire & Ashes」
    • 「Victoria 3」のDLC「Colossus of the South」
    • 「Across the Obelisk」のDLC「Amelia the Queen」
  • 「Cities: Skylines II」「Crusader Kings III」「Hearts of Iron IV」「The Lamplighters League」「Stellaris」が主に収益貢献
  • 2023年通期業績:2022年→2023年(対前年増減率・日本円換算額)(単位は百万クローナ)
    • 売上高:1.972.9→2,642.1(+34%・37,254百万円)
    • 営業利益:887.1→657.9-26%・9,276百万円)
    • 当期純利益:708.7→530.6-25%・7,481百万円)

このグラフは単位が千クローナなので、記事中の数値(百万クローナ)から桁が3つ大きくなっています。

2023年第4四半期に急に固定資産が減っていますが、これは「The Lamplighters League」の資産計上していた開発コストの評価損計上が主因と思われます。

CEOコメント

  • 当社は四半期・通期双方で売上の新記録を作り、安定して600万以上のプレイヤーを確保しているが、利払前・税引前利益は巨額の評価損もあって満足できる水準になく、当四半期発売のゲームは当社が求める品質に達していなかった。
  • 当社の中核であるゲームとその拡張の人気は続いている。
  • 「Cities: Skylines II」については、当社はプレイヤーの期待に応えられなかったことと、すべてのプラットフォームで同時発売できなかったことを残念に思っている。それでも「Cities: Skylines II」はよく売れており、当四半期末時点で100万本以上を売り上げた。発売以来、当社は改善に力を尽くしている。
  • 「The Lamplighters League」は商業的に失敗し、ゲームの価値全額を評価損とした。これは当社の長期的な財政状態に影響するものではないが、当四半期の利益に対する大きな打撃となった。

その他気になった点

  • 過去12か月間の利益率は25%(前四半期は35%で10ポイント減)
  • 開発パイプラインに入っているタイトルは9本

「The Lamplighters League」の評価損計上を除くと順当な利益成長ができたように見えるので、CEOコメントで触れられているように、評価損計上による当四半期業績への影響が足を引っ張ったと言えそうです。「The Lamplighters League」は外部スタジオでの開発ということもあって日本円にしてせいぜい数億円程度の開発費でやりくりする小規模タイトルで、だから宣伝もそんなにやっていないのだろうなと思っていたのですが、35億円以上も開発費を投じているとは意外でした。

「Cities: Skylines II」について、前作「Cities: Skylines」の販売本数に関するリリースでたどれる限りもっとも古いものは、発売から2年後の2017年3月10日に販売本数350万本を突破したというリリースなので、そこから考えると、まだコンソール版発売が控えているとはいえ、やはり前作と比べて売れ行きがよくないという評価になりそうです。今後の開発で挽回できるか注目しています。

19:40追記:「Cities: Skylines」は発売からおよそ1か月で販売本数100万本に到達していたとのこと(4Gamerの記事)。コメントにて教えていただきました。ありがとうございます。

2024年4月25日追記:今回をもってParadox Interactive社の決算に関する記事は新規公開を終了することにしました。これまでご覧いただきありがとうございました。

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コメント

  1. シティーズの売上本数の推移に関しては詳細な情報がウィキに載ってるけど、1ヶ月で100万本だったみたいですね
    まあ前作に関しては10年ぶりに発売したシムシティの新作が不評で、代わりとなる作品が求められていたというタイミングの良さに、都市経営シミュ自体競合作品が少なかったという事情もあったんでしょうけど

    • https://www.4gamer.net/games/276/G027611/20150415017/
      こちらの記事ですね。教えていただきありがとうございます。記事にも追記しました。
      今回も前作のおかげで名前が広く知られていて期待されていたことを考えればかなり有利な環境で発売できたと思うのですが、やはり発売直前に値上げ、最適化不足、SteamワークショップからParadox Modsへの切り替えを告知していたのが響いたのだろうと感じます。

  2. vic3はそこまで収益貢献してないんですね。
    これはhoi4やEU4みたいに、息の長い開発はしてくれないかも知れませんね。。。

    • 好意的に見ると従来のパラドゲーの形から脱却して新しい物を作りたいと思ったんだろうけど、出来たのはパラドゲーの面白さを無くした薄いペラペラな物になってしまったからね
      ゲームの根幹から作り直さないとダメそうな感じだし、ある程度のアプデが終わったら終了な気がする

  3. Cities: Skylinesは1の完成度や拡張性の高さから、中々2に移行する雰囲気がありませんね…
    発売後は値上げするから今のうちに買おう!と呼びかけたりしましたが、1で十分だという反応が多かったです。

    • 2が出てもしばらくはコンテンツ量で1には勝てないということは言われていましたし、発売前に最適化不足を公表したりいろいろあったので、2を始めようという機運にブレーキがかかったという印象がありますね。

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