2022年11月1日、パラド社が2022年第3四半期レポートを公表しました。2022年第3四半期は営業損失に転落していた前年同期からしっかり持ち直し、安定した業績となっています。
前四半期:2022年第2四半期
2022年第3四半期レポート
2022年11月1日、パラド社はウェブサイトで2022年第3四半期レポートを公表しました。
以下では1スウェーデンクローナ=13.46円で換算し、千の位を四捨五入しています。
業績と財政状態
このグラフは単位が千クローナなので、記事中の数値(百万クローナ)から桁が3つ大きくなっています。
- 2022年第3四半期業績:前年同期→当四半期(単位は百万クローナ)
- 売上高:289.4→458.0(+58%・6,165百万円)
- 営業利益:-44.6→220.6(2,969百万円)
- 当期純利益:-33.2→175.9(2,368百万円)
- 当四半期新規リリース
- Hearts of Iron IVのDLC「By Blood Alone」
- Crusader Kings IIIのDLC「Friends & Foes」
- StellarisのDLC「Toxoids Species Pack」
- Cities: SkylinesのDLC「Plazas and Promenades」
- Europa Universalis IVのDLC「Lions of the North」
- 「Across the Obelisk」(正式リリース)
- StellarisのDLC「Aquatics Species Pack」(コンシューマー機向け)
- Cities: Skylines、CK3、EU4、HoI4、Stellarisが主に収益貢献
このグラフは単位が千クローナなので、記事中の数値(百万クローナ)から桁が3つ大きくなっています。
CEOコメント
- 当四半期は特に多くのことがうまくいった。多くのDLCをリリースし、未発表プロジェクトの開発も順調だ。実験的なタイトルの発掘も初の成果を得た(注:「Across the Obelisk」のことと思われる)。同時に為替の強い追い風も受けており(注:大幅なドル高スウェーデンクローナ安が昨年末から進行中)、こうしたことから当四半期の利益率は48%に上った。
- 不安定な世界で安定したキャッシュフロー、資金豊かなプロジェクト、強固なキャッシュ、有利子負債がないことなどの強い立場によって、私たちはプレイヤーとファンに時間とお金をかけるに値する体験を提供することに集中できる。私たちは現在、今後数年間でパラド社ゲームポートフォリオを形成するであろうゲームのリリースに向けて取り組んでいる(注:前HoI4ゲームディレクターのDan Lind氏が携わっているプロジェクトのことか?)。
- DLCについてはより早いサイクルを確立できるように努力していく予定だ。
- 当四半期には小規模で実験的なゲームの販売を行うParadox Arcができたが、その範囲はより狭く、ユーザーはよりニッチで、パラド社の中核事業からは外れている。「Across the Obelisk」は8月に、「Stardeus」は当四半期の後に発売されたが、予想を超えて歓迎され、業績への影響は小さいものの今後の実験作が楽しみだ。目標は毎年いくつかの実験的なゲームを発売し、時間をかけて発展し得るものを見つけることだ。
前年の第3四半期は赤字だったので、9月にDLCラッシュはもしかするとなんとしても当四半期で赤字出したくないという経営面からの判断があったのかもしれませんね。パラド社の人気タイトルすべてがDLCを発売した上に為替も追い風となったにもかかわらず、売上はDLCを3本しか出さなかった第1四半期を超えられていないところを見ると、第3四半期はパラド社にとっての鬼門なのではないかという気もしてきます。
上で書いたように大幅なドル高スウェーデンクローナ安が昨年末から進行しており、2022年の好調は為替が強い追い風になっての業績と考えると、2023年以降も増収増益を続けるのは簡単でないように思われます。
次四半期:2022年第4四半期・通期
コメント
ドル以外ほとんど安くなってるからあんまり悲観的ではない気はする。
Vic3がどれだけ売れたか見るのが楽しみだな
コーエーといいパラドといい歴史シュミレーションとか言うニッチなゲームが続いていくのは感謝しかない。