「Victoria 3」開発日記#18が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は国家ランクと威信について。本体発売前の開発日記です。
前回:開発日記#17――移民
開発日記
開発日記#18は、国家ランクと威信について。
- 今回は外交に関する開発日記の最初として、国家ランク(Rank)と威信(Prestige)についてご紹介する。この2つは相互に関連するシステムで、ゲーム内での外交問題の展開に非常に重要な役割を果たす。
- 国家ランクは過去のVictoriaでも存在していたもので、世界から見た国家の栄光と影響力を表す。強大な列強(Great Power)でもほとんど無関係な未承認国家(Unrecognized Power)でも、国家がどのランクにあるかは威信(後述)と国家承認(Recognition)の2つの要素によって決まる。
- 国家承認について重要なのは、承認と言っても一般的な国家に対する認識の意味ではなく、他国がその国の独立や存在を認めているかどうかということだ。より正確には、これは君臨している(おそらくヨーロッパの)列強が全体として、その国家を潜在的に対等な国家と認識しているかどうかの指標だ。つまり、その国家が充分強大になれば、その列強による体制の中で意思決定者に含まれ得るということだ。
大清(Great Qing)は世界でもっとも高い威信を持つが、未承認国家であることが世界の国々の中での潜在的な国家ランクを大きく制限している。
- 今回はこの話題にはあまり深く触れない(今後の開発日記で触れる)が、要点はゲーム開始時には国家は「未承認」か「承認(Recognized)」のどちらかであり、未承認国家が国家ランクを適切に上げていくには承認を得るか、承認を強要する必要がある。
- 未承認/承認システムはVictoria 1・2の文明国(Civilized)・非文明国(Uncivilized)システムに代わるもので、違いは未承認国家であることは純粋に外交上のペナルティがある外交上の地位であるという点だ。メッテルニヒや彼の友人たちに軽蔑されたからといって、国家は本質的に工場建設や戦争遂行が下手になるわけではない。しかし、未承認の多くの国家は技術水準の最底辺からスタートする。
フランスは威信でイギリスに次ぐ第2位の列強としてゲームを開始する。
- Victoria 3には以下の6つの国家ランクがあるが、7つ目の特別な国家ランクは「非集権国家(Decentralized、プレイ不可)」にのみ適用されるため、今回は触れない(名称は変更される可能性がある)。
- 列強:もっとも強力で栄光ある国家であり、世界規模の活動を行うことが多く、遠方の紛争にも関与する。ゲーム開始時の列強のもっともわかりやすい例はイギリス(Great Britain)だ。
- 主要国(Major Power):地域的な大国でその地域の紛争の行方を決めることが多いが、世界的なプレゼンスは限定的だ。ゲーム開始時の大国の例は両シチリア王国(the Kingdom of the Two Sicilies)だ。
- 非主要国(Minor Power):その地域の紛争の結果を左右し得る地域国家だが、世界全体とは一般的に無縁。ゲーム開始時の中小国の例はメキシコ(Mexico)だ。
- 弱小国(Insignificant Power):一般的に地域紛争の結果に影響を与える能力すらなく、すぐ近くの他の弱小国以外には安全に無視される国家。ゲーム開始時の弱小国の例は自由都市クラクフ(the Free City of Krakow)。
- 未承認国:その地域で力を発揮できる、強力で栄光ある国家であり、承認国家の要求に抵抗し、承認の候補になり得る未承認の国家。ゲーム開始時の未承認国家の例は清帝国(the Qing Empire)。
- 未承認中小国(Unrecognized Minor Power):一般的にもっとも弱小の承認国家以外に対抗する力を持たず、列強や主要国に翻弄されることが多く、生き残るためにそうした国家と対決しなければならない未承認の国家。ゲーム開始時の未承認中小国の例はネパール王国(the Kingdom of Nepal)。
- 国家ランクにはどのような利益があるか? 一般的に、国家ランクが高いほどより多くの影響力(Influence)を持つことができ(外交を行ったり、外交協定を結んだりする自由度が高まる)、より多くの関心の表明(Declared Interests)を行うことができ(詳細は来週)、外交上の駆け引き(Diplomatic Plays)においてより多くの策略(Maneuvers)を行える(詳細は今後数週間で)。また、国家ランクは従属国(Subjects)・悪名(Infamy)・外交行動(Diplomatic Actions)など、他の多くのシステムにおいても重要な役割を果たす(何度も言うようだが、まだ外交について述べ始めたばかりなので、私たちの話を待っていてほしい)。
- 先に述べたように、威信はこうしたことのすべてににおいて中心的な役割を果たしている。簡単に言えば、威信とは世界の序列の中で誰がどのランクを占めるかを決めるものだ。Victoria 1・2では威信は国家ランクを決める3つの要素のひとつに過ぎなかったが、Victoria 3の威信は国家の栄光を上下させるあらゆる要素の累積だ。
- ある国家ランクになるためにはそのランクの威信のしきい値を満たしている必要があり、このしきい値は世界平均との比較と、もっとも威信がある国家に対する割合の比較の双方に基づいている。どういうことか説明するために列強の現在の要件をご紹介しよう。
- 承認国家でなければならない
- 他国の従属国であってはならない
- 世界平均の3倍以上の威信を持っている、または、もっとも威信がある国家の75%以上の威信を持っている
- これには2つの意味がある。列強や主要国などの数は一定ではないこと(Victoria 1・2ではそれぞれ常に8か国)、そして国家ランクを維持したり高めたりするための条件がゲーム中に変化することだ。ある国家は初期の威信によって列強としてスタートしたものの、経済的・軍事的停滞によってすぐにおくれをとるようになり、最終的には実際の威信は下がっていないのに主要国に落ちてしまうかもしれない。
ペルシャは芸術に多大な投資をすることで、経済や軍隊が支えられる以上の国家ランクを占めることができている。
- では、国家に威信をもたらすものはなにか? その答えはたくさんある。以下ではその一部をご紹介するが、これは網羅的なリストではない。
- 国家の階級(The Tier of a Country、都市国家・公国・王国などのいずれとみなされているか)は基礎的なわずかな威信をもたらす。これは特定の国家に固有のものであり、新たにより栄光ある国家を建国することによってのみ高めることができる。
- 大きな陸軍は威信をもたらす。陸軍の実際の戦闘能力と堂々たる外観の双方に基づいて、より多くの威信を得る。
- 大きく、強力で、印象的な外観の海軍を持つことで、陸軍よりもさらに大きな威信を得る。
- 国家のGDP合計(つまり間接的な工業化のレベル)は国家に威信をもたらす。
- 従属国はその軍事力と経済力に基づいて宗主国(Suzerain)に威信をもたらす。
- ある商品の生産において世界的なリーダー(1位、2位、3位)になると威信を獲得でき、一部の商品では他の商品よりも多くの威信を得られる。
- 芸術アカデミー(Art Academies、芸術のスポンサーになる)を建設して支援することは威信をもたらす。
- 世界の特定地域への大規模な遠征や運河の建設など、世界的に認められているプロジェクトを成功させると、その国家の威信は恒久的に上昇する。
質疑応答
Q:威信の平均をとるシステムでは、最初の数年で小国が併合されて平均値が跳ね上がったときに列強から多くの国家が脱落しちゃうんじゃない?
A:そうならないようなシステムが組み込まれている。基本的にはマップ上の国家数に応じて、国家数が多すぎたり少なすぎたりして数値が極端に変化しないようにする効果がある。
Q:どうなれば国家は承認されるの?
A:今後の開発日記でご紹介するが、システム(の一部)のインスピレーションを日露戦争から得たことは確かだ。
来週は関係(Relations)・悪名・関心について。
コメント
列強8カ国固定はドイツの小国が消去法で入ってきたりして
良くなかったからGOOD変更だわ
わざわざ主要国区分を作ったということはその地域限定で影響力行使できたりするのかな
>ある国家は初期の威信によって列強としてスタートしたものの、経済的・軍事的停滞によってすぐにおくれをとるようになり、最終的には実際の威信は下がっていないのに主要国に落ちてしまうかもしれない。
オスマン帝国のことだろうか
スペインでしょ
つまり大国と何らかの紛争をする必要があるのか
イギリスのライバルはインドに
フランスのライバルは北アフリカに
承認しまくって妨害する盤外戦が捗るな
VIC2では列強じゃないと植民出来なかったから、ロシアより先に日本で樺太に植民するのムズかった記憶があるな
植民技術も開発必要だったのもある
日本の明治維新はどうなるんだろ
日本は初め未承認国だが明治維新で色んな技術を得て、それでロシアと海戦して主要国目指す感じだろうか…?
ロシアと組んで他の列強と戦って主要国目指すルートも欲しいね