「Hearts of Iron IV」開発日記2021年4月21日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はポーランドについて。1.11「バルバロッサ」リリース前の開発日記です。
前回:開発日記2021年4月14日――ポーランドの国家方針の見直し パート1/2
開発日記
開発日記2021年4月21日は、ポーランドについて。今回の開発日記はタイトルにあるように前回の記事からの続きとなっています。前回の記事はこちら。
- 今回はDLCで追加される内容について。
- プレイヤーは「農民ストライキ(Peasants’ Strike)」としてプレイできる。民主主義の回復や共産主義革命を目指すポーランドでは、まず無秩序な農民の集まりから民兵を組織する必要がある。
- どれだけのステートがストライキに参加するかにかかわらず、反乱を起こしたステートは民主主義と社会主義の間で微妙なバランスをとることになる。革命への第一歩はモルジュ戦線(Front Morges)を動かして農民の目標を支援させることだ。モルジュ戦線はシコルスキ(Sikorski)を含む一部の将軍に支持された政党連合だ。
- この最初のブロックの国家方針ごとに共産主義と民主主義のいずれかに支持が5ずつ加算され、どちらかが政府の主導権を握るには合計50%以上の支持が必要となる。
- 農民ストライキはスペイン内戦と同様に厳しいスケジュールで行われ、革命が起こるまでに最大でも1年しかない。まず農業ステートをストライキに加えることができるが、ストライキを工場労働者にまで広げることでポーランドの産業中心地も革命に加えることができる。
- 軍の支持を得ることも重要だ。ディシジョンによって特定の元帥や将軍を味方につけると「農民の支持者(Peasant Sympathiser)」という特性がつき、戦争が始まったときに自軍に参加してくれる。
- (注:農民反乱側の)ポーランドは社会主義者のスタニスワフ・ミコワイチク(Stanisław Mikołajczyk)が指導者の状態でスタートするが、ヴィンツェンティ・ヴィトス(Wincenty Witos)の復帰を望むならイベントを通じて指導者にすることもできる。
- 内戦に勝利すると、ポーランドは脆弱な状態に陥る。内戦後に人員や資源が病み上がりの状態となることでポーランドは不安定な立場となり、ある程度の譲歩や外国からの援助の働きかけが必要になるかもしれない。
- 共産主義ポーランドには2つの選択肢がある。反スターリン主義の候補者を指導者とするか、ソ連に同調するヴワディスワフ・ゴムウカ(Władysław Gomułka)を指導者とするかだ。ソ連につくと東ポーランドを割譲することになるが、ソ連と取引する国家方針が解禁される。
- 民主主義では、ポーランドはフランスとの関係を緊密にしようとするモルジュ戦線の野心に乗じて、ポーランド主導の小協商のようなものであるモルジュ協定(Morges Pact)を作ることになるかもしれない。このルートをとることでポーランドは先週お話しした「Between the Seas」の分岐に進めるようになる。
- 反ソ連の共産主義者は資本主義とファシズム双方を糾弾してこの人民共和国を外交的に孤立させることができるが、世界の帝国に対する拡張の選択肢やと軍事ボーナスを得られる。これにより、大国に対して大きな攻撃・防御ボーナスを得る。
- 民主主義者と反ソ共産主義者どちらも社会主義の拡大よりファシズムの壊滅を大目標として掲げ、大英帝国と手を組むことができる。これによってポーランドは植民地主義への関心を新たにし、Maritime and Colonial Leagueを公的に承認することで、ポーランドはマダガスカルやパレスチナなどを購入できる。購入に成功すると、ポーランドは本国が陥落した場合に備えて亡命先で軍備を整える場所を確保できる。
- どの選択肢でも、バルト三国を征服するか同盟を結ぶことでCommonwealth of Socialist Republicsを建国できる。
- 次は摂政評議会(Regency Council)、ポーランドの王政復古についてだ。11月5日の声明(The Act of the Fifth of November)はロシア帝国の占領地からポーランド王国を解放するという中央同盟国の約束だったが、新たに成立したポーランド王国の摂政評議会ではヨゼフ・ピウスツキ(Józef Piłsudski)がポーランド第二共和国を宣言するまで国王を戴くことができなかった。
- 摂政評議会が招集されるとポーランドは3人の候補者からひとりを選ぶことができ、候補者はそれぞれ完全な政治に関する国家方針ルートを持つ。ポーランドには無数の候補者がおり、すべてにコンテンツを作るのは不可能だったので、ホーエンツォレルン家、連合王国の請求者、コサックの王から選ぶようにした。
- 連合王国の請求者はもっともわかりやすいものだろう。ポーランドはフリードリヒ・クリスティアンを国王候補に希望したが、これはポーランドとザクセン王家の長きにわたる関係によるもので、戦争をせずにリトアニア王位を主張することもできる。
- ディシジョンを通じてポーランドはリトアニアの君主主義の感情を高めることができ、充分に高まればリトアニアは内戦に突入するか、平和的に政府を移行できる。いずれの場合もポーランドはリトアニア王国を併合し、ソ連やドイツとの戦争に備えることができる。連合王国の古き国境を取り戻し、さらにそれ以上のものを得るのだ。
- ポーランドとルーマニアはHoIの開始時には緊密な関係にあった。ポーランドはルーマニア王を国王に選出することでルーマニア政治の複雑な混乱に身を投じることになるかもしれない。
- ミハイがポーランド王となることで、両王国は状況次第で統一され得る状態となる。ポーランドの干渉かルーマニアが「ミハイ王のクーデタ―(King Michael’s Coup)」を完了することでルーマニアとポーランドは統一され、軍も合同し、枢軸国とコミンテルンの間の強力な壁となる。
- この海をまたぐ国家はバルカン半島の支配とポーランド=ハンガリーの復活を目指すかもしれないし、連合国との同盟関係を維持しようとするかもしれない。
- 最後はもっとも可能性の低い王位候補者、Pavel Bermondt-Avalovだ。戦間期にPavelと彼のBermontian hostはリトアニアとラトビアに侵攻したが、バルト諸国支配の野心を持っていた彼はポーランドを軍国化し、バルト海とチェコスロヴァキアを支配するには理想的な候補者だ。
- バルト地方を征服した後、Pavelは軍国化したポーランド王国をドイツに対抗させてシレジアとポメラニアにおけるポーランドの権利を主張するか、国民社会主義1者としてドイツとの同盟を求め、ファシストの分岐に進むことができる。
- ポーランドでもっとも有名なファシスト・国粋主義運動がEndecja(国民民主主義)とFalangaだ。EndecjaかFalangaのどちらかに主導させたい場合はthe Sanation(注:当時のポーランドの中心的政治集団)にとって代わるまで彼らと協力しなければならない。
- EndecjaかFalangaのどちらかが政権を取った場合、彼らはポーランドの国粋主義を堅持するか、ドイツに譲歩して同盟を模索するかを選択することになる。ダンツィヒとポズナンを割譲してドイツの従属国にならない限り、ドイツはポーランドとの同盟を拒否する。だがチェコスロヴァキアとは異なり、ポーランドはその束縛を解いてドイツを内部から引き裂くことができる。
- Pavel、Piasecki、Dmowskiのいずれかが支配しているポーランドには、ドイツから強力なボーナスを得るか、Underground Stateと協力して宗主国を打倒するかのどちらかに注力するはしご状の国家方針の分岐がある。
- 独立すればポーランドはドイツを背後から刺すことができるし、忠誠を保つなら逆ヤルタ会談のような形でソ連のコアを獲得できる。
- ドイツに膝を屈しないEndecjaやFalangaはポーランドのカトリックのアイデンティティに接近し、Falangist Internationalを形成する。これはFalangistの理想に向けて努力する陣営だ。
- スペイン内戦後にカルロス主義、国粋派、Falangistsのいずれかが頂点に立った場合、ポーランドは彼らを自分の陣営に引き入れることができ、そこからFalangismがあった他の国家、メキシコ、オランダ、ラテンアメリカ諸国に陣営を拡大できる。そうした国家のファシズムを強化するディシジョンが利用できるようになり、一定割合に達するとFalangist Internationalに招くことができる。こうした国家方針は一度に複数の国家を加盟させるため、陣営の拡大は非常に早い。
- ポーランドのファシストはthe Sanationルートと同じくリトアニアと同盟するか、連合王国の遺産を取り戻すかを選択する。リトアニアと同盟しない場合は「Between the Seas」の分岐を進められず、陣営拡大は大きく制限される。
亡命政府
- フランスやオランダとは違ってポーランドには広大な植民地帝国がないため、同盟国の支援と善意、Polish Underground Stateのレジスタンス網に全面的に依存することになる。
- 亡命中のポーランド政府は連合国が満足するまでに何人もの首相や大統領を経た。ポーランドが史実ルートを進んでイギリスやフランスのような民主主義国家に亡命した場合、彼らはthe Sanationの指導者に辞任を要求し、ポーランドは3人の新しい指導者からひとりを選ぶことになるが、彼らはそれぞれ亡命中に人的資源を得ることができる固有のパーソナリティを持つ。
- さらに、政治顧問としてIrena Andersを利用できる。彼女はさらなる正統性、安定度、亡命人的資源をもたらす。
- 亡命政府の国家方針ツリーでは多くのマップ外の工場や造船所、エース発生に対するボーナス、特殊部隊上限の増加を獲得できる。亡命中に大規模な軍隊を持つことはできないが、こうしたボーナスによって小規模ながら特化した部隊で戦い続けることができる。
- 「La Resistance」の所有者は諜報員枠の増加、国家方針を通じた無料の諜報機関アップグレード、新たな諜報作戦「ワルシャワ蜂起(Warsaw Uprising)」など、多くの諜報機関ボーナスを得る。
- 諜報作戦「ワルシャワ蜂起」を完了すると、通常よりも早くワルシャワ蜂起が発生する。ポーランドのステートでレジスタンスが50%以上になると蜂起が始まるが、この作戦は一度しか完了できないためタイミングをはかる必要がある。いいタイミングで蜂起が起こればドイツ軍は分断され、バルバロッサ作戦に参加しているドイツ軍は補給不足に陥る。
- ポーランドはエニグマの解読に欠かせない国でもあるため、偉大な暗号解読者マリアン・レイェフスキ(Marian Rejewski)も利用できる。
- これまでの国家方針「The Cyclometer」と「The Bombe」は諜報に関する分岐に移動したが、領土がない状態で原子力研究ボーナスをもらってもほとんど意味はないことに気が付いた。そこで、原子力研究の国家方針を完了するとポーランドはマップ外の原子炉を獲得し、だいたい年に1個の核爆弾を得るようにした……。これについてはあまり難しく考えないでもらいたい。
- ポーランドには興味深い非史実のシナリオが多くあり、研究や実装の間にも新たな可能性が浮かび上がってきた。ゲーム上ですべてを表現したわけではない(日本とポーランドの同盟など)が、ポーランドは生き残る方法さえ見つかれば非史実シナリオの宝庫だ。
スレッドでは「このアイコンは一体なんだ?」と指摘されていました。2020年4月公開のロードマップで「ドクトリンが師団設計に強く影響するようにする」や「特に戦後において、常備軍の規模を制限する新たなメカニクス」という項目がありましたが、もしかするとこのあたりに関連しているものなのかもしれません。
コメント
翻訳お疲れ様です
日波同盟案は面白過ぎでしょ
hoi4なら何故かポーランド本土で奮闘する日本軍みたいな謎の光景を簡単に作れるし
日本とポーランドの間に国は一つしかないからな
そういえばそうですねww
HOI2で日波同盟で大戦生き抜いた有名なAARあるからそれかな?
海外の人製MODでもポーランドと日本に関係を持たせる奴もあるし、海外でもそれなりに有名なネタなのかな。
日本が第二次世界大戦でポーランドからの宣戦布告を拒否して一部の情報交換を行ったっていうのは海外でもかなり認知度が高いからそれだろうね。あと両国とも強い「家」の価値観があったり、イデオロギーが近く、実際にポーランド孤児の救出などで良好な関係なのは国際的にも非常に有名なのよ。Redditの歴史ミーム板では日波関係を題材にしたミームは多く投稿されてる。
「ポーランドが大東亜共栄圏に加盟」とか見てみたかった
正直NFに手が入るたびに政体帰るのに内戦させられるようになってだるい
DLCで内戦必須になったのってインド、日本、ドイツ、アメリカ位じゃない?多いといえば多いけど、どちらかといえば少数派な気がする
翻訳ありがとうございます
Commonwealth of Socialist Republics
…………………………ジェチュポスポリタ社会主義共和国……?ジェチュポスポリタとレプブリックは矛盾はしてないが意味かぶりのような……
ソーシャリストオブコモンウェルスとかでは駄目だったんだろうか?
一応イギリス連邦(commonwealth of nations)や独立国家共同体(Commonwealth of Independent States)の例もあるから社会主義共和国連邦や社会主義共和国共同体とも訳せるけど、前者だとソビエト連邦の正式国号(ソビエト社会主義共和国連邦)とまる被りするから訳すとしたら社会主義共和国共同体かな。
或いはポリ連合の訳にあてがって社会主義共和国連合とか。
あとなんでCommonwealth of Socialist Republicsって名前なのかはおそらくソビエト連邦との差別化やと思う。「ウチらは社会主義やけどかつてのポリ連合(ポリ連合の英名はPolish–Lithuanian Commonwealth)みたいな民主的で寛容なcommonwealthやで、ソ連さんと違ってな」みたいな。実際このルートって民主と反ソ連コミュニストルートの2つからしか行けないらしいし。
これ、無料アプデの範囲でしたよね?非DLCでのNF追加改変の中では最大クラスかな。
少なくともWtT無しの日本より充実してる気がする。むしろ、WtT有りの日本より充実してる説すらある…
記事冒頭にあるように今回はDLCに含まれる内容で、無料アップデートに含まれるのは前回の内容とされています。
確認不足でした。今回のNF紹介は前回の記事でシークレットとされてた部分ですね。早とちりしてしまい申し訳ない。