「Europa Universalis IV」開発日記2020年1月14日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は政府・海戦・陸戦のバランス取りとポルトガル・政府改革について。長いので前後編に分割しています。
開発日記
開発日記2020年1月14日分は、政府・海戦・陸戦のバランス取りとポルトガル・政府改革について。ゲームデザイナーのGroogy氏によるものです。
今回はあまりにも長いので、記事を前後編に分割してご紹介します。前編は政府のバランス取りについて。
- この開発日記ではチームが行ったさまざまな大きな変更を明確に説明し、システム的な部分だけでなく、なぜそれをやったのか、何を達成したいのかを説明する。いつもどおり数値は開発中のもので、バランスが変更される可能性がある。
政府
- 前回、私たちは現在のゲームの中心的な問題、特にテリトリー(Territory)からの腐敗度と貿易会社について述べた。私たちは壊れたものを修繕するのではなく、すべての最大ステート(Max State)補正を取り除くことにした。
- 私が進めてきたアイディアはプレイヤーのペースを落とし、プレイヤーが一定の意思決定をしなければならないが、これまでのシステムと同じく窮屈に感じないようにすることだ。ゲームの進行に合わせて、プレイヤーが統治のインフラを構築できるようにしたかった。
- そのため、最大ステート値のかわりに統治の効率性を表現するものを導入した。プロヴィンスの開発度は国家の統治機構に負荷をかける。これはForce Limitのように機能するソフトキャップとして機能し、国内のすべての開発度が集計される。
- しかし、プロヴィンスがステート、テリトリー、貿易会社のいずれに属するかで重み付けが変わる。ステートの開発度には100%分、貿易会社は50%分、テリトリーは25%分が適用される。これはプロヴィンスに裁判所(Courthouses)や役所(Town Hall)を建設することで大幅に引き下げることができる。
- 制限を超えると変動するペナルティがあり、100%を超えると以下のようになる。
- 安定度コスト補正+100%
- 攻撃的拡張(Aggressive Expansion)の影響+50%
- 関係改善-50%
- 統治効率(Administrative Efficiency)-5%
- 統治キャパシティ(Governing Capacity)は公国ランク・王国ランク・帝国ランクでそれぞれ100、300、500が基本値として付与される。これは統治技術、階級、政府改革によって大きく引き上げることができる。例えばCelestial Empireの改革は統治キャパシティを500増やす。
- 割合による補正もあり、固有の国家アイディアのほか、拡張アイディア、統治アイディアではそれぞれ20%、25%のボーナスがつく。
- ロシアの時代ボーナスのような特別なボーナスや裁判所や役所のボーナスを除いても、ゲーム終盤には開発度が3500くらいあっても問題ないはずだ。
テリトリーと貿易会社の自治度(autonomy)
この機能は先週追加されたため、UXがまだ追いついておらず、画像は完全に開発中のものだ。
- また、テリトリーの自治度は90%に、貿易会社は80%に引き下げた。私はテリトリーの最低自治度(Min Autonomy in Territories)をもう少し関連性のある興味深い機能にできないか考えている。
- 私たちが望むものは、どこに拡張するか、どこを征服するかのみならず、獲得した土地の開発をどのように組織化するかについても決断しなければならないようにすることだ。インドに進出する巨大国家グレートブリテンは、最大限の利益を引き出すために興味深い決断をしなければならない。
- 私たちは貿易会社に属するプロヴィンスを持つことにコストを追加したが、私たちはこうしたことについてもう少し取り組みたかった。
- 第一に、これが古い機能であり、Local Autonomyがゲームに追加されたときに、これに合わせて更新されなかったことだ。Local Autonomyを通じて適用される貿易会社のペナルティがあるということは、Local Autonomyが最後に乗数として適用され、プレイヤーは利益の20%しか得られないため、単に基礎的な建造物を建設するだけでは既存の貿易会社ペナルティを「相殺」できないということだ。
- しかし貿易会社は依然として交易力についてLocal Autonomyを無視する。またLocal Autonomy Capはテリトリーのものと同じ自治度補正で変動し、こうしたプロヴィンスにおける異教の問題を支援する。
- こうした変更やGolden CenturyでのGoods Producedに関する変更に合わせて、実際の経済的利益はゲーム中盤~終盤に跳ね上がるはずだ。
貿易会社
- 土地としての純粋な利益は別にしても、私たちはプレイヤーがそうした土地を手に入れるために大陸を渡る理由に対処したいと思った。どの大陸かにかかわらず、ゲーム内の全員が貿易会社を設立できるようにすることで、そうなるようにした。
- 旧世界のすべての交易ノードは貿易会社に適合するようになった。貿易システム自体は変更していないが、これは本質的にはグレートブリテンを植民地化している清がTrade Capitalをイギリス海峡ノードに移し、貿易会社を設立し、利益の最大化には不要なヨーロッパの交易品を無理やり供給させることができるということだ。
- 貿易会社設立の新ルールは以下のとおり。
- プロヴィンスの宗教は領有国とは異なる宗教グループのものでなければならない。
- プロヴィンスは国家とその従属国(進貢国を除く)のどちらからも海外とみなされていなければならない。
- プロヴィンスは神聖ローマ帝国の一部であってはならない。
20:00追記:上記のルールは質疑応答で変更される可能性があると明らかにされています。コメントにてお知らせいただきました。ありがとうございます。
- スタート時点でポルトガルは北アフリカに貿易会社を設立できるが、マムルーク朝はアラビアに貿易会社を設立できない。プレイヤーはこれを悪用するさまざまな方法を見つけるだろうが、新たなバランスとこの機能の精神に立てば、ルールをシンプルに保ち、狂ったことが起こるのを容認するほうがよいと考えている。
- 特にLocal Autonomyのために貿易会社が弱体化したため、貿易会社への投資(Trade Company Investments)も変更した。これによってROIがあまり悪くならないようにするため、全体的にこの部分を調整した。
- 1つのリージョンで複数のTier 3投資は行えなくなったため、そのひとつを賢く選ぶ必要がある。一方で、Tier 1、Tier 2の投資のコストはそれぞれ200、400に低下した。
- The Governance Categoryは強化され、人的資源(Manpower)/水兵(Sailor)は+50%→+100%となり、Tier 3では艦船コスト-2%に加えて海兵隊(Marine)の上限を+2%する。
- 他の投資にコスト以外の変更がない理由は、Local Autonomyによって影響を受けないからだ。
- 以上の変更によって多くの貿易会社が生まれるようになり、私たちはそのために名前を考える必要がある。名称についての私たちの考えでは、例えばヨーロッパの植民地国家はアラブ世界からアフリカ、インド、アジアへと広まったと仮定したときのその地域のアラビア語の用語からインスピレーションを得たものになる。
絶対主義
- よく指摘されるように、絶対主義は共和制に対する君主制の強さの源泉であり、私たちは絶対主義を弱体化させたり、そうするために機能のコアを変更したくない。
- これについての最大の問題は、反乱に関係するさまざまな機能を悪用して絶対主義を上げることについてだと認識している。自治度を低下させることが絶対主義をもたらすという考えは、地方に対してプレイヤーの統治を強化し、プレイヤーの統治を喜ばない人々に対して対処しなければならない機能とすることが意図されていた。
宣教師の維持コスト
- 宣教師の維持コストは以下のように変更された。
- 0.5 * dev^( 1 + local autonomy * 0.75)
コメント
おつかれさまです。
ただ質疑応答の中で、さっそく貿易会社の仕様を見直す話が持ち出されているみたいですね。
追記しました。ありがとうございます。
いやーまさかヨーロッパに勅許を作れる日がこんなに早く来るとは。。。
この調子で東西格差が是正されていって欲しいものです。
・テリトリーの自治度は90%に、貿易会社は80%に引き下げ
・貿易会社設立の新ルール
世界征服の障害が増えてる気が