「Crusader Kings III」開発日記#6が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は評議会・有力封臣・配偶者である評議員について。
概要
開発日記#6は、評議会・有力封臣・配偶者である評議員について。
評議会
CK2との共通点
- 評議会には宰相(chancellor)・家令(steward)・元帥(marshal)・密偵長(spymaster)・宮廷司祭(court chaplain)の5つの職があり、それぞれ特定のスキル(外交(diplomacy)・管理(stewardship)・軍事(martial)・陰謀(intrigue)・学識(learning))と関連する。
- すべての評議員はプレイヤーの封臣か廷臣のどちらかであり、プレイヤーは(ほぼ)好きなように選任・解任できる。
- それぞれの評議員の役職には適切なスキルと関連した異なる職務を割り当てることができ、自国を生き残らせ、繁栄させる役に立つ。理論上は。
CK2からの変更点
- 第一に、国家のスキルはなくなった。よほど悪くない限りは存在を忘れられがちだったためだ。特定のやりとりにおいてプレイヤーキャラクターのスキルに影響を及ぼすのではなく、評議員のスキルは評議員に割り当てた職務の効果に大きく影響を及ぼすようになった。(18:40追記:コメントをいただき表現を修正しました。ありがとうございます)
- 有能な家令は取るに足らない農民たちが稼ぐと同時にその手からコインを取り去るだけでなく、その間にポジティブなマイナーイベントが発生する確率が高い。同様に、下手な家令は仕事が遅いのみならず、積極的にしくじって家計をめちゃくちゃにする。
- こうしたことを少しばかり埋め合わせるため、プレイヤーは主君の評議員になっていると役職に応じて非常に小さなスキルボーナスを得るようになった。まったく不出来な評議員であっても、彼を助ける補助者が少なくとも数名はいる。
- さらに、評議員を変更しても職務はリセットされなくなった。家令に特定の伯爵領の開発度を上昇させるよう指示していた場合、やめるよう指示するまで家令はその職務を続け、家令が空位になった場合には中断する。特定の伯爵領に対する職務は、その伯爵領で職務の効果が出たときにのみ中止される。例えば時限的な職務(改宗など)が完了したときや、戦争でその伯爵領を失ったときだ。
- 各評議員が行える職務の中でもっとも興味深い、あるいは新しいものは以下のものだ。
- 宰相:称号の統合(Integrate Title):自領内で有効な称号のde jure driftを加速する。
- 家令:伯爵領の開発度の上昇(Increase Development in County):特定の伯爵領における建造物・所領(holding)の建設速度を上昇させ、同時に毎月の開発度上昇をブーストする。
- 元帥:伯爵領の支配度の上昇(Increase Control in County):特定の伯爵領における支配度を毎月上昇させる。
- 密偵長:秘密の発見(Find Secrets):プレイヤー自身の宮廷も含めて、特定の宮廷で秘密を探る。
- 宮廷司祭:伯爵領に対する請求権の捏造(Fabricate Claim on County):特定の伯爵領における請求権を獲得する機会を得る。
配偶者
- 最大の変更点の1つ目は結婚だ。この開発日記のタイトルから推測できるように、評議会には5つの役職の他にプレイヤーの第一の配偶者も加わる。史実でも配偶者はそうすることになっていない場合であっても、領国経営に不可欠な補助者であり、助言を与えることが多かった。
- 私たちは配偶者にもさまざまな評議員の職務を与えることでこれをモデル化し、こうした職務はそれぞれプレイヤーの仕事を肩代わりしてプレイヤーの能力値を直接ブーストする。デフォルトは汎用の「統治者の補助(assist ruler)」であり、これは単にすべてのスキルに一定の小さなブーストをかける。
- 特化した補助が必要なら、特定の能力値を直接高めることもできる。これは配偶者に大きな権限を与えるかわりに配偶者のスキルの大部分を自分に直接加算するものだ。
司教(bishop)
- 特定の宗教(カトリック以外については今後の開発日記で詳細を述べる)では宮廷司祭が司教に置き換えられる。宮廷司祭の場合は他の評議員と同じように振る舞うが、一部の宗教では彼ら解任するのが難しくなるかもしれない。
- 司教はリース(?leasing)と呼ばれる機能を使い(リースを使うのは司教に限らない)、プレイヤーの領国内のすべての寺院(temple holding)の徴募兵(levies)全部を管理し、またそこから得られるすべての税収を得る。さらにプレイヤーの司教はプレイヤーの封臣のすべての司教が生み出す税収と徴募兵を得る。
- 主君に忠実であれば、司教はどれほど満足しているかに比例して税収や軍を快くプレイヤーに引き渡す。忠実な司教はプレイヤーの経済と軍事にとって大きな恩恵がある。一方で、反抗的な司教は大きな問題となる。司教がプレイヤーに少しでも好意的でない場合、彼らは税収と軍を手元に残す。司教がプレイヤーを積極的に憎むような場合では、彼らはより敬虔な領主を据えるべく策動するかもしれない。
- 司教を解任して仲のいい友人に置き換えるのを防ぐものはなにか? これが異端(heresy)とよばれるものだ。合法的に司教を解任する手段については宗教についての開発日記をお待ちいただきたい。
有力封臣(powerful vassals)
- 最後は有力封臣について。これはCK2のDLC「Conclave」で知られている。有力封臣は領内で特に多くの徴募兵を持つ裕福な領主たちで、無視するのは命がけだ。プレイヤーの格が上がるほど多くの有力封臣を相手にしなければならず、最終的には全員を満足させるよりも冷遇する相手を選ぶことになる。
- 「Conclave」と同じく、有力封臣は常に評議員になることを期待している。それが満たされないと彼らからの評価に大きなペナルティがつく。
- 有力封臣が直接関係する非常に重要な機能のひとつが継承法の変更だ。CK2では領内のすべての封臣が承認する必要があったが、CK3ではそうした拒否権は有力封臣のみが持ち、彼らはそれをよくわかっている。
- 最後に、有力封臣は他のシステムとも関連がある。例えば選挙制の継承では彼らはより多くの投票を集めるだろうし、策略(Scheme)ではよりよい関与者となり、また彼らに対して懇親(Sway)の策略を使うのも難しい。最後に、派閥に入った不満足な有力封臣は非常に大きな懸念となる(派閥については後日)。
来週はキャラクター、ポートレート、特性について。
コメント
「また、特定の活動で~」のところ、CK2では評議会員のスキル値は1.State Skill(君主の能力+配偶者の能力の半分+評議会員の能力)への加算と2.評議会の仕事への影響がありましたけど、このうち1のStateSkillシステムは廃止、2は評議会員の能力が各々の仕事の結果に及ぼす影響がより極端なものになるよという感じですかね。CK2では単に仕事失敗で死亡したり怪我したりする確立が上がったり下がったりする感じでしたけど、CK3では有能な評議会員が有益な各種イベントを引き起こす一方、無能な評議会員は悪性のイベントを起こすと。
画像を間に挟めてしまってわかりにくかったですが、前段は前の文章からつながっているということですね。そう考えると確かにしっくり来ますね。
ありがとうございます。修正しました。
「また、特定の活動で~」の部分、要するにCK3はあらゆる場面で個人の能力にが重視され、それによって引き起こされる良い/悪い結果もCK2よりもっと極端で影響のあるものになるよという方向性の話でしょうかね。
State Skill(特定の場面で参照されていた君主+配偶者の能力の半分+評議会員の能力の値)が廃止ということで、それを参照するような要素も無くなるかあるいはもっと個人の能力にフォーカスしたものに置き換えるということでしょうし、評議会員の仕事はCK2では能力次第で単に成功/失敗の確率が増減するだけで結果も一つずつでしたけど、原文とスクショをみるともっと能力次第で色んな結果や良/悪のイベントを引き起こすようになると見えます。
”国王がフランス王に関するひどいジョークを思いつくたびに宰相が飛んできて彼の口にふたをするという絵面はどうも考えにくい”とか言ってますし、集団の総体よりもっと個々人にフォーカスしたゲームバランスにしたいのかと。
すいません下の投稿も私でした。しばらく表示されなかったので投稿し損ねたかと思ったら単に反映に時差があっただけみたいです…
すみません、なにかサイト側で不安定な動作になっているのかもしれませんね。大変失礼しました。
内容については上で書いたように修正しました。重ねてになりますがまことにありがとうございます。大変助かります。
2019/12/05追記:おそらくサイト側で設定しているキャッシュで反映が遅れていたのではないかと考えられます。
対応として、サイト側で残すキャッシュの保持時間を短くし、コメント欄の注意事項に反映に時間がかかることを追記しました。
新しい環境になってまだいろいろと手が回っておらずご不便をおかけしました。また、ご指摘いただき本当にありがとうございました。