「Victoria 3」開発日記#152が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は今後の計画について。1.9リリース後の開発日記です。
開発日記#150は変更ログと実績についての内容となっており、記事にして紹介していません。
開発日記#151は「Charters of Commerce」発売についての内容となっており、こちらの記事で取り上げています。
開発日記
開発日記#152は、今後の計画について。
- 今回は開発日記#141で最後に触れた今後の計画について。しかしその前に1.9と「Charters of Commerce」のリリースについて振り返る。1.9と「Charters of Commerce」はプレイヤー数、レビュー、販売実績においてすべての予想を遥かに上回り、2022年11月以来最高のアクティブプレイヤー数を記録し、Steamでの評価が「やや好評」になった。これはリリース以来フィードバックと建設的な批判に対応することで私たちが目指してきたものだ。
- ポジティブな反応の要因となったと思われるポイントは以下のとおり。
- 貿易の見直しは自律的な経済主体とプレイヤーのコントロールのバランスを保つことに成功し、以前の貿易システムのマイクロマネジメントを排除した。このコントロールの水準は今後の機能追加や再設計を行う際のガイドラインとして活用する予定だ。例えば民間施設の生産方式など。
- 頑健な貿易システムはAIのパフォーマンス向上にも寄与し、国家が資源に特化できるようになり、以前の自給自足中心の経済ループに存在した単調さを大幅に軽減した。
- 1.9とCoCの機能は相互に連携し補完し合うように設計され、それぞれ大幅に強化された。例えば独占の条項がなければ独占は国内限定の機能に留まり、経済的帝国主義のツールにはならなかっただろう。
- 私たちは現在の状況に非常に満足しているが、改善や拡張を行うべき点がまだたくさんある。今回も、軍事・歴史的没入感・外交・国内政治・その他について説明する。また、それぞれに以下のステータスをつけて現在の状況と今後の方向性を述べる。
- 完了したもの:私たちが現在よい状態にあると考えているもの。将来的に拡張したり改善したりする可能性がないわけではないが、私たちにとっての優先順位は高くなくなっている。前回既に完了としたものは、長くなりすぎるのを避けるためにリストから削除した。これまでに行われたことは過去の開発日記(#79・#89・#102・#124・#141)で見られる。
- アップデートしたもの:改善や変更を行ったが満足はしておらず、将来のアップデートでさらなる改良を加える予定のもの。
- アップデートしていないもの:現在リリースされているアップデートで私たちが計画した変更/改善が行われておらず、将来のアップデートで行う予定のもの。
- 新たなもの:前回のリストにはなかった、新たに追加された変更・改善の計画。
- 再考するもの:以前から計画されていた変更・改善で、これまでの更新からアプローチを再考したもの。これについては私たちの新たな計画を説明し、今後の更新でリストを適切に変更する。
- 最後に、この開発日記では計画されている無料アップデートに含まれる改善・変更・新機能についてのみ述べる。また、これは私たちがやろうとしていることを網羅したリストではなく、「完了したもの」であってもその後のバグ修正・バランス調整・UX改善を行わないという意味ではない。
- 軍事
- 完了したもの
- 戦線システムの調整と改善により、過剰な前線分割と部隊のテレポートをなくす。
- 適切な軍事通行権システムを追加し、戦線システムに残るその他の荒削りな部分の解決策を見出す。
- 新たなもの
- 将軍・提督をより意味のある存在とし、多数の司令官に関するマイクロマネジメントを減らす。
- アップデートしたもの
- 補給を軍事システムにおける重要な要素とし、戦争の勝敗を左右する要素として機能させる。
- 1.9では補給の重要性が大幅に向上したが、兵站に関する興味深いゲームプレイの追加や海軍との関連付けなどを行いたいと思っている。
- 海軍を世界的な戦力投射と沿岸の支配権確保のためにより重要なものにする。
- 封鎖の追加により海軍は全世界的な戦力投射においてより重要になったが、まだ多くの課題がある。
- 補給を軍事システムにおける重要な要素とし、戦争の勝敗を左右する要素として機能させる。
- アップデートしていないもの
- 個別の艦船を単なる人員の入れ物ではなく建造・沈没・修理があり得る軍用のハードウェアに変える。
- ゲーム序盤における列強間の総力戦を減らすための制限戦争システムの追加。
- 完了したもの
- 歴史的没入感
- 新たなもの
- アヘン戦争や南北戦争のような史実の紛争のシミュレーション方法を改善し、史実の展開に近づける。例えば、アヘン戦争では10万人のイギリス正規軍が北京を制圧するという展開が頻繁に起こるべきではない。
- アップデートしたもの
- ゲーム本体のジャーナル記事やイベントを、プレイヤーがそうしたものと関わることに意義があり、効果があるように感じられるようにする。
- これまでどおり1.9でも一部の古いジャーナル記事を更新し、今後のアップデートでも継続していく。
- さらなる国家・ステート・地域に特化したコンテンツを追加し、国家ごとの歴史的なフレーバーを強化する。
- これもいつものように、これはアップデートのたびに続けていくもので、重要な優先事項であるため、リストに残しておく。
- ゲーム本体のジャーナル記事やイベントを、プレイヤーがそうしたものと関わることに意義があり、効果があるように感じられるようにする。
- 新たなもの
- 外交
- 完了したもの
- 条約港システムを改善し、各国が貿易を利用して他国と協力したり、競争したり、搾取したりする方法を増やす。
- 戦争支持度システムを改善し、戦争目標を争うために必要なものをUX的にもっと明確にする。
- 新たなもの
- 単一の制御不能な戦争目標によって戦争が膠着状態になり得る戦争疲弊度システムを、戦争目標の制御と戦争の結果がより動的で興味深いものにする。
- アップデートしていないもの
- 外交的関心の宣言と維持を世界帝国建設においてより意味があり、挑戦的な要素にする。
- 外交戦の間に譲歩するしかないのではなく、講和交渉ができるようにする。
- 完了したもの
- 国内政治
- アップデートしたもの
- 国家の多様性を広げる法律の追加とゲームの新しい遊び方の導入。
- 1.9では「法律の変種」という概念を導入して法律の国家独自の変種を作ったが、これを活用して国家の政治システムに独自性とフレーバーがあるものにしていこうと計画している。
- 国家の多様性を広げる法律の追加とゲームの新しい遊び方の導入。
- アップデートしていないもの
- 正当性をより興味深いシステムにする。政府の強さはその成功と失敗に左右され、正当性の高い政府は望むままに追放できず、まず弱体化させなければならない。
- 国家の誇り(national pride)という概念を導入する。これは国家の行動次第で増減し、正当性に直結する。
- アップデートしたもの
- その他
- 完了したもの
- 大規模な経済において貿易システムをあまりにも触りすぎることに対処する方法を見つける。おそらく自律的投資システムと同様に、法律に基づいて自律的貿易を行うようにすることになる。
- 企業を実際の行動主体として施設を所有・拡張し、キャラクターや政治と関わるようにする。
- 完了したもの
- いつものように、こうしたアップデートがいつ行われるかについて具体的な約束はできないが、今年後半にリリースされる次の3つのアップデート(1.10、1.11、1.12)は1.9よりも規模が小さく、バグ修正、プレイしやすさの改善、ゲームの全体的な改善を行うものになる。
次回は8月上旬で、1.10とイマージョンパック「National Awakening」について。
次回:開発日記#153
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