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「Victoria 3」開発日記#133――インドのカースト制度と社会階層

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#133が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はインドのカースト制度と社会階層について。1.8リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#131――Famines・Starvation・Harvest Conditions

開発日記#132は新DLC「Pivot of Empire」発表に関するもので、これについてはこちらの記事で取り上げています。


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開発日記

開発日記#133は、インドのカースト制度と社会階層について。

  • ゲーム中でカースト制度はBritish Indian Caste Systemと表記されている。これはカーストに関するインド内外における現代の理解が植民地建設によるところが大きいためだ。植民地化の後にイギリスは国勢調査を実施し、カーストに一定の価値を与えようとした。この過程でカーストは成文化され、単純化された。カーストはヴァルナのみに基づくようになり、身分の変更は一切認められなくなった。イギリス人の理解として、このヴァルナはカーストの一部でもあるジャーティを無視していた。その結果、厳格な制度が社会的分断を深め、社会的流動性をほとんど失わせてしまった。この複雑な現実をゲーム内で捉えるため、多くの努力を行った。私たちはこの時代のヒンドゥー教徒のアイデンティティにおけるニュアンスや複雑さと、カースト制度の抑圧的で矛盾していて自己食人的な性質を捕らえたいと考えた。
  • もうひとつはインド独立運動についてだ。インド独立運動の指導者たちは当初、ほとんどが独立を要求しておらず、自分たちがより尊厳をもって統治できるなら大英帝国の支配に満足していたが、こうした努力が何度も失敗したとき、民衆は革命を起こすまでに急進化した。ゲームでは「Home Rule and the Indian Independence」に関するジャーナル記事を通じてこれを捉えている。しかし多くの派閥がどのジャーナル記事を完了できるかに影響を与える。
  • 最後にSikh Empireについて。指導者Ranjit Singhには後継者が多すぎ、彼が亡くなると、暴力的で時に滑稽な継承が次々と発生する。

  • British Indian Caste Systemは文化と宗教の受容の見直しに合わせてデザインされ、これを表現するためにSocial HierarchiesとSocial Classesのシステムを導入した。British Indian Caste SystemはSocial Hierarchiesであり、その効果を表すためにSocial Classesを使用する。

  • これまでPopはLower・Middle・Upperに分かれており、文化や国家ごとの階級を表現できていなかった。学者はMiddle、事務員はLowerにしか入れていなかった。Social Hierarchiesは職業の社会的階級が世界各地で異なるという点に対処するために導入され、これによってBritish Indian Caste Systemが実装できるようになった。上の画像はこれまでのLower・Middle・UpperのPopの分類だ。事務員・作業員・機械工・百姓・兵士・奴隷がLower、学者・公務員・聖職者・技術者・農民・士官・商店主がMiddle、貴族・資本家がUpperだ。

  • Popsはこれまでどおり職業によって分類されるが、Base Hierarchyでは職業がLower・Middle・Upper Classesに分類される。Base HierarchyのPopはこれまで同様の職業によってSocial Classが割り当てられる。すべてのPopはSocial Classを持ち、Social Classは階級に属する。Social ClassesはPopの種別・主要文化・宗教に基づいて定義され、その情報は社会パネルに表示される。Social HierarchiesはすべてのPopに影響するよう意図しており、法律グループに関連している。

  • こうしたことがBritish Indian Caste Systemにつながる。British Indian Caste SystemはBase Hierarchyと異なる形でPopの階級を分類する。British Indian Caste SystemはHinduで文化特性「South Asian Heritage」を持つすべてのPopを包含する。HinduでもSouth Asian Heritageのある文化でもないPopはデフォルトでBase Hierarchyの階級に属する。
  • British Indian Caste SystemはBritish East India CompanyとPrincely Statesに設定されている。そうでない場合は以下の基準で設定される。
    • イギリスの属国である。
    • 主要文化が文化特性「South Asian Heritage」を持つ。
    • 人口の50%超がHinduである。

  • 国家内でBritish Indian Caste Systemに属するPopが10%以下になるとCaste Systemは消滅し、Base Hierarchyに完全に置き換えられる。

  • Caste Systemと関連しているのはPower Structureの法律グループ「Caste Hegemony」だ。この法律グループはBritish Indian Caste System固有のものであるため、British Indian Caste Systemが有効な国家にのみ表示・適用される。法律グループ「Caste Hegemony」には「Caste System Enforced」「Caste System Codified」「Caste System Not Enforced」「Affirmative Action」の4つがあり、資格取得・Acceptance・教育アクセスを通じた社会的移動に影響する。

  • Caste Systemを持ってスタートする国家か、Popの基準によって導入された国家は、「Caste Not Enforced」を有効にする。

  • この法律グループの効果は主にCaste Systemに属するPopにのみ適用される。例えば上のスクリーンショットではCaste SystemのUpper StrataであるBrahminsの最低Acceptance値は80だが、この最低Acceptance値はCaste Systemに参加していないPopには適用されない。

  • この法律グループの他の法律はAcceptanceと資格取得を高め、Caste System内のPopに適用される。上の画像は法律「Caste System Codified」の効果だ。ここでは地主の政治力、官僚制のの人口コスト乗数、Acceptance、資格取得への効果がある。「Caste System Codified」ではカースト間で資格取得と階級の移動が制限される。

  • British East India Companyか、ジャーナル記事「Indian Uprising」を通じて建国したBritish Rajでプレイしている場合、「Caste System Enforced」か「Caste System Codified」を制定していなければ、「Caste System Codified」が有効になる。
  • British Indian Caste System、法律グループ「Caste Hegemony」、ジャーナル記事「Indian Uprising」の見直しは無料の1.8アップデートに含まれる。

次回:開発日記#134――インドの変更点

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コメント

  1. POPの身分制度も変更ができるなら
    日本の維新後の亜細亜合邦主義(同化政策)とかも将来的にできるんかしら。
    多文化主義とらないと満州人やモンゴル人同化できないのモヤモヤしてたんだよね
    自文化第一主義でありながら民族的には同化志向っていう維新後の思想も含めた日本DLC期待したい

    • そもそも次のパッチで同化のルールが変わる。今までは受容文化だけが同化できたが、次からは受容文化と差別が強い文化は同化せず、中くらいの差別度合いの文化だけが同化できるようになる。
      あと実装するかどうか検討中の要素として同化を同系統限定にするというのもあるらしく、この場合だと系統の違う満州やモンゴルは絶対に日本には同化できない。

    • 北アジアと同系統でないのが一番の問題
      これに限らず、完全に孤立した系統に分けてしまうのではなく、各民族ごとに距離があって、隣の民族は受容できるようにしてほしい

  2. そうそう、こういうのをvictoria3に求めてるんだ
    食糧システムとともに楽しみ

  3. イギリスとしてインドを農業国にしたいままならqualificationの敷居が高まるカーストを維持したままの方がいいってことかな
    イベントやらがあるはずだから100年そのままっていうのは無さそうだけど

  4. 固有階級構造の導入はおもしろい
    うまく機能してくれるといいなー
    明治維新や太平天国あたりのトリガーにも将来活かせそうでワクワクする

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