「Crusader Kings III」新DLC「Roads to Power」発売は9月24日!

「Crusader Kings III」開発日記#147――ゲームディレクターからの便り

CK3 開発日記

「Crusader Kings III」開発日記#147が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はフィードバックへの対応と今後の開発について。「Roads to Power」リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#146――それは咳から始まった


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開発日記

開発日記#147は、フィードバックへの対応と今後の開発について。

  • 今回はフィードバックへの対応、設計思想、私たちの仕事、「Roads to Power」に含まれるもの、今後の展開、5月8日リリース予定の1.12.5チェンジログについて。(注:1.12.5チェンジログは省略します)

フィードバックへの対応

  • 「Legends of the Dead」の機能に対するフィードバックを集めるため、私たちは最善を尽くしている。

疫病(Plagues)

  • 特に大規模な勢力では、疫病に関するイベントの多さが煩わしいと受け止められている。これについては5月8日のアップデートでバランス調整を行うことを検討している。イベントスパムの大部分は「施し」イベントにクールダウンが設定されていないことによるものだった。発生しやすいトリガーや大きなマイナス効果を持つイベントのクールダウン期間を大きく延ばすことで、よりよく感じられるようにすることに大いに役立つはずだ。
  • もうひとつはプレイヤーの関心のある地域の近くで起こった場合にのみ、プレイヤーがイベントに関与するようにすることだ。距離で制限すべきだという意見が多かったため、まさにそのようにした。自領地内か首都から一定の距離内(だいたいアイルランド1個分)で疫病が発生した場合にのみ、イベントが発生する。
  • これと並行して、疫病イベントの発生頻度を全体的に引き下げ、小規模・大規模・apocalypticの比率を小規模から大規模・apocalypticに移し、より影響の大きなコンテンツとした。これによって全体的に疫病は少なくなるが、発生した疫病はより重要なものとなる。また、疫病の頻度を下げた場合の実績のブロックを削除し、黒死病を除く疫病を完全に無効にするオプションも追加した。
  • 繰り返しフィードバックされるのがチャレンジの欠如だ。AIはプレイヤーより疫病への対処がずっと下手だと感じられることに同意する。AIは疫病を対処すべき脅威と扱うべきであり、性格によって左右されるべきでない。現在は多くの男爵領を持つ大きな伯爵領のほうが疫病に対する防御に長けているが、これは史実で起こったことと正反対であるため、建造物の疫病耐性を伯爵領規模から男爵領規模に変更した。これによって開発度を守るために自領地内に男爵領の少ない伯爵領を持つという別のプレイスタイルが奨励されるはずだ。

伝説

  • 今回のアップデートでは主に伝説マップモードを改善した。似たような色が混じり合う傾向があるせいでぱっとしないものになっているためだ。
  • 伝説についてのフィードバックへの対処は、意見が大きく異なるため難しい。実を言うと、伝説についての問題は機能自体というより開発日記などでの伝え方にあり、どのようなものであるかを十分明確にしていなかったと考えている。今後、私たちが作る機能の開発日記は解釈の幅を減らし、昔の開発日記のように機能をできるだけ詳しく書くようにする。「Roads to Power」の開発日記は詳細で巨大なものになり得る。

ゲームの改善

  • 私たちは常にさまざまな取り組みを行い、フィードバックを参照してゲームを改善しようとしている。例えば3週間ごとにあるバランス調整デーなどでこうしたことを行っている。現在、こうした時間は過去のコンテンツの改善や、威信などのリソース、Cultural Traditionsなどのゲームコンポーネントのバランス調整を行っている。今は「Royal Court」の宮廷イベントのアップデートに取り組んでいる。こうしたイベントは多くのプレイヤーから貧弱で些末なものと思われており、私たちはそうしたコンテンツの多くを入れ替えようとしている。

  • 威信についてはAIが威信をマイナスにしてしまい、宣戦布告ができなくなる原因も調べた。多くのCultural Traditionsが持つトレードオフは非常に小さく、プレイヤーが選択することはほとんどないため、設計思想を変更してより大きな強化とより重要で興味深いトレードオフを持つようにした。宮廷イベント、AIの威信、Cultural Traditionsのバランス調整はすべて「Roads to Power」と同時にリリース予定だ。

イベントの頻度

  • イベントの頻度は多くの場所で議論されており、イベントが「スパム的」と感じられていることがある。些末だったり悪い影響のあるイベントが多いと、プレイヤーはそれが起こるのを見たくなくなる。私たちが今ンテンツの「プール」を作成する際にとっている方法は、発生しやすいトリガーを持ち、多くの状況で起こりうるイベントを大量に用意することだ。これは常になにかを見られるようにするためのものだ。私たちはみなさんからのフィードバックにより、この設計思想を変更しようとしている。決断する前にさらなるフィードバックをお願いしたい。
  • 私たちが検討しているのはより長いクールダウン期間とプレイキャラクターによって特定のイベントを制限するシステムであり、以下のような効果がある。
    • 長所:同じイベントを見る頻度が減る。
    • 長所:キャラクターごとに汎用イベントが多様化する。
    • 長所:汎用イベントが減り、希少なイベントが目立つようになる。
    • 短所:一部のイベントプールでは時間がたつと発生するイベントコンテンツが減少する(これを長所と考えるプレイヤーもいるかもしれない)。
  • 一般私たちはイベントのクールダウン期間を5年か10年とすることが多い。これを長くすれば同じキャラクターで同じイベントを何度も見る可能性がかなり低くなる。キャラクターごとにランダムにイベントを有効にしたり無効にしたりするシステムを導入すれば、すべてのキャラクターが同じイベントを見ないようにすることもできる。もちろん、この2つの措置をすべてのイベントに導入するのはうまくいかないだろうが、あまりに頻発するイベントの問題を改善できるはずだ。

メッセージの設定

  • メッセージ、通知(右下のもの)、トースト(中央上のもの)はしばらくの間積み重なり、多くなりすぎるというスパムも取り上げられることが多い。「Roads to Power」と同時リリースのアップデートではメッセージ設定(Message Settings)を利用できるようになり、これを変更できるようになる。

  • 特定のことが起こったときに自動的にゲームを一時停止することもできるし、ポップアップの形でメッセージを表示するようにもできる。

無料の哲学

  • 拡張の開発では何を有料にし、何を無料にすべきかを何度も判断しなければならない。私たちはより多くの基本システムを無料にし始めたが、これはプレイヤーの体験を改善するためであり、ゲームを健全に保ち、Mod制作者がシステムを扱いやすいようにし、私たちがよりよい体験になる部分をアップデートできるようにするためだ。Mod制作者については、彼らの作品や創造性に感謝しているが、私たちは私たちのためにゲームを作ってくれる彼らに頼りたいわけではない。Modなしでゲームの機能が完成し、楽しめることが重要だ。
  • 私たちは無料と有料のものの比率を固定しようとしているわけではない。それはアップデートの内容によるが、私たちの時間は限られている。これが私たちの仕事のやり方を変えたくないということを強調したい理由だ。ゲームとコミュニティにとってあるものが無料であることは、分断を避け、ゲームをよい状態に保つために重要だと考えている。有料機能は継続的な開発資金を得るために存在するものであり、それ自体が目的ではない。とはいえ、「Roads to Power」は多くの無料システムがあるものの、「Legends of the Dead」よりは有料の機能が多いものとなるだろう。
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チャレンジングなゲーム

  • CK3は他のグランドストラテジーゲームとは異なり、ストーリーや動的に展開する物語に注力しているため、慣れれば難しいゲームではない。とはいえ、ゲームが簡単すぎたり、打ち勝つことがあまりにつまらないシステムだと、ストーリーの質に影響する。
  • 私たちはAIに常に最適な決断を下さないような没入感のあるプレイをさせたいので、全体的な難易度の変更には慎重だ。全体的にゲームを難しくすると、常にAIに影響が大きく、プレイヤーは容易に適応できる。AIにとってゲームを難しくすることなくプレイヤーにより多くの難題をもたらすため、特に変更しやすいシステムがある。例えばAIは遺伝ではなく威信のために結婚するため、遺伝する特性を強化することをより難しいものにすれば(これは検討はしているが、「Roads to Power」では行わない)AIに影響はない。私たちがなにかを変更するときは、AIにどのような影響を与えるかを考え、不用意にゲームの難易度を下げないようにしている。
  • 自分のリソースを最適化してライバルに勝つことについては、ゲーム中盤から終盤にAIの挑戦者がいなくなり、それなりの規模の勢力を作った後はこうした困難はなくなってしまう。盲目の4歳児を大人になるまで成長させるような、自分では制御できない特定の課題を克服することについても、教育や相続をかなり制御でき、相続が直系に限られるため、プレイヤーがこうした難題に取り組むことは多くない。この2つの困難はCK3をプレイするときのプレイヤーのファンタジーと結びついており、どちらも私たちが改善したいと思っているものだ。
  • 私たちは全体的なバランス調整を常に行っているが、時には以下のような範囲の広い決断をすることもある。

征服者

  • ゲームルールによって細かく制御された動的な挑戦者は、没入感があり、適切なフレーバーを持ちながらも、実質的にプレイヤーに対抗し得る。

  • 征服者はAIが非常に攻撃的なものに変わり、宣戦布告が早まり、同時に複数の戦争を開始でき、すべての資源を戦争のために投じる。

  • デフォルトで彼らは「征服者(Conqueror)」特性を持ち、強力なボーナスを得て大軍を配備し、領地を安定させる。ゲームルールでこれをオフにすることもできる。軍がよりよく戦ったり、戦闘で人為的に高い優位性を持つようにするようなボーナスは、不公平に感じ得るために避け、プレイヤーが有利になることが多い経済や勢力の安定性を強化している。

  • 真に不公平な挑戦をしたいなら、ゲームルールを「extreme」にすれば、征服者はさらに補正「scourge of god」を得る。これはマゾヒスティックであり、あまりお勧めできない!

  • デフォルトのゲームルールでは、世界の領主が征服者になる確率は極めて低い。その確率は特性、政府、利用可能な開戦事由などに基づいてより適しているほど高くなる。世界の進行ペース決定システムにより、こうしたキャラクターが世界に多くなりすぎないようにし、地域の勢力図が大きく変動することが予想される地域に出現することがほとんどだ。既に強力な領主にチャンスを与えたい場合もゲームルールで制御できる。
  • 戦争で何度も敗北したり、威信をすべて失った場合、彼らは征服者ではなくなり、すべてのボーナスを失う。デフォルトでは征服者であることは継承されるが、AIがCautiousの場合は征服者ではなくなる。
  • この機能は大きな勢力を築いたゲーム中盤以降の退屈感を軽減するもので、「Roads To Power」と同時リリースのアップデートで実装される予定だ。
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新たな運命の選択

  • プレイヤーキャラが死亡したとき、プレイヤーは注意深く選ばれた同じ家系のキャラクター3名のうち一人に切り替える機会を得る。この人選は「interest score」という主観的なものに基づいて行われる。これについて、特性やスキルの組み合わせなど、みなさんが面白いと思うものを自由に提案していただきたい。珍しい特性を持っていたり、家系でただひとり特定の信仰を持っているなどの特殊な状況にあるキャラクターは高得点になり、非常に裕福ならウェイトは小さくなる(単に困難を簡単なものにしてしまうだけで面白くないためだ)。

  • この機能の要点はプレイヤーに向けて難題に取り組む機会をもたらすことだ。プレイヤーには遠く離れた地で異教の伯爵を務める、とても興味深い片目でアルビノのおじがいるかもしれない。プレイヤーはゲームの進路を変え、この非常に稀な状況を経験する機会を得る。ブックマークからゲームを始めるときには存在しない状況だ。今やっていることが達成され、「終わった」と感じたら、同じセッション内でこれを「ニューゲーム+」として扱うことができる。
  • 今のところ、この切り替えに関するボーナスはなく、あるべきかどうかについても迷っている。難易度に応じて小規模な名声ボーナスを加えることを考えているが、これについてのフィードバックを歓迎する。

「Road to Power​」について

  • 冒険者としてどのようにプレイするかについて、私たちがどのように設計しているかを簡単に説明する。平均的な冒険者としてプレイするのはゼロからの成り上がりの体験であり、領主としてのプレイとはまったく異なる。プレイヤーは多くの旅をし、自分の地位を高めるために資源を蓄える。小さな領地を得るのは、ある王国を侵略することほど困難ではない。何世代にもわたって冒険者としてプレイすることも、望むなら間違いなく可能だ。以下では「Roads to Power」とそれに伴うアップデートのスクリーンショットをお見せしよう。

  • 第一に、「Roads to Power」と同時リリースのアップデートでは新たに1178年の2つのブックマークが追加される。そのうちのひとつはビザンツ帝国とその周辺に着目した「the Call of the Empire」だ。1178年はより態勢の整った状況で開始し、エジプトのサラディンやイングランドのプランタジネットなど、多くの新たな史実の人物や家系でプレイできるようになる。

  • 第二に、コンスタンティノープル内部の貴族の一族が利用できる機能「Estate」をお見せする。estateはマップ上のアクセス可能な場所(この場合はアテネ)と建物のアップグレードがある。mansionからWatchtower、Storehouse、Hay Barracksなどの建物、内部のアップグレード(右側のGranariesなど)まで、枝分かれしたアップグレードもあり、欲しいものを選ぶ必要がある。Estateは家長が管理する。

1.12.5チェンジログは省略します。


次回:開発日記#148――Administrative Government(その1)

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コメント

  1. おーええやんええやんck3のスタッフはプレイヤーのことわかってんなー

  2. 疫病多いな…と思ったらクールダウン期間無かったんかいw

  3. 1178年ってことはコムノネス朝三代目のマヌエル1世が死ぬ数年前か。
    ギリギリ、ビザンツがまだそれなりに強い頃だな。

  4. ck3の開発リソースほかシリーズと比べて豊富なんやろな

    • ゲーム本体の完成度が最初から高かったからそっちの修正とかにリソースを割く必要がないってだけで、特別優遇されてるわけでもないと思うけど…

    • CK3は他と違ってゲームバランスが大雑把でも大丈夫だからその分のリソースを回せるからね
      EU4hoi4だと軍事ユニットの数字一つ取っても大論争になるけどCK3だとよっぽどじゃない限り調整の必要ないし

  5. 遺伝強化を難しくするのはどうなんだろうな。婚姻でそういう選択を好むAIがあってもいいと思うが

  6. 優れた熱意と更新哲学を持ち、且つ反響に合わせて柔軟に対応してくれていることがよくわかる、Roads to Powerが楽しみだ

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