19~20世紀が舞台の国家シミュレーションゲーム「Victoria 3」を日本で遊ぶプレイ日記第6回。今回は1886~97年、ちょうど折り返し地点まで来た日本の状況と対英戦の結末から。
前回:日本編 第5回
1886年
現在の日本の概況
Vic3のプレイ期間のちょうど半分まで来たので、このあたりで現在の日本の状況をもう一度振り返っておきましょう。1886年の日本はこのとおり。開始時と比べて領土は北海道・サハリンに拡大し、およそ3000万人だった人口は4000万人ほどにまで増加。識字率は70%を突破し、GDPはおよそ3倍になっています。
政治については佐幕派の影響力はようやく24%台まで低下し、開始時には非主流派だった実業家が今では影響力第2位。知識人は強化を行っていますが、50年で3%程度の増加に留まっています。なお、知識人のリーダーは50年たった今でも緒方洪庵(75歳)のままです。
4000万になった人口は、生活水準が少し上がったこともあってか成長率が1%を超えています。失業者は一時40万人程度で安定していましたが、人口成長率が高まったことで再び増加傾向にあります。さらに建設局を増強しなければならないでしょう。
技術は前回述べたようにちょうど時代II技術がすべて終わったところ。
日本市場は商品の種類が大幅に増えました。現在は戦争中なので軍需品が高め。今後は重工業系の鋼鉄や発動機を伸ばしていきたいところです。
施設の状況はこのとおり。いまだに自給農地が相当多く残っています。人手は山ほどあるので、迅速に産業化を進めて高効率な経済を作りたいですが、財政がネックです。
建設局は17、すべて「鉄骨施設」で資材は+94/週。失業対策もあるので、早めにもっと増強したいところ。
財政は戦争中のため軍事支出が多いですが、直前に「比例課税」を制定して税収が増えていたのでほぼトントンの収支を保っています。
講和
3月、イギリスとの戦争は白紙講和が可能になりました。せっかく起こった戦争ですからどうせなら認識の強要も飲ませたいところですが、防衛戦争では認識の強要を飲ませるのに必要な条件を満たすのはおそらく不可能なので、白紙講和で手打ちとすることにします。
3月10日に平和条約を締結。無事に乗り切れてほっとしました。
低い生活水準への対応
戦争の間はほとんど軍備を整えるのに資材を使っていたため、国内経済に目が向いていませんでしたが、その間にサハリンと琉球諸島では多くのPOPの生活水準が低いままとなっています。
第4回でもサハリンの生活水準について取り上げたことがありましたが、このときはコメントにて「サハリンに被差別POPが多いためではないか」とご指摘いただき、その後移住で被差別POP(ここではアイヌ・シベリア)の比率を下げていったものの、ここに来て再び生活水準が問題となりました。今回は差別よりおそらく単純に雇用が少ないことによる賃金の低さの問題と思われるため、施設を建て増すことで対応します。
技術研究
9月、戦争中だったために研究していた「後装砲」の研究が完了。続いて建設局の次の方式をアンロックする「鉄骨建築物」を研究します。その後は建設局の生産量を増やす「鉄筋コンクリート」、課税キャパシティを引き上げる「身分証明書」を取っていきます。
1887年
選挙
9月、選挙で佐幕派が立憲改進党に入り、結果として大勝。そこに実業家と知識人が合流するというよくわからない政権が誕生しました。イデオロギーが全然噛み合わないであろう組み合わせなので正当性が低いのが気になりますが、選挙の結果こうなったのは致し方ありません。
軍備増強
突然イギリスに戦争をふっかけられるという事態が発生したので、余裕のある政府財政を軍備に注ぎ込むことに。それでも課税レベル1段階分という軍事費の枠は守ります。
現在の軍備は単純な部隊数比較でおおむねエジプトと同程度か少し劣るくらい。しかし内実は陸軍の半分ほどが非正規軍で、まだまだ近代陸軍とは言えません。軍需産業の拡大も行う必要があるでしょう。
1888年
7月、「児童労働の制限」の制定に成功。実は戦争中に制定を始めていないことに気づかず時間を進めてしまっていたので、思ったより長くかかってしまいました。続いて「干渉主義」の制定を始めます。さまざまな法律の近代化が進んでいっています。
1890年
2月、「干渉主義」の制定に成功。経済関連の法律は「小作農」を除いてかなり進歩的な方向に変更が進んでいます。次は「商業化農業」を制定したいところですが、技術が研究されていないので、かわりに「富裕者投票」を制定します。「商業化農業」をアンロックする「投資信託」は「身分証明書」の後に研究します。
経済については、軍事技術「装甲艦」が技術の普及で獲得できたので、これまでの軍民の帆船を急速に汽船に置き換えており、これに合わせてその資材となる鉄鋼生産をどんどん増強しているところです。
1891年
識字率
「公共学校」制定以来、これまで教育制度はレベル3でやってきていたのですが、70%程度で識字率が伸び悩むようになっていたので、教育制度レベル5への引き上げをはかることにします。
現在の法律ではレベル4まで上げられるので、まず行政府を追加してレベル4にし、「小学校義務教育」を制定してレベル5に引き上げます。「小学校義務教育」の制定に反対する利益集団はいないようなので、問題なく行えるでしょう。
選挙
9月、選挙の結果、再び佐幕派・実業家・知識人の立憲改進党が政権を維持。しかし正当性が50を割り込むようになってしまいました。現在制定中の「富裕者投票」でなにか変化があるか、それともまだしばらくはこの噛み合いの悪い立憲改進党政権が続いてしまうのか……。
1892年
法律「商業化農業」を狙った技術「投資信託」の研究が終わり、あとは特にめぼしい技術もなくなったので、「累進課税」をアンロックする「社会主義」を取った後は状況に応じてよさそうな時代III技術を取得していくことにします。
1893年
2月、「富裕者投票」の制定に成功。続いて「商業化農業」を制定したいところですが、佐幕派が急進化してしまうので、その前に「小学校義務教育」を制定します。
1895年
1月、「小学校義務教育」制定に成功。ようやく「商業化農業」に取り掛かれます。
現在の佐幕派の影響力はおよそ22%。「小作農」の政治力+25%が外れることでとどめになってくれるか、それともまだもう少しかかるのか……。大政奉還には10年かかるので、20世紀に持ち越されることは確定しています。
1897年
10月、「商業化農業」の制定に成功。もう制定する法律もなくなってきましたが、差し当たってできるものの中から「人種隔離」を制定することにします。
これにより佐幕派の影響力は17%まで低下。これで佐幕派を政府外に出せば大政奉還の10年のカウントダウンが始まります。
1895年の選挙で立憲改進党から実業家が離脱して自由貿易党を結成していたため、佐幕派が属する立憲改進党を政府外に出しても自由貿易党単独で正当性50を維持できそうです。史実の大政奉還から40年遅れになりますが、1907年には行えることになるでしょう。
財政に負荷がかかりますが、消費税をやめて佐幕派の抑圧もしておくことにします。
大政奉還を担うであろう自由貿易党政権のトップが実業家の西郷隆盛というのは、なんだか運命のいたずらを感じさせます……。
今回は1886~97年、どうにか大政奉還を行う目処がつきました。それ以外にも日本には問題がありますが、それについてはまた次回。
次回:日本編 第7回
コメント
僻地で生活水準が低い理由は、雇用ではなく必需品が高価で買えていないという可能性もあります。
該当ステートの生活水準が低いPOPをチェックして、物品の支出額をチェックしてみるといいと思います。
ありがちなのは穀物や衣類などの必需品がそのステートで十分産出されておらず高価なことで、その場合は高価な品をそのステートで現地生産すれば改善するはずです。
確認してみたところ、衣類と石炭は市場価格も現地価格も高止まりという状況でした。ただサハリンや琉球諸島などで特異的に高いわけではなく全国的に高いので、必需品の価格が問題というより(もちろん価格を下げれば生活は改善するので並行して増産しますが)、やはり賃金の問題のように思われるのですよね。
とはいえ、生活水準が問題になった時は詳しくPOPの状況を確認するのが大事というのはおっしゃるとおりですね。
お疲れ様です。毎回楽しみに読ませていただいています。
市場見るとやはり軟材がキツイですね……
軟材のPOP需要は下層階級の日用品ですが、これは家具で高効率で代替できるので敢えてさらに木材を使って家具の増産をするのも手です。
もう一つの需要である暖房は石炭がより効率的に満たせます。
石炭需要は無限にあり鉱山は実業家の影響力も増やしてくれるので、経済発展を目的としないプレイでも、初めからもう少し建設力を増やして石炭鉱山を増やすべきだったかもしれません。
現地価格制度が導入されたことで、国全体の需給とステート単位の需給が必ずしも一致しなくなったというのもあるので、一応ステートの個別POPをチェックしたほうがいいと思います。
例えば国全体で軟材が高く穀物が安い場合でも、低生活水準が発生している個別のステート単位では軟材が安かったり穀物が高かったりすることもありますし。
軟材はこのあと輸入や建設局の方式変更で97年までには価格が落ち着きましたが、この間に下層階級が相当程度急進的になってしまったような感じもあり、もう少し早く手当てしておくべきだったかもしれません。
石炭についてはある程度早い段階で開発を始めてはいたものの、最初のうちは暖房需要での石炭消費が本当にわずかしかないので、産業用途が本格的にできるまでは後手に回ってしまいました。このあたりもなにかやりようがあるのかもしれませんが……。
極端な話、スクリーンショットでアヘンの需要が0であるように市場に物が無いと需要も生まれていかないようです。とりあえず必要以上に作っておくと需要が増えてくる印象があります。
サハリンと沖縄の低生活水準に対する特効薬としては弱いものの、市場アクセス分引かれるとしても暖房費が安くなれば他の必需品にお金を割きやすくなるので、私はとりあえず穀物と石炭と衣服を市場価格で安くしておけばある程度はなんとかなるように思えました。なんとかならない時も時折ありますが。
確かに供給量が増えるにしたがって需要も増えるということはあるようですし、とにかく供給量を増やすというのが大事なのかもしれませんね。
市場アクセスは初期で届く範囲で言うと基礎65%に証券取引所(10%)港(段階ごとに5%)鉄道(段階ごとに10%)なので
はやめに証券取引所技術取得と全土に貨物港と鉄道(これで100%)張り巡らせるのが長期的に見るといろんな意味で楽になります。
特に貨物港は初期から作れるわりには鎖国下日本だと意外と後回しになりがちですが、最近のVerだと市場アクセス+10%は意外と馬鹿にできないので、無理しても作っておいたほうがいいかも。
地方価格による弊害(特に雇用や急進派問題)はプレイ内容によりますけど、80-90年代ぐらいから顕著に表面化し始めますから長期投資としてやっておくといいと思いますよ。
すいません伝統主義の影響忘れていたうえ単純な計算間違えてますね…
現地価格のポップアップで見ていただければわかると思いますが、伝統主義ないと上記で95%ですね。
あとは飛行船(+5%)か港や鉄道の段階上げれば100%です。
市場アクセサリー補正があるのは港や鉄道じゃなくって大河のはずです。一度ご確認を。
市場アクセスは純粋にインフラ供給量と使用量の比率の問題だと思うので、書いていただいたのは市場アクセスの価格への影響についてだと思いますが、貨物港や鉄道の有無も市場アクセスの価格への影響に寄与するのでしょうか? ゲーム中ではそうした記載は見つけられないのですが……。
現在の市場アクセスの価格への影響は基礎値75%+「証券取引所」10%=85%で、確認した限りでは最後のほうの技術「飛行船」「マクロ経済学」でそれぞれ+5%されて95%まで上昇するようです。残り5%は返信コメントで書いていただいたように大河(ステート特性)で付与されるようなので、大河のないステートでは95%が最大なのかなと考えていますが、どうなのでしょう。
何かMODを入れているように思えますね。バニラだと港も鉄道も市場アクセスとは関係ないです。
顔も性格も似てない西郷隆盛(偽)で笑ったけど調べたら西郷隆盛(本物)の立ち絵もこれなのか…
何の絵を参考にしたんだろう?
容姿が設定されてないのでランダムで勝手に作成される
毎回楽しく読ませてもらっております
私の日本プレイだと、最初は江戸幕府で下地を作ったら、列強に防衛協定を貰って即佐幕派を激怒させて鎮圧、影響力を無理矢理削って大人しい間に佐幕派激怒案件をねじ込んで片してましたね
これだと、70年代(上手い人ならもっと早く)でボルネオ島やシャムは食えちゃうので、定番と化していました
一回は、幕府縛りで遊んでみるのも楽しそうですね・・・近代化は難しそうですけど
お読みいただきありがとうございます。
そのように積極的に動いていく方法もあるのですね。そうしたやり方はやったことがないので参考になります。
市場価格を見てて思いましたがやっぱ今回のverはどこの国でも食品加工の技術が完全に進むまで肉の需要がかなり低いですね
おかげで農業スローライフプレイがあまり捗らないのが悲しい
確かにおっしゃるように食品工場以外の需要が大きく増えていく印象はないですね。
穀物は人口増に合わせて着実に需要が増えるので、農業スローライフプレイならどうしても牧場より小麦畑や稲田がメインということになるのかもしれません。