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「Victoria 3」開発日記#80――1.3の法律と革命

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#80が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は1.3の法律と革命について。1.3リリース前の開発日記です。

前回:開発日記#79――1.2の後はなに?


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開発日記

開発日記#80は、1.3の法律と革命について。

  • 法律制定や法改正/革命のための政治運動に関する中核的な仕組みはうまく機能しているし、デザインのビジョンにも沿ったものだが、リリース以来多くの人々が気にしている以下のような問題がある。
    • 法律制定について過度なランダム性が感じられ、成功確率が5%しかなくても特に珍しいものでもない「クリティカルヒット」を期待したり、成功確率が80%のときに何度も失敗したりする。
    • 制定過程の初期に「出目が悪い」ことによって行き詰まり、制定をキャンセルしてやり直すことが繰り返されるリスク。
    • 革命が軌道に乗らないように法律制定の開始/中止を繰り返すことに関するエクスプロイト。
    • 革命を支持する利益集団を政府に入れてその要求を無視するだけで革命を無力化できること。
    • 政府内の利益集団は在野の利益集団より政治的主体性がない。
    • 革命の準備に特に味わいが感じられず、単純な進捗バーで魅力的でない。
    • 法律制定や革命に関するわかりにくいユーザー体験やツールチップ。
  • こうした問題に対して、私たちは機能追加や調整を大きく2つ、小さなものをいくつか行って解決しようとしている。

法律制定の変更

  • 法律が制定されるためには3つの段階を経る必要があるようになった。成功・前進・討論・失速の確率については変更はないが、成功した場合に直ちに法律が制定されるのではなく、次の段階に移行するようになった。3段階目で成功すると法律が制定される。さらなる期間が必要になるのを相殺するために制定周期を早めたが、これは法律制定にあたってさらなる紆余曲折があるということだ。

制定過程で発生するイベントは進捗UIで分類される。制定期間が過ぎると自動的にデフォルトの選択肢が選ばれるため、保留できるイベントはひとつだけだ。

  • これにより過度なランダム性の問題が解決され、進捗した実感があり、行った意思決定から得るものが増えた。初期のイベントで制定確率+5%を選ぶと、1回のロール+5%のボーナスがあるが、3つの段階それぞれに事実上+5%のボーナスがあることになり、より大きな効果がある。また、制定中にさまざまなイベントが発生する可能性もずっと高まった。

制定確率がゼロ未満になるとイベント「Legislative Failures」が自動的に発生し、「後退」と引き換えに白紙に戻すことができる。

多くの法律制定イベントは後退と引き換えにより否定的な結果を避ける選択肢が追加され、法律制定に賭けることができる。

  • 1.2の問題点として、ネガティブイベントに対応した後に制定確率が低下し、そうなるとポジティブなイベントが起こる確率も低下するので、制定をキャンセルしてクールダウン期間後に再挑戦するのが正しい行動ということになるが、これは非常に気分が悪い。1.3ではこのような状況から回復する後退(setbacks)の概念を導入した。制定過程ごとに2回まで後退でき、3回目が発生すると決定的な失敗が自動的に発生する。それまではイベントによって制定の進捗をリセットしたり、後退と引き換えに否定的な結果を肯定的な結果に変えたりできる。しかし停滞の結果としてプレイヤーの反応なしに後退が発生することもある。

キャンセル時の確認でその影響が表示される。伏せた分は来週の開発日記で述べる。

  • 1.3では制定をキャンセルしたときのクールダウン期間は2年になり、その法律を制定しようとする政治運動があるときに制定をキャンセルした場合はその運動の急進性が著しく上昇し、多くの場合で反乱につながる。これにより、運動が要求する法律の制定を開始して成功する前に中止し、革命に屈することなく運動を革命寸前に保つことと、最初の制定サイクルが終了する直前に制定を中止し、クールダウンとペナルティを回避するという2つのエクスプロイトを封じる。
  • 革命的な利益集団を政府に入れて政治運動から排除されるようにするのは設計どおりだ。「Victoria 3」での問題は、どの法律を制定するかは完全にプレイヤー次第なので、ある利益集団を政府に入れても実際に彼らが変化をもたらす力を持たないということだ。

政府への請願(Government Petitions)

請願は一般に新政府が発足して数か月で行われ、政府内のいずれの利益集団も彼らがもっとも支持する法律変更について請願を行うことができる。

このイベントでジャーナル記事が生成され、プレイヤーはこれを達成しようとしてもいいし、無視してもいい。希望する法律を制定すれば、その利益集団の承認と同時に長期にわたって正当性も高める。法律を制定させないか、請願している利益集団の権利を奪うと、彼らはプレイヤーに強く失望する。

  • これは一種の「政府の議題」を作成するもので、プレイヤーはそれを達成することで報酬を獲得し、無視すればペナルティがあり、プレイヤーが望ましいと思う政府の構成を作り上げる動機づけになる。

革命の時計(Revolution Clock​)

ゲーム序盤のアフガニスタンで奴隷制を禁止しようとしているが、地主は抗議のために政府を去り、債務奴隷制を維持するために革命を企てている。

新たな政治運動画面では、実際にどこから支持されているか、なぜ強力で急進的かについて概観できる。

同じ画面の「支持しているPop」タブでは運動に誰が支持と急進性をもたらしているかを確認できる。

  • 1.3では政治運動が革命的になると時計が動き出す。この時計が満タンになるたびに革命メーターが(通常は)増加し、それに伴って革命イベントが発生する。このイベントでは革命に対処するための選択肢が頻繁にもたらされ、1.3では全部で40の新イベントがあり、その多くは誰が革命を支持しているかや現在の法律などに基づいて発生する。

  • 「革命の時計」イベントは通常なら革命の進捗を上げ下げするが、そうでないものもあり、中には国家の政治バランスを混乱させるようなものもある。

  • また、革命発生時にどこで起こる可能性が高いのかを示すマップマーカーが追加されている。

来週はゲーム序盤から中盤の政治勢力間の対立を可能にするような新たな法律について。

次回:開発日記#81――1.3の新たな法律

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コメント

  1. 法案制定のプロセスといい、政府への請願といい、全体的にEU4味がありますね

    • 今までより丁寧に反政府POPあつかう必要が出そうだ

  2. 奴隷制国家は絶対内戦起こるんじゃ…今までキャンセル繰り返して何とか綱渡りしてたのに

    • そっちの方がリアリティはあるかもしれないけど面白いかと言ったら別な気がするよな…

    • 税金下げつつ生活水準上げて急進派減らすしかないじゃろな

  3. 革命がまず面白くないんだよな

    • 他のゲームでもそうだけど内戦自体が愉快なものじゃないし面白くするのは難しい気がする

      • 内戦はただのバッドイベントだから面白くならない

        • CKシリーズなら領地の整理とかのあれこれ考えると楽しいんだけどね……
          それ以外だとあとなんだろう。EU4の革命とかのちょっと特殊なプレイで狙うくらいかなあ

    • そりゃ革命起こるって言うのは為政者の失政が原因なんだから為政者(プレイヤー)にとって不愉快で当然

  4. なんで採決ガチャやらんといけないんだ
    別に2の支持集めたら成立でもよかったのに

    • Vic2の改革システムはプレイヤーの自由度低すぎたのが
      まあVic3も運ゲーとプレチが過ぎるのでこういう修正があるのだろうが

  5. 新たな法律、中央集権ー地方分権みたいな感じと予想

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