「Victoria 3」新DLC「Pivot of Empire」発売は、Steamの表記によれば日本時間21日18時の予定です。

「Hearts of Iron IV」開発日記2022年7月13日――スイス#2

HoI4 開発日記

「Hearts of Iron IV」開発日記2022年7月13日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はスイスの非史実ルートについて。「By Blood Alone」+1.12リリース前の開発日記です。

前回:開発日記2022年7月6日――イタリア#2


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開発日記

開発日記2022年7月13日分は、スイスの非史実ルートについて。

  • 1944年、プレイヤーはAlpine Confederationとしてフランスとの戦争の最中かもしれない。

  • すべては国家方針「Swiss Guiding Principles」から始まる。これはプレイヤーがゲームの残りの期間におけるBalance of Powerの全体的な方向性を宣言するイベントを発生させる。スイスはこのままカントンに権力を譲り渡すべきだろうか? それとも「従来どおり」を続けるには世界情勢は緊迫しすぎているだろうか? どちらを選んでもBoPがどちらかに傾くのは避けられないが、より容易にプレイヤーの行きたいところにたどり着く助けになることは間違いない。
  • 充分な期間だけカントンのbalance of powerを保つことで、プレイヤーは史実ルートの一部の国家方針を完了でき、民兵や徴兵可能人口にボーナスを獲得し、より大きな民兵の陸軍を編成できるようになる。プレイヤーは非史実ルートに向かいたいのだから時間をかける価値はないと思うかもしれないが、その理由は後ほどわかる。

  • 少し後には国家方針「Federal Police Intelligence Department」に進むことができ、これは占領されたステートにおけるレジスタンス値の管理にボーナスをもたらす一連の国家方針をアンロックする。さらに重要なのは戦争遂行能力をさらに向上させる軍事ルートをアンロックすることだ。このルートはファシストルートと共通だが、ファシストにならなくても利用できる。

  • その後は「Allied Gold」「GotthardBund」、そしてここが本当の分岐点となる「Press for Vorarlberg」に至る。力を誇示し、軍事力を増大させることで民主主義を守ろうとするスイスでは、Vorarlbergが自国の拡大の第一歩だ。この国家方針が完了すると、オーストリア(遅れればドイツ)にVorarlbergを要求する最後通牒を送る。

  • この後、プレイヤーはもうひとつの分かれ道に差し掛かる。完全に独裁的な方向に進み、アンシュルスの先取りをしてオーストリアの残りを併合するか、あるいはThe New Eidgenossenschaftを作ってもう少し民主的な方向に進むかだ。どちらもスイスを拡大できる。
  • 「Preempt Anschluss」ルートではアルプス山脈のすべてを中核ステートにでき、最終的にはthe Alpine Empireとなることができる。それでも物足りずに本当の挑戦をしたいなら、民主主義と平和の名のもとに独伊仏に戦いを挑むことができる。

  • 「The New Eidgenossenschaft」に進むと「Expand the Federation」でより文明的に征服を行える。これは未来のカントンである隣接ステートに民主主義を広め、その後で領有権を主張するディシジョンをアンロックする。現在の所有国が平和的にそのステートを割譲するかはプレイヤーの軍事力と、プレイヤーが相手国のどれほど多くのステートに影響力を持っているかによって決まる。

  • 両者が共有する軍事ルートについて述べておこう。「GotthardBund」のすぐ下にある国家方針「Switzerland on the Offense」は重宝するはずだ。これはスイスが正規軍を訓練し、テンプレートを編集できるようにする国家方針のひとつで、すべての民兵を正規軍に変える。完全に非史実ルートに進む前に民兵を強化することが有益なのはこういう理由だ。陸軍経験値を消費せずにアップグレードできるテンプレートの安価な部隊を訓練でき、さらにほとんどデメリットのない大きな人的資源プールを持ち、後でこうした部隊を正規歩兵にできる。
  • この国家方針は他の中立/非同盟諸国を自陣営に招待できる国家方針「The Neutral Entente」と相互排他で、両者の下の国家方針では軍隊をアップグレードし、スイスに本物の海軍を用意することもできる。

  • 「Expand the Confederation」の後に必要な軍事に関する国家方針を完了したら、「Empower the Council」に進み、Balance of Powerを参事会側に動かしてカントンと参事会の対立を取り除き、戦争協力度や政治力などを得る。参事会大統領をスイス政府の真の指導者とし、ボーナスを付与するときだ。
  • EidgenossenschaftとAnschlussのいずれかのルートで戦争を続けることもできるが、スイスの現状に不満を持っている男、Henri Guisanがいる。プレイヤーは彼をクーデターへと突き動かすことができ、彼は軍民ともに人気があるため、彼に対する抵抗は非常に限定的だ。彼は軍人なので、国家指導者・将軍としての軍事ボーナスで戦いを終わらせる。
  • あとはプレイヤー次第だ。他国に戦争を仕掛けることもできるし、戦争を終えた後に国家方針「Return to the Old Switzerland」を完了すれば、スイスを中立・民主主義にできる。

  • 他の非史実ルートに行く前に全体像をお見せしよう(開発中のものであり、変更される可能性がある)。

  • スイスには連合国を助ける選択肢もある。「Closer Democratic Ties」を完了した後、連合国として参戦する手段が3つある。
  • ひとつは「Join France」でスイスをフランスの傀儡国とし、その後はナポレオン時代の共和国の後継であるthe Second Helvetic Republicとなる。このルートの利点は国家方針「Alpine Aspirations」でアルプスのステートをいくつか中核ステートにできることで、戦後の講和交渉で便利だ。
  • 真ん中の国家方針「Join the Allies」はイギリスと同盟して連合国に加入する。比較してデメリットのない参戦方法だが、追加報酬はない。

  • 最後の「Secret Pact with the Allies」はツリーの別の場所にある「Buero Ha」ルートの一部の国家方針と、連合国の諜報活動を支援する以下の3つの国家方針を完了することで選択できる。「Support Allied Espionage」はスイスと秘密の同盟国に対して、諜報活動にボーナスをもたらす一時的な国民精神を付与するディシジョンをアンロックする。「Expand Spy Network」はスイスに諜報員スロットを追加し、諜報網拡大量が増加する。「Share Spy Network」はスイスと秘密の同盟国に対してイベントを発生させるディシジョンをアンロックし、こうした国家はスイス系ドイツ人、スイス系イタリア人、スイス系フランス人の諜報員のいずれを獲得するか選択できる。「Secret Pact with the Allies」では秘密の同盟国を支援するためのディシジョンがアンロックされ、指揮力・陸海空軍経験値と引き換えに自国の軍需・民需生産の一定割合を彼らに与える。
  • その後もアンロックする必要があるものがあり、最終的には「Jump into Action」を完了するタイミングを選ぶことでもっとも適切な時期に参戦できる。こうしたルートはすべて産業・軍事ルートを共有し、最後には「Weapons of Democracy」に至る。
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  • ファシストルートはスイスのファシズムが台頭して政府を乗っ取るのではなく、ヨーロッパにおけるファシズムの力の高まりを見てスイスが徐々に強制されて仕方なく参加するというシナリオだ。

  • ファシストルートの序盤にある国家方針は当時のスイスで実際に起こった出来事・政策・組織に基づいている。

  • ファシストルートはドイツに接近し、軍需産業を発展させることに注力する。「Abandon Neutrality」の後はRobert ToblerとRolf Henneのいずれかを指導者に選ぶ。

  • 彼らはどちらもThe National Frontの指導者でどちらもファシストだが、重要な点で異なっている。Rolf Henneはスイスのドイツへの加入を望んでいたが、Robert Toblerはスイスが独自のファシズムを持つことを望んでいた。

  • Toblerルートはスイスを集権化してナチスに加わるまで、ファシズムへの移行が緩やかで安定している。Henneルートは直ちにドイツの傀儡になれるが、Vorarlbergとオーストリア、運がよければフランスやイタリアのアルプスも含めて、ドイツに領土を求めることができる。
  • どちらも国家方針「Professionalize Militias」を利用できる。これは民兵を職業兵士に転換する国家方針のひとつであり、ヨーロッパを征服するのに非常に便利だ。さらに「Federal Police Intelligence Department」ルートと共有している軍事ルートがあり、一方では陸軍の機械化、もう一方では特殊部隊や航空機を改良し、最終的には「Mountaineer Paratroopers」に至る。これは山岳にボーナスがあるスイスの空挺兵だ。
  • Hearts of Ironの多くの国家では政党が変わると内戦が起こり、これはメインディッシュの前の前菜を食べられるので素晴らしいシステムだ。しかしスイスの場合はそうではなく、段階的・平和的に行われる。主な理由は以下。
    • スイスはほとんどが山や森で、ゆっくりとした過酷な戦争になる。
    • スイスは当時から要塞の建設や防衛力の強化に重点を置いていたため、多くのコンテンツが要塞の建設に重点を置いている。それによって戦争はさらに泥沼化する。
    • 面白い戦争にするには領土が小さすぎる。
  • こうした理由で、内戦による体制転換は行わないことにした。

質疑応答

Q:共産主義ルートはないの? なんで?

A:ある時点で小さな共産主義ルートに取り組んでいたが、意義深いものにする時間がないことに気づいて取りやめた。また、歴史的に正当化しにくいとも感じた。

Q:「La Resistance」を持っていないユーザーはどうなるの?

A:LaRを持っていなくても主なものはそのまま再現されるが、一部の国家方針(特に「Secret Ally」ルート)は表示されない可能性がある。このルートはLaRなしで面白いものにするには諜報活動に依存する部分が多すぎる。


来週はエチオピアの非史実ルートについて。

次回:開発日記2022年7月20日――エチオピア#2

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コメント

  1. 開発は内戦そのものは面白い要素だと考えてるんだな

  2. 内戦が面白い……? 認識がずいぶんプレイヤーと齟齬がありそうだな.ドイツくらい復興して強くなれるならともかく(日米の内戦を見ながら)

  3. 初見の内戦はまあまあ面白かったぞ
    2回目からはもうええわってなるけど

  4. 2と4の大人気mod、Kaiserreichで内戦や分断国家同士の局地戦争が頻繁することを考えると内戦が面白いと思う層はそれなりにいるんだとは思う

    ただ以前公開した統計からもわかるようにみんながみんなKaiserreichが好きな訳ではないし、Kaiserreichが好きな人も全員が内戦を楽しんでいるとは限らないのでね

  5. まあ39年まで戦争なしでディシジョンぽちぽちして政体変更するのが嫌いな層もいるはいるだろうなあ

    • ディシジョンポチポチ系MODといえばTNO
      国家によっては全く戦争しないというKRとは間逆な作り

  6. Kaiserreichは内戦そのものが楽しくなるようにしっかり作り込まれて、その後の復興期までしっかり取り入れてるから、
    とりあえず体制変更のために適当に内戦放り込んでるバニラとは訳が違う。日本とか内戦後のイベントとかないも同然だしドイツのどうぞチェコで包囲してくださいと言わんばかりの初期配置とか、イギリスのガバガバ自治領全併合とか何も考えてないからバニラは(マルチの対戦ゲーとしては別として)面白くない

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