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「Victoria 3」開発日記#41――革命

Vic3 開発日記

「Victoria 3」開発日記#41が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は革命について。本体発売前の開発日記です。

前回:開発日記#40――アヘン戦争


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開発日記

開発日記#41は、革命について。

  • Victoria 3における革命はゲームの経済・政治に関するコアループの失敗の結果と考えることができる。革命が起こるということは、プレイヤーはさまざまな層の自国民の物質的・思想的欲求のバランスをとることに失敗していることを意味し、その結果としてあるグループが自分たちの手で問題を解決しようとする。その結末がプレイヤーにとって非常に悪い方向に向かう可能性のある極めて激しい混乱だ。しかしうまく立ち回れば、この危機から以前よりも強くなって立ち直る機会もある。

共和制を回復する運動は支持者が大きな関心を寄せており、そのために命を捨てることさえ厭わないかもしれない。この運動は軍隊(Armed Forces)と知識人(Intelligentsia)の双方から支持されている。両者は通常ならあまり相性のよくない組み合わせだが、この場合は団結している。

  • 革命は常に、国家の法律になんらかの変更を要求する政治運動(Political Movement)から始まる。この要求はなにか新しいもの(普通選挙や労働安全衛生など)の制定かもしれないし、プレイヤーが変えようとしているものを維持すること(プレイヤーが廃止しようとしている君主制など)かもしれないし、かつて持っていたものを取り戻すこと(自由市場や反対意見の非合法化など)かもしれない。運動が十分に急進的でプレイヤーがその要求に応えることに失敗した場合、暴力的な蜂起が起こる可能性がある。
  • 政治運動には注目すべき2つのものがある。すなわち支持率(Support)と急進性(Radicalism)だ。運動の支持率はプレイヤーがその運動に賛同した場合に彼らが望む変革の実現にどれだけ協力してくれるか、プレイヤーが変えようとしている法律を維持しようとする運動の場合は彼らがどれほど抵抗するかに影響する。また、これは革命の際に彼らがどれほど強力であるかも決める。
  • 急進性は自分たちの思いどおりにならない場合に反乱を起こす可能性の高さを測るものだ。支持率と急進性が高い運動は当然ながら非常に危険だ。支持率は高いが急進性が低い運動は厄介だが比較的無害だ。支持率は低いが急進性が高い運動は短期的には自国に損害を与え、隣国に地政学的機会をもたらす可能性もある。

急進派を抑圧する命令(Decrees)を発令して反体制派に対処するのは、人口が集中している権威主義国や、反体制派が非常に局地的である場合に有効な手段となる。しかし広大な国家で広く支持されている大衆迎合運動では、そうするのははるかに難しい。

  • 運動の急進性は2つの源泉がある。すなわち運動を支持するPopの中の急進派(Radicals)の数と、憤激(Angry)するほど支持(Approval)の低い、運動を支持する利益集団(Interest Groups)の影響力(Clout)だ。利益集団の支持は自国の法律と、利益集団の支持者の体制派(Loyal)と急進派の状況から決まるため、急進的なPopは運動の急進性に対して2倍の影響を与える可能性がある。
  • この2つの要素の大きな違いは、Popが利益集団を通じて行動する場合はその影響が影響力(国内における政治力(Political Strength)の比率)となるのに対し、Popの直接の支援は数の多さで異なってくるという点だ。つまり、大衆迎合主義者の蜂起は影響を受けたPopが権力の中枢に実質的な代表を持っていなくても、彼らの生活状況について充分怒っているならあり得るということだ。(注:説明が迂遠でわかりにくいが、運動の急進性にはPopの急進派と利益集団という2つの源泉があり、利益集団があまり力を持っていない場合でもPopの急進派によって運動が反乱につながる可能性があるということか)
  • 運動の要求が満たされていない間、運動に参加しているPopは徐々に急進派になっていく。運動の急進性が一定以上になると、武装蜂起の組織化が始まる。この進捗はアウトライナーで確認でき、革命に向かう早さと既にどれほど進捗しているのかを見ることができる。
  • これはつまり革命の進捗にプレイヤーが直接影響を及ぼせるということだ。運動の要求に屈して彼らをなだめ、最終的に解散させることもできるし、生活環境を改善して非急進化させることもできるし、他の手段で彼らの反体制的なやり方を抑圧することもできる。

秘密警察法に基づく最小限の内務制度。

  • 運動の急進性を抑えることができれば、一歩も譲らずに革命を立ち消えにさせることができる。革命を抑えるもうひとつの方法として、内務制度(Home Affairs Institution)の確立がある。内務に官僚機構(Bureaucracy)を投入することで厄介ごとを抑制し、政治的な立ち回りの余裕が生まれる。
  • 他と同じく、こうした制度はどのような法律によって設けられるかによっていくつかの形態をとり得る。国家警備隊(National Guard)は法と秩序を守るためによりあからさまで積極的な手段を取ることをプレイヤーに要求し、一方で秘密警察(Secret Police)は秘密裏により効果的な活動を行える。

ドイツ南部の革命は古くからの宿敵が互いを弱体化させる絶好の機会となり、また悪名(Infamy)を得ることなく従属国を得られるかもしれない。

  • 急進的な運動は長期にわたって妨害を受けると、革命の熱意が燃え尽き、運動が解散する可能性が高まる。しかし政治運動をなだめたり妨害したりできずに革命の進捗が一定以上に高まったとき、一定数のステートが武装蜂起し、革命国家を建国する。このステート数は運動の強度に比例し、かつ大まかに運動の支持者がいるところに局限される。
  • 革命国家は自国と同じ技術を持つが、政治運動の指導者のイデオロギー的要求を反映して法律が異なっている。革命国家における利益集団は、彼らが革命を支持していなければ疎外されるが、革命を支持している場合は体制派となる。
  • 当然ながら、革命派の利益集団を支持するキャラクターは革命に参加する。これには利益集団の指導者だけでなく、大切に育ててきた将軍や提督も含まれる。たとえプレイヤーが彼らに勝利したとしても、彼らが生きて戻ってくることはない。
  • 革命国家の他のすべての資産は引き入れたステートによる。革命によって兵舎や兵器産業が奪われたら、プレイヤーにとっては重大な事態だ。また、元の国家にはこれまで結んできた外交協定や条約がすべて残されるが、革命国家はなにもないところから始めなければならない。
  • この後は革命に関する外交上の駆け引き(Diplomatic Play)があるが、賭けるものは単純だ。元の国家は革命を鎮圧しようとし、革命国家は元の国家に殺到する。その地域に関心(Interest)を持つ他国も、通常はこの外交上の駆け引きに参加できる。革命前にその国家と良好な関係にあった国家が秩序を回復するための支援を行うことはめずらしくない。また、革命国家の理想を支持する政府を持つ国家が革命国家を支持することもあり得る。このように、革命は自国が列強の思想的な戦場となる可能性さえある。
  • 革命国家に勝つ見通しが立たないときは、他の外交上の駆け引きと同じく諦めるという選択肢もあるが、革命における外交上の駆け引きではただ譲歩することはできず、革命国家が国を引き継ぐという選択肢しかない。大胆なプレイヤーは反対の多い法律制定を強行するためにわざと強力な革命を起こすかもしれないが、この戦略は間違いなく才気と狂気の狭間にある。
  • 革命には「白紙講和」の可能性がないことも重要だ。一方が他方を併合しない限り和平は成立しない。革命の終わりにはどちらか一方の国家だけが残る。
  • 戦争は高くつくが、内戦はさらに高くつく。最小の犠牲者で素早く決定的な勝利を得ることが、プレイヤーが望み得る最高の結果だ。戦争が終われば、権力闘争に敗れた利益集団は一時的に打ち負かされる。プレイヤーはこの「黄金時代」の間に必要な政治的変化をもたらし、灰の中から立ち上がる機会を得られるかもしれない。
  • 革命戦争に敗れるとプレイヤー国家はすべての領土とPopを失い、ゲームオーバーとなる。これは開発の際になかなか行ったり来たりを繰り返して進まなかった部分で、というのは革命によって国を大きく変えられるようにしたい一方で、抵抗することで戦争が長引いて国家が荒廃してしまうために、見通しが暗い場合は諦めることをプレイヤーに奨励したくなかったためだ。どちらにつくかは慎重に選ぼう。
  • 負けてしまった場合は他のゲームオーバーのときと同じく、自国を占領した勢力を含めた別の国家でプレイを続けることができる。しかし私たちはまだこのことについて完全には決めておらず、考え直すかもしれない。

質疑応答

Q:エリート層による単純なクーデターはないの?

A:利益集団が強力かつ不機嫌になってプレイヤーが革命を防ぐために彼らを取り込んだり、革命に屈服するなどはクーデターに近いが、クーデター「っぽさ」がなく、説得力のある固有のシステムを考える必要がある。つまり現時点では、クーデターは暗殺イベントなどを除いてゲームで表現されていない。

Q:HoI4のスペインのような複数の勢力がある革命はある?

A:今のところそうしたものはない。将来的には検討したいが、現時点では外交上の駆け引きに関する基本的なルールに抵触してしまう。

Q:ストライキはイベントでしか表現されないの?

Aゼネストはジャーナル記事で表現されるため、一回きりのイベントというより時間をかけて展開するスクリプト化されたミニシステムのように機能する。


来週は文化の分離について。

次回:開発日記#42――文化による分離独立

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コメント

  1. 革命戦争で敗れると即ゲームオーバーなのか…。「抵抗することで戦争が長引いて国家が荒廃してしまうために、~」とか言っているが、革命には成功したが騒乱で荒廃しきってしまった国家、最高じゃん。その後もプレイしてみてえよ

    • 一度更地にして造り直せるのいいよね…

    • 次の段落に「負けてしまった場合は他のゲームオーバーのときと同じく、自国を占領した勢力を含めた別の国家でプレイを続けることができる」とある

      • 考え直すかもしれないって言ってるし、続けたい側と逆側の勢力を選んでわざと負けるプレチができてしまうから慎重になってるんだと思う

    • ちゃんと読めばわかるけど、荒廃を避けるためにプレイヤーが即時降伏するのを防ぐための仕様だぞ
      つまり国土を荒廃させても革命に勝利せよということ

  2. 革命が国家分裂エンドになる事は絶対にないのか
    革命勃発当初は独立する気が無くても、戦闘の停滞や隣国の介入で結局国を割る事に繋がった革命は無かったのだろうか

    • そこはゲームなんだし、革命と分離独立は別のシステムとして扱ってるんでしょ
      ユーザーとしてはそこまでこだわる場所でもないと思うが

    • 丁度フォーラムの質疑応答にもある

      Q:革命における「白紙和平」の可能性は本当に無いの?

      A:
      思い返してみると、元々の理由は
      1)このようなものの歴史的な前例がほとんどない
      2)100年後に絶え間なく断片化したミクロネーションの「急進革命的反乱ザクセン」のような名前の国で埋め尽くされた地図は望まない

    • 蒋介石が台湾に追い出された後の中国とかそんな感じじゃないの?

      まぁでも、歴史的ifなら兎も角史実では珍しい例だし、ゲームシステム的にも調整が難しいだろうから、仕方ないと割り切るしかないでしょうね…

  3. 分離独立運動と革命は違うから、
    民族自決による分離独立は後日説明あるんじゃない?
    というか同一民族のイデオロギーの違いによる対立構造は中国にしろ朝鮮にしろ過去のドイツやベトナムにしろあくまで「休戦」であって、相互に独立を認め合うってケースはないよね

    • しかも全部WW2後の東西冷戦の産物で、Victoriaの時代のことじゃないしなあ
      Victoriaに革命による分裂を入れるのは時代的にもゲーム的にもそぐわないし、質疑応答で言ってる通り入れなくて正解だと思うわ

  4. 実際は独立する時点で民族としては別民族と自称するケースが多いしな
    それこそ民族って意外とあやふやでぶっちゃけ欧州見ると関西人や名古屋人レベルでも別民族って言おうとすれば言える。
    逆に勝手に独立されるとされる側は認められないしイデオロギーも違うとなれば侵ry

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