「Europa Universalis IV」開発日記2022年2月1日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回は1.33パッチの変更点とバグの修正について。1.33リリース前の開発日記です。
開発日記
開発日記2022年2月1日分は、1.33パッチの変更点とバグの修正について。
- 今回は1.33「フランス」パッチに向けて行った変更点、「スクリプトの負債」という新たな概念、バグ修正の業務フローについて。
バランスの変更
- 皆さんご存知のように、このパッチでは注目する地域を設定していない。これは地域ごとのミッションツリーを作成していないという意味だが、既存のコンテンツのバランス調整、プレイしやすさに関する変更、その他地域の微調整を行っている。
- 中国についてはフィードバックを受け、遊牧民でない中国の国家タグについて中国統一の退屈なプロセスを軽減した。そのひとつが中華帝国(the Celestial Empire)で解放されるすべてのConfucian Chinese(注:の国家)に対する政府改革の追加だ。
- 中国の解放された国家の大きな問題は自国の周囲に味方を作る傾向があることで、これが中国の統一を妨げていた。これを防ぐため、すべてのthe Chinese Kingdomsは他のConfucianの国家に対して-100の評価(Opinion)ペナルティを持つようにした。同時に、開戦事由「Unify China」も利用できるようにし、これによって大幅な強化を得る。
- 私たちはChineseのすべての国家に地域全体のコアを与える実験をしたが、結果としてひとつのプロヴィンスに8か国以上のコアが存在するというひどい状況になった。占領によってコアを獲得することで、中国の征服はより自然に感じられるようになった。
- 上の画像は毎晩のテスト結果の一部だ。自然発生的な清は残念ながらまだ発生していない。しかし、統一中国が実現しやすくなったのには満足している。
- たとえ予想外の手段で起こったとしても……。
- その他の変更点として、中華帝国のAIは中国に首都を置く国家を朝貢国にしないようにした。中華皇帝(the Celestial Emperor)がこのような形でブロックされると没入感が損なわれてしまうと感じるためだ。
- 朝鮮にも小規模な変更を行っている。
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- The Gyeongbok Palaceは技術コストを低下させなくなったが、かわりにこのような補正を持つ。
- 国家アイディア「The Hangeul Alphabet」は技術コスト-5%ではなく-10%となった。
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- 階級の特権(estate privilege)「Inwards Perfection」はこのようなメリット・デメリットを持つようになった。
- 朝鮮のAIは他国が自国のコア(注:プロヴィンス)を持っているのでなければ、外交官や行政官となる。これによってAIの朝鮮はコミュニティであまり好まれていなかったように満州に広がるのではなく、小さく強力なプレイをする。
- 階級の特権について、すべての特権はその階級が持つCrownlandに応じて補正が変動するが、その階級は特権によって「Seize Land」を適用されなくなる。この変更でプレイヤーはCrownlandを奪う相手をもう少し制御できるようになり、階級の特権ももう少し便利になる。
- また、階級の特権「Increased Levies」がわずかに強化され、Crownland100%の状態で25%→33%の人的資源(Manpower)増加補正を得る。
これは最終版ではなく、ベータ版のフィードバックを考慮して調整される。
- 「Leviathan」の機能「Expand Infrastructure」「Centralize State」についても触れておきたい。こうした機能の目標は小さく強力な国家プレイの強化だ。アイディアはよかったが、注目されるに値するだけのパンチがないと感じていた。
- 「Expand Infrastructure」の問題は統治コストとmanufactoryスロットの関係だ。manufactoryは一定のボーナスをもたらすため開発度の低いプロヴィンスでは有用だが、統治コストの増加はそのプロヴィンスを保持することがより高くつくようになることであり、これはプレイヤーがmanufactoryの存在する開発度3のプロヴィンスを保持することで達成できる利益のためにそれを無駄にしない理由となる。そのため、このボタンを使うのはrampartなどを建てるときであって、非常に限られた場合だ。そこで、「Expand Infrastructure」にコストに見合うだけの力を持たせることにした。
- 「Centralize State」は大きな問題がある。政府タブのより有用で広範囲な「Expand Administration」と競合している。「Centralize State」を利用しやすいものにするため、統治コストの一定量の低減ではなく一定割合の低減とし、上の画像にあるようにその他のボーナスも追加した。
- 1.33のその他のバランス変更は以下のとおりだ。
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- Winter Palaceの補正はロシアとピョートル大帝にふさわしいとは思えなかったので作り直した。レベル3では上の画像のような補正を持つ。
- TibetanはVietnameseやKoreanと同じく自文化を中国化し、Chinese文化グループに入ることができる。注意すべきは、残念ながらエンジンが動的な文化グループには古すぎるためにManchuの方法を使っているという点だ。
- Syncretic religionsは第二の宗教のモニュメントによるボーナスをもたらすようになった。例えばSunniをSyncretic religionsとして持つOiratはHagia Sophiaから恩恵を得られる。
- Feudal TheocraciesはAristocracyアイディアグループではなくDivineアイディアグループを使用する。
- Muslimの従属国はMuslimの宗主国がreligiousアイディアを持っている場合、「Guaranteed Dhimmi Autonomy」を使用しなくなった。1
- Roman Empireのアイディアは神聖ローマ帝国のアイディアと同等になるように強化された。
- Crownlandの売却には10%以上持っている必要がある。
- 植民地から得られる人的資源・水兵(Sailors)・陸海軍上限(Forcelimit)を25%引き下げた。
パッチの業務フロー
- 1.33の修正に取り組む際に、私たちは1.32.2パッチリリース後に報告されたバグや実装が間に合わずカットされたバグを優先した。コンテンツデザインチームでは上記のように特に東アジア地域について行いたいバランス変更を議論した。「Songhai」パッチはその前の「Majapahit」パッチよりはるかに問題が少なく、古いスクリプト関連の問題を修正する時間があった。
- これは「技術的負債」の概念にならって「スクリプトの負債」と呼んでいる。私たちは数週間、なんらかの理由で未解決の古い問題をすべて片付けることに注力し、古いバージョンから残っている問題をできるだけ減らそうとした。複雑なスクリプトの整理と簡略化も行い、これは今後のバージョンでも可能な限り続けていく予定だ(次のパッチでは新たなコンテンツを作ることに注力する)。
- 今回のパッチでは、約40の古いスクリプトの問題を解決した。バグ修正全体については画像をご紹介する。このパッチだけで少なくとも100のバグと問題が減少し、EU4のバグ数は過去10年間のどのグランドストラテジーゲームよりも少ない。
- 今後数か月は新コンテンツの開発とは別に技術的負債・スクリプトの負債・プレイしやすさの改善にも取り組む。こうした問題をBug Reportsサブフォーラムに投稿することでご協力いただきたい。バグ以外の改善提案があれば、私たちはSuggestionsサブフォーラムを注視している。
- 1.33パッチのリリース時期については、今夜オープンベータを公開する(注:記事公開時点で既に1.33オープンベータが公開されています)。2週間ほど公開し、テストが終わってオープンベータで出た問題をすべて解決できたと確認できた後に、第1四半期後半には正式なパッチをリリースする予定だ。Linux版には既に解決しようとしている問題があるため、Linux版ユーザーはオープンベータを利用しないようにしていただきたい。
コメント
>Muslimの従属国はMuslimの宗主国がreligiousアイディアを持っていない限り「Guaranteed Dhimmi Autonomy」を使用できない。
これは逆で、Muslimの宗主国がreligiousアイディアを持っているとMuslimの従属国は「Guaranteed Dhimmi Autonomy」を採用しなくなるという意味です。これまでは属国が必ず勝手に「Guaranteed Dhimmi Autonomy」を採用してしまうことで、属国内の改宗ができなくなるという問題があったことの修正です。
素で間違っていますね……。記事を修正しました。ありがとうございます。