「Crusader Kings III」新DLC「West Slavic Attire」発売は11月27日!

「Stellaris」開発日記#235――AIのフィードバックと今後の計画

Stellaris 開発日記

「Stellaris」の開発日記#235が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はAIについて。「Aquatics Species Pack」+3.2「ハーバート」リリース後の開発日記です。

前回:開発日記#234――Aquaticsは出た、今度はなに?


スポンサーリンク

開発日記

開発日記#235は、AIについて。

AIのフィードバック

  • 最初に、AIに関する直近の変更について協力的なフィードバックをいただいたことに感謝する。この変更に対する多くのみなさんの関与とどこに改善の余地があるか教えていただいたことは本当に励みになっている。私たちがAIの改良に真剣に取り組んでいることを多くの方が評価してくださっていることをうれしく思う。
  • 一般的に、3.1や3.0に比べて3.2ではAIは格段によくなった。当面は私たちはゲームのバランス調整やここ数か月、あるいは数年で追加された新機能にAIを適応させるために少しずつ追いついているところだ。しかし、さらなる経済の強化も予定している。
  • もちろん、AIに問題があったり、うまく動作しない領域もある。そうしたものについてはお知らせいただけるとありがたい。私たちだけではそうしたことすべてを見つけられないためだ。
  • 例えば、宇宙育ち(Void Dwellers)でプレイする際にはAIにはまだ問題がある。彼らは必要に応じてどこに軌道上居住地を建設するか決められない。鉱物が不足している場合、採掘ステーションにどうやって軌道上居住地を建設すればいいのかをわかっていない。奴隷やロボットの扱いにも問題があり、AIが経済的な死のスパイラルに陥ってしまうこともある。食糧や消費財を同時に使い果たしてしまった場合には特にそうだ。
  • 最後に、AIは惑星の開発構想を使うのも得意ではない。例えば、その惑星の工業区域を完全に合金生産に変えるような構想を使うのは、今のところAIが考慮できるものではない。つまり、プレイヤーが精錬惑星(Forge World)に設定した惑星を征服しても、その惑星をうまく扱えない。

今後の課題

  • 私たちにはまだ複数の課題がある。しかし、物事は常に変化する可能性があり、意図したとおりに行かないことがある。したがって以下のことは保証するものではない。以下は私たちが検討している分野であり、改良される可能性が高い部分だ。
    1. 経済計画の拡大:私たちはゲーム中盤以降、特に終盤でのAIを改良したいと思っている。現在の計画では要求される収入は静的だ。つまり、月収が+500に達するとそれ以上増やそうとはしない。ゲーム中盤まではこれでもいいが、ゲーム終盤でプレイヤーと競争するには不十分だ。そこで、経済計画の規模を無限大にするアイディアがある。500に達したら、目標を引き上げるべきだ。
    2. 特化した惑星:AIは惑星を特化できるようにすべきだ。発電惑星・産業惑星・精錬惑星・採掘惑星などを作る。考え方としては、AIはプレイヤーのように新たな惑星には必要なものをなんでも作るが、少し落ち着いてくると各惑星の生産量を最適化するために惑星間で区域を再配置するようになる。これについては既に初期テストを行っており、非常に有望な結果が得られている。

  • 今のところはハイブリッドな惑星もある。

  • しかし、しかし区域を再配置して発電惑星を作り、対応する建造物(この場合はエネルギーグリッド(Energy Grid))を配置することもできる。

  • この惑星は産業惑星に変わった。
    1. 特殊なPopの扱いの改善:AIにとっての大きな問題は多文化の惑星、特に奴隷やロボットなど、さまざまなPopがいる惑星だ。AIは失業中のロボットのために研究所を建設しようとするが、ロボットは研究職に就けないことを理解していない。
    2. 拡張の高速化:調査船を送って植民する惑星を探すとき、AIはプレイヤーがするように惑星のあるシステムを優先しない。惑星のある星系を優先するようにすることで、初期の成長が大幅に早まる。さらに、AIはコロニー船を建造する代わりにコルベットのアップグレードに合金を使いがちだった。小さな修正の積み重ねにより、AIはずっと早く拡大できるようになるはずだ。
    3. 機械帝国の快適性処理の最適化:機械帝国の大きな問題点は快適性を産出する専門家がいないことだ。そのため、機械帝国はメンテナンスドローンに頼るところが大きく、彼らのために多くの仕事を作っている。鉱物や合金を生産する前にこうした職業枠を埋めなければならないため、多くの可能性を無駄にしていた。私たちはAIを、充分な快適性がある場合はメンテナンス職の優先度を下げてドローンをより有用な仕事に分配するように変更することを検討している。
    4. 死のスパイラルを避ける:AIは食糧と消費財が同時に不足すると意思決定のデッドロックにはまることがある。消費財の職業枠には食糧が必要なので作れず、食糧の職業枠には消費財が必要なので作れないということだ。私たちはAIが純収入を考えるようにし、将来的にそのような意思決定のデッドロックを避けるようにしている。

AI同盟国の改良

  • 艦隊のUIにあるこのボタンを覚えているだろうか? これは「先駆けとなる(take point)」と呼ばれるもので、味方の艦隊が自国艦隊に追随することでより強力な戦力となることを狙ったものだ。

  • 私たちはこれを再び機能するようにしようと検討していた。同盟国は突如として再び役立つようになった。プレイヤーが戦争のリーダーであるときはいつでもこのモードを有効にでき、すべての同盟国はプレイヤー艦隊に自国艦隊を追随させる。また、危機の攻撃があった場合は危機の艦船が自国や同盟国の領域に侵入してきた時点で(あるいは彼らがどこかで攻撃した時点で)、この動作が有効化される。その後、危機が撃退されるまで有効であるため、同盟国を危機の領域に連れて行って危機を撃退することもできる。

  • ちょっとしたことだが、AIはプレイヤーの艦隊に追随させるために送ってきた小艦隊を統合するので、58個の1隻だけの艦隊の山がプレイヤーの主力部隊に追随することはない。

結論

  • 3.3のパッチはそれほど大きなものになる予定ではなかったが、AIについては多くの変化があった。全体的なアイディアはAIの経済に速度を取り戻させることだった。というのは、他のすべての行動は帝国の経済力に依存しているためだ。私たちはこのAIの振る舞いに非常に満足できる点に近づいている。
  • その後はさらに素晴らしいものに着手する予定だ。それぞれのAI帝国をもう少し個性的にすることを考えている。
    1. 経済計画に対するAIパーソナリティ:イデオロギーに基づいてAI帝国は資源の優先順位を変える。精神主義帝国は統合力を重視し、物質主義帝国は研究点などを重視する。
    2. 技術選択に対するAIパーソナリティ:技術ツリーから技術を選択する場合も同様だ。軍国主義帝国は兵器や新たな艦種などに重点を置き、平和主義帝国は経済や星系基地のアップグレードに重点を置く。
  • 私たちには帝国の個性をさらに際立たせるアイディアがあるが、これは今後の開発日記で述べる。

フォーラムの質問

  • 最後に、フォーラムでの投稿や質問を紹介したい。フォーラムではすべての質問に直接答えるわけではないが、みなさんの投稿はすべて読んでいる。これはみなさんの考えを知り、私たちがどこに注目すべきかを知る優れた手段だ。
    1. AIフィードバックの投稿には、たくさんのセーブデータが添付されていた。
      1. 私たちはそれらをすべてチェックし、指摘された問題の1/3は死のスパイラルの問題、1/3は軌道上居住地の問題、1/3は私たちの課題としていることを指摘するものだった。
      2. セーブデータをチェックして指摘された問題に対応するのはチームにとって大きな意味があった。時間を割いていただき感謝を申し上げたい。
    2. 前回の開発日記のスクリーンショットはどの難易度のものか?
      1. 私たちは常に「少尉(Ensign)」を使っている。重要なのは基本的なAIの動作を改良して難易度から得られるボーナスに頼らずに済むようにすることだ。
    3. AIは必要に応じてひとつの惑星を再開発できるか?
      1. いいえ。残念ながら今のところAIは再開発できない。まったく役に立たない惑星を征服したらAIはその惑星に対応できない。私たちはこの面でもAIを改良したいと考えており、特化惑星を作れるようにするだけでなく、惑星の再開発もできるようにしたいと思っている。
    4. AI経済計画の副次的計画は管理許容量も考慮すべき。
      1. 確かにそうすべきだが、統合力と帝国膨張量(empire sprawl)の仕組みを見直しているので、その作業の進捗を待ってからAIを対応させたい。

質疑応答

Q:AIは複数の「先駆けとなる」艦隊に追随できる?

A:できる。追随する艦隊の数に応じて艦隊戦力を分割する。最小の艦隊戦力は500程度なので、それ以下には分割されない。

Q:AIが優秀すぎて新規プレイヤーを獲得できなくなっちゃうんじゃない?

A:1つのゲームで複数のバージョンのAIをサポートできたら素晴らしいが、簡単ではない。可能性が高いのは難易度の設定を見直すことだ。AIが強くなりすぎることを恐れてバグ修正をやめるのはいい考えではないだろう。


次回:開発日記#236――よいお年を、いままで魚をありがとう

スポンサーリンク

コメント

  1. バージョンアップでAIは弱くなり続けてきた。タイル制の頃は元帥AIなんて本当に強かったが、今や元帥AIでも序盤から殴り殺せる。AI強化は大歓迎。

  2. 初心者=ゲーム下手じゃないしな
    パラドゲーやってみようとか思う人って初心者の時点でゲーム経験深そうだから底が浅いAIは逆に初心者取り逃がしそう

    • 一口に初心者って言っても、
      ・単にstellarisをやったことないだけ
      ・パラドゲー全般経験が浅い
      ・ストラテジーゲームそのものに馴染みがない
      ・簡単なゲームしか遊ばない
      ・そもそも電子ゲーム自体全然やったことがない
      と色々あるけど、下2つのタイプをパラドが手厚く対応する義務はないからねえ

  3. 異論はあることだが、やっぱタイル制やワープの多様性を無くしたのはよくなかったな
    内政面ではマイクロメネジメントが多くなったし、CPU負荷も大して軽減できていない
    ハイパーレーンだけになったことで帝国の技術的多様性を表現することができなくなったし、宇宙において国境を封鎖することの難しさを表現しにくくなった
    ver2以降はAIが新システムに対応できずに弱体化し、マイクロマネジメントが増加してプレイヤーもうんざりしている

  4. AI優秀すぎるならこれまでと逆のことすりゃいいだけだしな
    プレイヤー側に対するボーナスで難易度を操作するだけでいい

  5. AIが優秀すぎて困るわ~とか言えるようになってみたいよ

  6. そもそも作り手サイドが、このゲームの攻略法を見いだせていないので、強いCOMのアルゴリズムを設計しようがない、という面もあるのではないかな、どうかな。

  7. 投稿お疲れ様でした。

    パラドは「強いAI」よりも「良いAI」の方を求めているのだろうなとは思う(長い歴史の1ページを切り取ったような)のですが、強い・良い以前に基本的な安定性すら確保できていないのは困りますね。最低限、自分の足で立つことが出来てほしいのですけれども。

    • 「良いAI」の話はあくまでAIの強さを追求した結果プレイヤーへの嫌がらせになってはいけないという話であって、AIは賢くなくてもいいという話ではないからな……

      例えるならスポーツするなら上手くても性格悪い人よりあまり上手くなくても仲の良い友達とした方が楽しいけど、流石に100打席1安打みたいな奴とはいくら仲良くても野球する気にはなれん、って感じ

  8. 難易度少尉って弱いとかいうレベルじゃないもんなあ。
    時代に合わせた星系基地建てるだけで敵AIは一切攻略不可レベルになるし、
    平和共存しようとしても2450年でもAIは危機には1.0でも全く対処不可でプレイヤーが介入するまで一方的虐殺。
    本当に少尉だとプレイヤーの障害物以外の何物でもない

タイトルとURLをコピーしました