欧米進出を縛った1900年日本スタートで第一次世界大戦後まで生き残るプレイの第3回。今回は初めての車両設計から。
前回:日本縛りプレイ 第2回
前回の振り返り
前回はコンポーネントの設計を確定し、最初の工場建設を始め、ターンを送って車両設計を始める1900年12月まで進めました。今回は1900年12月の車両設計から。
車両設計
1900年11月に完成したコンポーネントを使って、最初のフェートンを設計します。
レポートからボディタイプの需要を見ると、アジアでもっとも人気があるのはセダンですが、セダンはフェートンよりも性能要求が高いので、最初はフェートンを作るのがよいでしょう。
セダンのほうが性能要求が高いというのは通常の車両性能の要求が高くて評価が上がりにくいというのもありますが、前回エンジン設計のときに触れたエンジンの滑らかさのペナルティの問題もあります。
車体デザイン
ボディタイプとコンポーネントを選択すると次に車体デザインを行いますが、基本的には既存のデザインから選択する(PREDESIGNED)ので充分です。もちろんこだわりがあれば自分で設計しても問題ありません。
車体デザインは車両性能にも影響しますが、評価が大きく違ってしまうというようなことはそうそうない(もちろんそういう場合もたまにありますが)ので、好きに選んでいいでしょう。今回はRRのシャーシなので、エンジンが後ろにありそうなデザインを選びました。
車体デザインの車両性能への影響は、基本的に大きな車体を選ぶと積載量などの評価が上がり、最高速度が下がる(その逆もまた然り)という関係にあります。ただし、ボディタイプと年代によって消費者が求める最高速度の最低水準が決まっており、それを下回るとバイヤー評価にペナルティが付くため、とにかく大きな車体にすればいいというものではありません。
車両性能の設計
最後に車両性能の設計を行います。
ここも基本的にはスライダーを20に設定しますが、「車両デザイン:デザイン」の一番下にターゲット層という項目があり、3つのプルダウンメニューを変更すると、画面下段の車両性能の「車種の重視(これは評価のウェイトとして機能します)」の星の数が変化します(所得階層のみ推定材料費も変化)。
ターゲット層の設定では一般的な傾向として、まず男性を選択すると基本的にはパフォーマンスの評価ウェイトが高まり、女性を選択すると燃費や積載のウェイトが上がります。年齢は25歳以下ならパフォーマンス、25-35歳では安全性や積載、35-55歳は再びパフォーマンス、55歳以上は安全性や高級感のウェイトがそれぞれ高まります。最後の所得階層は高くなるほど品質の評価ウェイトが上昇していきます(推定材料費も同様)。
ゲーム的には総合評価や車両タイプの評価がもっとも高くなるような組み合わせを探すのがいいのだと思いますが、それではあまりに味気ないので、ここは当時もっとも自動車に興味があって購入できたであろう25-35歳の裕福な男性に設定しておきます。
車両の材料費目標の考え方の例
ここで、車両の材料費目標に関して、ちょっとしたコツというか個人的なルールのようなものをご紹介します。
第1回冒頭で「車両は安く作る」という原則を掲げましたが、コンポーネントの設計の節ではただひたすらに安く作ろうとしても消費者からの評価が上がらないのでうまくいかないということも述べました。これは車両設計でも同様で、全スライダー20設定の車両ばかり作っていては競合他社との競争に負けてしまうので、適切にコストをかけて性能を高める必要があります。
以下でご紹介するのは、その性能向上にかけるコストの目安をどのように決めるかという考え方の一例です。
まず販売予定地域の平均年収(上の画像の「一人当たり」となっている部分)を確認します(執務室の地球儀からマップを確認できます)。今回は日本で販売する予定の車両なので、一番売れるであろう東京の平均年収を見ます。ここでは96ドルです。
次に、全スライダーが20のときの推定材料費を確認します。ここでは336ドル。この推定材料費の2倍の額(672ドル)を想定売価とし、この売価を上の平均年収と比較します。
ここで、事前にターゲット層の所得階層と平均年収に対する売価の倍率を対応させておきます。例えば以下のようなものです。
- 最下級:商用車(トラックやバンなど)に使用
- 下級:平均年収の1倍以下の売価
- 中の下:平均年収の2倍以下の売価
- 中流:平均年収の3倍以下の売価
- 中の上:平均年収の4倍以下の売価
- 上流:平均年収の5倍以下の売価
- 裕福:平均年収の5倍以上の売価
- 超裕福:超高級車(リムジンやランドレーなど)に使用
最後に、それぞれの所得階層がとり得る売価の最大値に想定売価が到達するまで、推定材料費をかけて車両の性能を強化します。
例えば平均年収が100ドル、車両の推定材料費が140ドルだとすると、想定売価は280ドルでターゲット層となる所得階層は「中流」ですが、「中流」は最大300ドルまで売価をとり得るので、想定売価が300ドルとなる推定材料費(すなわち150ドル)に達するまで車両性能を高める、ということです。
今回のフェートンは想定売価が平均年収の7倍なのでターゲット層の所得階層を「裕福」に設定し、追加の性能向上は行わないこととします。
このやり方は少なくとも世界恐慌前後まで問題なく機能すると感じていますが、それ以降は製造費や販売費の高騰で「想定売価が材料費の2倍」という仮定に無理が出てきます。そうした場合は想定売価をもっと引き上げるとか、そもそもこの考え方を放棄してまったく別の材料費設定方法を考えるといった対応が必要になるでしょう。
最後に「開発ペース」スライダーを調整して工場が完成する1902年2月に設計完了となるようにし、製造ボタンを押します。車両名はどのようにつけても問題ありませんが、個人的に車両名にボディタイプ(フェートンやセダンなど)が入っていると管理しやすいので、そのように名前を付けています。
これで1年目(1900年)に行うことはすべて終わりました。あとは工場建設と車両設計の完了を待つだけなので、一気に1902年2月までターンを送ります。
車両生産と支店建設
1902年2月になると工場建設と車両設計が完了します(運が悪いとどちらかが遅れることがありますが、ここでそうしたイベントを食らった場合はリロードしてしまったほうがいいかもしれません)。早速メガコントローラ(執務室の机の上の右側にある四角い箱)から東京工場で新規設計のフェートンを生産します。
しかしこれだけでは生産した車両を販売できないので、販売するための支店を建設しなければなりません。
支店は上の画像のように「ディーラーのリソース」スライダーを左端に、「販売リソース」スライダーを右端に設定し、今回は東京と大阪に建設します。支店建設は直ちに完了します。
「ディーラーのリソース」はディーラーの数をどれくらいのペースで増やしていくかというものですが、これは長期的に販売台数を大きく伸ばすものなので、資金に乏しい最序盤は無視してよいでしょう。逆に「販売リソース」は直ちに販売台数を引き上げるものであるため、最初からスライダーを最大にしておきます。もちろん余裕があれば支店を再設計して「ディーラーのリソース」スライダーも最大にしていきます。
最後に建設した支店から車両をいくらで販売するかを設定します。中段の「販売価格」の右の矢印ボタンで、その価格がその都市の消費者の所得と比べてどのような位置にあるか、バイヤー評価、予想販売台数という詳細な情報を閲覧できます。
これは東京でフェートンを購入しようとする消費者の所得と人数のグラフです。右端のわずかに見えている緑のバーが現在の売価(1000ドル)で顧客となり得る層で、つまり1000ドルではフェートンを購入しようとする顧客層全体に対して非常にわずかな割合にしか販売できないということがわかります。
下にスクロールすると車両のバイヤー評価の詳細を見ることができます。「低いスライダーペナルティ」や滑らかさペナルティの話でたびたび触れた消費者の評価(バイヤー評価)というのがこれです。長くなるので細かく説明はしませんが、さまざまな要素が積み上がってバイヤー評価を構成していることがわかります。
一番下には予想販売台数が表示されます。正直なところ、この予想販売台数は多くの場合で過大に表示されるため、あまりあてにはなりません。ただ、競合が販売する車両との相対的な関係を把握するのには役立ちます。
売価設定は予想販売台数があまりあてにならないので、差し当たって適当な価格を設定(ここでは1000ドル)し、1ターン送って実際にどれだけ売れたかを見て考えるのが手っ取り早い決め方です。
今回でようやく自動車メーカーとして製品を売る段階まで漕ぎ着けることができました。次回は車両の販売と次の車両設計から。
次回:日本縛りプレイ 第4回
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