「Hearts of Iron IV」開発日記2021年4月14日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はポーランドについて。1.11「バルバロッサ」リリース前の開発日記です。
前回:開発日記2021年4月7日――補給についての初期段階の情報と今後の1年
開発日記
開発日記2021年4月14日は、ポーランドについて。
- ポーランドは発売時に全員に配布された「United and Ready」という無料のDLCで追加されたため、この開発日記で紹介する内容はバルバロッサがリリースされれば誰でも無料で入手できるようにする予定だ。国家方針ツリーは1回の開発日記でカバーするには長いため、ツリーのDLC部分については次の開発日記で触れる。
- 非常に人気のある中小国(スペインと同じくらい、ギリシャよりも高い人気がある)であり、興味深い国家だ。しかし、ソ連とドイツに挟まれた非常に難しい位置にあり、恐れられてもいる。
- イグナツィ・モシチツキのポートレートと国家方針ツリーは新しいものになった。
- 工業に関する分岐から見ていこう。旧ツリーではいくつかの工場のために価値の低い研究ボーナスを大量に取らなければならなかった。そこで、多くの古い国家方針を拡張し、工場とボーナスを追加した。しかしこの工業に関する分岐は無料の工場を獲得するだけではなく、ポーランドは厳しいスケジュールの中にあり、国家を長く維持しようと思うなら時間をうまく使わなければならない。
- 産業に関する国家方針の多くは消費財や建設速度に一時的だが強力なボーナスをもたらすため、軍備建設のタイミングを見計らって最大限のボーナスを得よう。
- 1936年当時、数十年前まで3つの異なる国の一部だったポーランドの鉄道網は、異なるものから構成されていて接続されていなかった。これによって農産物流通網も混乱し、1937年の農民ストライキにつながった。
- ポーランドが物流網を接続して農業改革を行わない場合は農民ストライキに見舞われ、安定度・工業・民衆にダメージがある。厳しいスケジュールでもポーランドは地方をなだめて蜂起を遅らせることになるだろうが、改革が行われるまで農民たちは落ち着かないままだ。
- 改革を完全に実施できなければ大規模な反乱が発生する。
- もうひとつの問題はダンツィヒで、この都市は誰にも支配されず自由であると同時に公的にはポーランドの保護領であり、一部は国際連盟に運営される国際都市でもあった。そのため、ダンツィヒ/グダニスクを36年のマップ上の国家として表現するのは違和感があり、かわりに都市を非武装化してポーランドがダンツィヒの工場・資源・人的資源を利用できなくした。
- この都市でナチ党が権力を握ったときにポーランドの貿易を抑圧したため、ポーランドは「禁輸された経済(Embargoed Economy)」という貿易法でゲームを開始する。これはアメリカの「平穏なる孤立(Undisturbed Isolation)」に近いが、そこまで厳しくはない。これを取り除くにはグディニャを開発して新たな貿易港を持つか、征服によって新たな港を持つか、ダンツィヒを締め上げるかのいずれかを行わなければならない。
- ダンツィヒの支配を獲得しようとするとダンツィヒは抵抗を始め、ポーランドはディシジョンと通常のレジスタンス/迎合度システムを通じてその抵抗に対抗することになる。迎合度が充分高まればポーランドはナチ党を追放し、この都市の恒久的な支配を獲得できる。
- ダンツィヒの支配獲得に失敗すると、この都市は反乱を起こし、マップ上の国家となる。時間内にこの反乱を鎮圧できない場合、この都市は離脱してドイツのものとなる。
- グディニャかダンツィヒがポーランドの主要港になると海軍に関する分岐が利用できるようになり、造船所・工場・研究ボーナスを獲得できるようになる。
- 次は以前からある「次の戦争への準備(Prepare for the Next War)」の分岐だ。これはかなり拡張され、ソ連やドイツと戦うための軍備計画「東方計画(Plan East)」「西方計画(Plan West)」を利用できるようになった。
- 史実ではポーランドはソ連をより大きな脅威であると考え、侵攻のわずか2年前まで西方計画の準備を始めなかったが、プレイヤーは「次の戦争への準備」を完了した直後に一方の計画を開始し、国境沿いに要塞や建設ボーナスを獲得できる。
- しかし「西方計画」が完了するまで「東方計画」には着手できず、その逆もまたしかりだ。だが、完了してしまうとその分岐からそれ以上の国家方針をとることはできなくなる。
- ポーランドの史実の政治に関する分岐について。ポーランドには統一された安定政権がなく、国境に差し迫った脅威があるのと同時に(他の多くの権威主義政権と同じく)内紛や派閥主義に悩まされていた。
- 独裁政権はイグナツィ・モシチツキ率いる「the Castle」、リッツ=シミグウィ率いる「the Sanation Right」、Walery Sławek率いる「the Sanation Left」に分かれていた。
- the Sanationの各分岐は完了するとさまざまなボーナスが得られる国家方針があるが、プレイヤーは直ちにいずれかの派閥に与する必要はない。むしろ、3つの派閥それぞれの多くの政策で政府を形作ることができるが、政府の形成に長い時間を費やすと工業や軍備計画に使える時間が減る。
- 史実ルートのポーランドでは独裁政権を拘束する「4月憲法(the April Constitution)」も利用できる。最初は弱いが、Sanations Left/Rightとの協力によってこの憲法はポーランド政治に強力なボーナスをもたらすようになる。すべての権力が大統領に集約され、法律や内閣を簡単に変更できる。
- 2つの派閥は敵対するだけでなく、彼らの政策を実行して権限を与えることで譲歩することをモシチツキに期待している。左派の国家方針を完了するごとに右派は不満を募らせるし、その逆もまたしかりだ。さらに、どちらの派閥も時間経過で不満を募らせていくため、あまりに長くどちらにも与しないでいると内戦でどちらも失うリスクがある。
- 史実ではモシチツキが戦時中まで政権を維持し、その時点でリッツ=シミグウィが政権を握ることが合意されていたが、ポーランドはそこまで長く続かなかった。プレイヤーがポーランドの指導者にリッツ=シミグウィかSławekを指名すると、the Sanation Right/Leftがthe Castleに代わって政府の多数派を占めるようになる。これにより、史実ルートでも軽い非史実が発生し、ポーランドの新たな外交的選択肢が現れる。
- 独裁政権の3つの派閥すべてで利用できるのが「西側との同盟(Align With the West)」の分岐で、旧ツリーで行えたように連合国に参加できる。
- リトアニアは38年まで厳密にはポーランドと戦争状態にあった。ポーランドはリトアニアと協力関係を築いて最終的に同盟を結べるだけでなく、リトアニアの併合を要求して戦争をせずにリトアニアを占領できるかもしれない。しかしこれは枢軸国との戦線を広げることにもなるので注意が必要だ。
- 「ルーマニアの橋頭保戦略(Romanian Bridgehead Strategy)」は外交に関する分岐に移され、ポーランドはルーマニアを同盟国に引き入れることができるようになった。史実ではポーランドとルーマニア1は戦争前に同盟を結んでおり、この同盟をより緊密にしてルーマニアの大砲をポーランド戦線に持ち込める。
- The Sanation Rightは排他的に「ポーランドの報復主義(Polish Revanchism)」を利用でき、これは完全な分岐に拡張された。リトアニアの併合を要求できるほか、ポーランド・リトアニア共和国の復活やポーランド・チェコスロヴァキア連合を実現できる。
- the Sanation Leftは拡張された「バルト同盟(Baltic Alliance)」の分岐を利用でき、バルト諸国、チェコスロバキア、ルーマニアと同盟して、新たに拡張された「Between the Seas」の分岐を利用できるようになる。
- ポーランドがどのルートを進んでいても、陣営に属していない限りはインテルマリウムの野望を実現し、海から海までの同盟を形成できる。これに必要なのは、大国と認識されるか陣営の指導国になることと、大規模な陸軍を持つことだ。
- 以前の国家方針「Between Seas」は「海の間」というよりバルト海沿岸諸国の同盟というだけだったが、現在はルーマニアが最初に陣営に招致されるようになっている。その後、北はスカンディナヴィアととバルト海、南はバルカン半島へと広がっていく。しかしイタリアとの同盟はイタリアを枢軸国から引き離すためにどちらかの国の政策を大きく変える必要がある。
質疑応答
Q1:ダンツィヒがドイツのものになったらドイツの国家方針「ダンツィヒか戦争か」はどうなるの?
A1:ドイツにはそれでもポーランドと戦争する手段がある。
来週はDLCに含まれるポーランドの非史実の国家方針ツリーについて。
コメント
翻訳お疲れ様です
開発日記を分割する必要があるほど長大なNFとは
これは内容を把握するだけでも一苦労ですね
ポーランドか…やったらおもしろそうだけどPSがないもので..
忙しさが増しそうだなポーランド
イルミナティ・モチツキ
に見えた
これドイツプレイやとグディニャ辺りはドイツの中核州にならないってことかな