2019年8月13日、パラド社が2019年第2四半期レポートを公表していました。前年同期比で売上高は+30%、営業利益は+55%の大幅増収増益となったようです。
前四半期:2019年第1四半期
概要
2019年8月13日、パラド社はウェブサイトで2019年第2四半期レポートを公表しました。
以下では1スウェーデンクローナ=11.01円で換算し、千の位を四捨五入しています。
業績と財政状態
- 売上高:387.2百万クローナ(4,263百万円)←298.8百万クローナ(前年同期比+30%)
- 営業利益:154.2百万クローナ(1,698百万円)←99.4百万クローナ(前年同期比+55%)
- 当期純利益:154.0百万クローナ(1,695百万円)←99.5百万クローナ(前年同期比+55%)
毎年売上と利益が集中する第2四半期ですが、今年もしっかりと増収増益となったようです。ただ、利益は売上高が10%程度少なかった2018年第4四半期や25%程度少なかった2017年第2四半期と同水準にとどまっており、利益率が年々悪化しているのがわかります。損益計算書の推移を見ると、グラフにはありませんが2018年に入って以降は販売費と管理費が大きく伸びているので、プロモーションに力を入れると同時に会社の人員が増えたことが要因でしょう。
- 総資産:1,407百万クローナ(15,491百万円)
毎年第2四半期は配当金支払いで純資産の伸びが鈍りますが、これは今年も同様。負債を増加させて総資産が増えています。推移を見ると、2018年以降は人員増加に合わせて会社資産の急拡大も行われているのがわかります。
CEOコメント
第2四半期にリリースされたImperator: Romeについて、前四半期のコメントと同じく「メディアには受け入れられたが、プレイヤーの反応は予想よりよいものではなかった」というコメント。現在ベータ版として公開されているキケロアップデートについては「ポジティブな反応を得ている」としています。
第2四半期は他に既存タイトルのDLC6つがリリースされたようですが、特段のコメントはなし。6月のE3では新作タイトル「Empire of Sin」を発表。これはPCの他にコンシューマー機でも展開するとのこと。また8月には新タイトル「Age of Wonders: Planetfall」がリリースされて好評を得ており、「長期開発を楽しみにしている」とコメントしています。
株価と指標
パラド社の株価は8月9日の151.90クローナから急落して16日時点で129.40クローナ。実に15%も下落しています。直近では8月6日(日本時間では7日)に「Age of Wonders: Planetfall」がリリースされており、おそらく好評を得たことを材料に9日の151.90クローナまでの上昇となったのでしょうが、その後の急落は13日発表の今回の決算発表を受けた動きなのかどうなのか。謎です。
8月16日時点での時価総額(Market Cap)はYahoo! Financeによれば13,660百万クローナ(150,397百万円)。日本の上場企業で近いところでは、ホームセンターチェーンのDCMホールディングス(149,151百万円)、時計メーカーのシチズン時計(153,449百万円)など。また総資産(15,491百万円)で近いところでは漫画・アニメグッズ販売のまんだらけ(15,145百万円)、気象情報配信のウェザーニューズ(15,795百万円)など。
業績は堅調ですが、やはり直近の株価の大幅下落に目が行きます。「株価は業績に半年先行して動く」と言われることがありますが、新規タイトルが好評を得た後の妙な株価下落がなにによるものなのかちょっと気になるところ。やはりもっとよい決算が期待されていたということなのでしょうか。
確かに新規タイトル1本(しかも中核事業であるパラド社開発スタジオタイトル)にDLC6本というリリース数にしては、売上はともかく利益はあまり大きくないようにも感じられます。前四半期で前年同期比減収減益という決算だったのもありちょっと心配ですが、今年10月のPDXCON2019で発表されると言われているパラド社開発スタジオの新タイトルに期待しています。
次四半期:2019年第3四半期
コメント
結局、Imperator: Romeは期待した程度には売れたのだろうか?
すごい伸び率。