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MODを作ろう!HoI4編――「Japan Historical Improvement」の国家方針

HoI4 Mod

日本向け総合改変MOD「Japan Historical Improvement」の国家方針について、自分の考えの整理も兼ねて少し詳しくご紹介します。

「Japan Historical Improvement」についてはこちら。


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概要

前回のおおまかな内容紹介でも少しご紹介しましたが、「Japan Historical Improvement」では日本の国家方針をバニラから変更しています。この記事ではこの国家方針がどういうものかを詳しくご紹介します。

前回書いたように、本Modの日本の国家方針図は政治・満州・軍備という3つの大きなくくりがある点はバニラと同じです。国家方針の数としては、現状で最大で45個取得できますが、バニラではおおよそ50個強取得できるのでもう少し増やしたいところ。すべて70日の国家方針なので取り終えるまでに3,150日、おおよそ8年半ですから、45年までにはすべて取り切れる計算です。

政治ルート

バニラの統制派政治ルートをベースに、一部皇道派ルートから国家方針を持ってきて作成しています。全体で23個、相互排他が1か所で、最大取得可能個数は22個、最小取得可能個数も22個です。

バニラとの変更点

1つ目は2段目左側の「国策の基準」で、これはバニラでは「連絡会議」(おそらく大本営政府連絡会議から来ているものと思われます)ですが、あまりしっくり来ないため変更しています。ただ外交関連の国家方針ルートにあって民需工場増設の効果はあまりうまくないような気もしています。

2つ目は「三国間条約に調印」の右下につながっているドイツとの技術協力に関する国家方針2つの追加で、これはバニラの皇道派ルートから持ってきて調整したものです。おそらく国家方針数のバランスの問題なのだと思いますが、なぜバニラでも統制派ルートにドイツとの技術協力に関する国家方針がないのか不思議です。

バニラのものを流用している理由と問題点

バニラの内容を流用しているのはおおむねWW2期の日本の動向をフォローできていること、国家方針の改変作業が簡単に済むこと、調整なしでもゲームバランスが大きく壊れないことの3つが大きな理由です。特に国家方針のバランス調整はそれなりに長い期間を遊んでみる必要があるなど非常に面倒くさいのであまり気軽に変えたくないというのが本音ですが、いずれ本格的に手を入れるつもりでもあります。

一方で「Japan Historical Improvement」の内容としては、バニラの国家方針は盧溝橋事件(1937年)の前に大東亜共栄圏(1940年)や日独伊三国同盟(1940年)を持ってきているなど時系列が怪しい点、太平洋戦争に突入した後の国家方針の展開に乏しい点など、問題も多くあります。このあたりは今後の課題です。

満州ルート

バニラの国家方針に皇道派ルートの満洲国軍関連の国家方針を追加したものです。全体で9個で、すべて取得可能。

政治ルートと同じく、満州ルートもいずれ大きく手を加えることになると思います。工業開発関連と軍備関連でそれぞれ政治ルート・軍備ルートに吸収してしまっていいような気もしますが……。

軍備ルート

政治・満州ルートとは異なり、軍備ルートはほぼ完全に作り変えています。とはいえ、まったく新しく作ったというわけではなく、2017年にバージョン1.4向けに作成した国家方針を現在のバージョンに適合するように作り直したもの(にバニラの国家方針を一部加えたもの)です。全体で17個、相互排他が3か所で、最大取得可能個数は14個、最小取得可能個数は13個。

全体として左側が陸軍、右側が海軍に関する国家方針となっており、中央には陸海軍共通、あるいは陸海軍以外のものが配置されています。

「一号軍備」「マル3計画」の後

3段目左側の「地上絶対」と「航空優先」はWikipediaの「陸軍航空総監部」の記事中の一号軍備に関する記載から来ているものです。ここで「航空優先」を取ると、「空軍独立と航空省設置」に進む選択肢を得られる一方、「地上絶対」にはこうした選択肢がありません。

3段目右側の「航空主兵主義への転換」と「戦艦主兵主義の継続」も同様で、「航空優先」とともに「航空主兵主義への転換」を取ると「空軍独立と航空省設置」に進むことができますが、「戦艦主兵主義の継続」ではそうした選択肢がありません。

4段目中央の3つは3段目の選択の結果として選べるものが変わります。航空軍備を優先してきた場合は「空軍独立と航空省設置」に進むことができますが、この国家方針では航空隊に幅広いボーナスがつく国民精神を獲得できますが、短期的にはそれを上回るペナルティがつき、戦時中や戦争を間近に控えたタイミングでは取りにくくしています。

「海軍機関科問題」

2段目一番右の「海軍機関科問題」では同名のイベントが発生しますが、これも機関科問題を解決する選択肢は「空軍独立と航空省設置」のように短期的には海軍に大きなペナルティがある一方で長期的にはそれなりのボーナスがつくという構成となっています。機関科問題を解決しない場合は短期的なボーナスのみです。

本Modの軍備ルートでは、このように「恒久的な中程度のボーナスと短期の大きなペナルティ」と「短期的なボーナスのみ」という組み合わせを使うことで、必ずしも恒久的ボーナスが得られる選択肢しか選ばれないという状態にしないように気を使っています。戦争をしていたり戦争を間近に控えているなら、短期的なボーナスのほうが魅力的に感じられるようにしたつもりです。

問題点

「史実をうまく反映できていない」「バランス調整の甘さ」「単純な数の少なさ」の3点がおおまかな問題点と考えています。

1つ目の「史実をうまく反映できていない」というのは、例えば「空軍独立と航空省設置」について言えば、史実で空軍や航空省を作ろうという話が持ち上がったのは1936年のことですから、現在の国家方針の並びは明らかに史実よりも遅いことになります。ボーナスとペナルティを組み合わせてプレイヤーにとっての選択肢の魅力を時期によって変動させるというアイディアは個人的に気に入っていますが、史実をうまく表現できなければそれ以前の問題です。

2つ目の「バランス調整の甘さ」は3つ目の「単純な数の少なさ」とも関係しますが、作った時期が1.4の頃なのでバニラと比べると国家方針ひとつあたりのボーナスが重く、今回改めて実装するにあたってそのあたりを考慮したつもりですが、それでもまだボーナスが大きいような気がします。また、上記の「ボーナスとペナルティを組み合わせて……」ということをやるとバランス調整がめんどくさくなります。

3つ目の「単純な数の少なさ」は文字どおりで、最大で14個しか取れないので太平洋戦争前にはすべて取り終えることができてしまいます。ゲームが1945年くらいまで続くと考えると、単純に国家方針が足りていません。ロールプレイ的にもゲーム的にも物足りなさを感じます。


こうして詳しく見ていくと国家方針は課題山積という状況ですが、時間を取って改良していきたいところ。しかしながら「Imperator: Rome」や「Rule the Waves II」の発売が目前に迫っているので、取り組むのはもうしばらく後になりそうです。

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コメント

  1. 大東亜共栄圏をあとに回しても枢軸入りしないようにスペイン内戦で得る陣営拡張要求-200のようなことを得ればいかがでしょうか?

    • なるほど、スペインは内戦後に陣営に入りにくくなる国民精神を獲得するんですね。
      日本の国家方針でもどこかのタイミングでそういうのを入れるのはいいですね。ありがとうございます。

  2. 難癖みたいなツッコミで申し訳ないのですが、航空優先=空軍独立というのはどうなんでしょう。
    史実の日本は航空を優先しなかったから空軍が独立しなかった訳ではないし、当時の空軍独立が単純に航空にとっての進歩やパラダイムであったかと言うと、そうも言い切れない所があるからです。
    空軍独立論は確かに合理的な発想ですが、日本に置けるそれは純軍事理論としての合理化というより、もう少し低次元の政治的問題でした。
    史実を反映すると陸軍主導の独立空軍=戦略空軍、海軍主導=対艦攻撃機の重視となるのではないかなと。独立空軍論がポシャった原因は正にこの部分の対立ですから。

    • そういう点も含めて全般的に見直す予定でいますので、その際に参考にさせていただきます。
      そのあたりのことについては戦史叢書に記載があるというのは承知していますが、戦史叢書以外にもネットで閲覧できる資料がありましたら教えていただけますと幸いです。

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