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「Imperator: Rome」開発日記2018年11月5日

その他

「Imperator: Rome」開発日記2018年11月5日分が更新されていましたので、その内容をご紹介。今回はギリシャについて。

前回:開発日記2018年10月29日


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概要

開発日記2018年11月5日は、ギリシャについて。長いので大きく省略しています。

2018/12/26追記:省略していた部分を追記。

  • 紀元前334年、マケドニアのアレクサンドロスはヘレスポントスを渡り、アケメネス朝ペルシャに侵攻した。アレクサンドロスはペルシャ全体を征服し、まもなく西はギリシャ・エジプト、東はインダス川・フェルガナ盆地まで版図を広げた。
  • しかし紀元前323年、アレクサンドロスはバビロンにて、32歳にして突如世を去った。バビロンにいた将軍たちの討議の後、アレクサンドロスの後継者が成人することを見越して彼らの間で帝国の分割を進めた。直後から将軍たちは敵対し、紛争はアレクサンドロスの征服行よりも長く続いた。
  • 紀元前304年時点でもこの争いは依然として続いており、勢力としてはマケドニアのカッサンドロス、トラキアのリュシマコス、フリギアのアンティゴノス、エジプトのプトレマイオス、ペルシャのセレウコスが残っている。血筋によって帝国を継承できる者たちは既に亡く、そのために残っている将軍たちは王を自称した。

ギリシャの軍の伝統

  • ギリシャはイタリアの伝統でも可能な都市の略奪(Raid City)、国境の要塞化(Border Forts)のほか、騎兵斥候(Cavalry Skirmish)も可能になる。これは軽騎兵やラクダ騎兵の与えるダメージを増加させる一方で受けるダメージも増える、切り替え可能なユニットの能力だ。
  • ギリシャの伝統は、プレイヤーがなにを優先するかによって、歩兵に対するさまざまなボーナスと少量の騎兵・海軍に対するボーナスをもたらす。
  • 最初の伝統Modernized Phalanx:ファランクスが可能になる
    • セレウコス朝ルート
      • Agema:軽騎兵の規律+15%
      • Arms For Hire:傭兵雇用コスト補正-25%
      • Phoenician Sailors:艦船の攻撃力+15%
      • Companion Cavalry:騎兵斥候が可能になる
      • Kataphraktoi:重騎兵の規律+15%
      • Thyreophoroi:軽騎兵の士気+15%
      • The Hipparchos:騎兵の士気+15%
      • 完了ボーナス:Deep Coffers:傭兵維持費-25%
    • ギリシャルート
      • The Sarissa:重歩兵の士気+15%
      • The Tarentine Advance:軽騎兵の防御力+15%
      • Siege Craft:攻城能力+15%
      • Military Colonies:軍事植民地(?Military Colonies)が利用可能になる
      • Mine’s Bigger Than Yours:艦船の防御力+15%
      • City State Fortifications:要塞防御力+15%
      • Centuries of War:重歩兵維持費-25%
      • 完了ボーナス:The Silver Shields:重歩兵の規律+15%
    • アンティゴノス朝ルート
      • Veterans of the Great Campaign:ユニットの初期経験値+15%
      • Proud Shipwrights:艦船建造コスト-25%
      • The Nobility Ride:軽騎兵の攻撃力+15%
      • The Victor’s Spoils:都市の略奪が可能になる
      • Peltasts:軽歩兵の攻撃力+15%
      • Specialist Infantry:弓兵の規律+15%
      • Mastery of the Mountains:軽歩兵の山岳ボーナス+25%
      • 完了ボーナス:Combined Arms:軽歩兵の規律+15%

マップ

マケドニア・エピロス・トラキア

  • アレクサンドロスが亡くなったとき、マケドニアとギリシャ諸都市は最年長にしてもっとも熟練した将軍であるアンティパトロスに委ねられた。数年後、アンティパトロスは摂政とされ、帝国の後継者たち、すなわちアレクサンドロスの子、アレクサンドロス4世とピリッポス3世を任された。
  • アンティパトロスは紀元前319年にマケドニアの統治をポリュペルコンに移譲した。アンティパトロスの長男であり、アレクサンドロスの征服行にも参加したカッサンドロスは、これを自身の野望に対する脅威と捉え、アンティパトロスの敵と結んだ。カッサンドロスは最終的に力でギリシャとマケドニアを奪い取った。

  • 初期の国家は以下。
    • Macedon:アレクサンドロス大王の出身国家で、現在はアンティパトロス朝のカッサンドロスが統治している。近年ではアンティパトロス朝のもとで繁栄してきた。カッサンドロスは開始年の前にアレクサンドロスの最後の後継者の殺害を命じており、これはギリシャ諸都市ではすこぶる評判が悪かったが、他のディアドコイからはほとんど反対されなかった。
    • Epirus:より正確にはEpirote League(エピロス連合)だ。新たに選ばれた王であるアイアコス朝のピュロスによって統治されている。ピュロスはまだ若いが、やがて傭兵として名を挙げることとなる。彼は自分がアレクサンドロスの帝国の正統な請求権を持っていると考えていた。エピロスはどことも同盟を結んでいない状態で始まるが、拡張の機会は多くある。
    • Thrace:アレクサンドロス戦争を戦った熟練の将軍だが、これまでに触れた他の人物ほどの影響力はなかったリュシマコスの領地。トラキアはマケドニアと同盟してフリギアのアンティゴノス朝と対峙しているが、トラキアのわずかな軍事力は北部とトラキア内陸部の多くの部族から自国を守ることに費やされている。また、トラキアはOdrysiaを属国としている。
    • Odrysia:トラキアの部族王国で、リュシマコスの国の北に位置する。厳密に言えばリュシマコスの従属国だが、頻繁に反抗的な敵となった。トラキアの属国としてスタートする。
    • Taulantia:アレクサンドロス、アンティパトロス、カッサンドロスと戦った著名な王に統治されていた、エピロスの北の王国。カッサンドロスが彼と彼の母の殺害を望んだときに、彼らはピュロスに逃れた。同盟国がいない状態で始まる。
    • Cavi:イリュリアにおけるTaulantiaの属国である、小さな部族国家。
    • Paeonia:上マケドニアの部族王国。マケドニアのアルゲアス朝の分家により建国された。マケドニアの属国としてスタートする。

ギリシャ中部

  • ギリシャはアレクサンドロスの帝国の中心部から遠く離れているが、ディアドコイ戦争の中心地だった。ヘレニズム世界の王にとってはギリシャ諸都市が政治的中心だった。また、ギリシャ諸都市は大きな商業的利益を持ち、ディアドコイの軍を拡大する人的資源の源泉でもあった。
  • カッサンドロスのギリシャ戦略は各都市に駐屯部隊を置き、アテネやコリントスの大要塞のような要所を任せた。この戦略はギリシャ諸都市には非常に不人気だったが、この地域のさまざまな勢力に対する支配を安定させた。
  • ゲームスタート時点で、アンティゴノスの子でフリギアの共同王であるデメトリオスは中部ギリシャにあるマケドニアのハルキスの要塞に大軍を配置していた。彼はギリシャ諸都市の自由を約束し、多くの都市がマケドニアに対する忠誠を撤回してデメトリオスについた。カッサンドロスと彼の軍は素早く北に逃れ、デメトリオスはアテネとボイオーティアの支配を固めた。冬が近づいて積極的な敵対行為は休止したが、これが続くと考えるものはいない。

  • 初期の国家は以下。
    • Athens:ギリシャ世界でおそらくもっとも栄光ある都市。プラトンによって創設されたアカデメイアが存在し、カッサンドロスの統治の下、僭主ファレロンのデメトリオスによって統治されていた。スタート時にアテネはこの僭主から解放され、アンティゴノス朝の王デメトリオス・ポリオルケテスを全ギリシャの解放者として歓迎した。この関係は時間とともに悪化したが、スタート時点ではアテネはアンティゴノス朝に接近している。アテネは民主共和国でフリギアの従属国としてスタートする。
    • Thebes:かつてはボイオーティア連合の盟主だったThebesは、アレクサンドロス大王のギリシャ征服の際に破壊された。カッサンドロスはアレクサンドロス大王から距離を置くかのように、Thebes復興に相当な資金を投じ、マケドニアの忠実な同盟国とした。Thebesはマケドニアの従属国としてスタートする。
    • Boeotia:ボイオーティア連合(Boeotian League)を表現する国家。デメトリオス・ポリオルケテスがカルキスに上陸するとすぐにボイオーティア連合アンティゴノス朝フリギアに鞍替えした。フリギアの同盟国としてスタートする。
    • Aetolia:アエトリア同盟(league of Aetolia)を表現する小国。頻繁にアンティゴノス朝フリギアに接近している。スタート時にはデメトリオス・ポリオルケテスと同盟している。
    • Euboea:Euboean league(エウボイア連合?)を表現しており、都市ハルキスを除いてエウボイア島全土を支配している。フリギアの従属国としてスタートする。
    • Akarnania:ギリシャ西部のアカルナニア連合(the league of Akarnania)を表現した小さな国家。マケドニアとエピロスの国境に位置し、生き残るためにより強力な庇護者を頼る必要がある。マケドニアの従属国としてスタートする。
    • Megara:アテネとコリントスの間の小国。哲学・論理学のメガラ学派の本拠。デメトリオスがアテネを解放したときにフリギア側についた。フリギアの従属国としてスタートする。

ペロポネソス半島

  • 南部ギリシャの山がちな半島には多くの小さな都市国家がある。マケドニアの支配はまだ記憶に新しいが、先の戦争でアンティゴノス朝によってほぼ完全に解放された。この地域を任されたアンティゴノス朝の将軍であるポリュペルコンは、最近になってカッサンドロスのもとから逃れてきた。
  • ペロポネソス半島の都市はポリュペルコンが去った後も大部分が独立したままであり、部隊は駐屯していない。北からの半島の入口にあるコリントスとその大要塞アクロコリントスは依然としてカッサンドロスの手の中にある。

  • 初期の国家は以下。
    • Sparta:ペロポネソス半島で最大にしてもっとも誉れ高い国家がスパルタだ。この王国は絶頂期をとうに過ぎ、かなり以前からこの地域で指導的立場を果たしていない。それにもかかわらず、アレクサンドロスとカッサンドロスの統治下のマケドニアにおける外交政策の主目的はスパルタの封じ込めであり続けた。スパルタがTarentum救援のために王子クレオニュモスをイタリアに送るのはゲーム開始時からすぐのことだ。スパルタは開始時点で独立しており、Tarentumと同盟している。
    • Argos:史実でこの地域の指導的立場となっていた共和国であり、スパルタの覇権への対抗国。アルゴスは他の地域大国の興隆に対する対抗勢力となるべくマケドニアによって支援されている。アルゴスはマケドニアの従属国としてスタートする。
    • Megalopolis:Sparta北隣の小さな都市国家。60年前にテーベ人によって強固に要塞化され、ペロポネソス半島中部の都市を糾合したアルカディア同盟(Arcadian League)の中心となった。Azania、Mantinea、Stymphaliaと防衛連盟を組んだ状態でスタートする。
    • Azania:ペロポネソス半島の高地のさまざまな小都市、特にKleitorを表現した民主制共和国。Megalopolis、Mantinea、Stymphaliaと防衛連盟を組んだ状態でスタートする。
    • Stymphalia:コリントスに隣接する小さな都市国家でアルカディア同盟の参加国。Megalopolis、Mantinea、Azaniaと防衛連盟を組んだ状態でスタートする。
    • Mantinea:ペロポネソス半島中部の寡頭制共和国。Mantineaの要塞と戦略的位置により、ここは何度も歴史上の戦いの場となってきた。Megalopolis、Stymphalia、Azaniaと防衛連盟を組んだ状態でスタートする。
    • Troizen:Argolid Peninsula(アルゴリド半島)の先端にある小さな都市国家。マケドニアの従属国としてスタートする。
    • Epidauros:Asklepios cult(アスクレピオス教団)の中心地である小さな都市国家。マケドニアの従属国としてスタートする。
    • Aigion:今はもうないアカイア同盟の中心都市だったペロポネソス半島北部の都市国家。独立国としてスタートし、同盟関係はない。
    • Patrai:ペロポネソス半島北部の都市国家。開始年よりも後にこの地域の大半を覆うようになるアカイア同盟の設立時参加国。独立国としてスタートし、同盟関係はない。
    • Elis:ペロポネソス半島西部の都市国家。領内にOlympiaが存在し、したがって復興したオリンピックのホスト国となった。独立国としてスタートし、同盟関係はない。
    • Heraia:Olympiaよりさらに高地にある小さな都市国家。アルカディア同盟と隣接しているが、スタート時に同盟関係はない。
    • Messenia:Spartaによってかつて併合され、奴隷化された地域。60年前にテーベによって、スパルタに対する抑止として独立させられ、要塞化された。スタート時点でも強力に要塞化されており、反スパルタ的外交政策を維持している。独立国としてスタートし、同盟関係はない。
    • Lepreon:ペロポネソス半島西岸の豊かなTriphylia地域にある小さな都市国家。独立国としてスタートし、同盟関係はない。

質疑応答

Q1:いろんな都市がまとめられてるのはなんで?

A1:最大の理由は、この地方は非常に小さな都市国家群で構成されているが、私たちには取り扱える最小限の規模があるという点だ。


来週はReligious Omens(吉兆?)とその他について。

2018/11/07追記:調べきれていなかった部分についてコメントにて教えていただき、各所を訂正しています。ありがとうございます。

次回:開発日記2018年11月12日

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コメント

  1. Epirote League:エピロス連合。エピロスは厳密に言えばモロッソイ族(モロッシア)・テスプロートイ族(テスプロティア)・カオネス族(カオニア)の3部族からなる部族連合であった。この中で主導的な立場にあったのがモロッソイ族で、ピュロスは厳密にはこの部族の王であった。
    Accidae:アイアコス朝。モロッシア王であったエピルス王家はゼウスの子であるアイギナ王アイアコスの子孫を自称していた。アキレウスはアイアコスの男系の孫にあたる。
    Demetrius of Phalerum:ファレーロンのデメトリオス。現在のアテネ市ファリロにあたるファレーロン出身の雄弁家。逍遥学派の最初のメンバーの1人で、テオプラストスの弟子にしておそらくはアリストテレスの直弟子であったと考えられる。寡頭制の支持者であり、その長であったフォキオンの死後、カッサンドロスによってアテネの統治を任された。総じて有能ではあり、評価も高かったが、民主制の支持者と下層市民には悪しきざま言われ、カッサンドロスの政敵であったマケドニア王攻城者デメトリオス・アンティゴノスがアテネを獲得すると亡命を余儀なくされ、そのままアテナイ恒例の陶片追放を喰らい、以降アテナイに帰ることなく客死した。
    Akarnania:アカルナイア。アエトリアの東隣の地域で、伝統的にアケロース川をアエトリアとの境界線とし、その北限をアンヴラキコス湾口においていた。緩やかな都市連合であるアカルナイア連合が存在していた。
    Arcadian League:アルカディア同盟。アルカディアの都市連合。旧来ペロポネソス同盟の一員だったが、レウクトラの戦いでスパルタが大敗北を喫したことを契機にテーベの支援を得て独立した

    • 記事の該当箇所を訂正しました。詳しく教えていただきありがとうございます。大変助かります。

  2. >最大の理由は、この地方は非常に小さな都市国家群で構成されているが、私たちには取り扱える最小限の規模があるという点だ

    と言っているが、この時代を扱ったゲームでほぼ完全に無視される存在をかなり抽出されているのがすげえな。

    地域はもう少し細かく分離されているみたいだし、本当に楽しみだ。

    で、上の人ほど詳しくないが、ちょっとだけ書いておく。

    Aigion
    第二次アカイア同盟が結成された後に、同盟に参加し、中心都市(会合の場)になる。

    Patrai
    第二次アカイア同盟結成ポリスの一つ。

    この第二次同盟結成がBC280年以降なので、ゲームでは分けているのかもしれないが、HOIみたいに同盟結成や征服による国家の変体があるのかな。

    • 追記にあたってたいへん参考になりました。ありがとうございます。

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