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「Hearts of Iron IV」開発日記2018年8月29日――アメリカの見直し

HoI4 開発日記

「Hearts of Iron IV」開発日記2018年8月29日分が公開されていましたので、その内容をご紹介。今回はアメリカについて。

前回:開発日記2018年8月22日――機雷と掃海


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概要

開発日記2018年8月29日は、アメリカについて。

  • アメリカの方針ツリーはいくらか面白い非史実シナリオをもたらしたが、史実どおりにプレイする場合には戦争が始まるまで無為に時を過ごすことになっていた。これは歴史的なグランドストラテジーゲームにおけるアメリカの設計上の本質的な問題だ。
  • アメリカが史実の経済的摩擦によって自由に戦争に突入できるようにしてしまうと、枢軸国はパリに到達できず、戦争は1940年には終わってしまう。一方、史実の参戦時期までアメリカが参戦できないようにすると、アメリカのプレイヤーは1941年までやることがない。
  • したがって、私たちの見直しの目標のひとつは戦争の準備の間にプレイヤーのやることを増やすということだった。大恐慌から抜け出る道をもう少し複雑にするということが明白なスタート地点だ。ひとつの国民精神ではなく、大恐慌からの回復をよりなめらかに表現にできる3段階のものにした。しかし3つの国家方針を続けて取っていくだけなのではなく、大恐慌から回復するために多くのことをやらなければならないようにした。

議会

  • スクリプトベースの議会(Congress)システムに話を移そう。これは今のところアメリカに固有のもので、上下両院の議席変動をシミュレートする。これは多くのことと結びついているが、本質的には、プレイヤーが大恐慌のペナルティを低減させる国家方針を取るためには上下両院で過半数を保っていなければならず、ひとたびそれが成ればそれによってプレイヤーへの支持が低下する。これはプレイヤーからのさらなる見返りがなくいやいや賛成票を投じた議員をシミュレートしている。

  • プレイヤーはランダムイベントや中間選挙・大統領選挙で支持を得たり失ったりする。一般的には現職大統領側は議会選挙で支持を失いやすく、事態が特に悪化すると対立候補側が支持を翻して反対に回る。(注:コメントにて教えていただきました。ありがとうございます)
  • これ以外にも、議会で支持を得る多くのディシジョンがあり、単なるロビイングから、議員の選挙区へ投資することによる買収などがある。
  • 大恐慌から回復する以外にも、プレイヤーは選抜徴兵法(Selective Service Act)と両洋艦隊法(Two Ocean Navy Act)について議会の承認を得る必要がある。選抜徴兵法は方針ツリーで陸軍近代化ルートの入口となる方針であり、両洋艦隊法は海軍ルートの入口となる方針だ。必要な支持の数は戦争協力度による(一般的に、「法(Act)」とついている方針は議会システムと関係している)。

介入

  • 私たちが追加したいと思ったもうひとつものは、アメリカのプレイヤーに対して早いうちから世界におけるより活動的な選択肢を与えることだ。上で述べたように、これが多くの問題を引き起こしている。私たちはこれを考える必要のないものではなく、実行可能な選択肢にしたかった。

  • したがって、「限定的介入(Limited Intervention)」ルートには多くの制限がある。第一に、この方針を取るには充分な議会の支持を得ていなければならない(これについて、戦争協力度の低さは非常に多く議員の反対につながる)。その後、プレイヤーはヨーロッパとアジアのどちらの介入の準備を進めるか選択する。一方を選択すると、その介入について国民の支持を得るためのディシジョンがアンロックされる。多くのディシジョンが世界中のイベントに紐付いており、上の画像のようにアンシュルスに対抗するものもある。
  • しかし、こうしたイベントを利用するわずかな機会もある。それぞれのディシジョンには開発チーム内で「介入攻撃(intervention strike)」と呼んでいるものが追加され、「スリーストライクで爆撃開始」というものを除いて「スリーストライクでアウト」というようなものだ。これに関する特別なディシジョンがない場合、汎用ディシジョンでは目標に対する支持を得ることができる。国家が相手国に対して2回攻撃すると、プレイヤーは議会に対して制裁や介入を申し立てることができ、これにも多くの支持を必要とする(戦争中の国家に対して戦争目標を得る場合は容易で、相手国が攻撃戦争を行っている場合はさらに容易になる)。
  • これはプレイヤーが他の目標を追求するのを難しくする。連合国としてヨーロッパに介入したいなら、少なくともしばらくは経済改革は先延ばしになる。
  • 介入命令(intervention mandates)はアメリカ大陸でモンロー主義を侵犯する国家に対して介入する場合にも使われる。

  • 介入は戦争計画を使うことでよりよく準備することができる。方針を完了すると対応する戦争計画を実行するディシジョンがアンロックされ、国家その他に一時的なボーナスが付く。

イデオロギー

  • また、アメリカには素晴らしい内戦を用意した。史実でないイデオロギーのルートに入るには、内戦を戦わなければならない。「訴追の中断(Suspend the Prosecution)」ルート(共産主義ルート)と「アメリカファースト(America First)」ルート(ファシズムルート)はDLCの内容だ。

  • 共産主義ルートでは、完全に共産主義になるのではなく、議会の支持を得る新たな方法を開くものもある。急進的にする場合はアメリカ社会から人種差別をなくすことができるが、人種差別をいつも疑われる人々からの抵抗を引き起こす。この抵抗それ自体はなにもしないが、プレイヤーがより強く共産主義化を進めた場合、抵抗が激化し、最終的には燃え上がる。「労働組合代表法(? The Unions Representation Act)」の国家方針は抵抗を引き起こすもうひとつのものだ。
  • 内戦が勃発する前には「ポイント・オブ・ノーリターン」が存在する。ポイント・オブ・ノーリターンと実際の内戦勃発までの間には状況の進展を示すイベントがあり、このイベントは内戦勃発時にプレイヤーがどのような状況にあるかに対して実際に影響する。

  • 共産主義ルートで内戦が始まると、それは通常の内戦とは異なる。国家と軍が半分に割れるのではなく、新たなタグ(CSA)が登場する。共産主義ルートを進めている程度によっては、国家の一部が中立を宣言することもあるが、これにはディシジョンを通じて交渉もできる。
  • 私たちは第二次南北戦争を拡大した世界大戦の中の通常戦争にしたいと思っている。したがって、アメリカの第二次大戦を終えた後にも限定的な目標があるが、アジアの脱植民地化の推進や、中国内戦への介入、あるいは分裂した国家の再統合を行うこともできる。
  • ファシズムルートの内戦も似たような展開となる。銀の軍団(Silver Legion)と公式に提携するとさらなる抵抗を引き起こし、国家は内戦への道を進む。

  • 内戦に勝利してアメリカがファシズム国家になると、プレイヤーは残りの世界も征服しようするとするだろう。そこで国家方針を準備してある。戦争による安定度への影響を減らし、カナダに対してアラスカとの間の領土を割譲するように求め(「バンクーバーか戦争か!」)、キューバには独立をあきらめさせることができる。

質疑応答

Q1:議会は改造できる?

A1:完全にできる。

Q2:アラスカとかハワイとかプエルトリコを州にしたら上院の議席数は増えるの?

A2:それが全体の目的だ。(注:州に昇格させるのは議席を増やすのが主目的であるということか)プレイヤーを支持してくれる議席が2つ増えることになる(と同時にそうしたステートがコアステートとなる)。

Q3:Man the Gunsは拡張パスに含まれないの?

A3:含まれる。

Q4:議会は2つより多くの政党がある国家でも機能させられる?

A4:ほとんどの議会にはひとつの与党とひとつの(おおよそ誠意ある)野党がある。したがって機能はさせられるが、連立のようなニュアンスは表現できない。(注:他の国家でも機能させることはできるが、与党と野党という単純な二分法のみで表現するということか)

 


次回:開発日記2018年9月5日――改造と特性

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コメント

  1. 調べたらflip A and B でAを翻してBするの意味があるみたいなので、文脈を考慮しても賛成を翻して反対に回るみたいな意味な気がしますが、oppositionが名詞なのでなんか微妙な感じですね…

    議会制まあまあ面白そうですが、アメリカ専用なのなんかなぁという気がします…。

    • ありがとうございます。修正しました。
      そんなに込み入った文章でもないですし、素直に「賛成から反対に回る」というような意味で取ってよさそうですね。

  2. お疲れ様です。対立候補云々は
    支持が低くて困った事態になったら
    対立候補側に(プレイヤーが)つけば与野党が逆転して支持と不支持がひっくり返るよ
    みたいなことでしょうか

    • コメントでご指摘いただいたように、単純に支持から反対に回るというだけだと考えるのが自然な感じですので、おそらくそういうことだろうと思います。記事も訂正しました。

  3. 議会は暇を持て余すアメリカプレイヤーの為のものなのは分かるけど、イギリスにはあっても良かった気がする
    折角一緒に変更されるんだからついでに・・・

  4. 議会なんてあってないような日独伊はともかく英仏にはあってもいいような

  5. EU4の議会とかCK2の評議会は基本的にプレイヤーへの足かせでしかないからなあ
    議会という名のアメリカへの縛りの一つだろう

  6. まあスクリプトベースっていの一番に言ってる辺り
    要は英仏に議会追加したいなら君らでMOD使って好きにやりなってことなんじゃね

  7. いつもありがとうございます。
    アカでCSAって言われるとアメリカサンディカリスム連合逆輸入かと思ってしまった。アメリカ連合国のほうなんだろうけど。

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